みなさまこんにちは。
今回取り上げるのは、長らく争奪戦が繰り広げられているエクリプスのシーバスルアー、バロール130。
いまや入手困難となってしまったバロール130。 |
個人的にはリリース直後の2017年秋に、サヨリパターン向けに1本、翌年のバチパターン向けに1本購入し、それ以来ながく愛用しているルアーの一つですが、既に生産終了で廃盤との噂もあり、ネットオークションやフリマではウン万円とか、信じられないくらい高値がついていることもありますね。
買い足ししたくてももはや入手困難ルアーとなってしまいましたが、最近ちょっと話題になっていたということで、今更ながら今回はこのルアーについての長期使用インプレをご紹介したいと思います。
どんなルアー?
1934年創業の釣り用品総合商社である株式会社ツネミが2006年に立ち上げたソルトルアーブランドが「エクリプス」。
そのエクリプスから2017年10月にリリースされたルアーが、このバロール130。
兄弟分であるバロール90は2016年春のリリースでしたので、1年半ほど遅れての発売ですね。
バロール130は全長130mm、自重20gのシンキングペンシルで、バロール90と同様、エクリプスのプロスタッフである前田泰久氏の監修によるものです。
スタイルはやや薄型の細身ボディで、がまかつSP-MHの#6が3本装着された3フック仕様。
リングは#3、カラーバリエーションは全13色、税抜き定価は1980円です。
エクリプスのルアーはどれも良いフックとリングが付いてますね。
さて、どんなルアーなのか、メーカー説明文を引用してみましょう。
東京湾のエキスパート前田泰久が監修した表層系シンキングペンシル「バロール90」にロングモデルが登場!!表層をスローに引けるコンセプトはそのままに圧倒的な飛距離を追加!!
■キャスタビリティ
幅広いタックルで投げられるウェイト設定がクラス最大級の飛距離を実現。広範囲のサーチに加え、竿抜けポイントのフレッシュな魚にアプローチできる強力なアドバンテージを付与しました。
■レンジ 0~40cm
バロール90同様に素早い浮き上がりで表層をスローに引ける特性を実現。リトリーブを速めれば超表層の攻略も可能。河口や干潟などのシャローエリアはもとより、外洋など幅広いフィールドで使用できます。
■アクション
ロールをベースに時おりテールスライドを発生。暴れすぎないナチュラルなアクションは細身のボディと相まって、カタクチやイナッコなどの一般的なベイトはもちろん、サヨリや長バチなどの難パターンにも高次元で対応します。
■スリムボディ
ターゲットに違和感を与えにくく喰わせの力が強い細身のボディは空気抵抗も少なく飛距離アップにも貢献。澄潮、低活性・・・渋い時ほどバイトを引き出してくれます。
飛距離+表層+スロー+細身
バイブレーションやジグでしか届かなかったポイントの表層をスローに攻められる・・・それだけで出会える魚が増えることは間違いありません。
(バロール130 製品パッケージ裏面より引用)
開発当時の2017年のフィッシングショーでは、この130mmに加えて70mm、110mmの開発もアナウンスされていたうようですが、立ち消えてしまったんですかね。
その後結局70や110サイズが発売されることはありませんでした。
ボディ形状はバロール90と同様、波乗り形状と呼ばれる少し反り返った形状で、この形状とウエイトバランスで高い浮き上がり性能を調整しています。
全長は130mmとそこそこ長いですが、厚みを減らしてスリムな形状となっており、手にした時のボリューム感はかなり抑えられていますね。
このスリムさと先細りのテール形状は、非常に空気抵抗が少なく、飛距離面でも期待できそうです。
キャストフィール
開発当初はもっと重めでしたが、開発期間中にこの値に落ち着いたという20gというウエイトは、LクラスからMHクラスまで、幅広いパワークラスのシーバスロッドでとても扱いやすい重量。
先述の通りテールが細く空力が良いフォルムも相まって、非常に投げやすいと同時にキャスフィールも抜群に良いです。
バロール130は固定重心のルアーですが、絶対的な飛距離もかなり出るタイプで、強い向かい風や横風の中といった、他のルアーでは投げづらいような状況下でもしっかり飛ばせることが出来るルアーです。
このキャスタビリティ、キャストフィールについては個人的にもほぼ100点満点、まず不満が出ることはないでしょう。
アクションとレンジ
バロール130のアクションはローリングに控えめのテールスライドアクションが加わったもの。
兄弟分のバロール90と比べると、テールスライドのバタつき感はかなり抑え込まれ、ローリングに振ったアクションになっているのと同時に、アクションのピッチがよりゆったりとしたものになっていますね。
細身のフォルムと合わせて、ただ巻きでは派手さの無いナチュラルなアピールのアクションであることが、このルアーの大きな特徴の一つだと思います。
スイム動画も撮ってみましたが、天候が悪いのとルアーカラーの関係もあり、アクションがわかりにくいですね。
潜航レンジは、メーカー解説文によると0〜40cmとされています。
20gという重量がありながらも、浮き上がり性能はかなり良い方で、ただ巻きでの常用域でのリトリーブスピードでは、レンジは水面下10〜30cmといったところでしょうか。
アップでスローにリトリーブする場合を除いで、通常は40cmまではなかなか入らないように感じます。
バロール90同様のカップのような独特のヘッド形状も、リトリーブ抵抗のアップや水平姿勢のキープに一役買っているようですし、実際に使っていると水のつかみや流れに対する感度もかなり良いルアーだと思います。
使い方と有効なシチュエーション?
メーカーの解説文にもある通り、このルアーの最大の個性は「飛ばせて表層をスローに引ける」というところ。
近年はシンキングペンシルもかなり種類が増え、飛距離が出て遠くのシャローを引けるというルアーも多数ありますが、その大半はワイドなスラロームアクションのものばかり。
細身のシルエットにロール主体のナチュラルなアクション、かつシャローレンジ対応となると、一気に選択肢は少なくなり、このバロール130の独壇場になると思います。
これまではこのようなサイズ感と特性を持つルアーとしては、シマノのトライデント115S一択でしたが、トライデントは重心移動のバネ強度が弱く、たまに正常にアクションしてくれないという気難しい一面もあり、泳ぎの質がテールスイング寄りのハイアピールなものでロール主体のバロールとは少し異なり、また流れを当てた際の浮き上がり性能は良いものの、沈降速度が速すぎて極スローなリトリーブでは扱いづらいという特性がありました。
しかしこのバロール130は固定重心でアクションは安定しており、スローにリトリーブしてもシャローレンジをキープしてくれる特性を持つため、より扱いやすく安心して使うことができますね。
このバロール130の個性ともいうべきシャロー性能とナチュラルなアクションは、シャローの釣り全般、特に広大なオープンエリアの釣りにおいては、ベイトの種類を選ばず大活躍してくれると思います。
中でも特にマッチするのが、ルアーのサイズ感とアクションの性質から、秋のサヨリパターンと春のバチパターン。
リアルキビナゴカラーでのサヨリパターンでの釣果! |
私のホームのサヨリパターンでは、どちらかというと岸近くのシャローでの接近戦になるシーンが多いのですが、ボイルが遠い時、距離をとってキャストが必要な時、遠投した先のシャロー地形変化を狙うとき、強い横風の時などでは、サヨリパターン用のミノーで適したものが無くて困るシチュエーションを見事にカバーしてくれますね。
バチパターンの方は、バロール130のシルエットから長バチ限定と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、バチパターンの釣りはレンジとスピード、アクションがマッチすれば、サイズやシルエットは関係なく食わせられるので、クルクルバチが湧いている状況でも十分活躍してくれますね。
先日もバチパターンの釣りで使ってみましたが、季節風で爆風の中、水面下ではクルクルバチが湧いているのが目視できるという状況があったのですが、一般的なバチ抜け対応ルアーではまともに投げることもできないような状況の中でも見事にシーバスを連れてきてくれました。
強風下での撮影で画像がブレブレですがバチパターンの中、サンライズチャートでの釣果です。 |
ここでもやはり、風の中でもそこそこ踏ん張りが効いて、シャローレンジをキープできるこのルアーの特性が活きたのだと思います。
インプレまとめ
今回は入手困難ルアー、エクリプスのバロール130についてお送りしましたが、いかがでしたでしょうか。
このルアーの特徴を簡単にまとめると、「遠くのシャローをスローにナチュラルに攻められる強風に負けない遠距離砲」といった感じでしょうか。
沖の流れの中で出た魚。ボイルの無い中でのヒットですが、バッチリハーモニカ喰いしてました。 |
私は個人的にナイトゲームで使うことばかりなのですが、この特性は同じ遠投が効くルアーであるバイブレーションと比べると、まさに対極の攻め方のルアーということになるので、もしかしたらデイゲームでバイブレーションのフォローとして、まったく正反対の攻め方をする時に威力を発揮してくれるかもしれませんね。
このバロール130、他に代替品となるルアーが無い独特の個性を持つルアーであるため、生産中止の現在、恐ろしいほど高値で取引されているのだと思います。
しばしば強い風に見舞われることも多いオープンエリアのシャローの釣りでは、絶対持っていて損はない一本、しかし、現状入手困難であるため、是非ともメーカーさんには再生産して欲しいところですね。
ついでに開発途上で立ち消えてしまった、70mm、110mmサイズも発売してくれないかなぁ。
ちなみに、2022年には新色が追加されて再販されるという噂がありましたが、5月現在でも再販開始のアナウンスはまだありませんね。早く再販して欲しいものです。
2022年以降の釣行記は姉妹サイト「スモールフィッシング」に記しています。
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