みなさまこんにちは。
個人的にお気に入りの神明方面は今時期はライトゲームはオフシーズン?
単に私が釣り場を知らないだけかもしれませんが、アジの姿は全く見えませんし、メバルも小さいのしか釣れません。
春になるとまたいいサイズのメバルが釣れるようになるはずなので、早く春が来て欲しいなぁと考える日々。
去年の春はプラッギングばかりやっていましたが、今年はジグ単で狙いたいですな。
そんなジグ単の釣りですが、昨年、生まれて初めてエステルラインを使ってみて、その性能に非常に驚かされました。
表層中心の攻めとなるメバリングでは、そこまで大きなメリットを感じるシーンは少ないかもしれませんが、短時間の間にレンジがコロコロ変化するアジングでは、水中を縦横両方向、3次元で探る必要性があるため、やっぱりそういうシーンでは圧倒的にエステルラインの使用感が優れていますね。
そういうわけで、いろんなエステルラインを使ってみようと、昨年は短期間のうちに3銘柄を試してみたのですが、今回はそのうちの一つ、YGK チェルム アンバーコードSG S-PETポリエステルについてのインプレを書いてみたいと思います。
YGK チェルム アンバーコード SG S-PETポリエステルとは
旧名の「YGKよつあみ」の方がしっくり来る方も多いかもしれませんが、ラインメーカーであるYGKからリリースされているライトゲーム用ラインのブランドがチェルム アンバーコード。
同ブランドからは、今回ご紹介するS-PETと、以前以下記事でご紹介したD-PETという、2種類のエステルラインが発売されています。
どちらのラインも定番商品で、シーバスばかりやっていてあまりライトゲームに詳しくなかった私でも、以前からその存在は知っていました。
両者の違いは糸の特性。
誰でもわかる大きな特性の違いは、D-PETがしなやかで柔らかいタイプであるのに対して、S-PETは一般的なエステルラインらしい硬さがあり、強度を求めたタイプであること。
このS-PETがどんなラインなのか、メーカーサイトの解説文を引用してみましょう。
CHERUM AMBERCORD SG S-PET
素材特性を極限まで高めた最高品質 確かな品質がチェルムという選択を後悔させない 最強エステルライン。
0.25号でMax0.71kgf、単純結節強力0.69kgf! 直線強力との結節強力比率97.4%という驚くべき結びの強さを実現。
LENZING社製フッ素系高分子繊維プロフィレン原料とYGKテクノロジーの融合が生み出した逸品である。
優れた耐熱性・疎水性・摩擦係数の低さが、弱ショック吸収力をもカバーするアドバンテージをもたらします。
また、S-PETを高視認顔料失透グリーンで染め上げたカラータイプ。
顔料仕様による僅かな直線強力低下(0.25号Max0.67kgf、単純結束強力0.65kgf)はあるものの、優れた視認性で気配を感じ取る能力に極めて高い優位性を発揮します。
(YGK チェルム アンバーコード SG S-PET ポリエステル 製品ページより引用)
カラーラインナップはクリアと失透グリーンの2色で、染色されていないクリアの方が引張強度は高いです。
比重はエステルなのでD-PETと同じ1.41です。
この製品のラインナップ一覧を下表に記します。
号数(号) LB 規格(m) JANコード 価格(円) 0.175-クリア 1.1 150 4988494-870483 1,650(1500) 0.2-クリア 1.2 150 4988494-870414 1,650(1500) 0.25-クリア 1.5 150 4988494-870421 1,650(1500) 0.3-クリア 1.8 150 4988494-870438 1,650(1500) 0.4-クリア 2.2 150 4988494-870445 1,650(1500) 0.5-クリア 2.7 150 4988494-870452 1,650(1500) 0.6-クリア 3.3 150 4988494-870469 1,650(1500) 0.8-クリア 4.4 150 4988494-870476 1,650(1500) 0.2-グリーン 1.1 150 4988494-871817 1,650(1500) 0.25-グリーン 1.4 150 4988494-871824 1,650(1500) 0.3-グリーン 1.7 150 4988494-871831 1,650(1500) 0.4-グリーン 2.1 150 4988494-871848 1,650(1500) 0.5-グリーン 2.5 150 4988494-871855 1,650(1500)
(YGK チェルム アンバーコード SG S-PET ポリエステル 製品ページより引用)
驚きなのはその強さ。
例えばクリアカラーの0.3号1.8lbという強度は、一般的なエステルライン0.4号相当の強度ですし、0.4号2.2lbというのもの、一般的なエステルライン0.5号以上の強度ですよね。
ワンランク上の号数に匹敵する強度は、まさに最強と呼ぶにふさわしいエステルラインだと思います。
ただし、実際の製品パッケージ裏面には、以下のような但し書きがなされています。
※直線破断伸度がナイロン・フロロの約60%と超高感度であるがため、ショック吸収力が弱く、スイープフッキングとスローからレギュラーアクションロッドでの使用でないとラインブレイクを招く恐れがあります。
(チェルム アンバーコード SG S-PET ポリエステル 製品パッケージ裏面より引用)
なるほど、耐ショック性に関しては、伸びが少ない分若干弱めなようですね。
以下では、このラインをしばらく実釣で使用してみた感想も含めて、インプレッションを記していきたいと思います。
キャストフィール
キャストフィールに関しては一般的なエステルラインと特に変わらないと思います。
私はクリアカラーを使用しましたが、糸表面もつるつるしていてガイド抵抗なども少なそう。
まあ可もなく不可もなく、一般的なエステルラインのキャストフィールだとは思いますが、ラインが硬めで直線性が高いせいか、実釣における飛距離は不思議と伸びているような気がしますね。
しかし、このS-PETを使う上で特に気を付けたいのがスプールへの糸巻き量。
このラインは結構硬いラインなので、スプールエッジをはみ出すくらい巻いたり、ギリギリまで目いっぱい巻いたりすると、結構な頻度でスプールからラインがばらけてトラブルの元になります。
ここまで巻くとちょっと巻きすぎですかね。もう少し嵩を減らした方が良いです。 |
これはキャスト関連の動作時にかかわらず、風があるときなんかでも発生しがちなので、このようなトラブルを回避するためにも、糸巻き量(嵩)はやや少なめに巻くのが肝要だと思います。
優れた感度と操作性
ハードタイプのラインであるため、メリットもあればデメリットもありますが、特にこのS-PETを使っていてメリットとして大きく感じるのは、非常に感度に優れたところ。
同じ号数のD-PETと比べても、使用時の伸びが少ないように感じられ、アタリ感度は明らかにこちらS-PETの方が上です。
あまりにもS-PETとD-PETで伸び感に違いがあるため、両者の伸縮率の違いを以前調べたはずなのですが、残念ながらどこで調べたのか、その結果も含めて忘れてしまいました。
しかし、定量的な数値でその差が判らずとも、ほとんどの釣り人は両者を使い比べたら明らかに伸び率が違うことは使用感の差として感じ取れると思います。
特にアジングでよくあるカンといった金属的なアタリを響かせる能力はこのラインがピカ一だと思いますね。
また、その伸び感の少なさは、ディープレンジにおけるジグヘッドの存在感の感知能力や操作性の高さにも直結しており、全体的に得られる情報量の多い釣りを可能にしてくれるラインです。
デイ、ナイトに関係なくこの情報量の多さ、操作性の高さは特にジグ単アジングの釣りでは非常にありがたい特性だと思います。
ライントラブルに要注意
一方で、その硬さ故のデメリットもあります。
一つは上で述べた、スプールからばらけ易くトラブル原因になりやすい点ですが、もう一つは糸ヨレの影響を大きく受ける点。
ラインは種類やしなやかさの大小にかかわらず、スピニングリールを使えば必ず糸ヨレは発生するものですが、このラインはハードなタイプゆえ、糸ヨレを中にため込まない、つまりヨレた分だけ逆方向に回転しようとする力がよりダイレクトに働くタイプ。
そのため、あまりラインに糸ヨレが溜まると、比較的簡単にスプール爆発やエアノットなどのライントラブルを起こしてしまいがちです。
ライトゲームでは当たり前のようにドラグワークを多用しますが、コレも要注意。
大型魚を掛けて、さんざんドラグを使用した後は、想像以上にスプール内のラインに糸ヨレが掛かっていますので、そのまま使い続けると間違いなくライントラブルが発生します。
これはどのようなラインでも言える内容ですが、S-PETの場合はD-PETと使い比べると明らかに糸ヨレ耐性は低い(トラブルを起こしやすい)と言えますね。
糸ヨレが溜まってきたなと思ったら、以下のようなアイテムでしっかりとヨレを解消してあげることが重要ですね。
強度と耐久性
このライン、製品パッケージの但し書きの通り、瞬間的なショックには弱いようですが、引張強度に関してはさすがの高さ。
まだ慣れない頃に30cm台後半の大きなサバをこのラインで何匹も釣ってしまいましたが、高い足場でちゃんと抜きあげることができました。
ロッドが折れないかひやひやしましたが。
また、このS-PETの0.4号では、その引張強度の高さゆえに根掛かり回収率もかなり高いです。
一般的なアジング用ジグヘッドなどでは、岩などへの根掛かりの場合大抵フックを折ってジグヘッドを回収することが可能なくらいです。
0.3号でも、土肥富のレンジクロスフックSSやSあたりまでなら、かなりの確率でこのように回収することができます。
総じて、引張強度面はエステルラインとしては文句なしだと思います。
一方、耐久性の方は特に目立った特徴はなく、普通のライン並みといった感じでしょうか。
シマノのエステルライン、サイトレーザーの同号数としばらく使い比べましたが、引張強度ははるかに上ながら、ラインとして明らかに劣化を早く感じたのはこのS-PETの方でした。
インプレッションまとめ
さて今回は、YGKのライトゲーム用エステルライン、チェルム アンバーコード SG S-PET ポリエステルについてのインプレッションをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。
YGKがそもそもなぜ、紛らわしい名前の2種類のラインを出しているのか、最初はわかりませんでしたが、使い比べてみると両者の性質は大きく異なり、なるほど特性に応じて使い分けろってことなのねと理解することができました。
このS-PETの方はエステルらしいハリと硬さのあるラインで、感度も操作性も引張強度も非常に素晴らしいものがありますが、その反面耐ショック性に弱く、糸ヨレなどの影響を受けやすくライントラブルを誘発するリスクも高いラインです。
そのため、ある程度ライトラインの扱いに慣れていないと難しいかなということで、あまり初心者向けのラインではないように思います。
しかし、このじゃじゃ馬的な特性をうまく使いこなせてこのラインを使うことのメリットを享受できれば、最高の釣果を得られるかもしれません。
個人的にはディープレンジを狙う冬場の渋い状況下でのアジングなんかにピッタリじゃないかと思いました。
急な突っ込みなどを見せるメバリングなんかには、伸びてショックを和らげてくれるD-PETの方が向いてそうですかね。
いずれにせよ、D-PETとはかなり方向性は異なりますが、このS-PETもその特性を理解して使えばメリットの大きい、とても優れたラインだと思います。
気になる方は、是非ご自身で手に取って使ってみてください。
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