みなさまこんにちは。
前回記事にも書いた通り、しばらくバイブレーションルアーの釣りを敬遠していましたが、今年のマイクロベイトシーズンからはちょっとデイゲームの機会も増やしたいなと思い、新しく鉄板バイブレーション系ルアーをいくつか買っては実釣で試しています。
そういう次第で今更ですが、初夏のマイクロベイトシーズンに最適なルアー、コアマンのIP-10についてインプレを書いてみたいと思います。
コアマン IP-10とは
2023年4月にCOREMANからリリースされた、アイアンプレートの最小サイズがコアマンIP-10。
正式名称は「IP-10 IRONPLATE HIGH&LOW」ですが、このハイアンドローのサブネームが示す通り、通常のIPのサイズ違いではなく、ハイスピードでの表層狙いとロースピードでのボトム狙いに特化したアイアンプレートの中でも変わり種のモデルとなります。
どんなモデルなのか、製品リリースニュースより引用しましょう。
アイアンプレート ハイ&ローに、極小サイズの10gが新登場
シーバスゲームにおける鉄板バイブレーションのカテゴリーを作り上げたアイアンプレートがアップグレートしました。
難攻不落のマイクロベイトパターンに対応します。
小型軽量なのでシャローエリア攻略への幅が大きく広がります
食わないボイルは超表層の早巻きで試してみてください
ボトムでのリフト&フォールではエビやカニなどの小型の甲殻類を演出できます
■ FEATURE ■
元祖シーバス専用メタルバイブ、アイアンプレートのテールをカットしたデザイン!ショートボディバージョン!
このチューニングによって、シリーズ最高のアクション高速起動と最強波動、そして最強フラッシングを実現しました。
得意なステージは表層(HIGH)と底層(LOW)のレンジ。季節は夏(高水温期)と冬(低水温期)が特に高実績です
【サイズ】 : 40mm 【ウエイト】 : 10g
SNAP: コアマン スナップ #00
RING: コアマン オリジナル #1
HOOK: がまかつ トレブル13 #12
(COREMAN IP-10 IRONPLATE HIGH&LOW リリースニュースより引用)
飛距離とキャストフィール
40㎜、10gとボリュームもウエイトも小さいですが、IP-10は通常のIPの金属板部分をぶった切ったようなショートタイプのボディとなっており、その体積の大半が鉛素材です。
そのため、サイズからは考えられないほどの飛距離をたたき出してくれます。
このルアーが活躍するマイクロベイトシーズンで多用される0.6号、0.8号はもちろん、1号、1.2号といった太目のPEラインを使用した時であっても、キャスト時にぐいぐいスプールからラインを引っ張り出してくれる感覚で、抜群の、そして安定の飛距離性能を誇ります。
ちょうど同じ10gという鉄板バイブレーションは他に知りませんが、仮に存在したとして、これほど飛ぶタイプも珍しいと言えるでしょう。
飛距離、キャストフィールとも文句なしで、マイクロベイトシーズンに多くなる南西寄りの風の中でもロングレンジを狙えるルアーだと思います。
レンジとアクション
上述の通り、ボディの大半を鉛が覆ったルアーで、かつボディ本体が非常に小さいため、当然比重はMAX。
沈降スピードがかなり速く、任意のレンジに素早く到達してくれます。
そのため、リトリーブスピードとロッドティップの角度でレンジを調整することになりますが、HIGH&LOWの名の通り、ロッドを立て気味にして高速リトリーブすることで、水面下20~30㎝前後という表層付近を攻めるのと、低速リトリーブでボトム付近をトレースするのと、大きく分けて2種類の攻め方を得意とするルアーです。
ボディの大半を鉛でおおわれているにもかからわず、レスポンスは非常によく、巻き始めからアクションエラー少なくブルブルとしたバイブレーションを発生させます。
イメージとしてはシュナイダー13やオニマルのようなロール寄りのアクションではなく、どちらかというとウォブリング要素が強いイメージでしょうか。
リトリーブ抵抗は40㎜とは思えないほど強めではっきりしたもので、結構ティップが入り込みます。
明らかに「強波動タイプ」のアクションといえますね。
日没間際、IP-10グリーンピンクに食ってきたフッコサイズ。 |
そういえば、先日以下記事で紹介したアイアンマービー40も、同じ40㎜サイズですが、ボリューム感は圧倒的にIP-10の方が上、飛距離も「2倍」とはまではいかないまでも、それに近いくらいの差があります。
が、最も異なるのはアクションの質。
アイアンマービー40が、どちらかといえば居ると分かっているシーバスに食わせる能力が高いロール寄りのアクションであるのに対して、IP-10は強波動で気づかせ、追わせるタイプの、リアクションでヒットに持ち込みやすいウォブリング寄りのアクション。
どちらが良いかは適材適所ですが、同じ鉄板、同じサイズでもアクションによって全く異なる個性が出てきますね。
どんなシーンで有効か
小さなボディで強波動という組み合わせ、ありそうでなかなかないタイプだと思いますが、それゆえにこのIP-10が特異な才能を発揮するのが、春から初夏にかけてのマイクロベイトシーズンのデイゲーム。
例えば私が通うフィールドなどでは、遠くに馬の背状のシャローがあったり、干潟で遠浅のシャローフラットが広がるような場所が多いですが、そのような場所を離れた位置から直撃して、ハイスピードリトリーブで手返しよく探る場合には、IP-10は申し分のないルアーだと思います。
ワールドシャウラリミテッド2831R-2の入魂式当日にも、IP-10のイズミジャイアンが見事結果を出してくれました! |
小粒で飛距離抜群なので、広範囲を探れるのと同時に、強波動であるため、広大なオープンエリアの中でも明らかにシーバスに気づいてもらえる可能性が高いように感じます。
もちろんこれは遠方で見えるボイルなどにも有効です。
強波動であるがゆえに、シーバスのスレを進行させる可能性も高いですが、ボディが小さく見切られにくい側面もあるので、実際連投で連続ヒットなんてこともありましたし、大型メタルバイブに比べればスレ進行はマシな方だと思います。
ただ、リトリーブ抵抗が強いルアーであるため、初夏のデイゲームなどでは連投するのが結構疲れる、使い続けるのに体力が必要なルアーだとも言えますね。
このマイクロベイトシーズンの時期は、ボトムにヒイラギのような魚が出没する時期でもあるので、遅めのリトリーブでそういった底生ベイトを演出する使い方ももちろん効果的だと思います。
バチ、マイクロベイトシーズン、ボトムには写真のような子ヒイラギや子ハゼなども増えてくる季節なので、ボトム付近狙いにも活躍してくれます。 |
実際試してみると、特にリフト&フォールのようなアクションを入れなくとも、チヌキビレの類も非常によく釣れますね。
チヌやキビレもIP-10は大好物。フックが小さいのでシーバス同様バレやすいですが、数釣りも可能です。 |
一般的なメタルバイブ、鉄板バイブレーションに比べると個性的なルアーですが、適合するシーンは結構あり、他で代替できない特性を持ったルアーなので、2,3個持っていて損はないと思います。
コアマン IP-10 インプレッションまとめ
さて今回はコアマンから2023年にリリースされた小型鉄板バイブレーション、IP-10HIGH&LOWについてのインプレッションをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか?
個人的にプラグでもシンペンでもバイブレーションでも、「小粒だけど強波動でアピールが大きい」ルアーは大好物。
というのも、普段干潟オープンエリアでの釣りばかりなので、魚のつき場的な要素を狙うことが少なく、どちらかというとうろついている魚にルアーに気づいてもらって、食ってもらうことが一番重要なんですよね。
そういう中で、コアマンIP-10、抜群の飛距離で遠距離から狙えて、見切られにくい超小粒ボディながら非常に強い波動とフラッシングで、魚に「気づかせる」要素も十分。
フックが非常に小さくボディ比重が高いため、エラ洗いでばれることがかなり多いルアーですが、とにかくアタリの数は圧倒的に多いルアーだとも言えます。
IP-10は釣れる魚のサイズは選べないため、バレ頃サイズが良くかかります。 |
初夏シーズンまでは、複数個常備しておいて絶対損はないルアー。
気になる方は、ぜひ試してみてください。
ということで、今回のお話はおしまい。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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