みなさまこんにちは。
もういつからだったか覚えてないくらい長年シーバスをやっていますが、その長いシーバス歴で先日初めて、MH(ミディアムヘビー)クラスのロッドを購入しました。
2023年秋にエクスセンス インフィニティに追加されたモデルのうちの一つ、S90MHです。
自身初のMHロッド、一体どんな感じだったのか、今回はそのファーストインプレッションをお届けしたいと思います。
目次[非表示]
'23 エクスセンス インフィニティ S90MH とは
エクスセンス インフィニティ S90MHは、2022年に登場した現行エクスセンス インフィニティに対して、2023年秋モデルとして追加された番手。
エクスセンス インフィニティは以下記事にも書きましたが、2022年登場時、発売が秋予定だったものが大きく遅れて結局年末に出荷されたという経緯がありました。
しかし今回のS90MHは、8月31日に「9月発売予定」と発表され、その約2週間後である9月11日にはメーカーから出荷が始まったようで、最近出荷予定が遅れがちだったシマノにしては珍しくスムースにデリバリーできたアイテムのようですね。
そんなS90MHは、同シリーズのスピニングモデルラインナップの中で最も強いMHクラスのロッドとなり、中~大型のバイブレーションやブレード系ルアーといった、引き抵抗の強いルアーが操作しやすいロッドです。
どんなロッドなのか、メーカーの解説文を引用してみましょう。
中~重量級ルアーを正確かつ軽快に操作。ランカーを制するストロングモデル。
テクニカルなゲームを得意とするストロングロッド。12~17cmクラスのミノー、20~40g超のバイブレーションやビッグペンシルなどに適応。抵抗の強いルアーに対する安定した操作性とキャスト性能が魅力。大型ベイトフィッシュを捕食するランカーシーバス攻略に威力を発揮。港湾、河川、干潟、汽水湖などで活躍。
(シマノ
エクスセンス インフィニティ 製品ページより引用)
基本的なスペックは、以下の通りです。
品番 | S90MH |
全長(ft.) | 9'0" |
全長(m) | 2.74 |
継ぎ方式 | インロー |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 141.1 |
自重(g) | 129 |
先径(mm) | 1.8 |
ルアーウェイト(g) | 8~50 |
適合ラインPE(号) | 0.8-2 |
グリップタイプ | カーボンモノコック |
リールシート位置(mm) | 386 |
リールシートタイプ | UPLOCK |
カーボン含有率(%) | 99 |
本体価格(円) | 85,000円 |
商品コード | 335302 |
手にした印象
現行モデルのエクスセンス インフィニティについては、昨年S90MLを購入して既にしばらく使っているので、先代である'17エクスセンス インフィニティとの違いや手にした新規フィーチャーに関する感想、手にした第一印象などは以下の記事にも書いています。
今回手にしたS90MHは、ロッドのパワーはもちろん、先径や元径、重量などスペック面では随所に違いがあるものの、レングスやリールシート位置、ガイドセッティングなどはS90MLと全く同一の値です。
上がS90MH、下がS90ML。元径の太さはじめ明らかにS90MHの方がゴツさを感じさせる作りですが、グリップ周りのデザインや寸法は同一です。 |
私自身にとっては初めて購入したMHロッドということで、ガチガチのロッドを想像していましたが、手にした印象としては、確かに硬いけれども、思いのほかしなやかさも兼ね備えているなというものでした。
確かに素振りではほとんどブランクスはしなることは無く、なるほど硬いなと思わせますが、リールをセットしてラインを通して、そのラインを引っ張ってまげてやると、意外とスムースにしなやかに曲がりこんでくれます。
そのパワー感は明らかにS90MLよりも一段、いや二段階上のものですが、そこまで強すぎる印象ではなく、ワールドシャウラ2832RS-2より一段強いかな?という程度のもの。
ということは、2833クラスってことですかね?2833は一度も触ったことないのでよくわかりませんが。
自重129gっていうのも、S90MLの118gと比べるとそこそこ重めですが、しかし一般的な9ftのMHロッドとしてはかなり軽量で、強さの割に軽いなという印象も受けました。
釣具店でエクスセンス ジェノスのS90MH/R、ワイルドコンタクト90は何度か触ったことがありますが、それより一段軽い印象ですね。
現行エクスセンス インフィニティのブランクスデザインは必ずしもシャープ寄りとは言えないのですが、カーボンシェルグリップ採用による視覚面、触覚面での効果でしょうか、ワイコン90よりも手にするとシャープな印象を受けます。
S90MLでも非常に使いやすかったカーボンシェルグリップは、感度面はもちろん見た目にもシャープさを感じさせますね。 |
ディアルーナやルナミスのMHとは違う!
実はこのS90MHを検討する前、ディアルーナやルナミスのMまたはMHも購入候補として検討していました。
というのも、普段ほぼ湾奥干潟でしか釣りをしない私にとって、MHのロッドパワーを必要とする釣りをする機会は一年を通じても非常に限られる、要は、年に数回程度しか使わないため、そうであればコストパフォーマンスを考えてディアルーナとかでもいいかなと考えていた次第。
そのため、何度か釣具店でこれらのロッドも触っていましたが、ディアルーナやルナミスのMHは、バキバキに硬くてとてもじゃないですが使いこなせる自信がもてませんでした。
Mのモデルを持ってみても「コレでホントにM表記なのか?」と思ってしまうくらい、かなり硬い。
実際スペックを比べてみると、ディアルーナやルナミスのMHでは、適合PEラインが1~2.5号、適合ルアーがプラグで10~50g、ジグで~60gまでとなっている一方で、エクスセンス インフィニテやジェノスのMHでは、適合PEラインが0.8~2号、適合ルアーが8~50gとなっているのです。
適合ラインの太さで見てみると、エクスセンスのMHはディアルーナやルナミスのMと同じですね。
この比較からも分かる通り、エクスセンス インフィニティやジェノスのMHは、ディアルーナやルナミスのMHに比べて、同じMH表記でありながら、より繊細な釣りにも対応できるMHとなっているのです。
このインフィニティS90MHでは実際に釣り場でアーダー零イノベーターやアイボーン78Fシャロー、サブラシステムミノー9f、Coo100など、8g未満の極軽量ルアーもいろいろ投げてみましたが、これらのルアーも問題なくキャスト、操作できるロッドでした。
MHということで大型ルアーをイメージさせますが、意外と軽量ルアーについての操作性やキャストフィールも悪くありません。 |
なぜこういうセッティングになっているのかは分かりませんが、これはディアルーナやルナミスと、エクスセンスとのキャラクターの違いかも知れません。
エクスセンスがシーバス専用機であるのに対して、ディアルーナやルナミスはシーバスイメージが強いものの、その生い立ちは汎用ショアキャスティングロッドであるため、サーフや磯場でのフラットフィッシュや青物など幅広いターゲットに向けたロッドになっています。
そのため、エクスセンスではよりシーバスロッドとしての適応力を高めるため、より繊細なアプローチにも適合できる塩梅のスペックになっている、一方で、ルナミスやディアルーナは他魚種多釣方に対する適応力を高めるためのスペックになっているのかも知れませんね。
C3000番にもバッチリマッチ!
このエクスセンス インフィニティS90MHは、MHという表記のロッドであるため、どうしても太いラインや大きいリールとの方が相性がよさそうなイメージを持ってしまいがちです。
しかし、先述の通り、自重も129gと9ftMHにしては非常に軽量で、更に手にした時の印象はパワー感こそ異なるものの、S90MLと同じシャープな感覚。
そのため、意外にもこのロッド、1号以下のPEラインやC3000番リールとの相性もバッチリです。
実際に、1号PEラインを巻いた'22ステラC3000XGを装着して釣りをしてみましたが、実釣時のバランスも悪くありません。
さすがにこの硬さで96レングスとかになると、4000XGあたりが欲しくなってくるでしょうが、少なくとも90MHに関しては、C3000番でも十分なマッチングだと思います。
流れの強い河川での釣りや障害物の多い場所、ランカーだけを狙った釣りならいざしらず、PEライン1.2号クラスまでを使うカジュアルな釣り、ランガンメインの釣りなら、C3000でも全然不足はないと思います。
'22ステラC3000XGを装着した様子。マッチングは悪くありません。 |
ロッドパワーは欲しいけどタックル総重量が重くて疲れるのはイヤだなぁという人には、ちょうどいいパワーロッドだと言えるのではないでしょうか。
もちろん、より手元に重心が来る4000XGの方は、更にバランスが良くなるのではないかと思います。
ちょっと4000XGも欲しくなってきましたw
これはあのロッドとモロ被りでは?
そんなエクスセンス インフィニティS90MH、まだお試し釣行に持っていっただけで、魚を釣っていないため、本格的なインプレッションを記すのはまだまだ先になりそうですが、ちょっと使ってみて強く感じたのが、同じエクスセンスシリーズのワイルドコンタクトとの類似性。
ご存じの通りエクスセンスのワイルドコンタクト、中でも、9ftレギュラーアクションのS90MH/Rは、初代エクスセンス登場時からラインナップされていた、 松岡豪之氏の手掛ける「硬いけど曲がる」を旨とする名竿です。
私自身はこのワイコン90を使ったことはありませんが、インフィニティS90MH購入前に、釣具店でイヤというほど触っていましたw
で、実際にインフィニティのS90MHを使ってみて思ったのが、驚くほど両者が似ているなということ。
ともにMH表記ながら、必ずしもパワー感ばかりが前面に出たいわゆる「硬い」竿ではなく、手にしたときには硬く感じても負荷に対しては意外にスムースにベンドして、強さはあるけれどもしなやかに曲がってくれる躾のロッドなのです。
適合ルアーウエイトや適合ラインなど数値上のスペックも全く同じで、更にロッドの躾としても非常に類似性を感じさせるのです。
エクスセンス ジェノスは来年2024年秋にはモデルチェンジされるであろう、もはやモデル末期のロッドですが、先にインフィニティの方でワイコン90のお株を奪うようなモロ被りのロッドをリリースして、ジェノスの方のセールスに響かないのでしょうか?
それとも、ジェノスの方ではワイコン90後継はもう出ないということなんですかね?
そんな心配をしてしまうくらい、キャラが被ったロッドだと思います。
こんなシーンで活躍しれくれそう!
普段湾奥の釣りしかしない私、正直このS90MHのスペックはかなりオーバーパワーなのですが、実はどうしてもこの硬さが欲しいと感じる釣りがあったため、購入に至りました。
それは、晩夏のイナッコパターンと秋のサヨリパターンの釣り。
いずれも、ナイトゲームで岸際シャローに追い詰められたベイトを捕食する大型で引きが強いシーバスが相手の釣りです。
とはいえ、湾奥干潟で釣れるサイズはランカーも含めて、正直MLクラスのパワー感でも余裕でやり取りできます。
ではなぜ、このような強いロッドが必要だったのか?
それは、このシーズン特有のド派手なバイトに対応するためです。
サヨリパターンの時は、比較的6番フックのミノーなども使用しますが、晩夏のイナッコパターンでは、以下記事の通り4番の太目のフックを背負ったTKRPをメインルアーに使うことが多いです。
そして、シーバスがこれらのルアーにバイトする際、ド派手に水面を爆発させて出ることが大半。
この時、MLクラスのロッドでは、ティップが急激に持っていかれることが多いのですが、この時ベリーまで入り込んで、太軸の大き目フックをがっつりとフッキングさせきれず、掛かりの浅い状態で結局ファイト中にバレてしまうことが多いのです。
そのため、普段ML以下の軟調ロッドが好みの私も、この時期の釣りだけは今までワールドシャウラ2832RS-2というやや強めのロッドを使ってきました。
ファイトに関しては、2832くらいのパワーがあればシーバス程度なら十分なのですが、もう少し長めのレングスで、もう少しベリーにパワー感のあるロッドを・・・ということで、たどり着いたのがインフィニティS90MHという次第です。
ということで、ビッグベイトとか大型プラグは個人の趣味として年間通じてほぼ投げることは無いのですが、晩夏から秋シーズンの釣りに向けて、MH購入に至った次第。
まだ実釣では使えていませんが、このロッドなら水面爆発バイトでも間違いなくフッキングを決められると妄想して、今秋の釣りが楽しみでなりません。
エクスセンスインフィニティ S90MH ファーストインプレッション まとめ
さて今回は、2023年秋にエクスセンスインフィニティに追加リリースされたパワーモデル、S90MHについてのファーストインプレッションをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか?
自身にとっては初めてのMHロッドでしたが、手にして使ってみると思いの他扱いやすく、汎用性もあり、いままでMHのロッドに抱いていたイメージをいい意味で覆してくれたロッドでした。
曲げこむと明らかに感じる漲るようなパワー感はあり、S90MLとの違いは大きく感じられるものの、実釣での操作時には意外と繊細な一面も持ち合わせており、軽量なルアーでも過不足なく扱えて、予想外に汎用性は高いロッドだと感じました。
デカい魚やデカいルアーばかりじゃなくて、シーンに合わせて敢えてのパワーロッドをチョイスする時にも、このエクスセンス インフィニティS90MH、いい選択肢になるのではないでしょうか。
また何匹か魚を釣ってみてから、別途実釣インプレッションを書きたいと思いますが、ファーストインプレッションとしては、このロッドを購入したことを非常に満足に感じています。
気になる方は、是非実物を手に取ってみてください。
きっと気に入ると思います。
なお、同じエクスセンス インフィニティのど真ん中モデル、S90MLについては、以下に実釣インプレッションを書いていますので、よろしければご覧になってみてください。
ということで、今回のお話はおしまい。
最後までよんでくださり、ありがとうございました。
2022年以降の釣行記は姉妹サイト「スモールフィッシング」に記しています。
よろしければコチラのサイトもご覧になってみてください。