みなさまこんにちは。
今回はひさびさにシーバスルアーのインプレです。
とはいっても、今回ご紹介するのは新製品でもなんでもなくて、もはや登場から年数の経過したアピア(Apia)のハイドロアッパー90S。
なぜ今ごろになって改めてこのルアーを取り上げるか、その理由は記事内で明らかにしたいと思います。
アピア ハイドロアッパー90Sとは
既にみなさんご存じかと思いますが、ハイドロアッパー90Sは今やポジドライブガレージの代表として活躍するRED中村氏がプロデュースした、水面浮上型シンキングペンシルで、2016年9月に発売されたものです。
今では姉妹アイテムとして、メバルプラッギングなどにも用いられるハイドロアッパー55Sや、よりバチパターンの釣りにフォーカスしたハイドロアッパースリム100Sなどもリリースされていますね。
どんなルアーなのか、Apiaのサイトから製品の解説文を引用してみましょう。
通常とは逆の角度を持つリップ構造を採用。リトリーブをすることで受ける水を下方向へ逃がし、ボディ自体を表層直下レンジまで浮上させる事が可能になっている。重量は90㎜で16gとサイズの割に重いが、「巻けば浮き上がる」という構造上、遠浅の干潟や汽水湖など、水面直下のシャローレンジをキープし続ける事が出来る。遠投性能も魅力的だが、水面に作りだされる波紋やベイトライクな動きなど、ハク・サヨリパターンを中心に多くの表層系ベイトパターンを攻略できる。
[全長] 90mm [重量] 16g [タイプ] シンキング
[アクション] 可変タイトロールアクション [フック] #6
[価格] ¥1,600(税別)
(アピア ハイドロアッパー90S 製品ページより引用)
カラーチャートは以下の通り、クリア系のものからアピール系、ベイトフィッシュを模したナチュラル系まで、比較的幅広いラインナップになっていますね。
(アピア ハイドロアッパー90S 製品ページより引用)
ディティールと手にした印象
ハイドロアッパー90Sは、アピアがメガバスと業務提携を行った後に初めてリリースされた製品であるため、カラーリングや細かな鱗模様、顔周りのデザインなどにどことなくメガバスらしい雰囲気が漂いますね。ちなみに、古参のシーバスアングラーならご存じかと思いますが、それまでのアピアルアーのOEM提供元は、エスフォーで一世を風靡したF-TECだったはずです。
90mmサイズでありながら16gというウエイトで、手にした時にしっかりとした重量感を感じるタイプですが、あご下に設けられた逆スラント型の幅広リップが、このルアーの浮上性能を予感させます。
ボディの形状自体はバナナのように僅かに反り返ったベイトフィッシュライクなフォルム。
ボディ内部に配されたウエイトは、このルアー用に成形されたものであるため、ボディ内の気室にぴったりと収まっていますね。
フックは#6のやや太軸のものが採用されており、強めのタックルでも扱えるようになっています。
個人的にはバチ、マイクロベイトのシーズンに多用するルアーですが、上述のカラーラインナップとも合わせてみれば、メーカー的には秋のベイトパターンなど、強いタックルでも使うことを想定しているルアーのようですね。
キャスタビリティ
16gというウエイトは一般的なシーバスタックルで非常に扱いやすい、投げやすい重量であるため、固定重心のルアーであるにもかかわらず、天候や気象条件、使用するタックルにあまり関係なく、誰でも安定して飛距離を出せるタイプです。
PEライン1.2号くらいの太目タックルで投げても、60mmクラスの小型バイブレーションと同じくらいよく飛びますね。
絶対的な飛距離は同じ16gでも細身のマニック115には及びませんが、それでも空気抵抗がより大きいハズのこのハイドロアッパーのフォルムでこれだけ飛距離が出せれば、キャスタビリティ面での不満は出てこないと思います。
アクションとレンジ
このルアー、先述の通り逆スラント形状の広角、幅広のリップが揚力を発生させるため、リトリーブによって水面付近に浮上してくるタイプ。
よって、常用域での狙いどころは水面~水面直下のレンジになりますね。
アクションの質はローリング+スラロームですが、ロールもスラロームもその幅は大ぶりなものではなく、タイトなものです。
ルアーが沈んでいかないギリギリの速度でリトリーブした際のアクションは微細なローリングで、派手さのないナチュラルなもの。
この時のアクションはどことなくアイマのロケットベイト75Sに似ていますね。
ここから少しリトリーブ速度を上げていくと、ロール幅は若干大きくなるとともにスラロームの動きが加わり尻を振るようになります。
このアクションの特性、DUOのマニックフィッシュ88の動きによく似ていると思いました。
マニックフィッシュ99ではそんなことはありませんが、88の方はリトリーブ速度が増したり流れの中に入ったりしたときにそれまでの微細ロール主体の動きから急にスラロームが入り始めます。
ハイドロアッパー90Sもこれによく似たアクション特性がありそうですが、両者に共通して言えるのが、レンジキープのむつかしさ。
ハイドロアッパー90Sもマニックフィッシュ88も、マニックに比べるとそこまで揚力が強くないため、シンキングペンシル故に当然の話ですが、リトリーブがスローになりすぎたり、例えばアップクロスでのリトリーブなどでは水の受け方次第では水面下に沈降していってしまいます。
この塩梅が若干難しい、つまり、最適なスピードレンジの幅が若干狭めのルアーだなと感じました。
使い方と有効なシーン
メーカーサイトの解説文にもある通り、このハイドロアッパー90Sはハク・サヨリパターンを中心に多くの表層系パターン攻略に適したルアーですが、個人的に絶大な信頼を寄せているのが、早春、2~3月頃の低水温期の釣り。
この時期の釣りはバチ、アミ、稚魚など、シーバスは目視で存在を確認するのが難しいベイトを食べていることが多いのですが、それらのベイトは表層付近に溜まることが多いため、このハイドロアッパー90Sが威力を発揮するシーンは非常に多く、過去にも何度かこのルアーを使ったシャローのナイトゲームでシーバスが連発したことがあります。
スロー目に表層付近をリトリーブするだけといった非常に簡単な使い方で良いのですが、このルアーで若干難しいのはリトリーブスピードの調整。
コミ潮なのかアテ潮なのかにもよりますが、先述の通りタイポうスピードレンジには若干シビアな側面もあるので、水面直下のレンジをキープできるようになるには、抵抗の強弱を判断して適切なリトリーブ速度になるよう、多少の練習が必要かもしれませんね。
もう一つ、このルアーが威力を発揮すると思うのが、イナッコがベイトの時。
イナッコパターンと言えば、ウエイク系のルアーやトップルアーをイメージしてしまいますが、意外とローアピール気味なこのハイドロアッパーの独壇場になるシーンも過去には何度か遭遇しました。
ウエイク系では派手すぎる、トップには出ない、一般的なシンペンではレンジが深すぎる、そういう悩ましいシーンでは、試しに迷わずこのルアーを投げてみてください。
アピア ハイドロアッパー90S インプレッションまとめ
さて今回はアピアのハイドロアッパー90Sについてのインプレッションをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか?
今や表層系ルアーも各メーカー様々なラインナップをリリースしてきているので、似たコンセプトやアクションのライバルルアーも無いわけではないため、目新しさはあまりないルアーとなっていますが、意外とこのフォルムとボリューム感で、遠投性能もありながら表層を攻められるルアーってのは少ないように感じます。
特に、この記事を書いている2月から3月といった早春シーズンでは釣果実績も高く大活躍してくれるルアー。表層系ルアーの中では、持っていて決して損はしないルアーの一つだと思いますので、気になる方は是非手に取ってみてください。
個人的にはカラーチャート01、スケルトンベイトGLXが一番のおススメです。
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