みなさまこんにちは。
今年もいよいよ秋シーズンが迫ってきました。
秋の風物詩と言えばサヨリパターンの釣りですね。
私の通う湾奥シャローでは、サヨリは唯一の回遊性大型ベイトと言えますが、年間を通じて最も大型の魚が釣れる可能性が高いのが、このサヨリパターンと言えます。
しかし、サヨリパターンはなかなか難攻不落。
長年思うようにルアーを食わせることが出来ず、悔しい思いをさせられ続けていましたので、個人的にサヨリパターンの釣りには苦手意識がつきまとっていました。
しかし、あるルアーを手にしたその年から、それまで苦手だったサヨリパターンでの釣果が激増!
ということで、今回ご紹介するのは、その「あるルアー」。
数あるサヨリパターン向けルアーの中でも個人的に実績も信頼度もNo.1ルアーと言える、アピアのミノー、エイチベイト(H-bait)です。
登場して数年たちますが、2017年に初めて買って以来、サヨリパターンの釣りでは本当に数多くの釣果をもたらしてくれ、私の苦手意識を克服させてくれたこのルアーについて、長期使用を経てのインプレッションをお届けしたいと思います。
どんなルアー?
全長 140mm、重量 14g、スローフローティングの固定重心ミノーで、潜行レンジは20~40cm、アクションは「デリケートスローピッチウォブンロール」とされています。
フックはオーナーのST46 #6が付属していて、フックチューンで同ST46の#5〜4も背負えます。
さて、どんなルアーなのか、メーカーの解説文を引用してみましょう。
(アピア エイチベイト 製品サイトより引用)静から動へ。静寂を打ち破るハンドルミノー
アングラーが積極的に操作する事を目的として生まれたミノー。シーバスのミノープラグの中において形状はかなりスリムで、サヨリやマイクロベイトなどを捕食しているような、セレクティブな状況下で口を使わせる事が出来る。基本的な使い方はただ巻き。潜行レンジが浅く、干潮間際に訪れるシャローの時合攻略には欠かせない表層系ミノー。
ハンドルミノーって表現が良くわかりませんが、まあ、見た感じからしていかにもサヨリパターンにマッチしそうなシルエットとボリューム感ですね。
ちなみに、このルアー、プエブロの名作ハンドメイドミノー「インパラ」のパクリではないか?と長年言われていました。
確かに見比べるとボディシェイプなどのデザインは非常に酷似していますね。
私も本家インパラはずっと欲しいルアーだったのですが、高額だったので買いあぐねているうちに、メーカーそのものが解散してしまいました。残念。
キャストフィール
このエイチベイト、14gとMはもちろん、MLやLのロッドでも扱いやすいウェイトですが、固定重心ながら後方寄りの重心のためか、意外とキャストフィールは良く、飛距離もそこそこ出ます。
特にサヨリパターンシーズンでは、太平洋側の南向きのポイントでは、背後からの北よりの風を受けることが多いのですが、この追い風に乗せればかなりの飛距離をだせますね。
はっきり言って絶対的な飛距離は最新の重心移動系ルアーには負けるのですが、それでも比較的安定した飛距離が出るため、遠距離からのサヨリボイル打ちなどでも安心して使えます。
まあどちらかというと飛びよりも固定重心のメリットにより、後述のアクションなどを優先したという感じですが、個人的には固定重心でこのキャストフィールなら充分実戦的で合格だと思います。
アクションとレンジ
特徴的なのは浮き姿勢。
このルアーは着水後、頭を僅かに水面に出して、垂直に近い角度で斜め浮きします。
その状態からリトリーブすると、リップが水を掴み水平姿勢で泳ぎだしますが、スローなリトリーブではノーアクションに見えるほど、ごく微かなローリングをします。
徐々にスピードを上げるとロール幅は大きくなりますが、基本的にピッチはスロー。
そのアクションに派手さはなく、ゆったりとした弱々しい動きです。
しかし、やや立った角度でついているリップと起伏あるボディシェイプのおかげか、泳ぎは弱々しくても水噛みはとても良く、リトリーブ時は手元に程よい引き抵抗が伝わり、流れの強弱も感じやすいと思います。
この辺りは同じノーアクション系ルアーであるオネスティー125Fよりも、釣れそうなイメージは沸きやすいですね。
レンジはメーカー発表20~40㎝とされていますが、ロッドティップを水平にして、このルアーの一番おいしいスピードレンジであるスローリトリーブで使う限りは、だいたい水面直下15〜20㎝前後を泳ぐイメージでしょうか。
よほどロッドティップを下げていないと、ただリトリーブするだけでは40㎝も潜ることはまずありません。
サヨリパターンでは、シーバスがサヨリを追い込みやすい地形、例えばシャローの中でもさらにワンドみたいになった激浅シャローでボイルするようなシーンが多いのですが、この潜行深度ならそんな場所でも臆することなく使うことができますね。
ちなみに、着水後ティップを煽って水を噛ませてからリトリーブを開始すると、スローフローティングの特性故か、もう少しレンジを入れて泳がせることも可能です。
サヨリの泳層より下に入れたい時なんかは、この使い方でティップを下げてリトリーブしてやると効果的だと思います。
また、デッドスローのリトリーブで使用すると、水面直下数センチを、引き波を立てて泳がせることも可能です。バチパターンやマイクロベイトパターンの釣りで、非常に有効な使い方ですね。
なお、独特な角度と形状のエイチベイトのリップは、ラインとの角度によって泳ぎの質を変えるという特徴もありますので、覚えておいて損はないと思います。
ロッドティップを立て気味に泳がせた場合は、当然泳層は上がりますが、ほぼノーアクションの泳ぎをします。
それに対して、ロッドティップを寝かせて泳がせた場合は、その分泳層も下がりますが、一般的なミノーライクなロールアクションを強めに出すことができます。
ティップによって、アクションのON/OFFを切り替えられるというのは、何か使いどころがありそうですね。
どんなシーンで有効か?
やはりずばり、このエイチベイトがハマるシーンといえば真っ先に思い浮かぶのがサヨリパターンでしょう。
まわりにいくらでもエサがあるような、サヨリの群れが厚い状況でも、何故かシーバスはこのおとなしい泳ぎのルアーをしっかり喰ってきます。
アピール力は本当に弱そうなイメージですが、このルアーの独特の泳ぎがシーバスの何かを刺激するのでしょうか。
コレは本当に不思議なのですが、ベイトの大群の中から魚を引き出すその能力は、イナッコパターンにおけるTKRP90と相通じるものを感じさせます。
どちらも、突如水面を爆発させるド迫力のバイトシーンを堪能できるという意味でも、共通性を感じさせますね。
なお、このエイチベイト、サヨリの群れが薄くて沈んでいるような渋い状況でも、これまで何度も結果を出してくれています。
微弱なアクション故に、アピール力、魚を寄せてくる力はなさそうに思えるので、そのような渋い状況で投げ続けるのは結構忍耐力が試されるのですが、その泳ぎの質ゆえか、どうやらスレることが少ない様子で、長時間投げ続けた後や先行者にさんざん叩かれた後のポイントでもバイトを得ることができます。
上の写真もエイチベイトでの釣果ですが、このルアーはがっつりハーモニカ食いされることが多いですね。
季節との関係ももちろんあるのでしょうが、釣れるサイズが決まって良型揃いで、このルアーであまりセイゴフッコクラスは釣ったことがありません。
エイチベイトの使い方
このルアー、使い方は至ってカンタン。
無風状態なら、軽くラインが撓むくらいのテンション、感覚的には、エイチベイトのローリングアクションがティップを通して伝わってこなくなるくらいの引き抵抗で、ひたすらスローにリーリングするだけです。
イメージとしては、エクストラハイギアのリールで2~3秒間にハンドル1回転程度のスピードでしょうか。
サヨリパターンの場合、サヨリの群れが流れに対して頭を上流に向けるため、必然的にダウンにルアーを泳がせることが多いのですが、流れを受けるダウン方向では、さらにリトリーブスピードは遅く調整してやる必要があります。
先述の通りリップとボディ形状から水噛みは良い方なので、スローなリトリーブでもしっかりレンジキープして微弱アクションを発揮してくれています。
そしてルアーの引き抵抗をわずかに感じながら漂わせるようにリトリーブしてくると、アタリは突然ぐぐっときます。
多くの場合で、バシュッと水柱が上がる水面爆発のバイトでになります。
そんなときでもこのエイチベイトは、スローフローティング、つまり若干比重が重めのボディ故に、魚の吸い込みは抜群に良いようで、ほとんどの場合でフロントフックにがっつりとフッキングしてきます。
そういう細かな特性も含めて、本当にサヨリパターンにはベストマッチなルアーだと思います。
また、ただ巻き以外の効果的な使い方として、ぐりぐりと速めにリトリーブして、サヨリの群れにルアーをぶつけて、サヨリを散らしておいてからルアーの泳ぎを止めるというストップ&ゴー的な使い方も有効です。
サヨリの群れが散った瞬間にシーバスの捕食スイッチが入ることが多く、その時に止めたエイチベイトが逃げ遅れたサヨリに見えて目立つのでしょうか。
私自身はただ巻き以外はほとんどしませんが、この使い方も実績のある使い方の一つです。
アピア エイチベイト インプレまとめ
さて、今回はサヨリパターン最強ルアーと言っても過言ではないくらい高い実績を誇るミノー、アピアのエイチベイトのインプレッションを、使い方なども交えてお送りしましたが、いかがでしたでしょうか。
このエイチベイト、サヨリパターン、バチパターン、マイクロベイトパターンだけでなく、食いが渋いシビアな状況など、意外と出番は多いルアーだとは思いますが、やはりサヨリパターンでの圧倒的な釣獲能力が強烈すぎて、ついついサヨリパターンのことばかりを書いてしまいましたね(笑)
サヨリパターンの攻略法については、以下記事にも詳細に記していますので、よろしければご覧になってみてください。
冒頭で記した通り、個人的にはこれまで長年、サヨリパターンは大の苦手で、さらにこのシーズンは釣り人が多いこともあって、どうもシーバス釣り自体を敬遠がちでしたが、このルアーに出会って以降は毎年コンスタントに大型を釣ることができるようになり、完全に苦手意識を克服できました。
もし、サヨリパターンは苦手と思ってらっしゃる方がいらしたら、このエイチベイトはそういう方にこそ使っていただきたい素晴らしいミノーだと思いますので、是非一度試してみてください。
秋シーズンは必携のルアーだと思います。
2022年以降の釣行記は姉妹サイト「スモールフィッシング」に記しています。
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