みなさまこんにちは。
今年は手持ちのリールを全て処分して、リール7台と予備スプール8個、全て新しいモノに入れ替えました。
リールは全てシマノ製品で、ステラ、ツインパワー、バンキッシュですが、シーバス用のメイン機種として選んだのは、’18ステラC3000XGと’20ツインパワーC3000XGの2台。
個人的にあまり長尺のロッドは使わないのと、リールは小さめが好きなので、C3000サイズがちょうどいいのですが、夏から秋にかけての釣りで必要とされる剛性が十分にあり、PE1.2号以上でも余裕でバランスが取れる金属ローター採用機種であることが選定の理由です。
購入時にはあくまでメインリールはステラで、ツインパワーはステラの予備機としての使い方を想定していました。
特に夏以降、重量や引き抵抗の大きいバイブレーションルアーを連投するシーンでは、リールに掛かる負荷はかなりのものになるため、あちこちガタが出るのはたいていこの時期。
というわけで、本命ステラを春や秋のハイシーズンにいい状態で使えるよう、夏季のデイゲームなどではツインパワーを突撃隊長として使い倒そうと考えていた次第です。
しかし、このツインパワー、使ってみると、購入直後に想像していたよりもずっとイイ。
というわけで、今回は’20ツインパワーC3000XGの購入半年後のインプレッションをお届けしたいと思います。
使って分かったツインパの〇と×
以下では、’20ツインパワーC3000XGを購入後しばらく実釣で使ってみたインプレッションを記します。
巻き心地について
巻き心地の面では、やはり金属ローターを採用しているだけあって、ヴァンキッシュなどと比べるとかなりしっとり感が出ていたことが印象的だったツインパワー。
さすがに室内でステラC3000XGに比べると、ツインパワーの方が僅かに摺動音は大きいし微かなガタもあり、コツコツというノイズもありますので、この両者を目隠しして巻き比べると誰でも判別つくだろうと思っていましたが、実釣の現場に持ち込んで使ってみると、意外にも両者のその差はほぼ気にならないレベルのものでした。
C3000XGどうしで現場で使い比べてみると、やはりステラの方がイイのは間違いないのですが、屋外だと細かな摺動音などかき消されますし、ミノーやバイブレーションといった巻き抵抗のあるのルアーの巻き心地に関しては体感上同等といってもいいレベル。
もちろん、ステラの方が巻重りは軽くしっとり感と繊細さの同居した上質感あふれる巻き心地で、慣性力により勝手にハンドルが進む感覚は圧倒的にステラの方が大きいのですが、その恩恵を大きく感じられるのは流れの緩いシーンでのリトリーブや、小型シンペンなどの引き抵抗の小さなルアーをリトリーブするときくらいでしょうか。
特に夏季シーズンの鉄板バイブレーションやミノーを投げ倒す巻きの釣りでは、そこまでツインパワーの巻き心地が劣っている印象はありません。
実釣での巻き心地の面では、やはり’20ツインパワーはかなり’18ステラに肉薄したといえるのではないかと思います。
耐久性について
半年使用といいつつ、実際にはナイトのバチ抜け中心のシーズンにはC2500サイズのステラやヴァンキッシュを使うことが殆どだったこと、また、あくまでステラの予備機として購入したという経緯もあるため、実質的にはこのツインパワーは使い倒したと言えるほど使用しておらず、週1回釣行で4か月程度=15、6釣行分の約半分、つまり7,8回程度の使用といったところでしょうか。
そのため、長期的に使った上での耐久性はまだ測れないというのが正直なところですが、私は比較的1釣行でのキャスト回数が多く、丁寧に扱うものの結構リールに負担を掛ける使い方をする方なので、リールによってはこのくらいの使用回数でも結構ガタが出てきたり使用感が変わってくるものがあるのも確かです。
しかし、’20ツインパワーでは、そのような劣化は微塵も感じさせず、購入当時の巻き心地や使用感をそのまま維持し続けていますので、やはり一般的に見て、耐久性は高い部類に入るでのはないかと感じています。
ちなみに、ツインパワーとヴァンキッシュのどちらが耐久性が上か?みたいな議論を目にすることがありますが、両者は駆動系パーツは同一のものを使用しているので、特段差はないはずです。
ローターが金属製のツインパワーの方が巻き心地に安心感と安定感が出るので、その分耐久性が良く感じてしまうプラセボ効果があるくらいでしょうね。
おそらく今以上に長期間使用した上で比較すると、ステラの耐久性には及ばないと思われますが、少なくとも数か月使用した程度では、耐久性の面で不満や不安に感じる要素はありませんでした。
見慣れるほどにカッコよく思えてくる?デザイン
’20ツインパワーを購入した時、どうしてもイマイチだなぁと思って好きになれなかったのがそのデザイン。
半樹脂ボディの為、ボディサイドに無粋なビス穴があるなどは仕方ないとしても、ゴールドを使ったカラーリングと大きな斜めカットのブランキングが施されたスプールデザインは、なんだかゴチャゴチャした見た目に思えて、非常に残念に思えてなりませんでした。
しかし、実際にしばらく使って見慣れてくるとこの印象は激変。
エクスセンスインフィニティやジェノス、ワールドシャウラにも結構似合うし、よくよく見るとなかなかカッコ良く思えてくるから不思議なものです。
’21年秋にリリースされたレバーブレーキリールの最高峰、新型BB-Xテクニウムも、’20ツインパワーとよく似たカラーリングとデザインになりましたが、これはこれで結構カッコいいですもんね。
個人的な感想ですが、これはこれで使っているうちに愛着の沸くデザインだと思います。
ただ、やはりスプールに巻くラインのカラーとは、多少の相性がありそうですね。
個人的には、よくある蛍光グリーンカラーのラインを巻くと、何とも野暮ったく思えてしまうので、私はくすんだ5カラーかレッドの以下のラインを巻いています。
カスタマイズベースとしても優秀
上記の通りスプールデザインには賛否両論ありそうですが、ツインパワーのボディデザインは、素材こそ異なりますがヴァンキッシュと同一のもので、実は非常にシンプル。
スプールを外した状態でステラと見比べてみると、やはりステラの美しさには敵いませんが、ツインパワーのチタニウムグレーのボディもコレはコレで十分アリ、いや、道具感が出てて寧ろカッコいいなと思います。
ボディのベースカラーが渋めのカラーであるため、実はさまざまなデザインのスプールと相性も抜群。
例えば以下記事で紹介した夢屋セフィアカラーのカスタムスプールなどとも相性抜群で、これをワールドシャウラに装着したら専用リールか?と思えるくらい美しい。
もちろん夢屋ステラ用カスタムスプールとも相性抜群。
ベースがシンプルで洗練されているが故に、なんにでも似合う様は、まるで完成度の高いパンツが合わせるトップスを選ばないかのようです。
普通のリールに飽きてしまった人は、このツインパワーをカスタムのベースとして自分好みのスプールやパーツでカスタマイズするのも面白いかもしれませんね。
個人的におススメなのは、以下の組み合わせです。
ウィークポイント
上記の通り、実釣性能面でも不満なく、男前で高耐久と全方位そつなく優秀な’20ツインパワーですが、まったく弱点がないというわけではありません。
このリールの唯一のウイークポイントと言えるのが、ラインローラー。
X-プロテクトの一体型ラインローラーが採用されてから、シマノ曰く耐久性が向上したとのことですが、やはり最近リトリーブ時にシャリシャリ音がひどくなってきたので、先日入れ替えをしました。
これは、ツインパワーに限らず、ステラやヴァンキッシュ、他のリールにも共通する弱点なのですが、特に、キャストやリトリーブの頻度が上がる、夏から秋のデイゲームでの使用を重ねると、3,4か月程度の使用で、メンテナンス状況や使用頻度によってはそれ以下の短期間でも、リトリーブ中に結構シャラシャラ音がして、巻き心地悪化の原因になります。
これまで長年シマノ製リールばかり使ってきて感じることですが、プラグやシンペンがメインの釣りでキャスト頻度が減るナイトゲーム中心の時期だと、同じコアプロテクトやXプロテクトのラインローラーでも、倍以上寿命が延びますね。
Xプロテクトラインローラーは特殊撥水グリスで保護されているとは言え、やはり1釣行でものすごい回転数を稼ぐパーツなので、特に酷使される夏場のデイゲームのような使用状況下では塩水の侵入などは完全には防ぎきれないのだと思います。
ただ、このラインローラーパーツ、ほかの部位で気になる症状や交換希望のパーツががある場合は、もちろんオーバーホールのタイミングで他パーツとまとめて交換するのがおススメなのですが、メーカーにOHで預けて交換すると無駄に作業工賃が取られて割高になってしまうので、 この部分だけに問題がありそうな場合は、パーツを購入して自分で交換することがおススメです。
■プロダクトコンセプト
17ツインパワーXD・18ストラディックSWに装着されているベアリング内蔵タイプの純正ラインローラーです。メンテナンスをされる際のスペアパーツとしてご利用ください。
17ツインパワーXD・18ストラディックSWのラインローラーは、コアプロテクト機能搭載によりラインローラー本体とラインローラーベアリングが一体化されており分解することができません。この為、ベアリングが磨耗し交換をしたい場合はラインローラーごと交換が必要になります。また、ベアリングの追加もすることができません。
入数
: 1個入り
■対応機種
・20ツインパワー
( C2000S, C2000SHG, 2500S, 2500SHG, C3000, C3000MHG, C3000XG, 3000MHG, 4000,
4000PG, 4000MHG, 4000XG, C5000XG )
・17ツインパワーXD
( C3000HG, C3000XG, 4000XG, C5000XG )
・18ストラディックSW
( 4000HG, 4000XG, 5000XG, 5000PG )
・19ヴァンキッシュ
( 1000SSSPG, C2000S, C2000SSS, C2000SHG, C2500SHG, C2500SXG, 2500S, 2500SHG,
C3000SDH, C3000SDHHG, C3000, C3000MHG, C3000XG, 3000MHG, 4000MHG, 4000XG,
C5000HG, C5000XG )
いっそのことステラ用のDLCラインローラーに換装した方がカッコいいしライン保護にもなっていいですね。
■商品説明
シマノ 18ステラ専用の純正ラインローラーです。
こちらのラインローラーはベアリング内蔵タイプで内部を分解することはできませんので、ベアリングのみ取り外しすることはできません。
18ステラの場合、ラインローラーのメンテナンスを行う際は、ラインローラー丸ごとの交換が必要です。
表面に特殊な表面処理(ダイヤモンドライクカーボン)を施したラインローラー。
摩擦を軽減しラインの消耗を防止。
シマノリールを使い始めてまず最初に感じる巻き心地の悪化の多くは、このラインローラー部分が原因であることが多いので、使用感の劣化が気になり始めたらまずここを疑ってみられると良いかと思います。
’20ツインパワーC3000XG 半年使用後インプレッションまとめ
さて今回はシマノの代表作ともいえるスピニングリール、'20ツインパワーC3000XGについてのインプレッション第二弾をお送りしましたが、いかがでしたでしょうか。
やはり皆さん気にされるのは、ステラやヴァンキッシュとの差がいかほどか?というところだと思いますが、まずヴァンキッシュとこのツインパワーはほぼ駆動系の内部のパーツは同一なので、大きな違いはやはりローターやハンドルの素材の差とそれによる使用感の差ではないでしょうか。
ヴァンキッシュはローターやハンドルにCI4+素材を使用して徹底した肉抜きと軽量化をしていることで、 低慣性、ハイレスポンスで軽い巻き心地を実現していますので、確かに止めを多用する「動」の釣りには向いていると言えます。
それに対してツインパワーの方は、金属ローターで初動こそ重いものの、慣性力を借りたしっとりとした安定感ある回転性能を手にしており、巻き心地の方向性はステラ寄り、かつただ巻き時の質感と、高負荷時における巻取りのパワフルさ、スムースさは間違いなくヴァンキッシュより上です。
そして、両者よりもさらに格上のギアパーツを用い、徹底的にクリアランスが詰められガタが排除されたステラは、やはり圧倒的に巻きの質感が高く、純粋に工業製品として比べた際にも歴然とした差が感じられます。
まあ、実売価格にしてステラはヴァンキッシュの1.5倍、ツインパワーの2倍近くするものなので、トヨタのクルマに例えるとカムリのエントリーモデルとクラウンの最上位グレードくらいの差か?まあ明らかな差があるのは当然と言えば当然ですかね。
しかし、そのような差があることは事実ながらも、実釣においては’20ツインパワーはかなり’18ステラの使用感に肉薄していることもまた事実。
確かに耐久性の違いは購入後のメンテナンスサイクル、ひいてはTCOに影響する要素ですが、世間で良く言われる「ハイブリッド車の方がお買い得か」論争と同じく、ステラの方がツインパワーとの価格差を補って余りあるほど耐久性があったり、メンテナンスコストが安いというわけでもないです。
また、ツインパワーの方はステラに比べて摺動ノイズが大きかったり、わずかにガタが大きかったり、ベイルの作動音がガサツだったりしますので、「自己満足」を追及する人にとってこれらは大きなデメリットに感じられるかも知れませんが、正直言って実釣における釣果には全く関係ありません。
これらのことを鑑みると、手に入れやすい価格でこれだけステラに近づいた性能を持ったツインパワーの方が、断然お得感は大きいといえるでしょう。
金に糸目をつけないからシーバスにおススメのリールを教えてと言われれば、間違いなくステラをおススメしますが、できるだけ手頃で、コストパフォーマンスの良いリールを教えてと言われれば、その人の予算次第ですが断然ツインパワーをおススメします。
まさにシーバス用リールのど真ん中、長く使い倒せる一台だと思います。
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