みなさまこんにちは。
去年もイマイチでしたが、今年も今のところまだ釣れていないご近所、西宮でのアジング。
2023年くらいまでは本職?のシーバスのことを忘れて連日通ってしまうくらいアジングに夢中になっていましたが、どういうわけか去年は全然ダメ、で、今年も今のところ釣れる気配がありません。
春のバチ抜けシーズンと、秋になってからの短い間しかしない(できない?)釣りなので、単にウデが悪い可能性もありますが、群れのいるレンジ、エリアにワームを送り込むことができれば簡単に高確率でバイトが得られるアジング、アタリすらないのはかなりつらい。
まあ、秋はこれからなので、今年は回遊してくれるかもしれませんが。
そんな中、先日以下記事にインプレを書いていたステラ1000SSPGを手放しました。
火のうちどころのない素晴らしいリールではあったのですが、最近仕事の都合でなかなか気軽にアジングに行けない中、こんな良いリールを持っていても使わなければ宝の持ち腐れだよなと感じたからです。
もう一つ、手放すきっかけとなったのが、'23ヴァンキッシュ1000SSPGの存在。
ジグ単アジング用にと、ステラとヴァンキッシュの2台体制でいくつもりでしたが、ご近所の普段のアジングだったらヴァンキッシュ1台で十分じゃね?という結論に至ったことも、ステラの方を手放した大きな理由です。
ということで、今更ですが今回は'23ヴァンキッシュ1000SSPGのインプレッションです。
'23ヴァンキッシュ1000SSPGの特長
シマノの'23ヴァンキッシュ1000SSPGは、アジングに最適な最小、最軽量級のスピニングリール。
最小、最軽量「級」というあいまいな表現は、本当の最小最軽量No.1は、ちょうど2025年秋にモデルチェンジする同社のソアレXR500SPGなので、2番目に小さく軽いスピニングリールであることが理由です。
ソアレXR500SPGは、2021~22年モデルを使っていましたが、メカニズムがちょっと特殊で、巻き心地や使い勝手面で個人的にはそこまで惚れ込めなかったため、早々に手放してこのヴァンキッシュ1000SSPGに乗り換えた次第。
ヴァンキッシュ1000SSPGの方は、ボディそのものはC2000やC2500同様、いわゆるシマノ汎用リールの1000番ボディなのですが、先代にあたる'18ステラ、'19ヴァンキッシュたちとの大きな違いとして、ローターとスプールが完全に1000番専用設計になったことが大きな特徴です。
そのため、従来の '18ステラ世代のスプールとは互換性を失ってしまいました。
実際は以下記事にある通り、'18ステラ世代のスプールを'22ステラや'23ヴァンキッシュに装着して使うこともできなくはないです。
しかし、先代1000番とはことなり現行1000番のコンパクトな設計のローターでは、ローターとスプール側面とのクリアランスがあまりにも小さいため、ドラグの締め具合次第では巻いてる最中にローターとスプール側面が干渉してしまうことが多く、特に力によって撓みうるCi4+ローターを装着したヴァンキッシュでは実質使い物にならないと考えた方が無難でしょう。
しかし、そのローターのコンパクトさにより、現行モデルのヴァンキッシュ1000SSPGは先代よりも格段に巻きの軽さ、レスポンスの向上を図ることができています。
これは、極軽量ジグ単での釣りで特に恩恵を感じられる部分だと思います。
つまり、先代の'19ヴァンキッシュの1000SSPGは、単にC2000Sのギア比を下げてショートハンドルと小径スプールを組み合わせただけのモデルだったのに対して、現行'23ヴァンキッシュは専用スプールと専用ローターをあしらった、本物のジグ単専用機種になったと解釈できると思います。
'23ヴァンキッシュ 1000SSPGとC2000Sとのスペック比較
下表に、ヴァンキッシュ1000SSPGのスペックについて、ライバルとしてよく比較される同ヴァンキッシュのC2000Sとの比較を記します。
品番 | 1000SSSPG | C2000S |
ギア比 | 4.4 | 5.1 |
実用ドラグ力(Kg) | 2 | 2 |
最大ドラグ力(Kg) | 3 | 3 |
自重(g) | 140 | 145 |
スプール 径(mm)/ストローク(mm) | 40/13.5 | 43/13.5 |
糸巻量ナイロン(lb-m) | 2-100, 3-60 | 3-125, 4-100, 5-75 |
糸巻量フロロ(lb-m) | 2-80, 3-55 | 3-110, 4-85, 5-65 |
糸巻量PE(号-m) | 0.3-120, 0.4-90 | 0.6-150, 0.8-110, 1-80 |
最大巻上長(cm/ハンドル1回転) | 55 | 69 |
ハンドル長さ(mm) | 35 | 40 |
ベアリング数BB/ローラ― | 11/1 | 11/1 |
夢屋スプールタイプ | S-30 | S-31, 32 |
夢屋ハンドルノブタイプ | A | A |
夢屋ハンドルタイプ | H-10 | H-10 |
夢屋ハンドルスクリューキャップタイプ | HC-3 | HC-3 |
夢屋リールスタンドタイプ | C, E | C, E |
本体価格(円) | 65,300円 | 65,300円 |
商品コード | 45225 | 45232 |
ヴァンキッシュ1000SSPGは、前述の通りスプールやローターが1000SSPG専用設計になって、ショートハンドルとより低いギア比のギアが搭載されているだけで、他の主要なコンポーネントはC2000Sと全く同じなので、カタログスペック的には殆ど同じ値になりますね。
ただ、スプール糸巻き量などは、エステルメインのジグ単により適したSS(スーパーシャロー)スプールとなっており、より無駄なく必要な量のラインが巻けるようになっています。
実際のところ、上記の通りあまり差は無いように見えるため、より汎用的なC2000Sを選択される方も多いかと思いますが、特にショートロッドを用いたジグ単に特化して言えば、1000SSPGの方が以下の点でより優位性があると言えます。
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スプール径が小さいため、小径ガイドでのライン抜けが良い
1000SSPGの優位性の一つは、ジグ単アジングなどで多用するショートロッドとの相性。
というのも、5ft台ロッドなどではバットガイドまでの距離が短く、かつガイドそのものが非常に小口径である場合が多いです。
このようなロッドでC2000Sのスプール径では、バットガイドとスプールエッジとの間に角度が付きすぎて、キャスト時にラインがよりガイドを叩く現象が多くなります。
わずか3mm差とはいえ、やはりこの点で1000SSPGの40mm口径スプールの方がライン放出がスムースで、特に0.4gから0.6g程度の軽量ジグ単リグでのキャスト時にはその効果を実感できると思います。
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よりショートなハンドルと低いギア比の組み合わせでより緻密な操作が可能
もう一つの優位性は、PG(パワーギア)と銘打った低いギア比に、35mmというC2000Sよりワンランク短いハンドルの組み合わせのバランス。
ジグ単アジングでは、一部の時期や特定の釣り方を除いて、「巻き」の釣りをするシーンは圧倒的に少なく、どちらかというと縦の釣りが多くなるため、リールの役割は(魚とのファイトを除くと)ラインの回収作業がメインになります。
リグの軽さから必然的に近距離戦になるジグ単では、この1000SSPGのハンドル長とギア比の絶妙な組み合わせには、レンジを探る、糸ふけを取るといった一連の所作を一定のテンポで、かつ緻密に行いやすいというメリットがあります。
上記のような優位性があるため、1000SSPGとC2000S、どちらを選ぶか迷った時は、ジグ単の釣りがメインであれば1000SSPGをおススメします。
一方で、メバリングのような巻きの釣りにも兼用したい、フロートやキャロでも使いたいというように、ジグ単アジング以外の釣りにも汎用的に使いたいということであれば、C2000Sの方が良いかも知れません。
あくまで上記は目安であって、私自身ジグ単にC2000SHGのようなハイギアリールを使っていた時期もあるので、ギア比と所作のテンポに慣れることができれば、もちろん好みでハイギアを選んでも良いかと思います。
実釣での使用感、ステラと比べてどうなのか?
ヴァンキッシュ1000SSPG、まだ購入後それほど使い込んだ訳ではないため、そこまで深いインプレを書くことはできませんが、やはり実釣で使用してみて良いなと感じたのは、その軽さ。
ジグ単では個人的に足場がそこまで高くない場所での釣りをすることが多いため、以下記事に書いたような5フィート台のロッドを使うことが多いのですが、そのようなショートロッドと組み合わせた時のタックル総重量が、ステラを装着した時と比べて圧倒的に軽く感じます。
釣り道具は必ずしも軽さが正義という訳ではありませんし、タックル全体の重心やバランスといったものも大事ですが、パワーファイトを要求されるシーンの少ないジグ単アジングでは、少なくとも軽量であることはデメリットよりもメリットが大きくなると思いました。
内部機構やボディ構造の違いから、'19ヴァンキッシュの方が感度面で優れていたとよく言われますが、'23ヴァンキッシュの1000SSPGも十分感度は良いと思います。
軽いが故にアタリ感度に優れ、またそのアタリに対する反応速度も向上できると感じますし、ローターの軽さから回転慣性力も低いため、巻く、止めるといった動作が思いのままにピタッと決まります。
このように、本体重量だけでなく作動そのものが軽くレスポンスよくこなせる点が、このリールの最大の強みで、ステラよりもさらにアジングに特化した使い勝手のよい部分かなと感じます。
一方で、一定の速度でスローにリトリーブするような、メバリングのような釣りでは、しっとりと滑らかに慣性力を活かした巻きが出来るステラの方が明らかに使い勝手がイイでしょう。
シマノ '23ヴァンキッシュ1000SSPG インプレッションまとめ
さて今回は、今更ながらシマノから2023年にリリースされたヴァンキッシュ1000SPGについてのインプレッションをお送りしましたが、いかがでしたでしょうか?
一部の釣り人の間では、ステラの方が上だとか、ヴァンキッシュも負けてないとか論争があるようですが、個人的には、工業製品としての完成度の高さはやはりステラの方がはるかに上だと思います。
私の持っているヴァンキッシュ1000SSPGをステラと巻き比べると、リーリングにはやはりヴァンキッシュの方が雑味があるし、差は微細ながらノイズも大きく感じられる。
ハンドルのガタ感も同様。やはり1000番リールでもステラには敵わないなと感じます。
しかし、ロールスロイスでサーキットを走ろうと考える人が少ないのと同じで、いくら製品として高級でクオリティが高くても、目的、用途に適するかどうかはまた別問題だと思います。
そういう意味で、縦の釣りメインのジグ単アジングにフォーカスするなら、実釣での使い勝手は軽量さとレスポンスの良さに勝るヴァンキッシュの方が本命ではないかと思います。
昨今のシマノのモデルライフライクルを考えると、おそらく次期ヴァンキッシュの登場は早くても2027年。
また、現行モデルで内部機構も含めたフルモデルチェンジを行ったばかりなので、次期モデルは車でいうところのマイナーチェンジにとどまると考えられるため、今から'23モデルを購入しても実質的に資産価値としては無駄な出費とはならないといえるでしょう。
気になる方は、今からでも遅くないので是非手にしてみてください。
ということで、今回のお話はおしまい。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
2022年以降の釣行記は姉妹サイト「スモールフィッシング」に記しています。
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