みなさまこんにちは。
フィッシングショー大阪、やはりコロナの影響で2022年も開催中止となってしまいましたね。
まあ、フィッシングショー付近の時期は毎年釣りで忙しく、ショーには実はいままで一度も行ったことがありませんので、あまり関係ないのですが(笑)
例年この時期は魚数は少ないけれども、他に釣り人が少ないからフィールドはほぼ貸し切り状態で、年間で最も釣りに集中できる時期なので、ついつい釣りに行っちゃうんですよね〜。
ただ、厳寒期のシーバスフィッシング、やはり時期が時期だけに、他シーズンとはちょっと変わった釣り方、狙い方になってくるのは確かです。
ということで、今回は「1〜3月の冬シーズンにおけるシーバスの狙い方」と題して、私自身がここ数年間、実際に釣り場で試してみて、多数の釣果を得られた釣り方を、前編と後編の2回に分けてご紹介したいと思います。
寒くてもコンディションの良い魚が釣れる! |
なお、この記事は私の通っている大阪湾都市部の湾最奥部にある小規模サーフを舞台にしていますので、釣りをされる地域やフィールドによってもちろん全く当てはまらないところもあるかと思いますが、何かのご参考・ヒントになれば幸いです。
1〜3月、湾奥サーフでのシーバスの動き
年によって前後はしますし、ここ3年ほどは全く当てはまりませんでしたが、私の通う湾奥サーフでは例年、12月上旬くらいまではサヨリパターン・カタクチパターンの釣りで大型が数狙える、一年間で最もアツい季節。
これを過ぎた12月中旬になると北風により水はさらに透明度を増し、プランクトンなども数少なくなるのでしょう、それを狙った小型のベイトフィッシュも一気に姿を見せなくなり、イナっ子パターンとかサヨリパターンとか、特定の魚系ベイトに合わせた釣りでは狙うのが難しくなってきます。
ちなみに、2019年には12月に大規模なマイワシの群れの回遊がありましたが、これはいつもの浜では非常にレアケースで、例年このようなことがあるわけではありません。
この時期から1月いっぱいは、シーバスは去って行ったベイトについて沖に出てしまったり、徐々に産卵で湾奥から抜けてしまうのでしょう、60cmクラスを超えるサイズのシーバスの姿が見えなくなってきます。
1月下旬ともなると夕まづめでも生命感ゼロの日も多い。 |
そして湾奥でベイトフィッシュが見つけにくいこの時期、魚の食性も変わり、アミや甲殻類、ハゼなどのような底生ベイトといった、目視で確認しにくい餌を食べているようです。
その後2月上旬を過ぎた頃から、3月初頭の大阪湾の最低水温期にかけては、コレらのベイトに加えて稚魚系ベイトと、数は少ないもののバチの姿が見え始め、再びシャローでの釣りが徐々に活気付いてきます。
1月2月の海でも、急な気温上昇があれば夜光虫が出る日もあります。 |
このように、1から3月にかけてのシーバスの食べているベイトは、一般的にその存在をなかなか目視で確認しにくいベイトであるため、これがこの時期のパターンを見極めにくくしている一因なのですが、過去のこの時期、釣果で実績あるのはボトムの釣りか表層の釣りと、両極端。
寒期におけるボトムの釣りは、昔からハゼパターン、カニパターンなどとメディアでもよく取り上げられてきましたし、近年はアルカリダートやステッピング釣法など、この時期有効なメソッドも数紹介されてきたので既にご存知の方も多いでしょう。
よってボトムの釣りはここでは割愛し、以降では、この時期でも有効な表層狙いのフィネスな釣りについてご紹介したいと思います。
冬シーバスの狙い方(シチュエーション)
1から3月の寒い時期に一番気になるのが気温と水温。
これらについては諸説あり、一般的にルアーで狙うなら水温12℃以上が適していると言われますが、私自身は過去には水温8℃、9℃といった日でも何度も釣果を出しており、そこまで水温の値そのものをシビアに考える必要はないかなと思います。
寒い日が続いた後、気温や水温が上昇基調にある日は確かに釣果も良いことが多いですが、絶対的な気温水温が重要なのではなく、低いなら低いなりに安定していて下降基調になっていなければ、それなりに釣果は得られます。
また、一括りに冬期といっても、まだ水温が比較的高い1月などは、よく潮が動く夜間の下げのタイミングが釣りやすいですが、2月、3月の最低水温期は、比較的上げ潮で良い釣果に恵まれることが多い気がします。
低水温期の早春は上げの潮が良い時も多い。 |
この時期のシャローの水温がとても低いこと、上げの潮でより暖かい沖の水がシャローに入り込んでくることと、魚の動きがリンクしているからかもしれません。
ちなみに、ものの本ではよく「バチパターンは大潮満潮が夕まずめにかぶるタイミングからの下げが良く、遅くとも21時くらいまでが時合い」などと書かれている場合がありますが、そんなことはありません。
上げでも十分成立しますし、その日の状況によっては夜間遅くになってパターンが炸裂する日もありますので、メディアの情報や一般論にとらわれずご自身のフィールドで色々試してみられるのが良いと思います。
話が脇道に逸れましたが、もう一つ重要なポイントになるのが風と流れ。
風に関しては、無風で鏡面仕上げの海では魚の活性が上がらず、居てもなかなか口を使ってくれませんので、たとえ北風であっても風で水面が波立つくらいの天候の方が明らかに釣果は良いです。
流れに関しては、私の通う湾際奥部のようなポイントではそこまで強い流れは出ませんが、そんな中でもやはり筋が出るほど流れがある状況で釣れる場合が多いです。
海川を問わず魚の習性として、基本流れの上流に頭を向けて餌を待ち構えて泳ぐため、魚の向きが推測しやすくなること、またカケ上がりなど地形変化と強い流れの筋がリンクする場合、魚がその場所に集まりやすく、釣り人からすると狙いどころを絞りやすくなるという意味で、流れの存在は重要です。
アミ、バチ、マイクロベイトといった浮遊系ベイトを食するシーバスを狙うため、必然的にシンペンの出番が多くなることもあって、流れの存在は非常に重要なファクターと言えますね。
具体的な狙い方とオススメのルアー
基本は流れの釣り
この時期は上述の通り、魚は目視で確認できないアミやバチ、稚魚などのマイクロベイトを食していますが、ベイトが豊富な時期ではないため、あまり積極的に動き回って捕食活動を行っているわけではありません。
捕食の為に移動を繰り返すことに消費するカロリーが捕食によって得られるカロリーを上回り続けると、魚は最終的に死んでしまうため、ベイトが少なく摂餌可能性が低いこの時期は、本能的にそのような行動はとらないからです。
では、どのように餌を採っているのかというと、遊泳力に乏しいマイクロベイト類を効果的に発見、捕食できるよう、やはりこの時期でも魚は流れの変化に着いて、流されるベイトを拾って捕食しているのです。
よって、冬期の釣りにおいても基本的には流れを探る釣り方になります。
特にストラクチャーが見当たらないオープンエリアの釣りでは、やはり魚は周囲で一番強い流れやそれによって生じる反転流、ヨレなどの周辺に集まるため、こういった流れの変化点をどう探していくかが最重要ポイントになります。
スローなアプローチが必要
もう一つ、この時期の魚は、上述の通りカロリー消費ができるだけ少なくなる捕食を好む傾向があるため、餌を見つけても長距離追いかけて捕食するようなケースは少なくなります。
もちろんこの時期でもリアクション要素で食うケースも多数あるため、絶対ではありませんが、基本的に食べている餌の遊泳力が弱いということもあり、スローなアプローチが有利になるシーンが多いです。
そのような事情から、ルアーはできるだけ魚の近距離を通して、スローにじっくり見せてやる攻め方が有利になることが多いですね。
冬期シーバスに有効なルアーと狙い方とは
上記のように、釣れる流れを探しやすいルアーで、この時期有効なスローでナチュラルなアプローチを可能とするために、使用するルアーは自ずから小型シンペンが多くなります。
目で見てわかる流れがあればそれを狙えば良いですが、ナイトゲームではキャストを繰り返して、シンペンのリトリーブ抵抗がの変化によって流れの変化を探るのが常套手段。
まずルアーの能力で周辺で一番強い流れを探し、そこでの魚の反応を探って、反応がなければルアータイプやカラーを変えて、それでも反応がなければ他の流れを探すという繰り返し作業で、徐々に魚への距離を詰めるという地味な反復プロセスで狙うのです。
そんな時、まず最初に投げるサーチベイトとなるルアーには、流れを感じる能力は必須要件。
また、魚の反応を探るという意味でも、初めはアピール力のある泳ぎをするタイプを投げるのが効率的です。
おススメルアーその1:ジップベイツ ザブラクロストリガー
この時期のベイトタイプと、上述の性能要件に見事にマッチするルアーが、ジップベイツのザブラクロストリガーのクリアー系カラー。
サーチベイトとしても超優秀!クリア系はほとんど店頭在庫を見かけないので、みつけたら即買い推奨です。特に厳寒期にオススメなのは右の2色。 |
抜群のキャスタビリティで荒れた状況でも凪の状況でも、遠距離近距離両方にマルチに使えるルアーで、流速感度に優れているため、広い範囲から釣れる流れを探す作業に最適なルアーです。
小型ながらアピール力のある泳ぎをしますが、この時期シャローの流れの中をうろついている魚は基本的に飢えており、目の前をルアーが通るとなんらかの反応を見せることが多いですので、ワイドなアクションの質も最初のサーチにちょうどいいと思います。
個人的に冬期シーバスの釣果の9割程度はこのルアーと言っていいくらい、絶大な信頼を寄せているルアーです。
具体的なインプレッションは以下記事に書いていますので、是非ご覧になってください。
おススメルアーその2:DUO マニックフィッシュ88・77
もう一つ、より遠い流れや強めの流れを探る時に備えて、DUOのマニックフィッシュ88や77のクリアー系カラーもオススメです。
バチパターンで強いのは言うまでもありませんが、アミや稚魚系ベイトで強いのは左右とも上から3番目の2色。厳寒期は特にCOREMAN×DUOのクリアチャートヘッドがオススメ! |
77は微弱ロールメインのアクションですが、88の方はルアーが受ける水抵抗や流れの変化によって微弱ロールとスラローム2種類のアクションを使い分けることができ、ともにアミ、バチ、稚魚系いずれにもマルチに対応できるルアーで、流速感度、キャスタビリティとも抜群であるため、カバーできる状況が広いことが大きな魅力。
クロストリガーに比べるとやはり比重が重いルアーになるため、特に88の方はスローにアプローチするためには若干強めの流れがある状況に適していますが、クロストリガーとは全く性質の異なるアクションをするルアーであるため、ローテーションのタッグとしても相性は最高。
クロストリガーのワイドアクションで反応がないときは、マニックやマニックフィッシュの微弱ロールで探るといった感じで、組み合わせてローテーションすることで、より魚の取りこぼしが少なくなることが多いため、これも冬シーズン攻略時の基準になるルアーとして、是非とも持っておいた方がいいと思います。
具体的なインプレッションは以下記事に書いていますので、こちらも是非ご覧になってください。
状況にもよりますが、コレらのルアーでしっかり探したいい流れの中で掛けた魚は、がっつりとハーモニカバイトで釣れてくるケースが多いです。
おススメルアーその3:DUO マニック75
この時期上記2種類のルアーでカバーしきれない状況として、寒い時期なので想像しがたいかもしれませんが、表層に浮いている、あるいは表層を流れているアミの群れに対してライズ・ボイルしているシーンが結構見られます。
そういう時に非常に有効なのが表層引き波系ルアー。
バチパターンはもちろん、特に表層アミパターンではマニック75が無類の強さを発揮してくれることがありますので、クリアー系カラーを中心に何本か持っておくことをオススメします。
有効な使い方はスローのただ巻き。
もともとマニックシリーズはスローでも浮上性が高いルアーですが、派手に引き波を出すよりも水面に頭を出すか出さないかギリギリのデッドスローで巻くのがコツです。
コレは1月の気温の低い日にマニック75で釣った魚。 アミパターンでライズが見られる日でした。 |
バイトは大型でも吸い込み系の小さな場合が多いので、細軸、鋭めのフック使用がオススメです。
当然、それらのフックでも伸びないようなライン、ロッド、ドラグのトータルセッティングが重要なのはいうまでもありません。
シーズン初期でマニック75では少し大きいかなという状況では、アピアのハイドロアッパー55、より春に近いシーズン後期には、バチパターンも視野に入れて、邪道のEnvy95なども実績が高くオススメです。
Envyの方はレンジを入れて流しの釣りでも活躍してくれる芸達者なルアーなので、コレも是非持っておきたいルアーですね。
あと、この記事の執筆時点ではまだリリースされて間もなかったため、おススメルアーとして記載できませんでしたが、2022年初頭にリリースされた「マニックスロー」シリーズも非常に有望なルアーだと思います。
オリジナルのマニックよりもスローにリトリーブして水面をキープできる特性は、動きの鈍い厳寒期のシーバス狙いに最適。
もともとマニックシリーズはバチパターンのイメージが強いですが、実際はアミやマイクロベイトなど、何を食べているかわかりにくい時期全般で強いルアーなので、是非タックルボックスに1つか2つ常備しておきたいですね。
流れのない状況での狙い方
上記がこの時期の王道の釣り方やそこで使うルアーになりますが、実際に釣り場に立ってみると、都合よくいい流れが出る日ばかりではありません。
日によっては、全く風も流れも生じず、海面が鏡面仕上げとなってしまう場合も多いでしょう。
そういう釣行シーンでは、直接目視で魚を探す釣りが有効になります。
特にシーズン初期の12月後半から1月にかけて、小型中心となる時期に多くなる釣り方ですが、先の述べた通り、この時期は魚の近くにルアーを通してやることが重要になってきますので、ぽつぽつと水面に出る魚のライズや波紋を探してランガンし、それを狙い撃ちするようなイメージで釣れる魚を拾っていきます。
釣れるサイズはどうしてもセイゴクラスが多くなるというところがこの釣り方の難点ですが、うまく居場所を特定できれば、比較的容易にヒットに持ち込めるのが特徴です。
おススメルアーその4:アイマ コレットシリーズ
上記のような状況で活躍するのはメバルルアー。
中でも、接近戦の表層狙いで抜群に実績があるのはアイマのコレット45と60です。
1月にコレットで釣った魚。このクラスは何本もコレットで釣っています。 |
コレットは棒のような形状をしたシンキングペンシルで、動きも非常に大人しいタイプですが、それが却って魚に違和感を抱かせることが無いため、流れが無く鏡面仕上げの静かな海で、魚の居場所を直撃して食わせに持ち込むには非常に適したアクションだと思います。
極スローなリトリーブでもレンジキープさせやすく、かつ同じ場所に連投しても魚がスレにくいという特徴もあるため、持っていると非常に重宝するルアーです。
なお、過去にもコレットの45サイズで一晩に60UPの魚を連発したこともありました。
小さくても状況にハマれば非常に爆発力のあるルアーだと思います。
おススメルアーその他
潮に動きがない、流れが無いという状況で、上記以外におススメのルアーをご紹介すると、コレットよりももう少しアピールを上げたいシーンではバスデイのS.P.M55やタックルハウスのライジングミノー、少しレンジを入れた展開ではラパラのフラッタースティックなどが釣果実績抜群で、オススメです。
いずれもルアーが軽量ゆえに、シーバスロッドでは全く飛ばせません。
PE0.4号以下の細糸+ライトロッドは絶対必須で、それでも飛距離はさほど期待できませんが、その分、居る魚に対する食わせ能力は非常に高く、高確率で魚からの反応を得ることができますので、ボウズ逃れに投げるルアーとしても最適ですね。
(後編につづく)
2022年以降の釣行記は姉妹サイト「スモールフィッシング」に記しています。
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