みなさまこんにちは。
今年も夏が終わり、秋のサヨリパターンの釣りが気になる季節になってきましたね。
そんなサヨリパターンの釣り、私の地元阪神間で流行ってるルアーといえば、長年パラガスでしたが、近年さまざまなメーカーからこのパターンに適したルアーがリリースされてきましたね。
個人的にサヨリパターンでの釣果は長らくアピアのエイチベイトでばかりでしたが、2018年秋、もうちょっと違うタイプの飛ぶルアーが欲しい!ということで、当時リリースされたばかりのダイワの新作、モアザンシャローアッパースリム160F-SSRを買ってみました。
その後毎年サヨリパターンのシーズンにはこのルアーでコンスタントに釣果を得ることが出来ています。
というわけで、今回はこのダイワ モアザン シャローアッパースリム160F-SSR の長期使用インプレッションをお届けしたいと思います。
どんなルアー?
モアザン シャローアッパースリム160F-SSRは、全長160mm、自重20.3gのスリムでロングなフローティングミノーです。
メーカー公表のスペックによると、飛距離はMax63.5m、Ave60.7m、アクションはナチュラルウォブンロール、潜航レンジは約5cm〜約30cm、フックは#5×3本、リングは#3です。
同社のシャローアッパーシリーズにしてはかなり細め(とはいえ、サイズがデカイのでそれなりの太さはありますが)のボディシェイプに、カップ状のヘッドリップが外観上の特徴です。
ボディの上半分にはウロコ模様が配されていて、フラッシングの効果も期待できそうですね。
ダイワのルアーは、メーカーサイトよりもパッケージ裏面の方が詳細に解説が書かれていることが多いので、どんなルアーなのか、こちらの解説を引用してみましょう。
「細身のベイトに偏食した魚を寄せる泳ぎ」をコンセプトに開発されたブッ飛びスリムロングリップレスミノー
160mmというロングボディながら、スローリトリーブでもタイトなローリングアクションを引き出し表層をトレースできることで、サヨリのような細身のベイトに偏食したシーバスを激戦区においても、バイトへ持ち込むことが可能。
また、体高がなく浮力も弱い分違和感を与えないのでシーバスがスレにくい上、早巻きしても水面から飛び出しにくい汎用性の高さが特徴。
さらに、この「シャローアッパースリム160F-SSR」はダイワ独自の「重心移動システム「MAGROCK+Rシステム」の搭載により、スリム系ロングミノーの泣き所であった「キャスタビリティ」の問題を、「立ち上がり性能」を損なわずにクリア。
従来の125〜145mmサイズのスリム系ルアーではアピール仕切れなかった状況においては、160mmのボディは高い集魚力を誇り、スレに強いフラフラ系水押しアクションに加え、小刻みに入るイレギュラーアクションで、低活性のタフなシーバスをも惹きつける。
捕食しやすいスリムボディ形状に3フックシステムを採用したことで、触れるようなショートバイトでもガッチリとフッキングし、バラしを軽減します。
ハーフスケールデザイン&セミフラットサイド楕円ボディのフラッシングアピールは高く、パイロットルアーとしてもファイナルウェポンとしても有効で、河川、港湾部、河口、サーフ、磯、干潟等あらゆるフィールドで活躍します。
キャスタビリティ
ダイワ独自の重心移動システム「MAGROCK+Rシステム」によりスリムロングミノーの泣き所であった「キャスタビリティ」の問題を、「立ち上がり性能」を損なわずにクリア。
操作方法
ただ巻きのみでOK!!流速に合わせたスピードで。
最適な状況
「マイワシ、サヨリ、アユ、デカバチ、ハタハタ、ギンポ」等シーバスが大型のベイトを捕食している時に最適。食い気のないシーバスの前にあえて投げて、活性を上げたり、中小型サイズを避けてデカいサイズを狙って獲ることも可能です。
サヨリパターン
ルアーが着水して動いた瞬間と、ルアーがサヨリにぶつかった時にヒットすることが多いため、サヨリが群れているところへキャストし、とにかくルアーを「サヨリ」に当てることが大切です。ルアーがサヨリに当たり、サヨリがパッと散った瞬間にシーバスの捕食スイッチが一気に入り、逃げ遅れたルアーにバイトしてきます。ルアーをサヨリが泳いでいるスピードに合わせるのが秘訣です。
(モアザン シャローアッパースリム160F-SSR 製品パッケージ裏面より引用)
かなり詳しく解説されていますが、ご丁寧にサヨリパターンでの使い方まで書かれていますね。
キャストフィール
メーカー発表によるとこのルアー、 Max63.5m、Ave60.7mもの飛距離がでるとのこと。
コレだけボリュームのあるビッグルアーでこの飛距離はかなり優秀だと思いますが、実際に投げてみても確かに良く飛びますね。
しかし、飛ぶには飛ぶんですがちょっとクセがあるかもしれません。
うまくキャストが決まれば、驚くほどよく飛んでくれますが、キャストに失敗すると悲しいほど飛距離が出ないことも。
どうやらこのルアー、少し投げ方にコツが要るみたいで、ビシッと鋭くキャストするよりも、しっかりルアーの重量をロッドに乗せて、ブワンとゆっくり大きく振りかぶるようなキャストをした方が飛距離は伸びます。
もちろん、ゆっくりと言っても、MAGLOCK+Rシステムが作動してくれる程度の素早さは必要なので、さじ加減が重要なのですが。
また、飛行時の軌道も若干クセがあって、まっすぐシュパーンと飛んで行くこともあれば、空中で失速したり、エアガンBB弾のホップアップのように上昇したりと、若干コントロール性では気難しい一面がありますね。
狙いのボイルポイントど真ん中に着水させるアキュラシー面では若干厳しそうに感じました。
それでも、コツを掴めばかなり飛距離は出るし、着水点もコントロールできるようになるので、ちょっとキャスト練習で慣れることが必要なルアーって感じですね。
まあ、そんなクセは多少はあるものの、サヨリパターン用のルアーとしてはトップクラスのキャスタビリティがあることは間違いありません。
このパターン向けでは飛ばないルアーが多いので、この飛距離だけでも充分な個性と言えますね。
ちなみにこのルアー、0.8号のような細目のPEラインよりも、後方への抵抗が増える1号、1.2号といったやや太目のPEを使った方が飛行姿勢が安定するタイプのようです。
私はサヨリパターンの実釣時には主に1号のPEラインを使っていますが、一般的にルアーのフルキャストで必要とされるラインの太さは、ルアー自重1グラムに対してライン太さが1ポンドという割合が理想とされているので、20gあるシャローアッパースリムを振り切って投げるにはやはりPEなら1号、1.2号あたりがベストではないかと思います。
アクションとレンジ
メーカー発表によるとアクションはナチュラルウォブンロールで、潜航レンジは約5cm〜約30cmとのこと。
実際にシャローエリアで以下のスイム動画も撮ってみました。
このアクション、大型ゆえにゆったりした感じのウォブンロールですが、テールの振り幅、つまりウォブル要素はタイト目で、全体的に揺らぐような感じのロール主体のアクションですね。
個人的な感想としては、バレーヒルのパラガスのアクションをよりタイトでナチュラルにしたようなイメージで、アピアのエイチベイトよりもややアピール寄りといった感じでしょうか。
大型ルアーゆえに「キレの良さ」的なものはありませんが、その体躯にも関わらず意外と泳ぎの立ち上がり、つまりレスポンスは良く、着水直後のアクションエラーもほぼありません。
これは、着水直後の動きで勝負が決まることも多いサヨリパターンのボイル撃ちなどでは非常に重要な性能だと思います。
なお、リトリーブ抵抗は大きめではっきりしたものですが、ルアーの浮力が比較的小さめなため、リップによる抵抗というよりもボディ全体で水を纏ったような、若干ねっとり感のある引き抵抗です。
こんなルアーでやる必要はないでしょうが、小刻みなアクションをつけるのには適していなさそうですね。
レンジはウェーディングでロッド水平で使ってみた感じ、実用域のリトリーブスピードでは水面下20〜30cmといったところでしょうか。
ただ、流れでダウンに入ったり、遠距離でティップを下げたリトリーブをした場合とかだと、30cmよりもう少し潜るかなという印象です。
先述の通り浮力が低めの設定のようなので、一旦レンジが入るとそこからのレンジキープは得意なタイプで、極低速でリトリーブしても、浮き上がって水面に出てしまうようなことはありません。
また、サヨリパターンではまず使わないようなファストリトリーブでも水面を割るようなこともなく、安定した泳ぎを見せてくれます。
どんなシーンで有効か?
このシャローアッパースリム160F-SSR、もちろんサヨリパターンでの使用を意図して購入したのですが、実際に使ってみて、思ったよりも汎用性ある大型ミノーって印象を受けました。
メーカー解説文にある通り、レンジとサイズがマッチすれば、サヨリ以外にも色々なベイトパターンで活躍してくれそうですね。
個人的には、サヨリパターンの釣りに振ったもっと大人しめのアクションを期待してたのですが、他ベイトパターンも視野に入れてこういう仕上がりなのかもしれません。
しかし、実際に使ってみるとこの適度にアピール力ある泳ぎが、魚を寄せてくれる効果があるようで、オープンエリアでボイルが起きてない状況下で何度も良型シーバスを連れてきてくれました。
サイズ的にはズバリ「パラガス」のライバルですが、パラガスが高浮力で比較的キレのある泳ぎであるのに対して、こちらシャローアッパースリムはそれよりもう少しゆったりかつタイト目な泳ぎ。シャローを攻めるためにロッドを立てて無理やり使っていたパラガスに比べてシャローでのレンジキープもさせやすく、飛距離もパラガスよりだいぶ上なので、ルアーの特性を掴んで使えば、きっとサヨリパターンでの強力な武器になってくれると思います。
一つだけ使っていて不満に思った点をあげると、ラインアイへのスナップが通しにくいこと。カップ状のリップ形状ゆえに、特にエバーグリーンのEGワイドスナップ#2との相性は最悪(笑)。
まあサヨリパターンってそうそう頻繁にルアーチェンジするものでもないので、これでも良いのかもしれませんが、接近戦も多くなるシャローのナイトゲームでは、暗闇でもノーライトでルアーチェンジできるのが必須の要件。
飛びや泳ぎの追求も非常に重要なところですが、メーカーさんにはぜひともこういう細かい使い勝手にも気をかけて欲しいなと思います。
それはさておき、シャローアッパースリム160F-SSR、まだ使い始めて数年ですが、個人的には既にサヨリパターンにおいてはエイチベイトとならんで不動のツートップとなったルアー。
決して安いルアーではありませんが、実釣性能面では文句のない仕上がりで、サヨリパターンでは必携ルアーの一つ。
一本試しに買ってみても絶対に損はしないですので、もしまだお持ちでないという方は、ぜひ一度手にとってみてください。
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