みなさまこんにちは。
2020年8月27日に、ついに待ちに待ったBB-Xハイパーフォース (コンパクトモデル)のモデルチェンジ版、次期’20BB-Xハイパーフォース (2代目)の概要が、シマノ公式HPで発表されましたね!
(シマノ’20BB-Xハイパーフォース製品HPより引用)
今回は、この次期’20BB-Xハイパーフォースについて、製品のディティール、先代との違いなどについてご紹介したいと思います。
「自分はルアー釣り派だから関係ない」というそこのアナタ!ハイパーフォースのコンパクトモデルは、実はルアー釣り、特にシーバスルアーでは大活躍してくれるリールなので、中身を知っておくだけでも損はないと思います!
BB-Xハイパーフォース コンパクトモデルとは?
BB-Xハイパーフォース コンパクトモデルは、シマノから発売されているコンパクトサイズのレバーブレーキ式スピニング リールです。
ボディサイズはシマノ基準の1000番台、ローターやスプールサイズも同じく1000番台のコンポーネントから成り、小型であるだけでなく、同じハイパーフォース でも、2500番、C3000番などの標準サイズモデルに比べて50gも軽量なところが特徴。
もともとレバーブレーキ付きリールに関しては、シマノはライバルのダイワリールに比べて、2500サイズどうしの比較なら圧倒的に軽量なのですが、そこからさらにー50gは、LBリールとしては異次元の軽さです。
ハイパーフォースというシリーズ自体は、シマノのLBリールの中では、BB-Xテクニウムを頂点とするヒエラルキーの中、ミッドレンジ上位に位置づけられるリールで、ダイワのLBリールでは磯釣り用のインパルトシリーズに相当すると言えるでしょう。
しかし、このハイパーフォース コンパクトシリーズのサイズ感は、他メーカーにはもちろん、シマノLBリール各種の中でも他のシリーズにはない、唯一無二のものです。
リール本来の位置づけとしては、主に磯や波止でのチヌ、グレなど上物をフカセ釣りなどで狙うためのリールですが、もちろんシーバスをはじめとするライトなルアーフィッシングにも適したリールです。
私は個人的に、所有するスピニングリールは全台レバーブレーキ搭載モデルなのですが、1年の半分、12月から翌5月までの間は、この’20BB-Xハイパーフォースの前身である’14ハイパーフォースならびにその派生機種である’15RINKAI SPを愛用しています。
’15 BB-X RINKAI
SP。ハンドルやレバーはシマノ純正パーツでカスタマイズしています。 |
シーバス専用モデルとしてリリースされていた、’15エクスセンスLBのC2000モデルも、この’14BB-Xハイパーフォースがベースで、駆動ギアをPG化し、ハンドル、レバー他加飾を一部変更しただけのリールであるため、基本的には同じリールですね。
次期’20BB-Xハイパーフォースの主要スペック
次期’20BB-Xハイパーフォースには、スペック違いで以下の4機種がラインナップされます。
- PE0815D XXG
- 1700D XG
- C2000D XG
- C2000D XXG
この4機種に共通するスペックは以下の通りです。
スペック | |
---|---|
自重 | 190g |
最大ドラグ力 | 3.5kg |
最大ブレーキ力 | 5.0kg |
スプール寸法 (径mm/ストロークmm) |
43.0mm/12.0mm |
ハンドル長 | 45mm |
ベアリング数 BB/ローラー |
8/0 |
本体価格 | 45800円 |
そして、4機種それぞれ固有のスペック情報は以下の通りです。
品番 | ギア比 |
|
最大巻上長 (cm/回転) |
---|---|---|---|
PE0815D XXG | 7.0 |
|
95 |
1700D XG | 6.6 |
|
89 |
C2000D XG | 6.6 |
|
89 |
C2000D XXG | 7.0 |
|
95 |
基本スペックは同一で、ギアがXXGタイプとXGタイプの2種類、スプールタイプがPE専用の0815スプールと、1700、2000の3種類あります。
シマノスプールの糸巻き量の計算方法
シマノのスプール表記は、PE用の0815なら、[08]が、「PE0.8号」、[15]が「150m巻ける」という意味で、ナイロン用(もちろんPEも巻けますが)の場合、「1700」なら「17」、つまり、ナイロン1.7号が150m、「2000」なら「20」、つまり、ナイロン2.0号が150m巻けるという意味です。
『型番の上2桁の数字の号数のラインが、150m巻ける』という表記ですね。
他のリールも含めると、これにさらに、MとかSとかのスプールタイプ別表記(例:’16ExsenceLB C3000MXGの「M」や、’19ヴァンキッシュC2500SXGの「S」など)によって、標準スプールに対する糸巻き量が変わってくるため、実際には覚えにくいのですが。
ちなみに、ナイロンラインについては、基本的に[号数]×[糸巻き量]が一定の値になるので、例えばC2000のスプールだと、2×150=300なので、1号なら300m、1.5号なら200m、3号なら100mの糸巻き量になることがわかります。
PEラインの場合は、多少誤差がでますが、概ね同じように理解しておいて大丈夫です。
C3000MXGなどのMスプールでは、1.2号が150M巻けるミディアムスプールですが、1号の場合だと、1.2×150/1.0=180m巻けることになりますね。
次期’20BB-Xハイパーフォースの進化した内容
(シマノ’20BB-Xハイパーフォース製品HPより引用)
’20BB-Xハイパーフォースの外観上の変化については、写真で見る限り、先代’14BB-Xからの変化点をまとめると以下のとおりです。
- ブレーキレバー形状の変更(’15BB-Xテクニウムと同型レバーに)
- ハンドルノブ の変更(’16ExsenceLB、’16Vanquishと同型ノブに)
- スプールに新デザイン採用
- ハンドル、ハンドル軸つばの変更
レバーやハンドルノブはカスタマイズしていますが、以下写真の’14BB-Xハイパーフォースと比べて、’20ハイパーフォースのボディ及びローターのデザインは一切変わっていないように見受けられますね。
モデルチェンジしてもここまで外観が変わらないことは珍しいと思います。
機能面での変化については、シマノカタログに表記される機能アイコンを比較すると、以下の通りです。
'20ハイパーフォース | '14ハイパーフォース |
---|---|
HGN GEAR | HGN GEAR |
X SHIP | X SHIP |
HGN BODY | |
MugnumLiteRotor | |
X PROTECT | |
AR-C SPOOL | AR-C SPOOL |
CI4+ | CI4+ |
S AR-B | S AR-B |
ONE PIECE BAIL | ONE PIECE BAIL |
BARRIER FINISH | |
海水OK | 海水OK |
機能面での大きな変化点は、やはりHAGANE BODYとX PROTECTの採用でしょうか。
実物を手にとっていないため、HAGANE BODYというのが、リールフットを含めたハウジング全体を指しているのか、ギアボックスをシールする蓋部分を指しているのかは定かではありませんが、先代’14BB-XハイパーフォースのCI4ボデイは実釣時に若干剛性面の不足を感じさせるシーンもあったため、これは非常に歓迎できる変化点だと思います。
また、’14BB-Xハイパーフォースシリーズは登場時にまだコアプロテクト、Xプロテクトが登場していない時期であったため、防水対策は貧弱でした。
(シマノ’20BB-Xハイパーフォース製品HPより引用)
そのため、今回本体重量を増加させることなく、念願のXプロテクトが実装されたことはおそらく多くの先代オーナーにも大歓迎される内容ではないでしょうか。
MugnumLiteRotorは、先代もCI4素材のローターで、今回外観上の変化がなかったため、おそらく機能表示アイコンを足しただけ(中身は変わらない)と思います。
なお、先代だけにあった機能として、BARRIER FINISHが挙げられますが、これは特殊な撥水防汚性能を高めるコーティングで、オキアミ餌を多用する磯釣りでは、水洗いだけで汚れを落としやすいくなるという嬉しい機能ですが、それほど重要なものではないと思います。
'20BB-Xハイパーフォースのベストバイモデル
磯釣りや波止釣りなどをする方なら、ご自身のスタイルに合ったモデルをチョイスされれば良いと思いますが、ルアーフィッシングで使う場合に限っていえば、ベストバイモデルはラインナップの4機種の中では間違いなく1700DXG。
このモデルを選ぶ理由の一つは、ギア比。
XXGギアは、巻き上げ速度は良いのですが、リトリーブ中の巻きが重いこと、また大型のシーバス相手に使うには非力であり、高頻度でキャストとリトリーブを繰り返すルアーフィッシングでは、耐久性の面でも不利です。
私自身、数年間に渡って先代ハイパーフォース(HG)とRINKAI SP (XG)をシーバス用に使ってきましたが、特にXGモデルについては、リトリーブ抵抗の大きなルアーをダウンで流したり、鉄板バイブレーションなどをリトリーブする時は、かなりハンドルの巻きが重くなります。
もちろん、当時よりギアの各種性能向上はあるのでしょうが、上記理由から、ライトゲームや軽量ルアーしか使わない場合を除いて、XGモデルを選択するのが賢明でしょう。
XGであれば、スプールタイプは1700でも2000でもどちらでも良いと思いますが、このリールに合わせるラインはおそらくPE0.4〜0.8号といった細糸がメインになると思います。
そのようなラインを巻く場合、2000のスプールではかなり下巻きを多くせねばならないため、その分お金(ライン代)もかかりますし、スプールの重量増加にもつながりますので、大きな差ではありませんが、できるだけ経済的で軽量になる1700スプール搭載モデルを選んだ方が賢明でしょう。
本来なら、ルアーフィシング用途としてはPE0815スプールが最も好ましいスプールなのですが、XGモデルには初期搭載されないのが残念ですね。
'20BB-Xハイパーフォースをシーバス釣りで使うなら
'20BB-Xハイパーフォースはシーバスはもちろん、チニングやライトソルトゲーム、エギングなどにも最適なリールです。
ベースが1000番台という小型サイズなので、特にライトラインを使ったルアーゲームには相性が良く、もともとドラグ性能が良いリールに、レバーブレーキがついているため、魚の急な走りやツッコミに対応する機構が二重にあることは、やりとりの面でも非常に有利です。
シャローのゴロタ帯、0.4号ライン+7ポンドリーダーでも、レバーブレーキリールならこんなサイズのシーバスでも安心してやりとりができます。 |
ロッドを握る手とスプールとの距離が近いこともあり、フェザリングなどは抜群にやりやすく、非常に繊細な操作性に長けているため、使っている人を見かけたことはありませんが、バスフィッシングやトラウトフィッシングなんかにも使ってみたらきっと相性はいいのではないかと思います。
そんなBB-Xハイパーフォースですが、やはりシーバスをはじめとするルアーフィッシングをする方の多くが気にされるであろう点といえば、ブレーキレバーの形状。
’15BB-Xテクニウム同等の形状は、餌釣りでは良さげですが、ルアーにはちょっとなと思われる方も多いと思います。
そんな時にオススメなのが、ストレートレバーへの換装、カスタマイズ。
特に個人的にオススメでハイパーフォースに相性が良いと考えるのは、’13エクスセンスLBや’15エクスセンスLBで採用されていた薄型金属のレバーブレーキ。
’15ExsenceLB用ストレートレバーに、夢屋EVAラウンドノブに換装するとこのような感じになります。ちなみにライトソルトロッドとの相性も抜群で、特にブルーカレント85TZ/NANOとは素晴らしく完璧なマッチングぶりです。 |
値段は5100円(税別)とそこそこ高いですが、シマノのパーツリストから部品番号を特定して、釣具店などで注文すれば、簡単に入手可能ですのでオススメです。
’15エクスセンスLBのストレートレバーの部品番号は以下の通りです。
0061 | ブレーキレバー(A) | 5,100 |
ハンドルノブに関しても、好みでカスタマイズされると良いでしょう。
オススメなのは、シマノ夢屋からリリースされているEVA丸型のものです。
もう一つ、’20BB-Xハイパーフォースは、本体が小型なため、デフォルトのハンドル長は45mmと、通常の2500番やC3000番より短いハンドルが付いています。
安定したデッドスローリトリーブを行えてブレも少ないショートハンドルも良いのですが、リーリング時の巻き心地をもう少し軽くしたい場合や、一般的な2500サイズと同じ感覚、円周半径でリーリーングしたい場合は、50mmハンドルへのカスタマイズもオススメです。
ハンドル組みとして購入すると非常に高価なハンドルも、必要な部分のみ単品パーツ(ハンドルシャフト組)として購入すればお安くカスタマイズできます。 |
私の場合は、2500版サイズのBB-Xデスピナのハンドルパーツを取り寄せ注文して、ハンドル部分のみを50mmサイズにして愛用していますが、カラーリングのマッチングも考えて、’20ハイパーフォースを50mmハンドルにする場合は、’17BB-Xハイパーフォース C3000DXG(非SUTブレーキタイプ)の以下のパーツを注文すると良いでしょう。
0097 | ハンドルシャフト組 | 3,100 |
まとめ
今回は9月に登場予定の’20ハイパーフォースについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
先代も非常にいいリールでしたが、今回のモデルチェンジはキープコンセプトながら先代で不満を感じていたボディ剛性面や防水機構面で、それぞれHGNボディやXプロテクトなど先進機能を取り込むことで、2代目としておそらく実用面で不足を感じさせない、完成度の高いリールになったのではと思います。
1000番サイズの小型ボディのリールは、キャストやリトリーブ時には本当にリール存在を感じさせないくらい、延べ竿感覚の軽快な使用感が大きな特徴で、一旦魚がかかればその小型さゆえに非常にダイレクトでスリリングなやりとりが楽しめ、釣趣という意味ではC3000サイズのリールを大きく上回ります。
LBリールをご愛用の方も、そうでない方も、この楽しさは是非とも手にとって味わっていただきたい、そんなリールです。
私自身も、発売と同時に入手できるよう、既に予約注文を入れていますが、また入手後の実釣インプレなども、当ブログでご案内できればと考えています。
(後日追記)無事初回生産ロット分を購入することができたため、以下に’20BB-Xハイパーフォースのインプレ記事を書いています。よろしければ是非ご覧になってください。
2022年以降の釣行記は姉妹サイト「スモールフィッシング」に記しています。
よろしければコチラのサイトもご覧になってみてください。
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