みなさまこんにちは。
この「続・スモールフィッシング」をスタートしてからは、昔ほどルアーインプレ記事は書かないようになりました。
5年前くらいまでは、いろんなルアーを使ってみたいと好奇心が旺盛で、あれこれ新作ルアーに手を出してはインプレを書いていましたが、どうもここ数年、「コレは!」と思う新しいルアーが出てこないことと、もう一つ、ルアーをあれこれ買うと結構お金が掛かるので、似たようなルアーをたくさん買うよりもロッドやリールなどタックルにお金を掛ける方がいいなと思い始めたという事情もあります。
そういうわけで、近年は昔から使ってるルアーを使い続けたり、昔買ってあまり使い込まなかったルアーを改めて使ってみたりしているのですが、そうしていると、買った直後には気づかなかったルアーの特長とか強みが再認識できたりすることもあるんですよね。
ということで、昔書いていたインプレ記事なんかも内容をアップデートしたい欲求に駆られてきたので、それらルアーインプレも暇を見つけたら順次このブログでリライトしていこうかと思っています。
そんなリライトインプレ記事として、今回取り上げるのはDUOのベイルーフ マニックフィッシュ88。
マニックフィッシュ88といえば、私にとってはいつもの浜で数々のメモリアルフィッシュを連れてきてくれた大変信頼しているルアーで、隠し玉的な存在。
兄貴分のマニックフィッシュ99もリリースされていますが、個人的な釣果実績では圧倒的にこの88サイズの方が上です。
ということで、今回はこのマニックフィッシュ88の長期使用インプレッションを改めて書いてみようと思います。
マニックフィッシュ88。上2色は、過去に数々の大物を連れてきてくれたお気に入りカラーですが、どうも廃盤カラーのようです。根掛かりロストしないよう気をつけねば・・・ |
ベイルーフ マニックフィッシュ88とはどんなルアー?
ハンドカービング技術を中心に、一貫した自社生産スタイルで日本のルアーメイキングをけん引する株式会社DUOは、静岡県焼津市に本拠地を置くルアーメーカー。
シマノのルアーをはじめ多くのメーカーのOEM生産を請け負っているルアーメイキング業界の大手企業ですね。
そんなDUOの「ベイルーフ(BayRuf)」は、ビギナーのエントリーフィールドとして、エキスパートのテクニカルフィールドとして、多様なシーバスゲームが展開されるベイエリアを攻略するためのルアーシリーズのブランド。
使い手を選ばない扱い易い基本性能と、コアなニーズにも対応するイレギュラー性能を兼ね備えたアイテム群が特徴です。
そんなベイルーフブランドから輩出されるマニックフィッシュ88は、その名の通り全長88mmのシンキングペンシル。
75、95、115、135、155、SLOW95、SLOW115ともの凄いラインナップ数を誇るバチ抜けの定番「マニック」シリーズと兄弟関係にあるルアーですが、このマニックフィッシュは若干ボリューム感ある太目ボディで、メーカーの製品ページに「小魚をイミテートした」と書かれている通り、「フィッシュ」ライクな外観です。
左下2本は99ですが、それ以外は全部マニックフィッシュ88。カラーラインナップは非常に豊富ですが、どういうわけかDUOはカラーラインナップをコロコロ入れ替えてしまうのが特徴で、お気に入りのカラーがすぐに廃盤になてしまったりします。 |
どんなルアーなのか、メーカーサイトの製品ページより引用してみましょう。
トップウォータープラグでは成り立たない、トップ&サブサーフェイスゲームを制す。
マニックフィッシュは、うわずったベイトフィッシュに着いたシーバスを狙い撃ちするために開発された、トップ&サブサーフェイス仕様のシンキングペンシルである。サイズ感をカタクチイワシに合わせ、ウエイトはマニックムーヴが再現できる最大荷重。さらに立ち上がりのよさと浮き上がりアクションをプラスするという、リファインモデルの域を大幅に超える再設計を施した。 能動的にクイックなパニックアクションを演出するための、特別仕様である。水絡みのよい高比重ボディは、トップウォータープラグにありがちな下からの食い上げによるミスバイトを抑制し、フッキング率を高める。また高速トゥイッチによる誘いにおいても、予測不能なパニックアクションを、誰もが演出することができる。シンキングだからこそ、成立するトップ&サブサーフェイスゲームがある。マニックフィッシュだから獲れるシーバスがいる事実だ。
(引用元:DUO ベイルーフ マニックフィッシュ88 製品ページ)
なお、このルアーのスペック表は以下の通りです。
Length 88mm Weight 11g Type 重心固定・シンキング Type 微振動タイトローリング Range 0〜0.2m Hook #8 Ring ラインアイ無し・フックアイ♯2 Price ¥1,540(税込)
(引用元:DUO ベイルーフ マニックフィッシュ88 製品ページ)
このルアーがリリースされた当初はもっとバチパターン向けっぽいカラーラインアップで、解説文も上記とは異なる内容だったのですが、近年はベイトフィッシュパターン、特に後述するトップルアーとしての使い方がもてはやされているためか、明らかにカラーラインナップにはメッキ系のリアルカラーが多く、解説文もその使い方にフォーカスした内容になっていますね。
個人的にはシャローのナイトゲームでただ巻きでのスローな使い方で多用するので、クリアー系やゴースト系のカラーの方が断然好みです。
キャストフィール
小粒で抑えめのボリューム感ながら、11gとウェイトは結構あるため、そこそこ高比重。
比較的高比重なタイプなので、ライトクラスからML、Mクラスのロッドいずれでも、あまり力まずにロッドのベリーにしっかり重みを乗せてキャストすれば、かなりの飛距離が出ます。
この飛距離はシンペンの中でもかなり優秀な方で、キャスタビリティが高い部類に属すると思います。
絶対的な飛距離はマニック95より上で、マニック115よりはやや落ちるイメージ。
それでも88mmというサイズを鑑みれば十分上出来な飛距離で、おそらくは空気抵抗が少なく空力面で優れたデザインだと思われるボディを持つためか、多少の横風もものともせずにカッ飛んでくれるキャストフィールで、まず不満を感じることは無いと思います。
レンジとアクション
上記のスペック表にある通り、メーカー説明によるとレンジは0~0.2mとのこと。
確かに、通常のロッドポジションでスローからミディアムスピードでリトリーブすると、水面直下の深度20㎝未満のシャローレンジをトレースできますが、マニックシリーズのように極端に揚力が働くタイプでもないため、後述のアクション変化と合わせて、レンジキープは割と難しいタイプかなと感じています。
シンキング故に、当然あまりにスローすぎるリトリーブでは、どんどんレンジは下がってしまいますので、このくらいのリトリーブ抵抗の時にはこのくらいのレンジを泳いでいるなといった感覚を掴むことが、このルアーをリトリーブで使いこなす上でのポイントですね。
0㎝というのは、おそらくトップウォーターとしての使用を前提とした最低深度表記だと思います。
マニックフィッシュ88のアクションは、大きく分けて2種類あります。
一つはいわゆる「マニックムーブ」。
スローにリトリーブすると、体を震わせるような微細なローリングアクションをします。
コレは、95や115など、他のマニックシリーズのアクションと同じタイプのものですね。
違いは、マニックフィッシュはスローにリトリーブしたら、このアクションを水面ではなく水中で起こせること。
マニックでも同じようにできない訳ではないですが、同シリーズはどれもかなり浮き上がりが良いので、実釣では結局表層でアクションさせることがほとんどで、レンジを入れてマニックムーブさせる機会は少ないかと思います。
それに対してマニックフィッシュ88はリトリーブ時に生じる揚力が若干小さめ。
よって、慣れれば容易にレンジを入れた状態でマニックムーブアクションを起こさせることが可能なのです。
そしてもう一つのアクションがスラローム。
レンジを入れた状態で、スローからリトリーブスピードを上げてミディアムスロー気味に引くと、テールを左右に振るスラロームの動きが出始め、スピードの上昇に伴いその振り幅が大きくなっていき、よりアピール寄りの動きになっていくようなイメージです。
このように2種類の質の違うアクションを出せるマニックフィッシュ、リトリーブスピードの変化でコレらのアクションを意図的に切り替えられるかどうかが、攻め方を広げる意味でも、使いこなしの肝になりそうです。
しかし、例えばマニックムーブのアクションを、一定のレンジをキープして起こし続けるための速度域は割とシビアで、遅すぎるとルアーが沈降していくし、早すぎると尻振りのスラロームが入った別アクションになってしまいますので、なかなかこの使い分けが難しい。
実際の釣りでは、風や潮流の影響も加味しつつ、ロングキャストした先でルアーへの流れの当たり方を感じ取ってリトリーブスピードを調整してやらねばならないため、さらにコントロールは難しいですが、まさにそれこそがこのルアーをリトリーブで使った釣りの醍醐味でもあると言えると思います。
そのため、是非このルアーについては日中、明るいうちに引き抵抗とアクションとの関係を目で見て、体で覚えておいた方が良いと思います。
トップウォータールアーとしての使い方
上記「レンジとアクション」の項では、一般的なシンキングペンシルとして使った場合にフォーカスした内容を記しましたが、マニックフィッシュ88に関しては、近年はここで記すトップウォータールアー的な使い方の方がより有名なようです。
私はこの使い方はほとんどしませんので、詳しくインプレすることはできませんが、このルアー、着水後ロッドティップを細かく動かしてやると、いい感じに水面をドッグウォークさせることができます。
シンキングペンシルは大抵同様の使い方ができるのですが、マニックフィッシュ88は特にウエイトとボディサイズ、その組み合わせからくる比重が、このトップウォーターでの使い方と非常に相性が良く、ボディサイズもフォルムもちょうど回遊するカタクチイワシサイズにドンピシャであることも相まって、釣果を延ばせることが人気の理由ではないでしょうか。
私も数は少ないながらも、デイゲームでマニックフィッシュ88でトップの釣りを試してみて、何度かシーバスをヒットさせたことはあります。
いずれもキャッチには至りませんでしたが、めったにトップを使わない不慣れなアングラーでも、直感的に操作でき誘えるルアーであると感じました。
例えば、同じようなトップ使いでは、ポジドライブガレージのスウィングウォブラーなどはただ巻きでもアクションし続けてくれますが、比べるとこちらマニックフィッシュ88の方は絶えずティップを動かし続けなければ、ドックウォークやパニックアクションは出せません。
しかし、ユーザーの操作次第でアクションの幅や質を変えることができるので、ティップ操作は疲れますがより幅広い攻め方に適用できると言えますね。
どんなシーンで有効か?
上記のとおりマニックフィッシュ88は、一般的なシンキングペンシルとしての巻きの釣りでの使い方と、トップウォータルアーとしての使い方、いずれでも使えるルアーです。
ただ、サイズ・ウエイト感もそうですが、ボディ構造やフックなどは過剰な強度は持たせてないので、あまり荒れた場所、ロックショアみたいな場所や、激流の場所で使うルアーではないですね。
BAYRUFブランドであることからもわかる通り、ショア、特にベイエリアでの釣りに向いたルアーでしょう。
細身88mmというボリューム感からも、やはり強いのは厳寒期やバチ、マイクロベイトシーズンから、初夏のハクやカタクチが回遊するシーズンの釣りに有効だと思います。
個人的には湾奥干潟で、巻きの釣りでバチパターンや、ベイトが小さいシーズンに多用しますが、年中幅広い季節で産卵行動のあるカタクチイワシは、秋の回遊でもこのルアーくらいのサイズのものが回ることも多いため、そう考えるとこのルアーの活躍するシーズンはほぼ通年と言ってよいくらい幅広いものだと思います。
DUO ベイルーフ マニックフィッシュ88インプレッションまとめ
さて今回はDUOのシンキングペンシルのロングセラー、ベイルーフ
マニックフィッシュ88についてのインプレッションをお送りしましたが、いかがでしたでしょうか?
マニックフィッシュ88は流れの変化を捉えやすいボディ形状で、小粒ながら引き抵抗も結構明確にあるルアーで、使い勝手がよく汎用性も高いと思いますが、やはりシャローレンジを攻めるシンペンということで、そのサイズ感からも、特に活躍するのはバチパターンやマイクロベイトパターンの表層レンジ攻めだと思います。
早春のバチ、マイクロベイトシーズンの釣りで持っていくルアーの例。写真からもわかる通り、マニックフィッシュは必ず複数カラー持参する一群ルアーです。 |
遠投性を活かして、遠くの潮目を撃って広く探るのも容易ですし、流れを感じ取る能力も非常に高い。
さらに、流れの変化に差し掛かったところで先述のとおり「アクションの質」を変えて食わせるのを狙うといった、テクニカルな使い方もできてしまう、素晴らしいルアーだと思います。
さらに、デイゲーム向けのトップルアーとしての資質も高い。
このように、マニックフィッシュ88はユーザーの使い方次第で多彩な演出が可能で、汎用性も高いシャロー用シンペン。
フォルムもウェイトも使い勝手もアクションも独特で、他に被るキャラのルアーもない個性的なルアーだと思います。
私自身、この製品がリリースされた年からずっと使い続けていますが、特に春には毎年必ず釣果を上げてくれる信頼度No1のルアーで、個人的にも非常にお勧めなルアー。
一本持っていて決して損はないと思いますので、未経験の方はぜひ手に取ってみてください。
なお、2022年にはよりフィネスなシーンにも使用できる弟分、マニックフィッシュ77がリリースされました。
インプレは以下に記していますので、よろしければご参照ください。
ということで、今回のお話はおしまい。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
2022年以降の釣行記は姉妹サイト「スモールフィッシング」に記しています。
よろしければコチラのサイトもご覧になってみてください。
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