みなさまこんにちは。
6歳の頃から長年釣りをしてきましたが、長年おそらく死ぬまでの間に手にすることは無いであろうと思っていた純然たる1000番サイズ、しかも信仰に反するPG(パワーギア)搭載のスピニングリール、'22ステラ
1000SSPGを、今年年初についに買ってしまいました。
今回は、今更ながらステラ最小番手、1000SSPGについてのインプレです。 |
今回は、このリールのインプレッションです。
'22ステラ 1000SSPGとは
みなさまよくご存じ、シマノスピニングリールの最高峰、ステラ。
そのステラの最小番手が、1000SSPGです。
他の番手はギアバリエーションが豊富なものが多いですが、この1000番に関しては、シャロースプール+パワーギアの仕様一択になっています。
'22ステラ 1000SSPGのスペックは下表のとおりです。
品番 | 1000SSPG |
ギア比 | 4.4 |
実用ドラグ力(Kg) | 2 |
最大ドラグ力(Kg) | 3 |
自重(g) | 165 |
スプール 径(mm)/ストローク(mm) | 40/13.5 |
糸巻量ナイロン(号-m) | - |
糸巻量ナイロン(lb-m) | 2-115, 2.5-100, 3-70 |
糸巻量ナイロン(mm-m) | - |
糸巻量フロロ(号-m) | - |
糸巻量フロロ(lb-m) | 2-90, 2.5-80, 3-65 |
糸巻量PE(号-m) | 0.3-140, 0.4-100, 0.6-80 |
最大巻上長(cm/ハンドル1回転) | 55 |
ハンドル長さ(mm) | 35 |
ベアリング数BB/ローラ― | 12/1 |
夢屋スプールタイプ | S-30 |
夢屋ハンドルノブタイプ | A |
夢屋ハンドルタイプ | H-10 |
夢屋ハンドルスクリューキャップタイプ | HC-3 |
夢屋リールスタンドタイプ | C, E |
本体価格(円) | 91,400円 |
商品コード | 43825 |
JANコード | 4969363043825 |
1000番というリールサイズは、ツインパワーやストラディックといったミッドレンジ製品にはなぜか存在せず、アルテグラやミラベル、ナスキークラスにならないと設定されていませんが、当然そのボディの大きさからも分かる通り、海水・淡水のライトゲームをターゲットとしたアイテムです。
この番手を選ぶ人の大半は、エステルや極細PEを使う釣りをする人でしょう。そのようなラインを扱うのに都合がいいラインキャパシティのスプールが採用されています。 |
そんな現行'22ステラは、'18ステラとは異なり、ローターサイズが1000番専用の規格サイズへと小型化され、それに合わせてスプールもスプールリング直径こそ維持したものの、本体径は小型化されました。
スプール径が小さいことで、バットガイドのリング径が小さく、かつバットガイドとの距離が短いショートモデルのアジングロッドとの相性も抜群で、インフィニティループとの相乗効果もありライン抜けは非常に良いです。 |
ボディそのものはC2000やC2500同様、1000番ボディですが、上記の通り専用設計で小型化された唯一のローターを搭載し、35mmという純正最短レングス(※夢屋カスタムハンドルを除く)のハンドルを搭載した現行1000SSPGは、単にギア比をPGにしてスプールを小径化しただけの18ステラとは異なり、明らかに別のリールとして誕生したといっても過言ではないでしょう。
'22ステラ1000SSPGを購入した経緯
もともとハイギア信者の私、オープンエリアのメバリングを除いて、シーバス釣りもアジングも、どちらかというと普段流れの緩い湾奥エリアばかりで釣りをしています。
そういう次第で、潮流に関する感度は非常に重要。
速い流れは比較的誰でも、どんなタックルを使っていても感じとれるものですが、高いギア段数を選択した自転車が勾配の変化に敏感なのと同様、リールにおいてもギア比が高ければ高いほど、微妙な流れの強弱変化に対する感度は圧倒的に上がります。
そういう次第で、普段から流れの緩い場所で流れを感じて釣りをしようと思ったら、有利なのはXG。
それが理由でこれまで一部例外を除いてほとんどXGまたはHGのリールしか買ってきませんでした。
しかし一昨年、以下記事のソアレXR 500を試しに買ってみたところ、リトリーブはしないジグ単近距離戦のアジングにおいては、巻きすぎないローギアもなかなかイイよねと思い始めた次第。
そこで昨年のアジングシーズンから、興味を持ってちょいちょい釣具店で触ってフィーリングを確かめていたのがステラ1000SSPGだというわけです。
で、普段はハイギア派なのですが、実際に触り倒して「これは素晴らしい!」と感じたことで、購入に至った次第です。ギア比、ハンドル長、ローターの見事なハーモニーがもたらす珠玉の巻き心地
普段ハイギアリールばっかり使用していると、「PG」という表記を見ただけで、ギア比が物足りなくてスカスカな巻きかとイメージしてしまいますが、このステラ1000SSPG、35mmというショートレングスのハンドル故に、ギア比自体は4.4と低くとも、巻き感にはしっとり適度な重みも感じられます。
重みと言っても、コアソリッドモデルのシマノリールのノーマルギア程度の重みでしょうか。
一般的にハンドルは短くなればなるほど繊細な巻きができますが、テコの原理で当然巻きは短いほど重くなるため、実際のところ1000SSPGの巻き重り感は、40mmハンドルを装着したC2000Sとくらべてやや軽いくらい程度のフィーリングだと思います。
35mmショートハンドルは6ft以下のロッドと特に相性が抜群です。 |
で、ギア比が低いことで、ハイギアリールにありがちなシュルシュルとした摺動音は限りなく抑えられており、1000SSPG向けの専用サイズである小型低慣性のローターを採用しているがゆえに、マグネシウムローターのステラであっても、巻きはじめ初動のレスポンスが非常に良いです。
私は18ステラ、22ステラ、24ツインパワーのライトゲーム向け小番手に関しては、C2000S、C2000SHG、C2500SXGいずれも複数台使用してきましたが、それらの中でも今回の1000SSPGは特に雑味のない回転フィーリングと、ボディサイズ、ハンドル長、ローター慣性の調和のとれたバランスが特に秀でたリールだと感じました。
このリールを一度使ってしまうと、C2000Sが大柄で巻きの重いリールに思えてしまうくらい、使用感の違いは大きいですね。
'22ステラ 1000SSPGをアジングに使用したインプレッション
以下の記事にも書いている通り、私自身、全く同じ番手のステラとヴァンキッシュを使い比べた場合、アジングに関してはトータルで見てヴァンキッシュの方が有利で向いているかなと思います。
ただ、'22ステラに関しては、('18ステラに比べて)アジングでも抜群にマッチし、非常に使用感が良いリールです。
アジングでは季節や状況によりますが、フォールの釣りや動かさないアミパターンの釣り中心であれば、ただ巻きでリトリーブする機会はほぼないでしょう。
巻きごちの滑らかさよりも巻き、止めの所作がスムースに行えることが重視されるアジングにおいても、そのレスポンスの良さは十分満足いくものです。 |
そのような釣りに求められるのは、ハンドルへの入力がスムースにローター回転に繋がり、ハンドルの止めが即ローターの止めに繋がる、いわばレスポンスの良さ。
ステラは全機種共通のイメージとして、巻きのフィーリングが抜群な一方で、ハンドルもローターも回転時の慣性力は大き目で、レスポンスはほどほどといった印象を持たれがちですが、こと今回の'22モデルの1000SSPGでは、そのようなイメージとは大きくことなり、非常にレスポンスが良いモデルになっており、繊細なジグ単アジングで使用しても、全く不満や不足を感じることはありませんでした。
ハンドルを操作したときのガタのなさ、ノイズの少なさは、きめ細やかなフォールやスラック回収時も全くストレスを感じさせず、釣りにとことん集中することができます。
私は最近になってようやく'23ヴァンキッシュ1000SSPGを手に入れたため、まだ本格的に釣り比べはできていませんが、やはりこのガタやノイズの少なさと滑らかな回転フィールに関しては、比較相手にならないくらいステラの方が上質です。
22ステラと23ヴァンキッシュ、それぞれの1000SSPGのツーショット。個人的にはアジングのフォールの釣りにはヴァンキッシュ、巻きの釣りやハードルアーを使いうる釣りにはステラの方が適していると感じますね。 |
ただ、ジグ単アジングのようなライトな釣りに限っては、ステラとヴァンキッシュの最大の違いであるローター素材の違いやトータルでの剛性の違いはあまり大きな意味は持たず、タックル総重量の軽さがアタリ感度に直結する傾向もあるため、実質的にヴァンキッシュの方が実釣能力は高いと感じる人も多いのではないかと思います。
どちらがいいと思うかは、人それぞれの好み次第ですかね。
別の機会に'23ヴァンキッシュとの比較インプレも書いてみたいと思います。
'22ステラ 1000SSPGをメバリングに使用したインプレッション
上述の通り、'22ステラ1000SSPGの巻き心地はまさに最高と言えるもの。
ハイギア、エクストラハイギアでよく感じられる摺動音がローギアではほとんど感じられず、非常にノイズの少ないクリアな回転フィールだと思います。
なので、繊細かつスローな一定速のリトリーブが有効となるメバルのジグ単、ミニマムプラグでのプラッギングでこのリールを使うアドバンテージはかなり大きいと思います。
7.5ftのソアレエクスチューンに装着した様子。小型リールですが重量はそこそこあるため、長めのロッドに合わせた場合でもバランス位置は悪くないです。 |
ロングロッドを使った遠投プラッギングやフロート、キャロなどの釣りでは、正直な感想としてC2000SHGやC2500SXGの方が使いやすいと思いますが、中近距離戦のナイトゲームが主体なら、1000SSPGを敢えてメバリングに使うメリットも大きいと言えるでしょう。
ハンドル長が短いため、7.5ftを超えるようなロッドにはあまりマッチしませんが、それ以下のレングスのロッドでジグ単やプラッギングをする場合、やはりギア比の低さから、わざわざ回転数を抑える努力をしなくとも、より自然なハンドル回転数でスローで低速のリトリーブをすることが可能なので、軽量JHや極軽量フローティングミノー 、シンペンなどの釣りでは非常に扱いやすく感じました。
例えばメバルプラグの王者的ルアーであるオルガリップレスなどを使っているシーンを例に挙げると、メバルは往々にしてルアーがブリブリ動く速度よりも、動くか動かないかのギリギリスローな速度でのリトリーブの方が良く釣れます。
引き波系ルアーを用いたバチパターンのメバリングでも活躍。しかし、遠投した先での流速感度に関してははPG故にそこまで高くなく、スルスルと巻き取れてしまう感じです。 |
これは、強い流れの中など例外を除いて、メバルが派手な動きを比較的嫌う傾向があるからだと思っていますが、そのようなプラグがアクションするかしないかギリギリのリトリーブ速度を、この1000SSPGは難なく維持することができるのです。
そのギア比の低さゆえに、ルアーのピックアップ時にせかせかハンドルを回す必要があるところは確かにデメリットですが、使うシーンによってはそのデメリットを補って余りあるメリットがあると言えるでしょう。
メバリングでよく使用するPE0.3号150mを巻いたときに、ちょうどスプールエッジギリギリに巻き上がる糸巻き量も便利です。(カタログ数値では0.3号の糸巻き量は140m) |
ローターサイズとスプール径、ギア比を除けば、実質的にリール自体のコンポーネントはC2000Sと同じものなので、それほど違いがあるわけではありませんが、より慣性力の低い、軽い巻きで、軽いルアーを使って繊細に攻めるメバリングが好きならば、この1000SSPGは非常に良い選択肢になると思います。
'22ステラ 1000SSPGのカスタマイズ
'22ステラ1000SSPGは、上述の通りこのモデルにてコンポーネント構成が変更された新規格の最小モデルであるため、他の番手のステラに比べて適合するカスタムパーツの種類は少ないです。
スプールはS-30互換の1000番サイズが適合するため、'22ステラ1000SSPG純正スプールと、'23ヴァンキッシュ1000SSPGのスプール、そして夢屋製品ではS-30互換のライトウェイトカスタムスプール1000、1000SSの4種類のみが利用可能とされています。
1000SSスプールであれば、エステル0.2号200mを巻くと写真の通りちょうどスプールエッジギリギリに巻き上がります。 |
ただし、シマノは公式には非互換と言っていますが、以下記事に記した通り、'19ヴァンキッシュ1000SSPG用スプールをベースモデルとした1000番のS-27互換夢屋カスタムスプールも、実際のところ問題なく装着して使用することができます。
(同じS-27互換の1000番スプールでも、ステラ用デザインベースのカスタムスプールは、スプールとローターが使用中に干渉するため、使用はできませんのでご注意ください。)
ハンドルについては、カスタムパーツとしての選択肢はH-10互換の夢屋アルミシングルハンドル、夢屋Ci4+シングルハンドルなどが装着可能な候補となりますが、もともと35mmと純正としては最短モデルとなるレングスのハンドルが装着されているため、敢えて換装してカスタムする意味はないでしょう。
以前は以下記事にある夢屋30mmカスタムハンドルというものも存在しましたが、2024年現在ではディスコンされており新品では入手困難となっています。
よりハンドル回転時のレスポンスを向上させ、低慣性化と軽量化を目指すなら、以下記事でも書いている通り、'19または'23ヴァンキッシュ1000SSPG用の35mmハンドルが良いかと思います。
見た目は好みが分れるところですが、純正のアルミハンドルに比べて自重そのものも軽いですし、回転フィールや立ち上がりも明らかに軽く、低慣性であっさりとした回転フィールになりますので、気になる方は是非試してみてください。
'22ステラ1000SSPG インプレッションまとめ
さて今回は、今更ながら購入してしまった'22ステラ 1000SSPGについてのインプレッションをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。
ステラ最小・最軽量となり1000SSPG、冒頭に記載した通り、自分の釣りには要らないモデルかな?とこれまで食わず嫌いで敬遠していましたが、実際に実物に触れ、実釣で使用してみると、なるほどこの1000SSPGという番手の存在意義というものが明確に理解できたような気がして、非常に納得感のあるリールでした。
その特徴から、遠距離戦には正直あまり向いていませんが、近・中距離戦がメインとなり、ライトなルアーで繊細に狙う釣りに関しては、アジング・メバリング以外にも海水・淡水を問わず様々なシーン・対象魚の釣りで活躍してくれるリールだと思います。
C2000サイズより一段小型化されたローターとショートハンドルによる絶妙な巻き感はまさに極上。
コレは心底、買った良かったリールだと感じました。
ジグ単アジング、メバリングをやる人なら、究極の一台として持っておいても決して損はないモデルだと思いますので、気になる方は是非手に取ってみてください。
'22ステラはフルモデルチェンジされた機種なので、次期ステラが仮に2026年に出たとしても今回ほどのアップグレード幅は見込めず、あくまでマイチェンの範疇にとどまるでしょうから、今から買っても全然損はないモデルだと思います。
ということで、今回のお話はおしまい。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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