みなさまこんにちは。
2022年1月21日に発表され、瞬く間に通販の予約枠が完売となってしまったシマノのスピニングリール、'22ステラ。
私も、予約販売受付開始後すぐに注文していたため、なんとか初回生産分が、各地での入荷日に合わせて発送され、滞りなく手に入れることができました。
私が注文していたのは、C3000XGとC2000SHGの2機種でしたが、これらは非常に人気があったのか、生産量も多いハズなのに需要に共有が追い付いていない感じですね。
在庫あるところにはあるようですが、ないところには本当に無いようです。
そんなステラ、C3000XGもC2000SHGも、以下記事に書いた通り、無事入魂式を済ませることができました。
C3000XGの方は、なぜか上記釣行の後調子が悪くなり、以下記事の通り早くも入院となっていまいましたが(笑)。
しかし、C2000SHGの方は、今時期がベストシーズンともいえるメバリングで早速大活躍してくれていて、結構な回数使い込んでみましたので、今回はこのリール、'22 ステラ C2000SHGについて、先代'18ステラの同番手との比較も交えつつ、ファーストインプレッションを記したいと思います。
'22 ステラ C2000SHGとは
ステラは1992年に初代が登場して以来、代々シマノ最高峰のスピニングリールの座に君臨し続けるフラグシップモデル。
シリーズ登場以来、30年目の節目となる今年2022年に新登場した'22ステラは、SWシリーズやミレニアムエディションを除いて、第10代目にあたります。
どんなリールなのか、シマノ公式サイトの解説文を引用してみましょう。
INFINITY EVOLUTION
ギア歯面の設計・製造技術の進歩により実現した、高耐久ギア設計インフィニティクロス。ラインをより密に、整然とスプールへと巻き上げ、放出時の抵抗を軽減するインフィニティループ。高負荷時でもグイグイと軽快に巻き取れる特殊構造インフィニティドライブ。スピニングリールの頂に挑み続けてきたSTELLAが、3つのインフィニティ(無限大)を纏ってさらなる高みへと到達しました。スプール周りにおけるライントラブルを抑えるアンチツイストフィン、優れた耐摩耗性により滑らかなドラグ性能が持続するデュラクロスなど、細部に至るまで機能性を追求。最高峰の矜持がアングラーの手元で眩い輝きを放ちます。
(シマノ ステラ 製品ページより引用)
先代10代目の'18モデルで、もう既に出来ることは全てやり尽くした感があった素晴らしい完成度のリールでしたが、'22ステラは事前の予想を裏切り、数々の新機構を纏って登場しました。
上のシマノの解説文にも触れられている、それらの新機構がどのようなものであるかは、'22ステラの発表時に書かせて頂いた以下記事に詳述しているので、当記事での再度の説明は割愛しますが、今回のモデルチェンジではこれら新機構の採用だけではなく、デザイン面も含めて多くの既存ステラユーザーの期待を上回る進化を見せてくれたことは確かだと思います。
その新型ステラの中でも、今回とりあげるC2000SHGは、ギア比6.0のハイギアを搭載したライトゲームに適した小型モデル。
1000番規格のマグネシウムボディに、スプールはPE0.6号が150mピッタリ巻けるC2000S規格、ローターサイズは'22ステラから新たなサイジングとなったマグネシウム製のC2500規格といった組み合わせのリールです。
このリールの基本スペックは、下表の通りです。
品番 | C2000SHG |
スプール寸法(径mm/ストロークmm) | 43/13.5 |
ローターサイズ(材質) | ♯C2500(Mg) |
ボディサイズ(材質) | ♯1000(Mg) |
ギア比 | 6.0 |
実用ドラグ力/最大ドラグ力(kg) | 2.0/3.0 |
自重(g) | 170 |
ナイロン糸巻量(lb-m) | 3-125,4-100,5-75 |
フロロ糸巻量(lb-m) | 3-110,4-85,5-65 |
PE糸巻量(号-m) | 0.6-150,0.8-110,1-80 |
最大巻上長(cm/ハンドル1回転) | 81 |
ハンドル長(mm) | 45 |
ハンドルノブ | パドル型 |
ベアリング数BB/ローラー | 12/1 |
本体価格(円) | 86600 |
商品コード | 043849 |
互換スプールタイプ ※1 | 夢屋S-31,S-32 |
互換ハンドルタイプ | 夢屋H-10 |
互換リールスタンドタイプ | C,E |
互換ハンドルノブタイプ | A |
互換ハンドルスクリューキャップ | HC-3 |
なお、※1の互換スプールタイプについてですが、C2000SHGに関しては、以下記事に実機を用いて、過去モデルのスプールとの互換性を検証していますので、宜しければご覧になってみてください。
シマノ公式のスプール互換表 (http://fishing.shimano.co.jp/product/s/reel/spool_compatible.html#link_22_stella)によると、S-27互換のスプールを'22ステラに装着するためには、ドラグノブとセットで交換が必要、つまり、'18ステラや'19ヴァンキッシュなどのドラグノブを使って装着せねばならないように記述されていますが、'22ステラのドラグノブを用いても問題なく装着できており、実釣でも問題なく動作しています。
C3000番の'18ステラスプールは、確かに'18ドラグノブとセットでなければ'22ステラには装着できませんが、C2000番に関しては、実質的に'22ステラと'18ステラ間は完全に互換性があるようです。
ディティールと手にした印象
まず、外観に関しては、'18ステラのデザインやカラーリングとどこか連続性を感じさせる、正常進化といった印象で、概ね発表前に予想していたものに近い外観でした。
しかし、ディティールに目をやると、ボディラインなどはうねるような曲線美を感じさせていた'18ステラとは異なり、全体的に直線基調のイメージとなっていますね。
特にボディ下面はマセラティのクルマを彷彿とさせる'18ステラの膨らみと丸みを帯びた形状から、水平基調のストレートな面取りに変わり、下部両サイドにも明確なエッジラインが引かれています。
シンプルな左サイドのデザインは、'18ステラでも'19ステラでもあまり大きな差は感じさせませんが、右サイドのデザインなどは、機関部を覆うように複雑な隆起の目立った'18に比べて、四角形を感じさせるどこかカクカクとした面取りが目立つデザインとなっていますね。
一方で、ローターより前方のデザインは、例えばローターのスカート部分の金属のつなぎ目のデザインや、ベイルアームのデザイン、ドラグノブのデザインまでも、悉く'18ステラよりも'22ステラの方がより丸みを感じさせるデザインとなっており、四角基調のボディに対してデザイン上のコントラストを感じさせるようになっているところが面白いですね。
なお、リールフットは'22ステラの方が明確にくびれたウエストラインを持ち、よりシャープな印象に仕上がっています。
ハンドルのデザインは完全キープコンセプトで変化なし。
ハンドルノブも、'22ステラ専用カラーとなっただけで、中身は完全に同一のもののようです。
スプールのデザインは、どこかギリシア時代の神殿を彷彿とさせ、決してカッコ悪くなったことはありませんが、はっきり言って'19ヴァンキッシュに近づきましたかね(笑)
総じて、手にした印象としては、曲線美を前面に押し出しどこか工芸品的な美しさがあった'18ステラに対して、シックになったガンメタ調のボディカラーも含めてより「道具」感が強くなった印象があるのが'22ステラ。
デザインの優劣はつけがたいですが、個人的にはエレガントさでは'18ステラの方が、道具としてのカッコ良さでは'22ステラの方が優れていると感じました。
細かい好みで言うと、下半身(ボディ)に関しては'18ステラの方が断然好みで、上半身(ローター&スプール)は'22ステラの方が好み、さらに、ドラグノブは'18ステラの方がいいですかね。
ちなみに、下半身(ボディ)にツインパワーのスプールを装着すると、はっきり言ってぱっと見ツインパワーと見分けがつかないです。
どうでもいい話ですみません(笑)
しかし、パーティングラインの処理に関しては、上面は完全に隠し、下面は限りなく目立たないようにしていた'18ステラの徹底ぶりに対して、'22ステラの方は上も下も割れ目くっきりで、ちょっと美に対する執着が薄れてしまったような気がしてここは若干残念なところです。
キャストフィール
同一メーカーのリールで、全く同径のスプールを持つリールどうしでキャストフィールやキャスタビリティを比較するのはナンセンスなのですが、今回の'22ステラに関して言えば、目玉機能ともいうべき超密巻き機構、スーパースローオシュレーションの「インフィニティループ」が新規採用されたとあって、キャストフィール面には大いに影響しそうなところ。
ということで、'22ステラを入手したら真っ先に先代'18ステラと投げ比べて比較してみようと思っていたのですが、そのこと自体をすっかり忘れてましたので、'19ヴァンキッシュとの比較になります。
'19ヴァンキッシュと'18ステラのオシュレーションピッチは同一で、スプール径も同じなので、両者の差はでないはずですよね。
で、明確な飛距離の差を計測するまでは至りませんでしたが、メバリングで使用する0.6gジグ単リグ、メバルプラグ、シーバスバチ抜け用プラグ、10g程度のフロートまで、さまざまなタイプのものを投げ比べてみました。
その結果、やはりキャストフィール面では、'22ステラの方が優れているように感じられました。
定量的な評価はできないのですが、やはり投げくらべてみると、'22ステラの方がライン放出によりスムースさを感じますね。
特にC2000サイズのように、ライトラインを使って軽量ルアーを投げるようなリールだと、自然と組み合わせて使うロッドも、バットガイド径が小さく、またそのガイドまでの距離が短いタイプのものが多くなるため、比較的放出されたラインのチョークがキツくなる傾向があるわけです。
そういうロッドで投げ比べるわけですから、バットガイドによるチョークも含めたライン放出のスムースさの差は、比較的感じ取りやすいのではないかと思いますので、あながち感じたことは間違いではないのではないかと思います。
それは飛距離面でもしかりで、全く同ウエイトのルアーを、スプールを付け替えて投げ比べてみても、やはり'22ステラ、つまりインフィニティループ搭載のボディでスローなオシュレーションで巻取りした後のスプールを使ってキャストした方が、より飛距離に伸びを感じさせます。
ということで、総じてキャストフィール、キャスタビリティ面では、期待通り体感できるだけの進化が着実にあったと思います。
巻き心地と感度
今、リールとしては4,5回の釣行を経た状態で、そろそろイイ感じにグリスも馴染んで来たころではないかと思いますが、 巻き心地はさすがステラというだけあって、ヌルヌルとした申し分ないフィーリングです。
そのフィーリングで、かつオシュレーションスピードが非常に低くなっているため、巻いた時の滑らかさは'18ステラよりもはるかに向上したかのように錯覚させられます。
もちろん、リールなら普通は必ずある、シュルシュルという摺動音は完全に消せることはないですが、巻きのスムースさ、滑らかさ、サイレント性に関しては既に文句なしと感じていた'18ステラをさらに上回ってきた感じの、極上の巻き心地です。
当然、ノイズの少ないクリアなフィーリングであるため、リールハンドルを通した感度は'18モデル同様抜群に良く、微かな違和感や潮圧の荷重変化などもとても感じ取りやすいです。
もう一つ巻き心地面で感じたのは、巻き自体が軽くなったということ。
'22ステラではインフィニティドライブが新機構として採用されていますが、それと関係あるのでしょうか。
デフォルトの45mmハンドルで巻いた時にも、明らかに軽くなったかなと分かりますが、より短い40mmハンドルに付け替えて巻き比べをすると、'18ステラとの違いはより分かりやすいです。やはり、明らかに'18モデルよりも、巻き出し時も巻き続ける場合も、少し巻きが軽くなっていますね。
'18モデルでも大きな不満はなかったのですが、HGモデルに関してはハンドル長をデフォルトより短くした場合、若干巻き出しのレスポンスが悪い、重い印象があったため、そこから少しでも軽くなった'22モデルの巻き心地は非常に良いと思います。
以下の記事でも書いていますが、C2000SHGモデルは、40mmハンドルと非常に相性がいいため、普段はとあるリールの40mmハンドルを装着して使用しています。
さらにスタイリッシュな外観になるうえに、使用感が絶妙で、メバリングやアジングをやるなら超おススメの組み合わせです。
魚とのファイト
残念ながらまだこのステラでは大型魚とファイトはできていませんが、25cmを超えるサイズのメバルは何匹か釣りました。
この程度の魚相手では、インフィニティドライブのご利益を体感するには物足りず、はっきりとその効能を感じ取ることはできませんでしたので、その辺はまた別途、長期使用後のインプレで書きたいと思います。
なお、流石にステラだけあって、ドラグ性能も抜群。
ヴァンキッシュなどに比べるとどこかねっとり感を持ちつつも、魚の動きに対してスムースに作動してくれ、作動音の音質すらも質感の高さを感じさせてくれますね。
'22ステラでは、従来型に比べて10倍以上の耐久性を誇る、「DURAクロス」というドラグワッシャーが新たに採用されています。
ドラグの効き方自体は、'18モデルとの差を体感できることはありませんでしたが、この辺も長期使用を経て初めて差が出てくるところなのかもしれませんね。
ただ一点、ドラグに関して残念に思えた箇所は、ドラグノブのデザイン。
ノブつまみのエッジ部分が丸みを帯びたデザインに変更されており、見た目上は良いのですが、実際に魚とのファイト中にドラグを操作するシーンでは、'18ステラ用のドラグノブの方が圧倒的に摘まみやすく、操作性は良かったです。
ここは、デザイン面を優先して、操作性が犠牲にされたように感じられました。
クルマのモデルチェンジなどでも同じようなことを感じることがありますが、変えなくてもいいところを現行から無理に変える必要はないのではないかと思います。
新機能で特に優れているのはやはりあの機能か
'22ステラでは、ドライブギアとピニオンギアの接地面積向上によりギア耐久性を2倍に高めた「インフィニティクロス」、超密巻きによりライン放出抵抗を大幅削減した「インフィニティループ」、メインシャフト支持設計見直しにより高負荷時のリーリング性能を高めた「インフィニティドライブ」、弾性体のフィン設置によりライントラブルを軽減する「アンチツイストフィン」、新材料によるドラグワッシャー「DURAクロス」、形状変更によるトラブルレス化を向上させた「新形状AR-Cスプール」など、さまざまな新機能、新機構が搭載されています。
しかし、これら新機能の中でも、使ってみてすぐに違いが分かる、かつその機能性の進化を体感できるものは、やはり「インフィニティループ」ではないでしょうか。
上記'22ステラで新たに採用された新機能は、その内容を見ての通り、「耐久性の向上」「トラブルレス性の向上」という大きく2つの切り口で、その基本性能を高めたものになっています。
しかし、「インフィニティループ」に関してはそれら2つの切り口とは異なり、「キャスタビリティの向上」というリールの基本機能自体を向上させようという狙いのものです。
およそ20年前にシマノが打ち出した「スーパースローオシュレーション」の2番煎じではあるのですが、今あらためて'22ステラを手に取って巻いてみると、'18ステラやそれをベースとした下位機種など全ての従来型のリールが一気に古臭く、過去のものに思えてしまうほど、使用感の面ではインパクトのある機能だと思います。
来年以降のヴァンキッシュ、ツインパワーなど、下位グレードにも是非展開して行って欲しい機能ですね。
シマノ '22 ステラ C2000SHG ファーストインプレッションまとめ
さて今回は2022年シマノ新製品の最大の目玉ともいえる、'22ステラのうち、ライトゲームに適したC2000SHGというモデルについてのファーストインプレッションをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか?
機能面でもデザイン面でも、抜群の完成度の高さを誇った'18ステラを手にした時、次期モデルが登場しても、もうこれ以上の進化は望めないのではないかと感じていました。
しかし、実際に登場した'22ステラを手にしてみると、見事に期待を大きく裏切って、想像を超えてさらなる高みへと飛躍することに成功しているように思います。
その分、価格面でもさらなる高みに飛躍してしまったのは痛いところですが(笑)。
それでも、実釣において使用してみると、それだけの出費にも価値があると思わせてくれる素晴らしいリールだと思います。
このリールに触れる機会が無ければ、きっと'18ステラを使い続けてもなんら不満は出てこないでしょう。
しかし、触れてしまえば、かならず'22ステラが欲しくなると思います。
既存ステラユーザーはもちろん、これまでステラを使った事がない人にも、間違いなくおススメできる「買い」の機種だと思います。
気になる方は、是非手に取ってみてください。なお、'22ステラC3000XGのインプレ記事も以下に書いています。宜しければこちらもご覧になってみてください。
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