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0.3gも思いのままに操れる繊細さ!'20 シマノ ソアレ エクスチューン S58SUL-Sのファーストインプレッション!

2022年1月2日日曜日

1.インプレ・レビュー 2.ロッド 3.アジング 3.メバリング 5.シマノ 5.ソアレ

t f B! P L

 みなさまあけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。 

昨年2021年は個人的にメバリングとアジングの魅力にすっかり取りつかれてしまい、ライトゲーム三昧の一年になってしまいました。

おかげで、昨年一年間に購入したライトゲームロッドは合計8本に(笑)

特に、秋シーズン以降はジグ単アジングにハマってしまったこともあって、ソアレ エクスチューンシリーズのロッドを立て続けに3本も購入してしまいました。

ちょっと夢中になりすぎた感もありますが、特にジグ単ライトゲームは本当に奥が深くて、やり込めばやり込むほど、ちょっとしたロッドの調子の違いが非常に重要に思えてくるもんですね。

今回は、そんな秋シーズン以降に購入したライトゲームロッドの中でも、特に繊細さを極めた個性的なアイテム、'20 ソアレ エクスチューンのS58SUL-Sについて、早速実釣で使ってみましたので、そのファーストインプレッションをお届けしたいと思います。

 

どんなロッド

ソアレ エクスチューンシリーズは、2012年の登場以来、それまでの「ソアレオシア」シリーズに代わって長らくシマノライトゲームロッドの頂点に君臨してきたハイエンドロッドシリーズ。

2019年にさらに上位となる最高級機種、ソアレリミテッドシリーズが登場して、フラグシップの座こそ譲ってしまいましたが、今のシマノロッドでは普通になったカーボンモノコックグリップをいち早く搭載したのもこのソアレ エクスチューンシリーズであったことからもわかるように、時代の最新のテクノロジーを貪欲に取り入れ最先端を突き進んできたロッドシリーズです。

初代2012年の登場後、2016年の最初のモデルチェンジを経て、2020年に登場した3代目となるのが、現行のソアレ エクスチューンシリーズ。

この2020年モデルの大きな特徴は、従来のソアレ エクスチューンがアイテムごとにアジングモデル、メバリングモデルと用途に明確な線引きをしていたのに対して、その垣根が取り払われたこと。

どんなシリーズなのか、2020モデルのメーカー解説文を引用してみましょう。

刮目せよ、本物はここにある
ライトゲームは変化していく。そのターゲットはメバル・アジだけには留まらない。
釣り方もしかり。メバリングは乗せ調子、アジングは掛け調子、そんな固定概念にとらわれていては進歩はない。大事なのはどんなリグでどのように釣りたいのか、そしてそれに一番適したロッドは一体どれなのか。それを見抜くことが出来る者だけが、新たなステージへと進める。ソアレ エクスチューンは用意した、多様な調子を、長年磨き上げた技術で。さぁ、手に取って感じてほしい。本物はここにある。

(シマノ '20 ソアレ エクスチューン 製品ページより引用)

製品名はもちろん、その開発コンセプトからもアジングとメバリングの境界が取り払われたことが垣間見える文章ですね。

そんなシリーズの中で、今回ご紹介するS58SUL-Sというモデルは、現代のジグ単ライトゲームのトレンドにもマッチしたショートレングスのロッドながら、従来のエクスチューンシリーズやCI4+シリーズのアジングロッドには存在しなかった全く新しい調子のモデル

どんな製品なのか、再度メーカーサイトの解説文を引用してみましょう。

S58SUL-S
軽量ジグヘッド特化型。オススメは1g以下のジグヘッド。タフテック∞採用のしなやかなティップで軽負荷時の微妙なもたれを演出。ルアーをついばんだだけか、フックも吸い込んだか、ティップで判別可能な繊細を極めんとするアイテム。

(シマノ '20 ソアレ エクスチューン 製品ページより引用)

キャラクターとしてはジグ単の釣りの中でも、1g以下と軽量ジグヘッドの使用に特化したタイプ

従来機種でもタフテックαのしなやかなソリッドティップを搭載したモデルは存在しましたが、それらは全てメバリングを想定した7ft台ロッドばかり。

また、従来のソアレ エクスチューンアジング、ソアレCI4+アジングシリーズはいずれも「ハイレスポンスソリッド」というハリが強めのハードソリッドを採用したロッドばかりで、いわゆるパッツン系の掛け調子しか選択肢が無い状態でしたが、この'20 ソアレ エクスチューンで初めてタフテックαを進化させた「タフテック∞」ティップ搭載のしなやかな調子のモデルがラインナップされたという次第です。

このロッドの基本的なスペックは、以下の通りです。

品番 S58SUL-S
全長(m)/(ft) 1.73/5'8"
継数(本) 2
仕舞寸法(cm) 89.2
自重(g) 56
先径(mm) 0.8
適合ルアーウェイト(g) 0.3〜6
適合ラインナイロン・フロロ(lb) 1~3
適合ラインPE(号) 0.1~0.4
リールシート位置(mm) 163
カーボン含有率(%) 97.8
本体価格(円) 48,500
商品コード 399083

 

購入の経緯

実は私自身はアジング歴は長くはなく、本格的に道具を揃えてやり始めたのは前年暮れごろなので経験年数約1年の初心者ですが、このロッドを購入する1か月ほど前に、'21年の新作であるソアレ エクスチューンMBのS510SUL+-Sを購入しました。

そのインプレは上の記事に書いていますが、モバイルであることは微塵も感じさせない素晴らしい調子と極上の使用感のロッドで、このロッドに出会ったことで、それまでよくわからずにやっていたジグ単アジングの釣りの世界が一気に開け、いろいろなことが分かり、釣れるようになってきたのです。

それまでやっていたアジングとの違いで何が大きかったかと言えば、このロッドを使い始めたことで、釣りをしている最中に得られる水中の情報量が格段に上がったことですかね。

極軽量ジグヘッドでもその存在を的確に把握できるようになったし、リグに掛かる重みの変化から潮の動きを読み取れるようになり、魚を探すのが効率的になりました。

ショートロッドとハイレスポンスソリッドティップによるアタリ感度の高さ、反響感度の高さによって、今まで掛けられなかったアタリを積極的に掛けられるようになったところも大きかったと思います。

しかし、このアジングをやりこんでみると、私が通う範囲のフィールドではほとんどがナイトゲームのプランクトンパターンの釣りになること、そして、ほとんどのシーンで1.5g以上のジグヘッドを使う機会は少なく、軽量ジグヘッドでの繊細な釣りばかりであることが分かってきました。

ソアレ エクスチューンMB S510SUL+-Sでも、一応0.3gジグヘッドでも問題なくキャストし使用することができます(注:カタログスペック上の適合ルアーウエイトは下は0.4gから)が、やはりもう少し軽量ジグヘッドの操作性に特化したロッドの必要性を感じ始めたこともあり、それに適したロッドとしてS58SUL-Sの購入を検討し始めた次第です。

しかし、私がこのロッドを購入しようと考えていた11月頃は、どのお店もS58SUL-Sの在庫はゼロ、次回入荷未定という状態でした。

軽量ジグヘッド特化型。オススメは1g以下のジグヘッド。タフテック∞採用のしなやかなティップで軽負荷時の微妙なもたれを演出。ルアーをついばんだだけか、フックも吸い込んだか、ティップで判別可能な繊細を極めんとするアイテム。

そういうわけで、このロッドと同様、シリーズ中最も繊細であり、S58SUL-Sに最も近いスペックと調子を持った、ソアレXRのS60SUL-Sを購入した次第。

このロッドもミッドレンジ製品ながら非常に素晴らしい出来のアイテムでしたが、表記は60でもグリップ長が非常に短いため、ブランクスの実質有効長は6フィート2インチクラスとほぼ同等で、普段良く行く漁港のような小場所での足元明暗狙いでは、わずかに長すぎるような気がして、結局ソアレ エクスチューンのS58SUL-Sが入荷された報せを聞いて、これに買い替えることにしました。

ディティールと手にした印象

これまで'20以降のモデルのソアレ エクスチューンは上述のMB以外に、メバリングでS76UL-Tなども使用していたため、既にその外観は見慣れたもの。

よって、このS58SUL-Sを手にした時にも特に印象に残ったところはありませんでしたが、やはり実物を手にとってみると、58というこのロッドのレングスの方が、ソアレXRの60レングスよりもしっくり来ますね。

そして、56gという重量は非常に軽い。 

ソアレ エクスチューンシリーズは、現代のアジングロッドの基準から言えば決して業界最軽量という部類ではありませんが、スパイラルX、ハイパワーXを採用し芯のある強さと安心感が大きいマッスルカーボンブランクスを採用していてコレだけ軽いのだから、十分軽量なロッドと言えると思います。

その他特徴的なところとしては、軽さとトラブルレス性能、キャスト性能を追求したシマノ独自のXガイドによるガイドシステム。

ティップガイドはSicリングが、2番以降中間ガイドはトルザイトリングが採用されており、軽量な割に34のロッドなどに比べるとガイド内径が大きいため、S510SUL+-S同様、糸抜けも良さそうです。 

ソアレシリーズお馴染みのブリッジライクシートはCi4+素材のもので、当然このS58SUL-Sではロッドティップを上げた状態での操作に適したダウンロック(上にネジがついている)タイプになります。

ステラC2000SHGと合わせた際の重心位置は写真の通りグリップのフロントナットの内側と非常にリールフットに近い位置になります。

このCi4+素材のグリップが、ちょっと実釣では滑りやすくて、使用するグローブとの相性を選んでしまう曲者ですが、EVA等を介さない作りである分、反響感度は最高によく、感度面では全く不満はありません。

なお、カーボンモノコックグリップのグリップエンドは、先代'16モデルのエクスチューンから大型化されていますが、同形状のS76UL-TやMBのS510SUL+-Sでも非常に握りこみやすく使い勝手が良い形状だったので、個人的には機能性もデザインも含めて文句なしで気に入っています。

ただ、S58SUL-Sのエンドグリップ長に関しては、他モデルのエクスチューンと比べてとても短いですね。

ヴァンキッシュC2000SHGに合わせた場合の重心位置もリールシートのフロントナット内に収まります。

同じくタフテック∞ティップを搭載したソアレXRのS54SUL-SやS60SUL-Sでも非常に短めのグリップが採用されており、以下の'20 ソアレ エクスチューンの紹介動画の中でも、このS58SUL-Sは重心バランスが前寄りになる方がモタレ感を感じやすいという趣旨の発言がありましたので、おそらく開発者が意図的にそうしているのでしょう。

個人的な好みで言えば、S510SUL+-Sのグリップ長が理想的で、このS58SUL-Sに関して言えばもう1,2センチくらい長かった方が良かったかなと思います。

このような短めのグリップエンド故に、このS58SUL-S、実はS510SUL+-Sと並べてみると、ブランクスの有効長(リールシートからティップまでの長さ)は両者でほぼ同一になります。

ソアレ エクスチューンMB S510SUL+-Sとリールシート位置を合わせて並べた様子。全長こそ異なるものの、ブランクスの有効長はほぼ同一であることが見て取れます。

個人的にはジグ単の釣りに特化したロッドとしては、この5フィート10インチというレングスが、感度や操作性と必要な飛距離性能のベストバランスだと感じていますので、数値的にはそれより小さい表記ながら、ほぼ同等のブランクス有効長を持つこのS58SUL-Sもジグ単の釣りにはちょうど扱いやすい理想的なレングスだと思います。

室内でティップを振った感触では、やはりハイレスポンスソリッドを搭載した他機種に比べてはるかにティップ部分はしなやかで、素振りでも大きく曲げこむことができます

例えばS510SUL+-Sに対してS58SUL-Sは、パワー表記に「+」があるかないかだけの差ですが、体感上の柔らかさには大きな隔たりがあるように感じますね。


キャストフィール

上記の通り、非常にしなやかなティップと、ハリ感が抑えらたしなやかなベリーを持つロッドであるため、キャスト時にはいわゆる掛け調子系ロッドとは異なり、ベリーから先が大きくしなやかに曲がってルアーを射出します。

そのようなタイプなので、鋭くビシっと投げるよりは、ジグヘッドの重みをノセるような感じで投げた方が飛距離もアキュラシーも期待できそうです。

実際には下は0.3gから上は1.8gまで投げてみましたが、やはり0.3g~0.5gといった極軽量ジグヘッドに関してはS510SUL+-Sに比べるとはるかに投げやすく、ナチュラルに飛距離を出すことが可能です。

表記上このロッドは0.3g~6gの範囲までキャスト可能とされていますが、それは長めに取られたソリッドティップ故に背負えるウエイト範囲が大きいというだけで、やはり気持ちよくキャストできるのは2.5gあたりまででしょうか

もちろんそれ以上のウエイトもキャストは十分可能ですが、1g以上のウエイトになると、S510SUL+-Sの射出感の方が気持ちよく感じられ、また飛距離も伸びるように思います。

どのみちこのロッドのキャラクターやティップの特性から、2g程度以上の重量級のジグヘッドのリフトには向いていないため、そのようなウエイトを使うようなシーンではキャストフィールの面でも使用感の面でも、S510SUL+-Sを選んだ方が良いと思います。

 

操作性と感度

上述の通り、510クラスと同等のブランクス有効長を持つこのロッド、ジグ単の釣りでの操作性や軽量ジグヘッドの存在、重みを感じ取る感度は抜群に優れており、実釣では本当に扱いやすいと思います。

特にアジングでは、レンジキープしたり潮圧の変化を感じ取るために軽くティップをチョンチョンとトゥイッチさせてジグヘッドの水中での状態を「訊く」動作をよくすると思いますが、その操作が非常にやりやすく、かつジグヘッドの重量によってティップに「もたれ」が出るため、軽量のジグヘッドであってもその存在を感じ取りやすいです。

一方で、この「もたれ」故に、重量級ジグヘッドの操作性はイマイチに思えるところも。

例えば1.5g以上のクラスのジグヘッドで潮流場やディープレンジを攻めるような場合は、ロッド操作によって必要以上にティップが入り込むため、意図したようにジグヘッドを操作することが出来ません。

このロッドが軽量ジグヘッド特化型と言われるゆえんですね。

重めのジグヘッドを積極的に操って誘いをかけるベイトフィッシュパターンや、マズメの釣りなどには正直あまり向いていないと言えるでしょう。

また、同じ理由から、アタリに対する反響感度も、S510SUL+-Sなどハイレスポンス系ソリッドティップのロッドと比べるとやや劣っています。

実釣で使い比べてみると、アジの吸い込みバイトで多い、「コン」という金属的なアタリを響かせる能力はハイレスポンスソリッドの方が明らかに高いといえます。

しかし一方で、モゾっとしたはっきりしないアタリや、ジグヘッドの重みが消えるだけ、または増えるだけといった微妙なアタリ、フォール中でラインテンションがしっかりかかっていない状態でのアタリ等、さまざまなバリエーションのアタリをそれぞれ別モノとして感じ取る能力は、ハイレスポンスソリッドよりもはるかに優れています。

これは、アタリ感度だけではなく潮感度でも同様で、ティップのもたれの大小変化で潮圧の微細な変化を感じ取れる、そういうタイプのロッドだと思います。

ここは、なかなか言語化して表現するのが難しいところですが、S58SUL-SはS510SUL+-Sなどに比べて反響感度を多少犠牲にすることで、逆に水中の質感をイメージさせるしっとりとした感度と違和感の察知能力を手に入れた、そんな違った方向性の感度を持ったロッドだと言えると思います。

潜水艦のソナーシステムに例えるなら、ハイレスポンスソリッドがアクティブソナーで、タフテック∞ソリッドがパッシブソナー、そんな関係だと言えると思います。

現代のアジングで主流となりつつあると言われる、プランクトンパターンの動かさない釣りには無類の強さを発揮するロッドではないでしょうか。

 

曲がりとパワー

いつものように、このロッドについても恒例のペットボトルリフトを実施してみました。

曲がり始めの極低負荷時には、ティップ先端より3番ガイド付近が反応してお辞儀をはじめる先調子寄りの曲がりを示します。

 徐々に負荷を上げるにつれて、素直にベリーに曲がりの頂点が移行していくスムースなベンドカーブをみせます。

その後600gまで負荷を掛けると、ソリッドティップ部分はほぼ下方に一直線の状態になり、チューブラーの部分がトラウトロッドのような滑らかな円弧を描くような曲がり。

バットパワーはそれなりにありますが、そこまでガチガチな印象はなく、全体的な曲がりの特性としては、近年アジングロッドでも徐々に増えて来たスローテーパーロッド寄りのテイストと言えるでしょう。

負荷に伴いベンドカーブがより手元寄りに移行するところがミソで、ジグヘッドの操作時など軽負荷時にはあくまでティップ周りが仕事をするものの、キャストのスイング時や魚とのやり取り等高負荷時にはバットセクションまで含めたブランクス全体でその負荷を受け止めるような調子は、確かに極軽量ジグヘッド等のキャストには非常に向いていると思います。 

つまりは、大きく良く曲がる部類のロッドで、実際に小アジや小メバルを相手にしても、ファイト中よく曲がってくれてそれらのヒキを存分に楽しめるパワー感です。

豆アジ、豆メバル相手でも駆け引きを楽しめる!

それでいて、いざ600g程度の負荷(魚で言えば大サバくらいの重量か)が掛かって大きく曲がりこんだ状態でも、芯のある強さを感じさせるパワー感で、SULという最弱表記のパワーながら、尺アジ程度は何の問題もなく抜きあげ可能だと思います。

S510SUL+-Sなどに比べると、大きく曲がり反力とハリ感は比較的小さく感じられる特性であるため、ヤマガブランクスのブルーカレントシリーズほどではありませんが、比較的魚が掛かった後にも魚が必要以上に暴れにくい調子だと感じました。

手返し良くポンポンと連発で高活性の魚を手早く抜いていくというような釣り方よりも、掛けた一匹と丁寧にファイトしてヒキを味わいつつあげるといった釣り方に向いているように思います。

 

ソアレ エクスチューンS58SUL-S ファーストインプレッションまとめ

さて今回は'20ソアレ エクスチューンの最も繊細なモデルであるS58SUL-Sについてのファーストインプレッションをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。

既に登場から1年が経過した今となっては、ミッドレンジ製品のソアレXRにも同等の調子のモデル(S54SUL-S、S60SUL-S)が展開されていますが、このエクスチューンS58SUL-Sはシマノのアジングロッド上位機種としては初のノセ調子寄りのモデルで、これまでの方向性から大きく舵を切ったアイテムだと言えると思います。

ジグ単アジングに関しては言えば、個人的にはやはり同シリーズではS510SUL+-Sがどんなシーンにでも適応できる王道のアクションとパワー感のロッドだと思いますが、それとほぼ同等のレングスでありながら全く異質の個性を備えたこのS58SUL-Sも、現代のアジングに欠かせない調子のロッドの一つであるように思います。

具体的には、特に以下のようなシーンでの使用に適したロッドだと感じました。

  • ナイトゲーム
  • プランクトンパターン(アミパターン)の釣り
  • フォールの釣りおよび巻き(リトリーブ)の釣り 
  • 特に1g以下を多用するような軽量ジグヘッド中心の釣り
  • 漁港、小場所等での釣り 
  • アタリが渋い状況での釣り
  • 冬アジング

逆に、以下のようなシーンは得意だとはいえず、これらについてはS510SUL+-Sのような調子のロッドを使う方が向いていると思います。

  • デイゲーム
  • 小魚系がベイトの状況での釣り
  • 鋭いロッドアクションによる誘いを多用する釣り
  • 1.5g以上の重量級ジグヘッドを多用する強風時や深場、潮流場狙いの釣り
  • 大場所での釣り
  • 金属的なアタリが出やすく手返し良く掛ける釣り
曲がりながらも掛けにいける510。そのしなやかさはすべてのアングラーに優しく、近年の玄人をうならせる“曲がる”アクション。レングスからくる感度の高さは間違いなく武器になるアイテム。障害物の少ない漁港周りのポイントで大いに活躍ををみせることでしょう。

このように、ソアレ エクスチューンS58SUL-Sは、従来タイプのロッドとは異なり、特定のシチュエーションに特化した性能を突き詰めた個性的なモデル

それが故に、どんな状況にもマッチするというわけでありませんが、コレがハマる状況、本当に必要だと感じられる状況は決して少なくは無いと思います。

冬のナイトゲームなど、繊細さを要求される釣りには最高にマッチするロッドです。

そういうタイプであるため、とりあえずアジングロッドとして「初めての一本を」とお考えの方にはあまりおススメすることはできませんが、上記の適した状況にマッチした釣りを中心とされる方や、これまで一般的なアジングロッドを使ってきて、そこに微かな不満・不足を感じている方には非常におススメできるロッドだと思います。

なお、アジングを中心にインプレを書いてしまいましたが、ジグ単の釣りであれば、もちろんメバリングその他の釣りにも非常にマッチします。

特に冬場のシビアなメバリングには最適で、あの小メバル特有のカカッという極小バイトも的確に捉えて弾かず乗せることが出来る数少ないロッドの一つだと思います。

あまりメバリングロッドで5ft台のものは聞いたことがありませんが、港湾部などの釣りでは往々にして足元明暗の境界付近や堤防際を狙った接近戦が繰り広げられることも多いため、そんなシーンでこのロッドは素晴らしい操作性と抜群の釣獲力を見せてくれると思います。

このロッドなら、写真のような豆メバルのアタリも捉えて掛けられます!

このように、ソアレ エクスチューン S58SUL-Sは、汎用性こそ高くないものの、他のロッドに足りない部分や苦手とする部分を見事に補ってくれる状況特化型ロッドなのですが、個人的にアジング、メバリングで通う阪神~神明エリアの港湾部でのジグ単アジング・メバリングでは、十分メインを張ってくれるロッド。

気になる人は、是非手に取ってみてください。

きっと必要欠くべからざる一本だと感じられるようになると思います。

軽量ジグヘッド特化型。オススメは1g以下のジグヘッド。タフテック∞採用のしなやかなティップで軽負荷時の微妙なもたれを演出。ルアーをついばんだだけか、フックも吸い込んだか、ティップで判別可能な繊細を極めんとするアイテム。

その他のソアレ エクスチューン2ピースやMBのインプレ記事も書いています。宜しければご覧になってください。

2022年以降の釣行記は姉妹サイト「スモールフィッシング」に記しています。

よろしければコチラのサイトもご覧になってみてください。

スモールフィッシングの最新記事はコチラ! 続・スモールフィッシングの最新記事はコチラ!

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大阪府在住。小学生の頃から40年以上、磯波止筏船を中心に様々な釣りをやってきましたが、2010年にウェーダー購入して以来、ほぼ毎週大阪湾奥西宮の海でウェーディングでシーバスを狙いつづけています。2020年からは本格的にメバリングとアジングにも参戦中!子持ち40代のオトーサンアングラーです。ちなみにタックルはシマノ党、車はBMW党。

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