みなさまこんにちは。
2019年に登場したワールドシャウラテクニカルエディション、登場してからだいぶ経過しましたが、今年になってようやく購入に踏み切りました。
管釣りイメージが非常に強いテクニカルエディションですが、私は管理釣り場はいかないので、もちろん用途はアジング、メバリングなどソルトのライトゲームです。
今回はソルトのライトゲームに適したワールドシャウラテクニカルエディションについての解説記事です。 |
私と同じように、テクニカルエディションをソルトライトゲームにとお考えの方も多数いらっしゃるかと思いますので、今回は、ライトソルトゲームに適したワールドシャウラ テクニカルエディションはどのモデルであるか、インプレを交えてご説明したいと思います。
ワールドシャウラテクニカルエディション各モデルの特徴
'19ワールドシャウラテクニカルエディションは、XUL、SUL、UL、MDと4種類のパワーランクがあり、レングス設定はXULは62(6ft2inch)のみ、それ以外は62と66(6ft6inch)の2種類のレングスが選択できます。
スパイラルXコア、ハイパワーX、エアファクトシートCI4+、フルカーボンモノコックグリップ、ワン&ハーフ設計、ナノピッチ、チタンフレームトルザイトリング(TOP除く)というのが共通の仕様となっており、全モデルともチューブラータイプのティップとなっています。
なお、2021年に発表されたばかりの3ピースタイプのS52UL-3/F、S52L-3/MDはネイティブトラウトをメインターゲットにしており、仕舞寸法が短いので手軽な漁港ライトゲームに限定すれば良さげなのですが、さまざまなフィールドで使うメインロッドとしてはちょっと短すぎますかね。
まだ現物が出荷されていないということもあり、インプレを書くことができないためS52UL-3/F、S52L-3/MDの2機種については、以下の記事では割愛します。
非常に美しい外観もこのロッドの大きな特徴です。 |
ワールドシャウラテクニカルエディションの解説は、私がライトゲーム用に購入したS66UL-2/Fのインプレとともに以下の記事でも詳細に書いているので、よろしければ是非ご覧になってみてください。
ワールドシャウラテクニカルエディションの各モデルのスペック表は以下の通りです。
スペック | S62XUL-2 | S62SUL-2 | S62UL-2/F | S62L-2/MD | S66SUL-2 | S66UL-2/F | S66L-2/MD |
---|---|---|---|---|---|---|---|
全長(m) | 1.88 | 1.98 | |||||
継数(本) | 2 | ||||||
仕舞寸法(cm) | 130.0 | ||||||
自重(g) | 87 | 90 | 93 | ||||
先径(mm) | 1.3 | 1.2 | 1.4 | ||||
適合ルアー ウエイト(g) |
0.4〜3.5 | 0.6〜6 | 0.7〜8 | 1.5〜10 | 0.6〜6 | 0.7〜8 | 1.5〜10 |
適合ライン ナイロン(lb) |
1〜3 | 1.5〜4 | 1.5〜6 | 2〜7 | 1.5〜4 | 1.5〜6 | 2〜7 |
適合ライン PE(号) |
0.2〜0.6 | 0.3〜0.8 | 0.2〜0.6 | 0.3〜0.8 | |||
グリップ長(mm) | 175 | 190 | |||||
テーパー | R | R | F | MD | R | F | MD |
カーボン 含有率(%) |
99.9 | ||||||
本体価格(円) | 50000 | 51000 | 52000 | 53000 | 51000 | 52000 | 53000 |
使用材料 |
カーボン繊維99.9% グラス・その他繊維0.1% |
||||||
原産国 |
(素菅)インドネシア (組立)インドネシア |
各モデルの特徴を表した性能表は以下の通りです。(シマノWebサイトより引用)
■ワールドシャウラ テクニカルエディション 性能表
S62L-2/MD
【Monster Drive コンセプト】
モンスタークラスとのファイトを想定したモデルです。繊細なティップに攻撃的なバットを持たせた事で、ドラグが唸るスリリングなファイトにおける安定性を獲得。S66L-2/MD
【Monster Drive コンセプト】
モンスタークラスとのファイトを想定したモデルです。繊細なティップに攻撃的なバットを持たせた事で、ドラグが唸るスリリングなファイトにおける安定性を獲得。
ソルトライトゲームに適したテクニカルエディションはどのモデル?
ソルトライトゲームに適したワールドシャウラテクニカルエディションのモデルはどれであるか、まずはシマノWebサイトの魚種別適合表を見てみましょう。
ソルトのライトゲームでメジャーなアジングやメバリングについてみてみると、アジングではLのMDモデルが「最適」、ULのFモデルが「適」、SULが「可」という表示になっていますね。
一方、メバリングではULのFモデルが「最適」、LのMDとSULが「適」という表現になっていますね。
実際のところどうかというと、まずアジングに関しては、最適とされるLのMDモデルはジグ単用途では正直なところ硬く強すぎると思います。
確かにごく先調子のMDアクションは、テクニカルエディションの中でも最もハリ感があり、ジグヘッドの操作性も非常に高く、2g程度の大き目ジグヘッドを用いて、積極的にアクションさせてデイゲームで魚食性の大型アジなどを狙うといったシーンには非常に適していると思います。
しかし、そのパワー感はバスロッドのLクラス以上で、他のワールドシャウラに例えると1番パワー。
曲げてみると、実際ワールドシャウラ2701FF-2とほとんど変わりありません。
適合ルアーウエイトも、現代の1g程度の極小ジグヘッドを使用した、プランクトンやアミパターンのナイトゲームのアジングには全くマッチしていませんし、このロッドでアジを掛けた場合はかなり口切れを誘発しがちだと思います。
LのMDモデルのパワーが強すぎる点は、メバリングに関しても同様で、磯場で尺メバルだけをターゲットにするならいざ知らず、小型も混じる軽量ジグ単の釣りなどではとても扱いにくいものだと思います。
S62L-2/MD、S66L-2/MDの2機種は、本来は70cm、80cmというモンスターサイズのトラウトを相手にしたロッドなので、深場、急流、磯、大型狙いなどの状況を除いて、まずアジングやメバリングといったソルトライトゲーム用途では候補から除外して考えるのが妥当だと思います。
むしろチヌやシーバスなどをターゲットにした方が向いていそうですね。
敢えてそれらをショートロッドで釣るようなシーンがあれば、という仮定での話ですが。
一方で、テクニカルエディションの中で最も繊細なモデルのXULに関しては、適合ルアーウエイトが0.4~3.5g、適合ラインはナイロン1~3lb、PE0.2~0.6号と、そのスペックだけを見ると近代的なアジング、メバリングのジグ単ロッドとほぼ同じような内容で、ジグ単ライトゲームには非常にマッチしているように見えます。
しかし、これも半分正解、半分不正解といったところで、実際にS62XULを手に取ってみるとすぐお分かりいただけると思いますが、鞭のようにしなりバットまでぐにゃりと曲がるその使用感は、極軽量ジグヘッドの遠投にこそ適していますが、すくならからず潮の流れがあり不意の大物がかかる可能性がある海の釣りでは、いささか非力感が否めません。
ブランクスが曲がりこみすぎることもあり、ジグヘッドの重みを感じるにはいいのですが、その操作性に関してはイマイチで、「軽量ジグヘッドの低速リトリーブ主体の釣り」以外には使いづらく、汎用性が低いといえるでしょう。
やはりXULモデルも、ライトソルトゲームの候補からは外すのが妥当です。
ということで、テクニカルエディションをライトソルトゲームに使用する場合、おススメとなるモデルはSULかULパワーのアイテムになります。
ライトゲームにおススメのテクニカルエディション
S66UL-2/F
やや先調子のS66UL-2/Fモデルは、アジング、メバリングに最もおススメのモデルです。
先調子故にルアーの操作性が良く、ジグ単の釣りからプラッギングや軽量ジグ、フロートやキャロといったちょっとしたリグなども扱える汎用性の高さも魅力です。
全体的にバットまでぐにゃりと曲がるロッドが多いテクニカルエディションの中ではフッキング性能も高い方で、尺アジ、尺メバルやその他ゲストフィッシュなど不意の大物が相手になりうるソルトでの利用も安心できるパワーも備えています。
S66UL-2/Fの600mlペットボトルのリフトの様子。これだけ曲げてもまだ底つき感はありません。 |
下限の適合ルアーウエイト0.7gはSULモデルの0.6gに比べるとわずかに大きいですが、実際に0.5gジグヘッド+2インチワームの組み合わせでも、しっかりキャストすることができますので、近代的なアジングゲームなどでも十分通用するでしょう。
重い方は8g程度のシーバス用ルアーなどでもフルキャストできるため、一本で対応できるシーンの幅が大きいところもおススメの理由の一つです。
テクニカルエディション以外のワールドシャウラと比べると、バット部分も含めたロッド全体でみると別物ですが、#1セクションに関しては曲げ比べてみると2750FF-2とほぼ同じパワー感です。
なるほど、同じ0パワーどうしだからですかね。
ちなみに、テクニカルエディションはレングスの違いによる重量差はほぼなく、操作性の違いも大きくはないため、62と66レングスのチョイスに迷ったら、66の方を選ぶことをおススメします。
62モデルも良さはありますが、エンドグリップが175mmと非常にショートなので、ダブルハンドキャストはほぼできませんし、大型がかかった時の肘にあてたサポート力もあまり期待できません。 |
66の方がエンドグリップが1.5cmほど長く、このグリップを肘に当てて操作することで、やや重めのテクニカルエディションの荷重を分散しやすくなりますし、飛距離が求められることも多いソルト使用においては66の方が活躍するシーンが多いためです。
S66SUL-2
0.5gとか0.8gとか、より軽量なアンダー1gのジグヘッドを使った釣りがメインであれば、S66SUL-2もおススメのモデルです。
全体的に大きくしなり、軽負荷でもよく曲がるロッドなので、アンダー1gのキャスタビリティはS66UL-2/Fより上ですが、どちらかというと掛けにいくよりノセ調子寄りロッドで、そのしなやかさが強調された躾により、ルアーを操作するよりも、定速でリトリーブする巻きの釣りに適しています。
やはり本質は管釣り向けのトラウトロッドですが、昨今のプランクトンパターンのアジングに代表されるように、ジグ単でも動かさない釣り、流れを感じる釣りというのも多いため、より繊細なアプローチでこれらの釣りをする場合には、ややオーバーパワー気味のS66UL-2/FよりもこのS66SUL-2の方がマッチしていると思います。
そういえば、近年はアジングロッドの世界でもスローテーパーロッドのメリットが見直されつつあるようなので、そういうトレンドにもマッチしているといえそう。
小アジ、小メバル相手でも存分に曲げることができるので、小物のヒキを楽しむならコッチですかね。
まとめ
今回はソルトのライトゲームに適したワールドシャウラテクニカルエディションについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
管釣りイメージが強いワールドシャウラテクニカルエディション、そのイメージ通りやはりロッドの調子としてはかなり先調子になるMDを除いてどれもいかにも管釣り向け!といった感じで、全体的に鞭のように大きくしなり、表現はよくありませんが一言でいうとベナンベナンな感じで、他メーカーのアジングロッド、メバリングロッドに慣れた方からすると結構違和感を感じられるかもしれません。
他社ライトゲームロッドでいえば、一番距離感が近く感じられるのが同じチューブラーで、曲げて獲るタイプのヤマガブランクスのブルーカレントシリーズ。しかし、一番近いといいつつ、それでも両者のテイストには大きな隔たりがあります。 |
特に多くのメーカーから出されているハード目のソリッドティップのパッツン系アジングロッドとはまさに対極にあるともいうべきキャラクター。
しかし、もともとアジング、メバリングは近年生まれた釣種で、専用タックルがなかったころは皆さんトラウトロッドで楽しまれていたはずです。
ワールドシャウラテクニカルエディションは、一般的なライトソルトゲームロッドに比べるとやや重めの部類で、正直なところ使用感は専用タックルには全く及びませんが、ライト系ロッドでは唯一無二といえる大口径ガイドセッティングにより抜群の糸抜けとキャスタビリティを誇り、大きく曲がることで魚がバレにくくヒキを最大限楽しめるという突出した個性を持ったロッドです。
そのため、普通のライトゲームロッドに飽きてしまった人や、キャストに特にこだわりのある人、一本で釣れる魚はなんでも狙うというワールドシャウラの世界観に共感できる人などには、非常におススメのロッドです。
使っていて非常に楽しめるロッドなので、気になる方はぜひ手に取ってみてください。
世界中のルアーターゲットに対応するワールドシャウラシリーズ。2~4lbライン、0.6~6gのルアーに適合するテクニカルエディションは、ワールドシャウラシリーズ中、最も細身に作られたライトルアー対応のスペシャルモデル。スパイラルXコアの採用で細身ながらもファイトはパワフル。パワーランクが上がるほど先調子に設定することで、素早い泳ぎの魚に対してもドラグを有効に活用。巻き感度を向上させるフルカーボンモノコックグリップも搭載し、エリアトラウトやライトソルト、ライトなグローバルフィッシュなど、ワールドワイドに活躍。
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