みなさまこんにちは。
いままで長らく買おう買おうと思ってついつい購入が先延ばしになっていたドラグチェッカー、先日ついに購入に至りました。
大昔からドラグチェッカーといえばコレ!というのが、今回ご紹介する櫻井釣漁具 BOUZ ドラグチェッカーです。 |
ドラグの調整ではなく、普段使用しているラインやノットの強度を測る目的で購入したのですが、実際にコレを使って強度計測をしてみると、いろいろと驚かされることばかり。
ということで、今回はこのアイテム、櫻井釣漁具 BOUZ ドラグチェッカー DC-2015 についてのご紹介とインプレをお送りしたいと思います。
どんなアイテム
創業明治21年と超老舗のメーカー、櫻井釣漁具株式会社から販売されているドラグ計測器がBOUZ ドラグチェッカー。
このメーカー、サクラ高級釣竿製造所も経営しているんですね。昔チヌの筏釣りをやってた頃、ココの竿を使っていました。
あと、グレフカセウキを自作していた頃は、塗装用の漆なんかでもお世話になってたような。
それはさておき、他にライバル製品がないからか、昔からドラグチェッカーと言えばコレ!というくらい有名なのが、このBOUZ ドラグチェッカーです。
ラインナップは、1kgモデルのDC-2001、3kgモデルのDC-2003、5kgモデルのDC-2005、15kgモデルのDC-2015と4種類、すべて税別7200円(税込7920円)で販売されています。
私の場合は、ライトゲームで主にPE0.2号~0.4号を、シーバスでは主に0.5号~1号までをよく使うため、5kgモデルを買うか、15kgモデルを買うかで迷いましたが、とりあえず最初はシーバス用のライン強度計測に使えるよう、15kgモデルのDC-2015を購入しました。
実際届いた現物を手にすると、めちゃくちゃ小さい。
掌にすっぽり収まるサイズで、通常サイズのジッポライターよりちょっと大きいくらいですね。
ただ、外装は樹脂製ながら背面土台は金属でしっかりとした重量感はあり、いかにも精密機器といった感じです。
ドラグチェッカーの使い方
このBOUZドラグチェッカー、使い方はかなり簡単です。
まず、基本的な引っ張り力の測定方法ですが、ドラグチェッカー本体の3点プーリーの間にラインを通した状態で、ラインを引っ張ることで、引張力が測定できます。
移動式の黒の測定針と最大値で止まる白の測定針があり、それらが引っ張り荷重とともに同時に時計回りに回転するため、測定が終わったら本体のベゼルを回転させて、白の測定針を0kgの位置に戻すといった感じです。
小学生の頃の体力測定で使っていた握力測定器のような感じですね。
あ、もしかしたら今の時代はデジタルになってるのでしょうか?年齢がバレてしまいますかね(笑)
リールのドラグの強さを計測するためには、リール直前の位置でドラグチェッカーを使えば、どの程度のドラグ力になっているか測定できますが、特に大型魚を釣るような場合で、より正確なドラグ力計測、調整を行いたい場合は、ラインをロッドのガイドに通して、その先でドラグチェッカーを使うことで、ガイドの摩擦抵抗も含めた、より魚からラインに掛かる負荷に近似した負荷を計測することができます。
このような場合でも、ドラグチェッカー自体を落っことしてしまわないよう、取り外し可能な金属製のラインホルダーがついています。
このBOUZドラグチェッカーは、掌にもすっぽり収まるくらい非常にコンパクトで軽量な作りであるため、もちろん釣り場に持っていくこともできるアイテムですが、釣り場で魚が釣れた場合はリーダーなどに挟んで魚を持ち上げることで、魚の重量計測に使うことも可能です。
実際に使ってみると驚愕の新事実が!
さてこのBOUZドラグチェッカー、早速実際にラインとノットの強度の計測に使用してみました。
使い古したPEラインの強度はいかほどか?
まず最初に試したのは、ライトゲーム用の使い古したPEラインと新品PEラインとの強度比較。
前々から、使用に伴うPEラインの劣化がいかほどのものであるか、非常に気になっていましたので、ドラグチェッカーを買ったら真っ先に計測してみたいと思っていました。
今年1月からリールに巻きっぱなしで、ライトゲームでさんざん酷使してきた0.3号PEラインの強度を実測してみます。
すると、驚きの結果が。
新品を計測したところ、平均2.5kg以上の強度が出ていたラインが、まったく同じ銘柄・太さでも、使い古した方のラインの方は、何回計測しても1.8kg以下でプチプチ切れてしまうではありませんか。
手始めに計測したPEの銘柄は最高6.5ポンド、平均6ポンド(2.9kg)という安定した強度を誇るクレハのシーガーPEX4 RURE EDITION。
それが、使い古した中古になると、たかだか4ポンド未満でプチプチ切れるのです。
測定に使っているラインが特別劣化が激しいのかもしれないと、同じ時期に購入して同じように使い倒した同じ0.3号の他メーカーのPEライン(YGKのXBRAID X4、GOSENのTYNY PE AJI)でも試してみましたが、どちらも同じような測定結果でした。
XBRAIDなど、使い倒した先端付近はコーディングがはがれ結構ヤレ感が出ていましたが、そういう状態のラインはやっぱりかなり強度が低下しているようで、なんと目盛り1kg以下でもプツプツ切れる。
こうなると強度は2ポンド程度ってことですね。
この実験で分かったのは、使い古したPEライン、特にライトゲームで使うような細番手のモノは、どのメーカーのものでも新品時に比べて想像以上に強度が低下するということ。
やはり繰り返しキャストすることで、ガイドとの摩擦によって表面が摩耗するためでしょうか。
私は結構PEラインに関しては、ケチって長く使いたいタイプなのですが、さすがに新品時強度表記の半分以下まで強度低下してしまうと魚が掛かった時のやり取りが不安で使い続けられません。
強度低下の度合いを把握するために、定期的にこのドラグチェッカーを使って強度テストをしておいた方がいいなと思いました。
まあ、それ以上にPEラインに関しては、キャストによる摩耗が特に激しい先端数メートルは、ささくれが少しでも出たらマメにカットして使うのがいいのでしょうね。
以下に、ラインの強度測定をする場合のドラグチェッカーの使い方イメージを動画にしてみました。
シーバス用のYGK X-BRAID UPGRADE 1号(18ポンド≒8㎏)の使用済み品を測定対象にしていますが、破断までの強度は実測6kgも出ていないですね。
ノットの強度はどれほど出ているか?
もうひとつ、非常に気になっていたのがノットの強度。
私は普段ライトゲームでは、ほぼ3.5ノットを使っていました。
暇なとき(笑)にFGノットを使うときもありますが、ライトゲーム用の細リーダーでFGは、ノットツールを使ってもかなり失敗する確率が高いため、これまで3.5ノットの使用率が90%以上でした。
最近は、以下記事のような、極細PEでのFGノット作りを楽にしてくれるアイテムもあるので、自宅などで事前にノットを組むときは、これを使ってFGノットにするようにしています。
いままで釣りをしている最中にノットに起因するトラブルは起きたことがないですが、以前から、この3.5ノット、結束後に手で引っ張って試すと、意外とプチプチ簡単に切れる気がしていました。
というわけで、気になっていたこの3.5ノットの強度も計測してみました。
条件は先ほどライン強度測定で使用したのとおなじ使い古した0.3号PEに、6ポンドフロローカーボンリーダーという組み合わせです。
すると、なんとあろうことか、1kg以下の荷重でいとも簡単に切れてしまうではありませんか。
そんなはずはないと、何度も組みなおして試しますが、やはり1kg程度で切れてしまいます。
ノット方法をトリプルエイトやクインティッドに変えてみても、強度はたいして変わらないですね。
FGだと最大1.4kgくらいまで持ちますが、それでも3ポンド程度の強度でしょうか。
ドラグチェッカーによる強度実験で分かったこと
これまで、70cmクラスのシーバス、40cm以上のチヌも含めてかなり多くのシーバス、チヌ、ボラなどを3.5ノットで問題なく取り込んでいるので、私が特別ノットを組むのが下手くそというわけでもないと思うのですが、正直この結果には驚きました。
使い古したPE(初期強度6ポンド)+6ポンドリーダーでは、3.5ノットを組むと最大でも半分の3ポンド以下の引張強度になってしまうという結果なのですから。
切れるのがノット付近のPE側に集中していたこともあり、今後は劣化したPEラインで3.5ノットを使うのは絶対にやめておこうと思いました。
あともう一つ得られた知見としては、PEラインの引張強度について。
よく、PEラインのメーカー強度表記はあてにならないと言われますが、確かに新品であっても、MAX表記であれAve表記であれ、メーカーの表記通りの引張強度は出ないことが多いと思います。
これは、PEラインはブレイデッドラインであるが故に、どうしても製品として完全に均質にすることが難しく、100mあれば100mのうちに強い部分と弱い部分といった感じで、強度にばらつきが出るためと言われています。
非常に高価なラインは、この辺りのばらつきを出来る限り無くす努力をしていると聞きますが、普及価格帯のラインはどうしてもコスト面でそこまで均質化を徹底できないのかなと想像しています。
なので、巷でよく言われる通り、ラインの実強度は表記強度の0.7倍~0.8倍というのも、今回の実験結果を見るとあながちウソではないのかも知れませんね。
多くのユーザーから高評価を得ているXBRAID X8、しかもそこまで使い込んでいない状態のものでも、破断までの実測値は表記強度の0.75倍程度なのですから。
ましてや、かなり使い込んだ0.3号のXBRAID X4では、表記強度6ポンドの半分くらいまで強度が落ちていました。
つまり、PEラインは新品でも表記通りの強度が出ることは少なく、さらに使用に伴う劣化によって、強度は大きく下がりうるものだ ということだと思います。
この実験をした後、巻いていたPEラインは傷をチェックし、摩耗で劣化してると思われる部分は全部カットして、もう寿命かなと思ったラインについては丸ごと新品に巻替え交換しました。
BOUZ ドラグチェッカー インプレまとめ
さて今回はBOUZドラグチェッカーのインプレということで、製品と使い方のご紹介、そして実際に初めて使ってみた結果をお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。
普段使いしているラインやラインシステム、これまでなんとなく使っていましたが、実際に強度を測定してみると思いもよらない結果が出て、非常に驚かされました。
ライン強度については、おそらくは度重なる使用に伴い、目立った傷は無くともライン表面が摩耗していたため、非常に低い値が出たのだと思いますが、ライトゲームで使用するような0.2号、0.3号クラスのラインについてはもともと極細の直径なので、使用に伴う摩耗の悪影響が顕著な強度低下に繋がるのかもしれませんね。
また、3.5ノットについても、Webでは結束強度70%とか80%とか90%とか、結構いろんなサイトでバラバラなことが書かれていますが、今回のように使い古したボロボロのPEラインを用いた場合は、結束強度はだいたい40%程度になってしまうと言えるでしょうか。
切れる箇所は何度ノットを組みなおしても決まって結び目付近のPE側なので、おそらくは結束時にこの部分が摩擦によって傷むことが原因だと思います。
締め込み時に潤滑液をつけたり、摩擦が生じないよう丁寧に作業することで結束強度をあげることができそうなので、今後ノットを組む際はこの点にも注意して作業しようと思います。
ということで、このBOUZドラグチェッカー、買ってみて使ってみると、思いもよらない新たな発見がたくさん。
非常に使い方も簡単でシンプルなアイテムで、ドラグ荷重のチェックに使いやすいのはもちろんですが、釣りにおいて魚と人をつなぐ命綱ともいえるラインやラインシステムの強度を簡単に計測できるというのは非常に魅力的。
今回はライトゲーム向けのラインやラインシステムの強度計測に使用しましたが、今後はシーバス用のライン、ノットの強度計測や、各社ライン銘柄ごとの強度比較などにも使用したいと考えています。
みなさんもこのドラグチェッカーで、ご自身のラインシステム強度を測ってみられてはいかがでしょうか?
そこそこ値段はするアイテムですが、一度買ってしまえばずっと使えるものですし、「論より証拠」「百聞は一見にしかず」という諺通り、新たな気づきが得られるため、お値打ち価格のアイテムだと思います。
適切なラインの買い替え時期なんかもはかれますし、なにかと役に立ちそうですよね。
気になる方は、是非手にとってみてください。決して損な買い物ではないと思います。
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