みなさまこんにちは。
私は常に仕事でPCを使うため、PC運搬用の保護ケースは昔からいろんな種類を試してきました。
その中で、ここ2、3年、これで落ち着いているという秀作を見つけましたので、今回はそのPCケース(ラップトップスリーブ)のインプレッションをお届けしたいと思います。
取り上げるのはハクバ写真産業の「プラスシェル エンベロープ ラップトップスリーブ 14インチ」。
見た目はどう見ても茶封筒ですが、その素材の正体はデュポン社の高機能不織布「タイベック®」という、なんとも不思議な製品です。
そもそもの問題:PCスリーブに何を求めているのか
PCを毎日持ち歩く人間にとって、スリーブ選びは地味に重要です。
私の場合、通勤カバンやスーツケースに入れて運ぶことが多く、ケースそのものに重さや嵩がある製品は正直使いにくい。
かさばる・重い・バッグの中で引っかかる、という3拍子が揃うとストレスになってくるんですよね。
そこで重視するのが「薄さ」「軽さ」「バッグ内での滑りの良さ」の3点。
保護性能はもちろん必要ですが、そのために重さや嵩を許容するのは本末転倒という考え方です。
よくある解決策:クロロプレンやポリウレタン素材のスリーブ
PCスリーブの定番素材といえばクロロプレン(ネオプレン)やポリウレタンです。
クッション性が高く、PCをガシッとホールドしてくれる安心感は確かにあります。
また、ZEROSHOCKシリーズのような耐衝撃特化型の製品も存在します。
落下や衝撃に対する保護性能という観点では優秀な選択肢です。
それでも残る不満:耐久性と加水分解という壁
ところがクロロプレン・ポリウレタン系のスリーブには、数年使い込んで初めて気づく問題があります。
加水分解です。
ポリウレタンは空気中の水分と徐々に反応し、表面がベタついたり粉を吹いたり、最悪の場合はボロボロと剥離してしまう。
これが2〜3年で起きることも珍しくない。
毎日使うアイテムなのに、数年で買い替えを余儀なくされるのはコスト的にも気分的にも消耗します。
さらに、クッション素材を内蔵するがゆえの重量増とかさばりも気になるところ。
バッグの中でのひっかかりも避けられない。
そうした不満が積み重なって、「もっと軽くて長持ちする素材はないか」という問いが生まれてくるわけです。
この製品の立ち位置:軽さと耐久性の両立という問いへの回答
そこで登場するのがこのハクバ プラスシェル エンベロープ ラップトップスリーブです。
カテゴリとしては「バッグインバッグ向けの薄型スリーブ」で、衝撃吸収を最優先とするタイプではなく、日常の傷・汚れ・軽微な衝撃からPCを守りつつ、できるだけ薄く・軽く・長く使える製品を目指した製品です。
その鍵となるのがタイベック®という素材の選択。
この素材がもたらすメリットについては後ほど詳しく述べますが、まずは一言で言うと「紙の見た目と触り心地を持ちながら、耐久性・耐水性・軽量性を備えた不思議な素材」というわけです。
ブランドについて:ハクバ写真産業
ハクバ写真産業は1952年創業の老舗写真用品メーカーです。カメラバッグ・インナーケース・フィルター・アルバムなど、撮影にまつわるアクセサリー全般を手がけており、写真愛好家には馴染みの深いブランドです。
プラスシェルシリーズはその中でもPCやタブレット向けの保護製品として展開されており、2022年12月に本製品が発売されました。
カメラ機材の保護を生業とするだけあって、素材選びや内装の仕上げに実用志向が強く出ているのが特徴です。
過度なデザイン訴求よりも、使い勝手と耐久性に軸を置いた製品づくりという印象を受けます。
製品の特徴:タイベック®が実現する3つのポイント
本製品の核はタイベック®(Tyvek®)素材です。
米国デュポン社が独自開発した高密度ポリエチレン100%の不織布で、0.5〜10ミクロンの極細繊維を熱と圧力のみで結合させた特殊なシートです。
建材・医療用包装材・防護服など、過酷な環境で使われてきた実績がある素材で、バッグ・ポーチ用途でも近年注目されています。
この素材が本製品にもたらしているのは主に3点です。
① 超軽量:14インチモデルで重量はわずか約70g。
内容物なしでこの数値は、クロロプレン製スリーブと比べると半分以下であることも珍しくありません。
毎日持ち歩く身には、この軽さは地味にありがたいですな。
② 耐久性・耐切り裂き性:見た目は紙ですが、引き裂き強度・耐摩耗性はポリウレタン系を超えるレベルです。
デュポン社によれば、水・化学物質・熱・冷却・長期使用に対して高い耐性があるとのこと。
そして冒頭の悩みの種だった加水分解が起きない。
高密度ポリエチレン製であるため、ポリウレタンのように水分と反応して劣化する性質をそもそも持っていないんです。
③ 撥水性:水の表面張力でコップの結露程度なら弾きます。
完全防水ではありませんが、バッグ内でペットボトルの汗が触れた程度では中のPCにダメージが及ぶ心配はまずないでしょう。
スペックは以下の通りです。
| 対応サイズ | 13.3〜14インチ |
|---|---|
| 外寸法 | 約W275×H340×D15mm |
| 参考収容寸法 | 約W230×H325×D20mm |
| 重量 | 約70g |
| 材質 | タイベック®、ポリエステル |
| 内装素材 | 起毛素材(傷防止) |
| 開口部 | マグネット式フラップ |
| 発売 | 2022年12月 |
内装には起毛素材が採用されており、PCの液晶面に傷がつきにくい配慮があります。
開口部はマグネットで蓋が止まる封筒型のフラップ式で、ジッパーのようなひっかかりがなく、出し入れがスムーズです。
この「すっと取り出せる」感覚は、毎日使ってみて初めてじわじわ効いてくる良さです。
実際の使用感:2年以上使い込んで見えてきたこと
私は現在14インチモデルを2枚、合わせて2年以上にわたって使い続けています。
日常の通勤はもちろん、出張時のスーツケース収納にも使ってきた経験から、実感として見えてきたことをまとめます。
まず、バッグ内での取り回しは非常に快適です。
タイベック®の表面は滑らかで、バッグの内張りやほかの荷物と引っかかりにくい。
私は普段、以下2種類のトートバッグと一種類のボストンバッグいずれかに入れて毎日使っていますが、収まりの良さ、出し入れの容易性、総重量の増加が少ない点など、あらゆる面で満足しています。
嵩張らないため、通勤バッグに入れても他の荷物を圧迫しませんし、スーツケースのフロントポケットにも楽に滑り込みます。
私が毎週使う伊丹空港など、手荷物検査レーンではいまだにスーツケース内のPCを取り出してチェックを受ける必要がありますが、このスリーブは薄く軽く引っかかりがないので、スーツケースやバッグなどの荷物から取り出しやすく、また検査後納めやすいという特性が活きてきます。
耐久性については、2年以上使用した現在、皺は確実に増えました。
これはタイベック®の性質上避けられないことで、むしろ「使い込んだ風合い」として受け入れる製品設計です。
ただし、破れ・裂け・表面の剥離は皆無。
クロロプレンやポリウレタン系スリーブで経験したような加水分解のベタつきや表面の剥離も当然ながら起きていません。
「一度買えば長く使える」という期待に、今のところしっかり応えてくれています。
撥水性も実用上問題ない水準です。
出先でペットボトルの結露や折りたたみ傘の雫がべったり触れたことが何度かありましたが、タイベック®表面で弾いてくれました。
万が一のドリンクこぼしにも、ある程度の時間は稼いでくれるでしょう。
一点正直に言うと、クッション性はそこまで高くありません。
極厚クロロプレンのスリーブや、ジェル素材を用いた高保護タイプと比べると薄手で、落下や強い圧力に対する耐衝撃性能は劣ります。
ただ、カバンに入れた状態でPCを運搬するという通常の使い方であれば、内装の起毛素材がキズから守ってくれますし、昨今のSSD化されたノートPCなどでは、よほどの衝撃を与えない限り問題になる場面は少ないと思っています。
ちなみに、素材自体に伸縮性はありませんが、私はたまに1つのこのスリーブに、ThinkPadX1Carbon2台を無理やり詰め込んだりすることもあります。封筒型で柔軟なので臨時の際はこういう融通の利かせ方ができるのもいい点ですね。
他製品との比較:ZEROSHOCKなど保護性重視製品との棲み分け
衝撃保護性能で比較すれば、ZEROSHOCK系や分厚いクロロプレンスリーブの方が上です。
ただ、それらと比べてこの製品が優れているのは、重量・嵩・長期耐久性の3点です。
ZEROSHOCK系はその名の通り耐衝撃に特化しており、私自身もコレを買う前は愛用していましたが、短距離の移動や機材保護が最優先なシーンでは申し分ない選択肢です。
一方で、重量増・かさばり・そしてポリウレタン系素材による加水分解リスクは避けられない。
毎日長距離通勤で持ち歩く・スーツケースに常駐させるという使い方であれば、プラスシェル エンベロープの方がトータルで優位だと感じています。
どちらが絶対的に良いというわけではなく、用途次第というわけですね。
また、同様の薄型スリーブカテゴリでポリウレタン素材を使った製品も多くありますが、見た目のきれいさや初期の触り心地は良くても、数年後に確実に加水分解が訪れます。
長期コスパという観点では、タイベック®素材の本製品に軍配が上がりますな。
こういう人には刺さる
毎日通勤でPCを持ち運ぶ方、特にバッグインで使いたい方に強くお勧めできます。
軽さと薄さを最優先に、かつ長く使いたい、という方の需要にぴったりです。
スーツケース内のサブ収納としても秀逸で、出張族にも向いています。
逆に、持ち運び中の落下リスクが高い環境や、PCを単体で裸で持ち歩くような使い方をする方には、より厚手のクッション材入りスリーブを選んだ方がよいでしょう。
また、見た目が紙の封筒そのものであることを好まない方にも向きませんw
なお、購入先について一点アドバイスです。ハクバ直販や一般ECサイトで購入するより、Amazon限定のAZラインの方がカラーバリエーションが多く(コーラルピンク・オリーブなど)、かつ価格も抑えられています。
どうせ買うならAmazon限定の方がお得ですな。
まとめ:タイベック®という素材選びが生む長期価値
ハクバ プラスシェル エンベロープ ラップトップスリーブの本質は、素材選びにあります。
タイベック®を採用したことで、超軽量・高耐久・撥水・加水分解なし、という日常使いのスリーブに求められる要素を高いレベルで揃えることができています。
見た目が茶封筒というインパクトも相まって、他人に見せると必ず「え、それ何ですか?」と聞かれるのもこの製品の面白いところです。
あえて唯一の惜しい点を挙げるなら、やはり衝撃保護性能が高くはないという点。
この一点だけ、用途との相性を確認してから購入を検討してもらえればと思います。
逆にそこさえクリアできるなら、長期的に見て非常に満足度の高い選択肢になると思っています。
気になる方はぜひ手に取ってみてください。
ということで、今回のお話はおしまい。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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