みなさまこんにちは。
先日、別ブログ「スモールフィッシング」の以下記事に記した通り、発売延期となっていた'23ヴァンキッシュのC2500SXGがようやく我が家にとどきました。
C2500SXGはサイズ的にはライトゲーム寄りのアイテムですが、水温がまだ上がりきっていない春までの期間なら、湾奥シーバス実釣で使ってみても、以下記事の通り、いい感じで使えます。
ところで、今回のC2500番スプールは、従来と規格が変わったため、'18ステラや'19ヴァンキッシュのC2000番、C2500番リールには装着できないとされていますが、本当でしょうか?
私はまだまだ'18ステラや'19ヴァンキッシュのC2000番、C2500番も現役で使っているため、非常に気になるところです。ということで、検証してみました。
今回は、そのレポートです。
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'22ステラ、'23ヴァンキッシュのC2500番とは?
'22ステラ以降、従来とはサイズ規格が変わってしまったC2500SXGという番手、端的に言うと、#1000サイズのボディに、#C2500サイズのローター、そして、#C2000(S-31規格)よりも外径が1mm大きい、#C2500サイズのスプール(S-32規格)という組み合わせの番手です。
先代'18ステラや、'19ヴァンキッシュでは、ボディサイズは2500番同等(つまり、C3000番と同等)と大きなボディで、ローターサイズは1000、C2000、C2500で共通のワンサイズで、スプール(S-27規格)もC2000とC2500では外径は同一、スプール溝の深さで、糸巻き量だけが異なるというサイジングでした。
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写真左が'23ヴァンキッシュC2500SXG、右が'19ヴァンキッシュC2500SXGです。 |
ちょっとややこしいですが、'22ステラ以降は、1000番からC2500番までは同一ボディを採用しながら、1000番は独立したサイズのスプールとローターを備えた番手となり、C2000とC2500はスプール外径が異なる機種となった次第です。
この「スプールの外径が異なる」ことにより、以下のスプール互換表によると、'22ステラ、'23ヴァンキッシュのC2500番スプール(S-32規格)は、 '22ステラ、'23ヴァンキッシュのC2000番リールには装着可能だけど、'18ステラC2000番、'19ステラC2500番、'19ヴァンキッシュのC2000番、C2500番(いずれもS-27規格)には装着できなくなっています。
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シマノのスプール互換表。詳細は、https://fish.shimano.com/ja-JP/support/c/product-related/reel/compatibility_table_spool.html
を参照ください。 |
'23ヴァンキッシュC2500番のスプールは'18ステラC2000、C2500に装着可能?
上記は、本当でしょうか?
ということで、試してみました。
'23ヴァンキッシュのC2500スプールを、それぞれ'18ステラC2000SHG、'19ヴァンキッシュC2500SXGのスプールに実際に装着してみました。
すると、なんと、スプール互換表の記載に反して、いずれのリールに対しても、ちゃんと装着可能ですね。
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'23ヴァンキッシュC2500SXGのスプールを'18ステラC2000SHGに装着した様子。もちろん、普通にリーリングも可能です。 |
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'23ヴァンキッシュC2500SXGのスプールを'19ヴァンキッシュC2500SXGに装着した様子。 |
さらに、以下記事に書いた通り、ドラグノブは'23ヴァンキッシュのものを使わなくとも、'18ステラ、'19ヴァンキッシュいずれのドラグノブを用いても、正常に装着することができ、機能してくれます。
これは、実は完全互換なんじゃないの?
試したときには、そう思いました。
しかし、C2500SXGのスプールを装着した'18ステラC2000SHGをよくよく眺めてみると、スプールとローター内壁とのクリアランスが結構キツキツ。
見える隙間は余裕で1mmを下回っていて、本当にギリギリ干渉していないといった感じです。
ステラ、ヴァンキッシュのスプール径とローター内径を計測してみた
そこで、0.1mm精度まで計測できる精密ノギスを使って、ローター内壁間の径を計測してみました。
計測部分は、ローターつば部分の中央付近です。
その結果は以下の通りです。
- '18ステラ C2000SHG:43.0mm
- '19ヴァンキッシュ C2500SXG:43.3mm
- '22ステラ C2000SHG:44.2mm
- '23ヴァンキッシュ C2500SXG:44.6mm
同じ世代のステラとヴァンキッシュどうしで比較すると、ヴァンキッシュのローター内壁間の径の方が0.3~0.4mm程度大きくなっていますが、これはヴァンキッシュのローターがCI4+樹脂製であり、マグネシウム製のステラのローターに比べて比較的よく撓むことから、たわみが生じたときでもスプールと干渉しないよう、ステラよりも広めにマージンを取った設計になっているからです。
そこで、念のためスプール径も計測してみました。
'18ステラ C2000SHG、'19ヴァンキッシュ C2500SXG、'22ステラのスプール径はともに最大部分で42.0mm、それに対して'23ヴァンキッシュC2500SXGのスプールは、1mm大きい43.0mmとなっています。
つまり、最大部分の径だけで見てみると、'18ステラC2000SHGのローター内壁幅と、'23ヴァンキッシュのスプール最大外径は同じ43.0mmなので、互いに干渉してしまうはずです。
しかし、実際装着してみると、確かにクリアランスはギリギリだけど、干渉はしていないのですね。
考察とまとめ
上記の通り、実際に装着してみると、'23ヴァンキッシュC2500SXGのスプールは、'18ステラ、'19ヴァンキッシュのC2000番、C2500番にも問題なく装着は可能です。
これは、'23ヴァンキッシュC2500SXGのスプール下部に段差があり、径が絞り込まれたデザインとなっているため、スプール前方に向けで徐々に広がる形状をしたローター内壁と、見事ギリギリ干渉せずに済んでいるという状態だからです。
しかし、実釣で使用した場合、マグネシウムローターのステラならまだしも、CI4+のヴァンキッシュの方では、負荷の大きさによってはローターがたわみ、結果的にスプールと干渉が発生するやも知れません。
また、同じC2500番スプールでも、スプール下部に段差がないデザインを採用した'22ステラC2500SXGのスプールは、'18ステラのC2000、C2500番に装着した場合、ローターとスプールが確実に干渉すると思われます。
ということで、検証からわかった結論をまとめると、以下の通りです。
- '23ヴァンキッシュC2500番スプールは、'18ステラや'19ヴァンキッシュC2000番、C2500番にも装着可能。
- ただし、クリアランスは極小なので、ローターのたわみが少ないステラでの使用を推奨。
- '22ステラのC2500番スプールは、スプールデザインから'18ステラや'19ヴァンキッシュC2000番、C2500番に装着するとスプールとローターが干渉するため、装着不可となるはず。
個人的に、新規格C2500番サイズのスプールは冬春のシーバス以外にあまり出番がなさそうですが、また機会があれば'18ステラと組み合わせて、実釣で問題が発生しないか試してみようと思います。
ちなみに、'23ヴァンキッシュC2500SXGのインプレッションは、以下記事に書いていますので、よろしければこちらもご覧になってみてください。
もう一つ、関連記事として、'22ステラ以降新たな規格となった1000番サイズスプールの互換性についても、以下記事で調べています。コチラもよろしければご覧になってみてください。
ということで、今回のお話はおしまい。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
2022年以降の釣行記は姉妹サイト「スモールフィッシング」に記しています。
よろしければコチラのサイトもご覧になってみてください。