みなさまこんにちは。
以前、以下の記事で書いた通り、釣り用で長らくメインで使用していたLEDライトが故障して廃棄を余儀なくさせられてしまいました。
日本メーカーのヘッドライトやネックライトは、機能面では優れたものも多いですが、残念ながら耐久性の面や、特に防水性能面では比較的脆弱なモノが多いですね。
その後も何種類かのライトを使用しましたが、明るさと高機能性、そして防水性能含めた耐久性や堅牢さなど、すべての面で完全に満足できるものはなかなか見つかりませんでした。
しかし、この秋、ひさびさに今後の釣行でメインを張ってくれそうな素晴らしいライトに出会いました。
そのライトとは、ACEBEAM社の2022年の新製品、「H50 2.0」というLEDヘッドライト。
今回は久しぶりに凄いライトに出会いました! |
今回はこの新作ライトの実用インプレッションをお届けしたいと思います。
ACEBEAM H50 2.0 とは
「ACEBEAM」は、中国のハイテク企業がひしめく工業団地、広東省 深セン 龍華区にある「SHENZHEN ZENBON TECHNOLOGY CO., LTD」のライトのブランドです。
高い技術力と独創的なアイデアを盛り込んだ同ブランドの製品群は、設立わずか12年にして既に世界89カ国、年間40万ユニットも販売されている急成長ぶりを見せています。
そのようなACEBEAMの製品のうち、今回ご紹介する「H50 2.0」は、ユニークな3灯のLEDを搭載した高性能、高機能なUSB充電式ヘッドライト。
ユニークなデザインに目が行きますが、単に奇を衒って3灯並べたというだけではなく、きちんと機能性を考慮した上でこのデザインとなっています。 |
まだ発売されて間もないライトですが、1977年に創刊され読者数2170万人を誇る世界的にメジャーな米アウトドア雑誌「Outside」においても、編集者が選ぶ次シーズンのアウトドア製品Top50にも選出されたという実力派。
そんな「H50 2.0」とはどのような製品なのか、特長を以下に記します。
- 3灯LEDにより、スポット照射、散光照射、スポット+散光のデュアル照射の3つの照射パターンが切り替えられ、それぞれ5段階に明度調整可能。SOS点灯モードでは最大30日間のランタイム。
- ニュートラル色温度5000KのLuminusSST-20のLEDを採用し、本体角度は上下180°調整可能。最大照度2000ルーメン、最大照射角度170°、最大照射距離141mの性能を発揮。
- 31000mAhの18650リチウムイオンバッテリー標準装備で、バッテリーを本体に入れた状態でUSB-C充電可能(約2時間半で満充電)。また、CR123電池×2本でも稼働。
- インテリジェント温度制御システムを内蔵し、ヘッドライトの動作状況や外気温に応じて明るさを自動制御。
-
軽量アルミニウム合金製ボディにはミリタリーグレード3のハードアルマイト表面硬化処理が施され、圧力や摩耗に強く、1mの落下耐性とIP68(水深2m)の防水防塵基準をクリア。
- メモリー機能搭載で、最後に使用した照射モードと明るさを記憶(SOSおよびスーパーローモードを除く)。
- 電池残量を緑/赤で表示するパワーインジケーターを搭載し、電圧が2.7V以下になった場合は自動的にシャットダウン。
いかがですか?
ここに挙げた製品特徴だけみても、おおよそアウトドアユースのLEDヘッドライトに必要と思われる性能と機能性は十分網羅されていますね。
以下では、このH50 2.0の詳細なスペックと使い方を記したいと思います。
ACEBEAM H50 2.0 の照射パターンとスペック詳細
上記製品特徴で述べた通り、このライトはスポット照射向けの中央LED(ミドルライト)に加えて散光照射用に両サイドにもLED(フラッドライト)が配置されており、スポットのみ、散光のみ、スポット+散光の3つのパターンで照射が可能です。
さらにそれぞれのパターンでは明度をスーパーライト、ハイライト、ミディアムライト、ローライト、ムーンライトと5段階のモードに切り替え可能で、さらに非常時用のSOSモードも使用可能です。
これらの組み合わせにより実現される照射パターンは実に18種と非常に豊富ですが、これら照射パターンごとのスペック一覧を、下表に一覧で記します。
フルライト(スポット+散光) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
モード | スーパーライト | ハイライト | ミディアムライト | ローライト | ムーンライト | SOS |
明るさ (ルーメン) |
2000~350lm | 1000~350lm | 450~350lm | 60lm | 10lm | 1000lm |
ランタイム | 40秒 +4時間 |
2分30秒 +4時間 |
11分 +3時間50分 |
30時間 | 16日 | 3時間 |
照射距離 | 141m | 100m | 67m | 28m | 15m | 100m |
光度 (カンデラ) |
4968cd | 2476cd | 1116cd | 192cd | 56cd | 2476cd |
フラッドライト(散光) | ||||||
モード | スーパーライト | ハイライト | ミディアムライト | ローライト | ムーンライト | SOS |
明るさ (ルーメン) |
1350~300lm | 700~300lm | 300lm | 40lm | 6lm | 700lm |
ランタイム | 1分40秒 +4時間20分 |
4分 +4時間20分 |
4時間18分 | 35時間 | 21日 | 5時間 |
照射距離 | 99m | 71m | 47m | 18m | 13m | 71m |
光度 (カンデラ) |
2428cd | 1268cd | 560cd | 84cd | 40cd | 1268cd |
ミドルライト(スポット) | ||||||
モード | スーパーライト | ハイライト | ミディアムライト | ローライト | ムーンライト | SOS |
明るさ (ルーメン) |
650~220lm | 350lm | 150lm | 20lm | 3lm | 350lm |
ランタイム | 5分40秒 +5時間50秒 |
5時間 | 9時間 | 40時間 | 30日 | 9時間30分 |
照射距離 | 141m | 74m | 48m | 20m | 13m | 74m |
光度 (カンデラ) |
2636cd | 1384cd | 588cd | 104cd | 44cd | 1384cd |
上記のデータはAmazonなどでしばしば見かける怪しげな性能表記の格安ライトなどとは異なり、トーチの国際標準規格であるANSI/NEMAFL1に従って測定された信頼のおける表記です。
非常に豊富な照射パターンを有するため迷ってしまいそうですが、前回消灯時に使用していたパターンを記憶する「メモリー機能」も搭載しているため、点灯の度にいちいち切り替え操作をすることなく、次回ONにしたときは自分好みのパターンで照射することができ、優れた実用性の製品だと思います。
なお、この製品H50 2.0のサイズは、長さ85mm×ヘッド直径33.5mm×本体直径28mmで、本体重量は94g、バッテリー込みの本体重量は142.3g(5.02oz)です。
H50 2.0のディティールと手にした印象
H50 2.0はシンプルな紙パッケージに入っています。
開封すると、本体とシリコン製のマウントつきのヘッドバンド、USB-C充電ケーブル、予備防水リング×2、日本語表記の製品マニュアル、保証書が付属します。
環境にも配慮したシンプルなパッケージングは好印象。保証書が付属するところも安心感が高いですね。 |
コンパクトながら3眼のLEDが非常に特長的な外観ですが、表面硬化処理の施されたアルミニウム製ボディは細部まで非常にクオリティの高い作りで、サイドの電池収納蓋に施されたローレットも非常に細かく精度の高さを感じさせるもので、総じて所有欲を満たしてくれるデザインと質感のライトだと感じました。
無骨ながらどことなく洗練を感じさせるデザイン。手にした感じ、ボディの堅牢性は非常に高そうです。 |
総重量で142gは、手にするとそこそこ重量感を感じますが、大容量18650バッテリーを搭載した同種の製品の中では、圧倒的とは言わないまでも十分トップレベルの軽量性を誇るライトだと思います。
その18650バッテリーを取り出すために、サイドの蓋を開けると、電池が引っ張られるように出てきました。
3100mAhの18650バッテリー標準装備。電池キャップにはマグネットが内蔵されており、電池交換時には本体から電池を引っ張り出してくれるので便利です。 |
蓋がマグネットテールキャップとなっており、開けた時に電池を引き出してくれますね。
コレは細かいところですが非常に便利。
磁力もそこそこ強いため、金属に磁着させて固定して照らすなんて使い方もできそうです。
鉄パイプに装着した様子。マグネットのキャップは、クルマのボンネット内で作業する際なんかに便利かも知れませんね。 |
そして、強く印象付けられたのがヘッドバンドの作り。
バンド自体はメッシュ織りのナイロンストレッチ素材でできており、従来型のバンドに比べて30%もの重量削減を実現しています。
中空メッシュなので暑い夏場などでも蒸れによる不快感が大幅に軽減され、快適性は抜群、動きや発汗の多いアウトドアアクティビティには最適なディティールですね。
メッシュ素材により装着時の快適性が非常に高いこのバンドは、ライバルメーカーのどのライトのバンドよりも優秀だと思います。 |
バンドに入ったACEBEAMのロゴなどには50mの距離からも視認できる反射素材が採用されており、安全性の向上にも寄与しています。
さらに、バンドの各接続部品(コキ)は日本メーカーのヘッドライトでも良く見かける「スリット」が入っているタイプが採用されているため、本体から完全にベルトを取り外すことが可能となっています。
好みに応じてバンドを取り外せる便利な接続具。 |
通気性抜群のメッシュバンドで、しかも完全取り外し可能なので汚れた場合には丸洗いも可能ということで、快適性と清潔性を保つという面で、他メーカーのライバル製品にはない、非常に優れたディティールだと感じました。
H50 2.0の操作方法
次に、H50 2.0の操作方法を見ていきましょう。
H50のUIは非常にシンプルで、一つのボタンにてすべての操作を行います。
ボタン上部にもバッテリーインジケーターが付属し、残量が少なくなると緑から赤に変色して充電タイミングを教えてくれます。 |
下表に、各操作の手順を記します。
操作 (操作時の条件) |
動作内容 |
---|---|
クリック | パワーオフ |
ダブルクリック (パワーオフ中) |
パワーオン |
ダブルクリック (ライトアップ中) |
フルライト→サイドライト→ミドルライトの順に、3LEDの点灯モードを切り替え |
長押し (パワーオフ中) |
0.5秒押下でスーパーローモード、さらに3秒押下で3回点滅後、ロックモードに切り替え |
長押し (パワーオン中) |
ロー→ミディアム→ハイ→スーパーハイの順に、明るさを切り替え |
長押し (ロック状態下) |
3秒押下で3回点滅後、ロックモード解除 |
クリック後長押し (パワーオン中) |
SOSモードに切り替え |
ちなみに私は、購入後しばらく製品マニュアルを読むことなく使用していましたが、ロックモードのON/OFF、SOSモードへの切り替えを除いて、使い方は直感的に把握できました。
ワンボタンでのシンプルなUIで、使っていて戸惑う要素が少ないことに加えて、ボタン自体の質感やクリック時の応答性も高く、操作性は非常に優れていると感じました。
なお、充電が必要になった場合は、本体右サイドの蓋を外すと、USB-C端子が現れるので、そこにUSBケーブルを挿して充電しますが、蓋内側部分はバッテリーのインジケーターになっており、充電中の電池残量を色で表してくれるのが便利ですね。
USB-C端子自体は、この手のライトでよくあるような本体ゴムキャップに覆われたものなどではなく、しっかり栓の閉まるキャップ内部の防水用のOリングの内側、水の侵入が完全に遮断された位置にあるため、浸水による故障の心配は皆無です。
このH50 2.0をしばらくシーバスやアジングなどのナイトゲームの釣りに使ってみたので、以下ではそのインプレッションを書いてみたいと思います。
性能面、機能面では文句なし
SOSモードを除き最小3ルーメンから最大2000ルーメンまで15種類の照射パターンが使えるこのライト、実釣の場面では全く機能面、性能面で不満を感じることはありませんでした。
ウェーディングの釣りでもオカッパリの釣りでも、私は魚に警戒心を与えたくないので、ライトはルアーチェンジなどの作業時にだけ点灯するようにしており、できる限り手元の必要な部分だけに最低限の光量が当たるようにライティングすることが多いのですが、そのような手元作業の場合はミドルライトのみのスポット照射で、ローライト(20lm)の光量で十分。
ウェーディングで水中を移動する際は、進行方向の水中だけを明るく照らしたいので、同じスポット照射でのハイモード(350lm)がちょうど使いやすいです。
釣りのポイントに向かう道中、砂浜など広い場所を歩く際には、より足元の広い範囲を照らしたいのでフラッドライドのミディアムライトあたりが使い勝手が良いと思います。
以下は浜辺でこのライトを使って、さまざまな照射パターンで足元を照らした様子の動画です。
スマホのカメラで撮影したので表現力に乏しいですが、実際はフルライトのスーパーライトモードではかなり広範囲を明るく照らしてくれます。
ダブルクリックでONにするというこのライトの独特の操作性は、使い始めの数時間は戸惑いましたが、慣れてくると一般的なシングルクリックの操作よりもこちらの方が誤操作が少なくて、むしろ使いやすく感じます。
BMWの車は誤操作で走行中にドアが開いてしまわないよう、ドアノブは2回引いてはじめてドアオープンになりますが、このH50 2.0の「ダブルクリックでON」という操作はフェイルセーフ性が高いという意味でそれとちょっと似ていますね。
このライトには誤動作防止のためのロックモードも備えていますが、ダブルクリックしなければONになることはないため、普段は敢えてロックモードを使用しなくとも、例えば他の荷物とまとめて運搬している最中などでも誤動作することはほぼないと思います。
なお、私の釣りのシーンでは、海岸線に移動するために真っ暗闇の地下道を通って移動するようなこともありますが、そのような場合にはスポット+散光のフルライトでのスーパーライトモードが非常に便利。
左右170°とワイドな照射角で非常に明るいため、漆黒の闇でも良好な視界が得られて移動時の安全性を確保できます。
何より、明るいから怖くないってのがいいですねw
都市部の海岸での夜釣りでは、街明かりなどがあるため、ここまで大光量を必要とするシーンは少ないと思いますが、特に地方の自然海岸や自然河川など、完全に暗闇となる釣り場や登山などアウトドアシーンなどでは、このフルライトの明るさと照射範囲の広さは非常に頼もしく感じると思います。
なお、ライトの色味は適度にニュートラルなホワイトで、眩しすぎずかつ適度なクリアさもある絶妙な色味で、野外活動全般で非常に扱いやすい光色だと思います。
18650サイズと比較的大型のバッテリーを搭載しているため、ランタイムも十分な長さを確保できており、移動や手元作業時など必要時だけ点灯するような私の使い方では、毎週1回の釣行頻度でも1か月程度は充電することなく使い続けることができており、ここも使用していて安心感の高いポイントですね。
都合2か月ほど使用した感想としては、総じて性能面でも機能面でも全く不満を感じるところはありませんでした。
カスタマイズ性の高さも魅力
ACEBEAM H50 2.0の隠れた魅力の一つに、そのカスタマイズ性の高さが挙げられます。
「H50 2.0のディティールと手にした印象」の項で述べた通り、このライトのヘッドバンドの接続具は、スリットが入ったタイプであるため、バンドを完全に本体から外すことが可能です。
このため、頭頂部のバンドが不要な方はこの部分だけを外して使うこともできますし、もちろん汗などで汚れた場合はすべて外して洗濯することも可能です。
私の場合は、このバンドが取り外せる特長を利用して、普段の釣りではヘッドライトとしてではなく首から掛けるネックライトとして利用しています。
以下記事でご紹介した接続具と組み合わせれば、首の後ろで簡単に装着が可能になり、かなり便利で快適です。
私はSeaToSummitのリペアバックルを使って、このライトをネックライトとして使用しています。ヘッドライトもいいですが、ネックに掛けて使用するのもかなり快適ですよ。 |
また、釣りのシーンではメインライトはフローティングベストの肩に装着したいという方も多くいらっしゃると思います。
このような方には以下記事のアイテムと組み合わせれば、ベストの肩にも完璧に装着することが可能です。
ライトの角度も思いのままで、フィッシングベストとの相性も抜群ですね。 |
同じパーツを使って、写真のように、カラビナなどでぶら下げてハンディライトとして使用するのにも良いですね。
H50 2.0はコンパクトなサイズ感なので、このように高機能ハンディライトとして使うのもアリだと思います。 |
ACEBEAM H50 2.0 LEDヘッドライト の インプレッション まとめ
さて今回はACEBEAM社の H50 2.0 LEDヘッドライト の インプレッションをお送りしましたが、いかがでしょうか。
私は主に夜釣りばかりしているため、これまでにも数多くのライトを購入し使用してきましたが、今回使用したH50
2.0は、それら数々のライトと比べても圧倒的に性能面、機能面で優れており、これまで使用してきたライトの中ですでに一番のお気に入りになっています。
まだ2か月程度の使用であるため、長期間使用時の耐久性などは分らないところはありますが、5年間の製品保証がついていることからもわかるように、おそらくメーカーとしても耐久性に相当自信がある製品なのだと思います。
IP68(2m防水)と完璧な防水性能を有するため、これまで使ってきたライトのように大雨の中で使っても浸水で壊れてしまう心配はまずないでしょう。
ウェーディング時にうっかり落水させてしまっても、このライトなら大丈夫でしょうね。
販売価格は米国では100$、日本では10300円程度と、決して安価な商品ではありませんが、このライトの性能、機能性、クオリティを考慮すれば、むしろバーゲンプライスと思える価格だと感じます。
夜釣りをはじめとするアウトドアの過酷な環境での使用にも耐えるヘビーデューティー仕様でかつ高機能、高性能なメインライトをお探しの方には、きっと最高の選択肢になると思います。
日本ではAmazonのACEBEAMストアで最も安く購入できるようですので、気になる方はぜひ手に取ってみてください。
なお、このライト以外にも同じACEBEAM社のライトのインプレを多数書いています。よろしければあわせてチェックしてみてください。
2022年以降の釣行記は姉妹サイト「スモールフィッシング」に記しています。
よろしければコチラのサイトもご覧になってみてください。
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