みなさまこんにちは。
2020年秋に、6年ぶりにモデルチェンジされたBB-Xハイパーフォースのコンパクトサイズ。
今回はハイパーフォースコンパクトのルアー釣り目線でのインプレです。 |
早速購入して、しばらくアジング、メバリングといったライトゲームや、冬シーズンのシーバスフィッシングに使用してみましたので、今回はこのリール、'20BB-Xハイパーフォース1700DXGの、ルアーフィッシング目線での実釣インプレッションを記したいと思います。
どんなリール?
'20BB-Xハイパーフォースがどんなリールであるかは、以下の記事に詳細に書いていますので、是非ご覧になってみてください。
数あるレバーブレーキリールでも、C2000番(=1000番ボディ)という非常にコンパクトなサイズ感は、別のメーカを含めても他に存在しないものであるため、唯一無二のコンパクトLBリールであることがこのリールの最大の特徴ですね。
実釣インプレ
2020年秋に登場したばかりのこのリール、まだ使い始めて半年もたっていませんが、アジング、メバリング、シーバスなど、いろいろなルアーフィッシングに使用してきました。
シーバスでも一時期LBリールが流行っていたので、コンパクトタイプのLBリールである'14BB-Xハイパーフォースや'15ExcenseLBを使われたことがある方も多いかもしれませんが、このサイズのリールは、もともと1000番サイズ同等のボディなので、アジングやメバリングにも十分使えます。
使ってる人は少ないでしょうが、アジング、メバリング、トラウトなどC2000番クラスを使う釣り全般に相性抜群のサイズのコンパクトなリールです。 |
以下では、それら実釣を通して感じたこのリールのインプレッションを記したいと思います。
キャストについて
'20BB-Xハイパーフォースのスプール径は43mm、ステラやヴァンキッシュでいわゆるC2000サイズと言われるサイズのスプールと同じ大きさで、互換製品である夢屋スプールとともに、1700、C2000、PE0815と糸巻き量(スプール溝の深さ)でバリエーションを持たせています。
現行モデルでは1700、C2000に加えて0.8号PEが150m巻けるPE0815スプールもラインナップに加わりました。豊富なスプールバリエーションがあり、プッシュボタンのワンタッチで、最適なドラグ設定を維持したままスプール交換できることは実釣面で計り知れない恩恵を与えてくれます。 |
旧製品とのスプール互換性を維持するため、ステラやツインパワーのようなロングストロークタイプではなく、スプール径もやや小さめであるため、太いラインのキャストは、糸巻き量(嵩)の目減りが大きく、スプールエッジとラインの接触抵抗が大きくなるため、あまり向いていませんが、PE0.6号以下程度の細糸であれば十分な飛距離が出せます。
チューブラーティップのライトルアーロッドの代名詞、ブルーカレントシリーズとの相性も最高。写真は71TZ/NANO JigheadSpecialとの組み合わせです。 |
シーバス用でもライト寄りのロッドや、ライトゲームロッドのようにバットガイドが小さめのロッドに対しては、スプール径が小さめであることでバットガイドを叩くことが減るためか、非常に相性も良く、優れたキャストフィールを見せてくれますね。
巻き心地について
'20BB-Xハイパーフォースはレバーブレーキリールの中ではミッドレンジ製品。
静かな室内で巻いたときには、他のシマノのミッドレンジのリール同様、シュルシュルという摺動音が響きます。
もともと磯釣り用のリールであるため、ルアー釣り向けのリールのようにリトリーブ感覚に重きを置いていないため、正直そこまで巻き心地に気を使った製品ではないですね。
とはいえ、実際にフィールドに持って行って使用する場合は、不満のない滑らかなリトリーブが可能です。
室内ではややノイズやざらつきを感じる回転フィールも、現場では全く気にならず滑らかな巻き感です。 |
DXXGタイプは使用したことがないためわかりませんが、DXGタイプに関しては、'14モデルと同様ギア比6.6と通常の汎用スピニングのXGモデルよりも高いギア比の独自のギアが使用されており、ルアーが流れを受けた際、明確にその潮圧の変化を手元に伝えてくれるため、流速感度は非常に高いといえます。
パワーと耐久性について
'20BB-Xハイパーフォース、魚を掛けた時や、高負荷のルアーをリトリーブするときの巻き上げ力に関しては、正直なところあまり強くはありません。
もともとボディが小さめで、CI4+素材を使用しているため、やや剛性感に乏しい感じがします。
高い負荷を掛けてラインを巻き取ると、スプールの巻き上がりがきれいに直線状になるのではなく、やや上端と下端にラインが偏ったような形状になるのは、おそらく負荷によってボディ、ローター、スプール保持角度に撓みが出るためだと思います。
新品ラインを巻いた直後。スプールをよく見ると、上端と下端にラインが少し偏っているのが見て取れるでしょうか。巻き上げ時にリールフットやスプール支持が微かに撓むことで、このような巻き上がり形状になります。 |
'14BB-Xハイパーフォースや'15BB-X RINKAI SPも含めて、同じコンポーネンツから成るリールで最大70cmクラスまでのシーバスは何度も釣っているため、シーバス釣りでも何ら問題なく使用することは可能ですが、ギア周りの損傷を避けるためにも、以下のようなことは避けるべきですね。
- 大型魚が掛かった場合や、ボラスレ、エイスレ時などのごり巻きファイト
- 根掛かりした時にロッドを強くあおるなどの行為
- 大き目の鉄板バイブレーションルアーなど、高い負荷でリールに激しく振動が伝わるルアーの使用
'14BB-Xハイパーフォースは何度かギアをダメにしてしまって、修理を余儀なくされたことがありますが、今回の'20BB-Xハイパーフォースも、シーバスを何匹か釣って早くも巻き心地が悪化し始めました。
もちろんシーバス釣りにも非常に使いやすいリールですが、正直なところC3000番クラスのような無茶なやり取りはできません。 |
決して耐久性が悪く非力であるというわけではありませんが、 C3000サイズクラスのリールに比べるとやはりパワー感や耐久性は劣る製品なので、豪快な釣りスタイルには向かないですし、使用上気を遣う部分が多いのは確かです。
操作性について
やはり唯一無二の小型LBリールということで、操作性は文句なしに高いです。
特にコンパクトなローターとスプールの構成であるため、キャスト時のフェザリングなどは非常にやりやすい。
ハンドル長も45mmとコンパクトであるため、繊細な巻きが可能で、巻感度も高いです。
巻き心地は平凡ですがXGモデルにショート目のハンドルで非常に繊細な巻きが可能、特に写真のハンドルノブ(以下記事参照)では巻感度も最高で、冬から春にかけての繊細なナイトゲームには最高のLBリールです。 |
剛性面や感度の面では若干不利ですが、CI4+製の軽量ローターとハンドル長の相性も良いですね。
ただ、やはりミッドレンジ製品であるため、ベールの開閉時の操作感やレバーのクリック感、オートリターンの動作フィーリングなど全体的な質感はテクニウムに比べると劣ります。
ステラなどとは比べ物にならないレベルですが、まあ価格差を考えれば仕方ないですかね。
先代同様190gという自重は今となってはヴァンキッシュなど大型でも軽量なリールが多数出ているため、軽量とは言えない時代になってしまいましたが、 それでもこのリールをシーバスロッドなどに装着すると、C3000クラスのリールとは明らかに異なる、劇的な操作性の向上、使用感の違いがあります。
特に名竿ブルーカレント85TZ/NANO All-Rangeとの相性は抜群です。 |
'20BB-Xハイパーフォースのインプレまとめ
今回は'20BB-Xハイパーフォースについて、実釣で気づいた点などをインプレしてみましたが、いかがでしたでしょうか?
ルアーフィッシングでLBリールを使用される方はごく少数派だと思いますが、'20BB-Xハイパーフォースはライトゲームとシーバス、チニング、エギングなどを兼用で使える唯一無二の小型LBリール。
ワールドシャウラ2750FF-2との組み合わせ。この組み合わせでは、ライトゲームからシーバスまでワンタックルでなんでもできて非常に面白いです。 |
ルアーフィッシングであっても細糸を使う釣りでは、レバーブレーキ+ドラグの2段構えでラインブレイクを防いでくれるため、やり取り面では非常に頼もしいリールです。
実釣ではやり取り以外にも、微妙なタラシの調整などLBを使用する頻度は非常に高く、コレに慣れてしまうとなかなか汎用リールには戻れないくらい便利な代物。
合わせて使っている人はほぼ居ないでしょうが(笑)、ワールドシャウラシリーズとハイパーフォースのカラーリングはきれいにマッチしていると思います。 |
しかし、上記インプレの通り、残念なのは剛性や耐久性の部分。
テクニウムクラスと比べるとメインギアも2/3程度の価格の安価なものが使用されていますし、CI4+製のボディやローターは、剛性面で不利なだけではなく、感度も含めて全体的な使用感を若干ぼやけたものにしてしまっているような気がします。
そのため、是非とも金属製ボディ・ローターとハイクラスのギアを採用したテクニウムでC2000サイズを作って欲しいところです。
ただ、汎用リールと違ってLBリールは他機種へのコンポーネントの横展開が難しいため、C2000専用のボディやローターを開発しては採算が合わないからきっと難しいのでしょうね。
個人的には、ステラやヴァンキッシュのように、C2000サイズのスプールとローターを搭載して、C3000のボディを流用した「C2500」サイズのBB-Xテクニウムを作ってくれないかなと考えているのですが。
これなら、剛性感や巻き上げ力の問題をクリアしたコンパクトLBになるはずなんですが、セールス面を考えると、実現するのは難しいのかなぁと思います。
今回はいろいろ不満点ばかり書いたインプレになってしまいましたが、あくまでこれらの不満点はステラやテクニウムといった上位機種と比べてのものであって、価格帯を考えれば十分優秀なリールだと思います。
'20BB-Xハイパーフォースは、フカセなど餌釣りもするけれども、ルアー釣りにも使えるリールをお探しの方や、エクスセンスLBなどC3000サイズを普段お使いの方で、よりライトなタイプのLBリールをお探しの方には最適な選択肢。
気になる方は是非手に取ってみてください。
2022年以降の釣行記は姉妹サイト「スモールフィッシング」に記しています。
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