みなさまこんにちは。
先日、ついにシマノ最高峰スピニングリール、ステラを買ってしまいました。
ついに手を出してしまったステラ。 |
今年の初めに、息子とボートメバル釣りに行こうと思って買ったものなので、まあ私用ではないのですがw
私は十数年前にリールはそれまでのダイワ一辺倒からシマノに乗り換え、それ以来ほとんどシマノ機ばかりを使ってきましたが、実はステラを購入するのは今回が初めて。
まあ、子供の頃からレバーブレーキリール以外ほぼ使ってこなかったので、初めてというのも当たり前なのですが。
私一人で釣りに行くときに何度か借りて実釣で使ってみましたので、今回はシマノ '19 ステラ C2500SXGのファーストインプレッションを書いてみたいと思います。
どんなリール?
'18年にシマノからリリースされた最高峰スピニングリール、ステラの中でも、'19年に追加でリリースされたのがこのC2500SXGというモデル。
箱の質感まで素晴らしいw |
ステラ自体は知名度抜群のリールなので、いまさらどんなリールかご紹介する必要性は少ないかと思いますが、ちょっとマイナーなこの型番、C2500SXGについてはちょっと特殊で、C3000番同等サイズのボディに、コンパクトな1000ーC2000番サイズのローター、C2000サイズ(直径43mm)のスプールという異色のコンポーネンツから成るリールなのです。
(注:上記コンポーネント構成は'18ステラの場合で、'22ステラではボディサイズは1000番相当の小さなものに変更されています。)
そのためスプールは1000番やC2000番相当のスプール規格であるS-27対応で、2500やC3000サイズのスプールを装着することはできません。
他の番手のステラと比べると若干お尻でっかちに見えるかもしれませんが、見慣れてくると却って洗練されたバランスのように思えてきます。 |
当然、実用ドラグ力はこれらS-27規格のスプール同様、実用で2Kgとフィネス寄りなタイプです。
一応、どういうスペックのリールであるか、シマノ公式サイトから引用したスペック表を以下に記載します。
スペック | |
---|---|
ギア比 | 6.4 |
実用ドラグ力/最大ドラグ力(kg) | 2.0/3.0 |
自重(g) | 180 |
スプール寸法(径mm/ストロークmm) | 43/13.5 |
ナイロン糸巻量(lb-m) | 5-110、6-95、8-70 |
フロロ糸巻量(lb-m) | 4-130、5-100、6-80 |
PE糸巻量(号-m) | 0.6-200、0.8-150、1-120 |
最大巻上長(cm/ハンドル1回転) | 86 |
ハンドル長(mm) | 45 |
ベアリング数 BB/ローラー |
12/1 |
本体価格(円) | 80900 |
(引用元:http://fishing.shimano.co.jp/product/reel/5318)
'19 ステラ C2500SXGのファーストインプレッション
まだこのリールを使い始めて1か月も経過しておらず、あくまで息子からの借り物wなので、実釣インプレはもっとじっくり使ってから別途記事にしようと思いますが、今回はファーストインプレッションとして、触ったり使ったりした印象を以下に記します。
ワールドシャウラとの組み合わせは本当に美しい。この番手だと0番、1番の7フィート台モデルまでが外観面もパワー面もバランスが良いと思います。 |
やはりギア比はこれでなくては!
このC2500SXG、購入する前に釣具店でさんざんC2000SHGと見比べ、回し比べました。
ライトゲーム専用として考えるなら、やはり若干ボディ後半部分のコンパクトなC2000SHGの方がしっくりきますし、ロッドに装着したときの見た目上のバランスも良いです。
重量は10g程度しか変わらないですし、ステラC2500SXGの重量はツインパワーC2000HGと同等なので、あくまで外観上のバランスの話ではありますが。
さらに、アジング用途に限定すれば、径の小さいスプールとショートハンドルを搭載した1000SSSPGの方がより見た目のバランスが良さげですね。
夢屋の1000番カーディフカラーのスプールを装着した様子。 |
こちらの方はさすがに重量も15g軽量なので、その点も良さげです。
しかし、個人的にどうしても納得いかなかったのがそれらモデルのギア比。
巻きが軽いところは良いのですが、ただ軽いというだけで、テンポの速いプラッギングなどにも使う場合はかなりせかせか巻かねばならず、アジングやメバリングの近距離戦専用ならいざしらず、私のようにルアーを遠投もして遠くの潮に乗せて使いたい人間には低速ギア比にメリットは全く無いと感じました。
私の場合、普段ギア比6.6クラスのXGのLB機ばかり使っている(LB機のギア比は汎用機より高め設定が多いです)ので、たとえナイトのデッドスローの釣りであってもハンドル回転数を抑えられるXGでスローに巻く方がブレも少なくはるかに安定した等速リトリーブができますし、何よりリールで最も重視する「感度」がXGの方がはるかに優れていることは物理法則に照らしても自明です。
まあ、C2500XGの場合はC2000HGに比べるとギア径が大きくなるため、その点だけで比較すると巻き上げ力が強くなる代わりに感度面は悪くなるはずですが、その分ギア比が高いため、実質的にはイーブンといったところではないでしょうか。
最終的に、ライトゲーム専用ではなく、ライトなシーバスにも使うためやはり大型ギアで耐久性と巻き上げ力が高い方が好ましいということで、C2500XGに決めました。
手にした第一印象
やはりシマノのフラグシップモデルだけあって、見た目の質感、高級感はさすがとしか言いようがありません。
私個人的にはステイタス性とかブランド性といったものには興味はないのですが、確かに手にすると満足感がこみあげてくるものがあります。もう飾っておくだけで十分素晴らしい。
ワールドシャウラテクニカルエディションS66UL-2/Fに装着した様子。テクニカルエディションでも62レングスのものはエンドグリップが短いため、C2500SXGを装着すると見た目のバランスが悪くなりますが、66レングスのものであれば十分しっくりきます。 |
確か'14以降のステラは、手にした時の重量バランスまで考えられていると昔何かの雑誌で読んだ記憶がありますが、手にとってみると、何かこれまで使ってきたリールとは違った独特の重量配分が感じられますね。
ロッドにつけてみたときに、より重心が手元寄り、ロッド側に近づいた感じで一体感が増した感覚でしょうか。
これはちょっと期待外れ。
もしかしたらハズレ個体を引いてしまったのかもしれませんが、おそらく事前の期待感が大きすぎたのでしょう。
もっとこう、一切の摩擦を感じさせない静謐なる世界を想像していたのですが、ノイズの少なさという意味では、特A級コースのフルメンテナンスから帰ってきた直後の’16エクスセンスLBと大して変わらない巻き心地ですね。
とはいえ、シュルシュル音の音質は明らかに他リールと比べて周波数が低くしっとり感のあるものなのはいうまでもありません。
あと、ハンドルを回していて気づきましたが、スプールとローターのクリアランスなど、僅か1mmくらいしかないのではないでしょうか?
非常に高い組付け精度と剛性が無ければ、こんなにタイトな作りはできないですよね。
10年以上離れているうちに、汎用リールはものすごく進化したものだなぁと思いました。
第一印象は実釣で覆される
ということで、ディティールも含めて見た目の質感は文句なしなものの、「巻きの質感」に関してだけはちょっと期待外れだったかなというのが偽らざる第一印象でしたが、これは初の実釣で大きく覆されます。
実際に釣り場で使ってみると、大げさではなく、もう他のリールとは別物!というくらいクリアでなめらかな巻き感。
潮の流れ、極細ラインにかかる僅かな張力変化はもとより、遠投した先で泳いでいる小型シンペンのテールスイングの一振り一振りまでもが、リトリーブする指先に非常に明確に伝わってくるような気がします。
さらに、滑らかであるだけでなく駆動時の各部のガタなどは全く感じられず、シマノリールにありがちな、オシュレーション上下死点での極微小なコツコツ感も完全に排除されているではありませんか。
この恐るべき巻きの質感と感度の高さには、正直いって驚かされました。
いったいどういうことでしょう?
その昔、'09BB-Xテクニウムを購入したときにも、それまでのリールとの巻感度の違いに驚かされた記憶がありますが、確かこのテクニウムも金属ローターを使用したリールだったはずなので、もしかして巻感度の良さに関しては金属ボディ+ローターの恩恵によるところが大きいのかもしれませんね。
この実釣での巻き感度の素晴らしさにいたく感動してしまい、無音の部屋で巻いた時の多少のシュルシュル音などリール性能の本質にはなんら関係ないものだと悟りました。
なんだか巻き心地の話ばかりになってしまいましたが、ベールを倒したとき、戻すときの音質、その操作のしっとりした質感も非常に満足いくものでしたし、魚を掛けた時のドラグの滑らかな効きやクリック音も素晴らしいものでした。
ベールと倒すときの反動すら、しっとり感があり心地よいものでした。 |
また、結構巨大なボラwのスレ掛かりと長時間ファイトを何度もしましたが、ビクともしないボディの剛性感、安定した力強い巻き上げ力にも非常に感動させられました。
小型リールながら、まったく撓むことないボディとローターの組み合わせだと、高負荷でもこれだけスムースな巻取りが可能になるものなのですね。
やはり他のリールとは違うのか?
実釣で使用する中で、非常に気になったのが、このリールのギアについて。
にわかに信じられない話かもしれませんが、上述の巨大ボラスレとの格闘や、スーパーラインマーキーでラインスプール固定ねじをガチガチに締めて強いテンションでラインを巻くときなど、高い負荷を掛けて長い距離を巻き続けた場合、リールによっては、いとも簡単に巻き心地が劣化してしまうものもあります。
高い負荷を掛けてラインを巻いたときに、スプールの巻き上がり形状がぴしっときれいに一直線になるのは、リールフットやローターはじめ各部の剛性が高い証。フルCI4+ボディ+MGLローターのリールではこうはいきません。 |
しかし、その両方をやってみた感じでは、このステラではそういう巻き心地の劣化にはどうやら無縁っぽい。
なんとなく感じるという微妙なところなのですが、このステラはギアそのものが他のリールに比べて非常に硬度が高く強いような気がするのです。
あまりに気になったので、パーツリストで調べてみたら、やはりドライブギアなどはバンキッシュやステラが同額で2550円であるのに対して、ステラのものは約1.4倍ほどの価格差、3600円と段違いに値段が高い。
どうやら、ステラのドライブギアの方はバリアギアになっていて、特殊な表面加工が施されているのですね。
ちなみに、レバーブレーキリール最高峰と言われるテクニウムのメインギアは3100円、普及機のハイパーフォースでは2050円のドライブギアパーツなので、LBの世界でもここはやはり大きく差をつけているようです。
ステラやテクニウムは値段が高いリールですが、なるほどパーツレベルでもこんな風に他リールとは差別化しているのですね。
その価格差は巻きのフィーリングの違いに確実に表れていると思いますが、耐久性の面で価格差相応の違いがあるのかは、長期間使い込んでみないとわからないため、別途使い込んでからインプレしたいと思います。
C2500、その型番に意味がある
まだそれほど使い込んだわけではないですが、やはり道具は実際に使ってみてその良し悪しがわかるもの。
そのため、実釣インプレはもっと使い込んでから、また別の機会に記事にしようと思いますが、ここであらためて述べておきたいのは、C2500SXGという今回購入したリールの型番について。
前述の通り大型のボディ+ギアに、 小型のスプールとローターを装備したいわば特殊な型番で、バスやトラウトをやる人には興味を持たれそうですが、ソルトの世界では意外と存在感が薄い型番ではないかと思います。
しかし、実際に手にしてみるとこの番手は意外と汎用性が高く、ライトゲームからチニング、エギング、シーバス、ライトショアジギまで、幅広い釣りに使えそうなものだとわかりました。
例えば、私の大好きなシーバス釣りでいえば、このC2500SXGは、ランカー狙いの釣りやヘビーカバーの釣りでは、低めの実用ドラグ力故に全く向いていませんし、ルアーを安心してフルキャストするためにはルアーウエイト1gに対して1lb分の太さのラインを使うのが一般的であるため、PE1号≒18lbを120mしか巻けない糸巻き量故に、20g以上のルアーを多用するような、ベイトが大型化するハイシーズンの釣りなどにも向かないです。
しかし一方で、冬から春にかけての、バチ、アミ、マイクロベイトなどを食するシーバスを相手にしたフィネスな釣りに対しては、より低負荷領域で微調整が効き細糸でもラインブレイクさせにくいドラグや、この時期に多用するPE0.4~0.8号という細糸にふさわしいスプール糸巻き量、大径ギア+1000番サイズのコンパクトローター故の低慣性で軽い巻き心地は、非常に適しているといえるでしょう。
タックルバランスの面においても、上記シーズンで活躍するライト目なシーバスロッドやライトゲーム向けロッドとの相性は最高で、180gという重量はもちろん、直径43mmというややコンパクトなスプール径は、これらロッドで多用されるコンパクトなガイドとの相性も良くスムースなライン放出に寄与します。
テクニカルエディションに1000番サイズスプールを装着したC2500SXGを組み合わせた様子。 |
合わせるロッドに関しては、例えばエクスセンスジェノスのS87L+F DarkForce87 やS902ML/F-3 Technical Pathfinderなど、C3000サイズのリールではちょっと大きいかな、でもC2000サイズを装着するのはちょっと小さいかなと思えるような、ライト目のシーバスロッドとの相性は抜群。
私の持っている他のロッドで具体例を挙げると、ブルーカレント85TZ/NANOや93TZ/NANO、ボーダレスショートスペック260M-Tなどには最高にマッチします。
もちろんワールドシャウラシリーズとの相性も良く、2750FF-2や2701FF-2に関してはこれ以上ないというくらい至高のマッチングぶりです。
'20ワールドシャウラ2750FF-2と'19ステラC2500SXGの組み合わせの重心位置はフォアグリップ付近にきます。 |
ワールドシャウラ2750FF-2、2701FF-2のインプレは、それぞれ以下に記載しているので是非ご参照ください。
もちろん、多少ボディ部分が大き目に感じられるものの、ある程度エンドグリップ長があるライトゲームロッドとも相性はよく、手持ちのロッドではヤマガブランクスのブルーカレント67TZ/NANOや71TZ/NANO、ワールドシャウラテクニカルエディションのS66UL-2/Fとのマッチングは悪くありません。
ブルーカレント67TZ/NANOとの組み合わせ。ちょっとスプールが大きくて目立つかなという気もしますが、C2500SXGのスプールはC2000サイズスプールと直径は同じなので、C2000系を合わせるようなロッドには十分マッチすると思います。 |
ただ、ソアレエクスチューンシリーズのようにグリップ部分が非常にコンパクトに設計されているロッドや、テクニカルエディションでも62以下のレングスのもの、ブルーカレントⅢの63以下のレングスや62TZ/NANOのように、エンドグリップがとても短いロッドに関しては、正直相性はイマイチだと思いますので、これらに対してはよりボディがコンパクトなC2000番か1000番サイズを合わせた方がよさそうですね。
これらロッドに装着したときの外観や重量バランスについては、以下記事にまとめていますので、よろしければご参照ください。
ファーストインプレッションまとめ
今回は買ったばかりのリール、 '19ステラC2500SXGのファーストインプレッションをお送りしましたが、いかがでしたでしょうか。
個人的には’08ツインパワー以来、久しぶりに使った非LBリールだったので、あまりもの使用感の違いに驚かされることばかりでした。
レバーブレーキがないことで不便を感じることや慣れないところも多々ありますが、やはり同じリールでも最高峰になるとここまで違うものになるのだなと感心させられました。
ブルーカレント85TZ/NANO(限定カラー)との相性も抜群。ロッドの目指すコンセプトにも合致していますね。 |
'19ステラC2500SXGは、コンパクトなスプールやローターとパワフルな心臓部の特殊な組み合わせにより、アジング、メバリング、管釣りといったライトゲームから、エギング、チニング、ライト寄りのシーバスまで、1台で幅広い釣りに対応できる稀有な機種。
特に、ロッドパワーなら0番(強めのウルトラライト)から1番(強めのライト)、PEラインなら0.3号から0.8号、フックサイズ6番以下のタックルバランスで行う釣りならターゲットやシーンを選ばず適合すると思います。
さらに、ビッグボディ+コンパクトローターの組み合わせ故に、コアソリッドシリーズのXGモデルでありながら低慣性で巻きが軽いという特徴も備えており、まさにライトなルアーフィッシングには最適で、数あるステラの型番の中でも積極的に選ぶべきモデルと言えるのではないでしょうか。
このC2500SXGは通常のステラ各番手より1年登場が遅かったこともあり、モデルチェンジも通常の番手のステラよりさらに1年後とまだまだ先になるため、今買っても決して後悔することはないと思います。
気になる方は是非手に取ってみてください。
(2022年1月22日追記)
後継機種となる'22ステラが発表されましたが、’22モデルのC2500SXGは’18とはコンポーネント構成が大きく異なり、C2000相当のボディに変更されてしまいました。
機関部がC3000相当、例えるなら小型車に大排気量エンジンを積んだような’18モデルの構成が魅力的だったのに、この仕様変更はかなり残念ですね~。
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