みなさまこんにちは。
若い頃、パンツのウエストサイズは28インチとか29インチとかばかり履いていましたが、40歳代半ばからどんどんウエストサイズが広がっていき、今やすっかりメタボ体形のワタクシ。
悲しいことに、ベルトも悉く買い替えを余儀なくされることになってしまいました。
そこで、昨年、ベルトを新調しようと探してみました。
といっても、いい歳したオッサンなので、そこらへんでよく見かけるいわゆるファッションブランドものには興味がありません。
今回はメンズベルトのお話。 |
ハンドメイドで信頼置ける、で、ある程度お手頃なファクトリーメーカーものがいいですな。
探してみたらまさかの事態!
ベルトは数年に一度しか買わないのであまり詳しくないですが、個人的なイメージでは、ハンドメイドで昔からクオリティと信頼感あるメーカーといえば、ホワイトハウスコックスとJ&Mデヴィッドソンの2社が思い浮かびます。
両者はメーカーとしての歴史も方向性も異なり、伝統的・保守的ながら職人の技術で昔から変わらぬ高品質なものを提供する前者に比べて、より歴史が若く、タイムレスながらどこかモダンな要素を取り込んだデザイン性に富む製品を多く出しているのが後者。
とりあえず、ビジネスメインで長く使えるものがイイかと、前者ホワイトハウスコックスのベルトを探してみたところ、なんと、ホワイトハウスコックスは2022年に後継者問題によりなんと廃業していたということを初めて知りました。
これは驚き!近年、いろんな歴史あるメーカーが破産したり、中国資本の企業傘下になったりしていました。
たとえば私が好んで買っていたものだと、米国紳士服の代名詞だったブルックスブラザーズ(創業1867年)は2020年にコロナ禍の影響で経営が悪化し破産してしまいましたし、ブルックスほど有名ではないですが、英国靴の聖地ノーザンプトンに拠点をおくアルフレッド・サージェント(創業1899年)も2022年に廃業に追い込まれていたようです。
また、それより前ですが、これまた英国でトレンチコート等で有名だったアクアスキュータム(創業1851年)も、2012年ごろ中国資本の繊維メーカー傘下のブランドとなってしまいましたね。
しかし、伝統的で保守的な高級ベルトの最右翼、ホワイトハウスコックスが、まさかの後継者不足で廃業とは驚きです。
確かに、英国の工房で熟練の職人がハンドメイドで手間暇かかるグレージング加工で一本一本仕上げるベルト、言われてみれば確かに収益性では圧倒的に不利でしょうし、技術を伝承することができなければ、事業を継続するのは難しかったのかもしれません。
実はその後、日本の株式会社ヤマニという企業が商標権を取得し、ブランドを復活させていたそうですが、そのことを全く知らなかった私、なんとか同社のブライドルレザーの本格ベルトを入手できないかとアチコチ探して、新品未使用のストック品をヤフオクで入手しました。
ちょっと写真が見当たらなかったのでFrameというサイトから画像を引用しましたが、買ったのはおそらくこのB2153というモデルだったと思います。表面にはブライドルレザーの証でもあるブルームが見えますね。
それはそれで満足だったのですが、もう二度とオリジナルものは手に入らない?ベルト、しかもちょっと私のウエストサイズには大き目で一番小さいホールしか使えないこともあり、普段使い用にもう一本別のベルトを探してみようということになりました。
という次第で、表題のJ&M DAVIDSON、さらにウエストサイズに神経質にならなくてよい、メッシュベルトを試してみようと思った次第です。
J&M DAVIDSON bent-0tp-an30-999sとは
J&M DAVIDSONは、1976年に英国ロンドンで創業されたファッションブランド。
デザイナーであり創業者のJohnとMonique夫妻の名前がブランド名の由来で、革製品やアパレルを中心に展開しています。
そういう意味では、前述のホワイトハウスコックスとは異なり、どちらかというとデザイナーズブランド的な要素が強い気もしますが、同社の革製品はモダンな中にエレガントさがあり、流行に左右されにくいシンプル&ミニマルデザインが特徴。
英国創業ながら、Moniqueはフランス人ということからか、どこかしらヨーロッパ的感性が反映されたデザインのアイテムも多く、かつユニセックス・ジェンダーレスな視点を取り込んだアイテム展開が多い気がします。
日本だと、メンズアイテムに限って言えばなんとなくベルト、特にプンターレの付いたメッシュベルトが有名ですかね。
人生初のメッシュベルト購入でしたが、メッシュもいいもんですね。 |
ということで、若干ミーハーですが、大き目で個性的なエンベロープバックルに30mmとややボリューム感ある編み込みレザー、存在感あるプンターレ(金属製チップエンド)の付いたbent-0tp-an30-999sというモデルを選んでみました。
どんな製品なのか、メーカーサイトの製品説明を引用してみましょう。
J&M DAVIDSON創業時から人気を博している手編みのメッシュベルト。
美しく盛り上がるように編まれ、細すぎず太すぎない美しいルックスに仕上げているのは熟練した職人によるものです。
ベルトの先のプンターレ(メッキ加工)のアクセントが着用した時にウエストの絶妙なアクセントになります。
素材:アニリン
ベルト穴:無し
剣先:プンターレ付
実際に使用してみた印象手にした第一印象は「柔らかい!」というものでした。
一応、格安ながらJ&M DAVIDSONよりはるかに原価率は高い、つまり、品質÷価格の比率が高いであろうユニクロ製や無印良品製のメッシュベルトとも見比べていましたが、bent-0tp-an30-999sは明らかに両社のベルトに比べてしなやかで革のキメも細かく、柔らかい手触りです。
ベルト本体部分も非常にしなやかかつ緻密に仕上げられており、写真では伝わりませんが高級感を醸し出しています。 |
しかし、革質が柔らかいからといって、決して編み込みがルーズだとか、耐久性に劣りそうという印象はありません。
バックルやプンターレなど金属加工部品も、ベルト本体の革部分も、誰が見ても明らかに違いが分かるほど豪華で上質。
バックルもプンターレも非常に存在感あるボリュームで素晴らしい輝きです。 |
まあ、定価の価格差が10倍以上もあるので、当たり前といえば当たり前なんでしょうが、bent-0tp-an30-999sの方は明らかに発するオーラが違い、普段使いのベルトというよりまるで工芸品レベルの美しさです。
もはや工芸品レベルの美しさ! |
細かいところですが、特に編み込まれている革一本一本のカット断面が非常に丁寧に鞣されているように感じ、雑に扱う普段使いのビジカジ用ベルトにしてしまうのはなんだか勿体ない気さえしてきました。
裏面はこんな感じ。手間暇掛けて鞣された感がありますね。 |
bent-0tp-an30-999sのサイズ感
なお、サイズ感に関して、個人的にはジャストサイズ(ビジネス用の普段使いサイズ)よりワンサイズ上げるくらいがちょうど良いと感じました。
実はメッシュベルトを人生初購入だったワタクシ、失敗したくないので購入前にいろいろ調べていたこともあり、腹囲実寸84㎝、普段使い85cmサイズのところ、ワンサイズ上げて90サイズのものを購入しましたが、結果的に正解だったようです。
実際の装着イメージ。シンプルながらバックルの主張が強いデザインですかね。ちなみにパンツはPT TORINOのテクノウールカーゴパンツ、シャツはギローバーの鹿の子カッタウェイ。ニットはジョンスメドレーのクレイゲイトです。 |
今のところ購入後10回使用程度ではまだ実感がありませんが、もちろんメッシュベルトなので、強いテンションを掛け続ければ購入時より2~3cm程度は伸びると思われます。
そのため、常に強めのテンションで締めるような使い方をする方なら、購入直後は短かめに感じても、ジャストサイズを選んでおく方が無難でしょう。
しかし、bent-0tp-an30-999sは、シンプルなデザインながらも、エンベロープバックルもベルトの太さもプンターレも、主張の強いアイテムであるため、どちらかというとリジッドなビジネススタイルには似合わず、正統派から少し外したスタイルやカジュアルスタイルに適したデザイン性の強いベルトだと思います。
鏡越しなので画質の粗さはご容赦ください。ワンサイズ上を選ぶとこのくらいベルトの剣先が余ることになります。カジュアルメインの私にはちょうど良いかと。逆にジャストサイズを選ぶとベルトループの内側に剣先が収まり、よりかっちり感が出るかも知れません。剣先の余り長はスタイルや個人の好みで選ぶとよいでしょう。 |
そのため、かつて流行ったチップエンドを垂らすまではやりすぎだとしても、バックルからの余りは多少余裕がある方が気分だと思います。
そういうことも踏まえて、もし、このベルトをかっちりとしたテーラードスーツスタイルに合わせるのであれば、ジャストサイズ(ご自身の普段選ぶサイズ)が適しているでしょうが、上記のような感覚でカジュアル使いやジャケパン、夏場のシャツスタイルに合わせて選ぶのであれば、ワンサイズ上げたサイズ選定がベストと考えられます。
メッシュベルトは他にもこんなメリットが
初メッシュベルトということで、他に大きく印象付けられたことを記すと、やはりメッシュ故に任意の場所で留められるところが非常に便利と感じました。
幅は30mm程度ですが、しっかりとした厚みとボリューム感を感じます。 |
私のような中年メタボ体形は厄介で、空腹時は結構ウエストも細く、パンツサイズも46相当(80~82cm前後)でいいのですが、腹いっぱいご飯を食べた後などは、お腹がたるんでいるせいかウエストサイズがかなり大きくなり、48サイズ程度(84~86cm程度)のパンツがぴったりになったりするんです。
概ね、腹が引っ込んでるときと出っ張っている時では5㎝ほど差が出る感じでしょうか。
さらに厄介なのが、下腹がたるみがちであるが故に高低差が生じ、同じベルト穴を通していても、穿くパンツの股上次第で楽に感じたり苦しく感じたりするのです。
もちろん、マーベルト部分の厚みが薄い春夏素材と、逆に厚い秋冬素材とでもフィット感に誤差は出ますので、オールシーズンカバーするつもりならさらに1~2cm調整しろが欲しいところです。
一般的なメンズベルトは概ね2.5㎝刻みで5穴のデザイン、つまり、中央の穴から―5㎝と+5㎝の範囲をカバーしますが、多くのメーカーは(カットして調整できるタイプのベルトを除き)5㎝刻みでサイズ展開をしています。
何が言いたいかというと、中央の穴に通した時に自分のウエストサイズでちょうど快適なベルトでも無い限り、いつでも快適なベルトは標準的な5穴タイプではなかなか見つからないということです。
しかし、このメッシュタイプのベルトであれば、メッシュの任意の網目にベルトの留め具を通すことができるので、実質1㎝刻みくらいの細かいピッチでウエストサイズを調整できます。
冬場は写真のようなイージーパンツ(ジャブスアルキヴィオのウールメインMassaco M1 A7072U)と合わせるのも良いかも知れません。 |
そのため、その時その時のお腹の状態、パンツのデザイン、素材の厚みを気にすることなく、オールシーズンどんな時も、一本のベルトで快適なフィットが得られるのです。
これは中年男性には非常にありがたいメリットではないでしょうか。
そのメリットに甘えるとメタボが加速しそうな気もしますが、お腹周りが快適でストレスがないと仕事もはかどるので、ビジネスシーンにも持ってこいだと思います。
J&M DAVIDSON bent-0tp-an30-999s インプレッションまとめ
さて今回は名門J&M DAVIDSONの編み込みメッシュベルト bent-0tp-an30-999sについてのインプレッションをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか?
個人的には、もっと早くに買っておけばよかった・・・と言いたいところですが、40代を過ぎてどんどんお腹周りが太って来た今になって手に入れたからこそ、よりその価値と有難味を感じることができ、かつ選んだサイズを長く使えそうに思えるので、今がちょうどイイ購入タイミングだったかな?と思います。
さすがにこれ以上ウエストサイズがあがることは無さそうですし、若干余裕のあるレングスを選んだので、今からさらに腹回りが増えたとしても使い続けられますしねw
耐久性がいか程かは長く使ってみないと分かりませんが、美しいタイムレスなデザインでちょっと大事に使いたくなる逸品です。 |
そういう次第で、今のウエストサイズがMAXだと信じている方は別として、30代、40代の方には、やはり普段使いからワンサイズアップがおススメですかね。
そしてお腹が気になる50代の方にもやはりおススメはワンサイズアップですが、細かいピッチで微調整が出来るメリットも是非体感して欲しいと思います。
いずれにせよ気になるときが買い時。
メッシュベルト未体験の方もそうでない方も、気になる方は是非手に取ってみてください。
評判にたがうことない素晴らしいアイテムなので、長く愛用できると思います。
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