みなさまこんにちは。
先日以下、スモールフィッシングの記事で、15年ぶりに靴箱から発見したUチップについて書いたところです。
オチは残念ながら書いている通り、まんまと騙された感がありますが、それでも紐靴をひさびさに履いてみたらやはり気分がいい。
なんというか、やはり背筋が伸びる感じで姿勢が良くなる気がするんですよね。
それで、ひさびさにグッドイヤーウェルト製法の靴が欲しいなと思い始め、どんなのがいいかなと探しはじめていました。
昨今の輸入革靴事情
長年靴は消耗品、ビジネスツールと割り切ってあまり興味を持たなかったワタクシ、あまり高級靴は買ったことが無いですが、もう残る人生、そんなに頻繁に靴を買い替える機会も無いから、長年使えそうな本格靴、で、お堅いタイプはいくつかもってるのでちょっとカジュアルな紐靴タイプに手を出してみるかなとあれこれ調べてみると、なんと驚き!しばらく見ないうちに、あらゆる靴が物凄く値上がりしてるじゃないですか。
例えばグッドイヤーの代表格、オールデンなど、既に20万円近くしています。
昔は確か5万円台後半くらいで買えたはずなのに!!と思っていたら、エドワードグリーンもクロケット&ジョーンズもチャーチも、とんでもない値段になってますな。
個人的に好みだしコスパがいいと言われてたチーニーですら10万前後になってるではありませんか。
物価上昇が言われて久しいですが、いくら何でもさすがにこれは値上がりしすぎでしょ。
Berwickとの出会い
ということで、早くも靴選びは頓挫しかけましたが、靴をいろいろ調べていたせいか、アフィリエイト広告にいろんな靴が出てくるようになりました。
そんな中、ふと目にとまったのが、Berwick(バーウィック)というメーカーのサイト。
今まさに欲しいと思ってた好みのタイプの靴が、ベーシックなラインなら3万円台後半と先に調べていた靴たちに比べるとバーゲン価格か?と思えるほどの破格の安値で売ってます。もちろんマッケイもありますが、主力はグッドイヤーみたいです。
コードバン製グッドイヤーの靴でもアンダー8万円という価格設定は、あらゆる靴が高くなってるこのご時世、インポートモノとしてはかなりお安いのでは?
名前がちょっとパンツのBerwich(ベルウィッチ)と紛らわしいけど、近年ちょくちょく耳にするメーカー名ではあるので、気になって調べてみました。
なんでもBerwickは、スペインのメーカーで、高品質な革素材を使って手ごろな価格の靴を提供することで知られており、グッドイヤー製法中心に自社生産でハイコスパなアイテムを多種リリースしており、日本でも近年人気になっているとか。
似たような立ち位置では、ジャランスリワヤ(Jalan Sriwijaya)なんかも、ハンドソーンウェルテッド製法の靴をリーズナブルに提供していますが、私的にはデザイン面で断然Berwickの方が好みのタイプが多いということで、俄然Berwickに興味が沸いてきました。
Berwick 5560というUチップシューズ
中でも、5560というUチップに一目惚れ。
外羽根式でやや高さのある顔立ちに拝みモカ縫い、なおかつセンターシームが無く、金属製アイレットに太目の靴紐、もちろんグッドイヤーウェルテッド製法ながらコバの張り出しは中庸で、ソールはダイナイトと、まさに探していたイメージそのまんまの、今の気分の理想形を体現したような靴です。
これはもう辛抱たまらんと、試着もせずにネットでポチってしまいました。
ところで、私は典型的なアカン日本人の足型。
甲は高くは無いですが、幅広で偏平足で、しかも外反母趾が酷いです。
なので、普通に考えれば、幅広サイズ展開が豊富で日本人の足型に向いた靴を多く出していて、リーズナブルで、さらに若い頃に履きなれたシューメーカーであるスコッチグレインやリーガルで選ぶのが安パイな気がするのですが、先に書いた5560の見た目にすっかり心奪われてしまって、冷静に考えることができませんでした。
まあ、靴に関してはスーツ同様、ビスポークでもしない限り合うあわないは運的なものもあるので、たまには冒険してみるのもいいかとポチったあとから自分に言い聞かせます。
で、ブツはすぐに届きました。うーん、新品の靴、いいもんですな。
Berwick 5560の印象
パッと見の第一印象は、「国籍不明だな」というもの。
スペイン靴といえば、昔ヤンコの靴を何足か履いていましたが、それともちょっと違って、この初Berwickの5560、英国靴にも見えなくもないし、米国風な感じもする、で、フレンチの雰囲気もあるような気もしてくる。
ロングノーズ過ぎず、適度なボリューム感があり、英国靴がベースのようではあるのですが、ちょっと違う。
まあ、雰囲気は国籍不明な感じなんです。
しかしまあ、その正体不明感もなかなかいい。
今回選んだ5560、用途はお仕事と普段使い用。
しょっちゅう大阪東京間を移動しており、移動の日は結構歩くので、街中の長距離歩行時に疲れにくい靴、かつ、ジャケパンスタイルが多いため、気軽に履けるカジュアルデザインのものをということで購入した次第です。
で、その目的に上述の国籍不明な雰囲気と、ドレッシーではないけどカジュアル過ぎないほど良いカッチリ感が見事にマッチしてくれます。
ダイナイトソールのグッドイヤーということで、ほどほどに重厚感とボリューム感があるため、真夏にはそれが暑苦しく感じられるかもしれません。
しかし、それ以外のシーズンに関しては、幅広い素材やシルエットのパンツに良く似合い、特にジャケットやブルゾンなど上着を羽織るシーズンの靴としては、着回し力も抜群だと思います。
Berwick 5560のディティール
私が購入した5560BCDABKは以下のようなディティールの靴です。
アッパーはしなやかなさと丈夫さを兼ね備える欧州の代表的なレザーで、耐久性もあり主にドレスシューズに使用されるボックスカーフが採用されています。
ソールは英国ハルボロラバー社製の高い強度を誇るダイナイトソール。
ラストはHO255という型番のもので、ワイズはノーマル。
サイズ展開はUK5.0(JP24.0㎝相当)からUK8.5(JP27.5㎝相当)まで0.5刻みで、スペイン製のグッドイヤーウェルテッド製法の靴です。
Berwickは非常に多種のラスト(木型)を用いており、日本国内で展開されている靴だけでも40種以上のラストを使い分けているといいますが、この5560に採用されているHO255というラストは、足の甲周りにゆとりを持たせ、つま先に丸みを持たせ、長さを抑えたフォルムが特徴です。
フォルム以外に5560のディティール面の特長は、靴紐を通すアイレットが金属製であること。
ちょっとミリタリーやアウトドアを感じさせるこのパーツが、なんともいえない絶妙なカジュアル感を添えていますね。
モカシン縫いは拝みモカで、経年劣化で割れてくることも多い部分ですが、2か月使用後の現在でも全く劣化はありません。
センターシームがないスッキリしたトゥ周りのデザインも秀逸だと思います。
フィッティングについて
さて、この5560、かれこれ2か月程度履いてみましたので、以下ではそのインプレを記したいと思います。
まず最初に気になるフィッティングについて。
私の足は日本人の3割が属するといわれるギリシャ型。
人差し指が一番長いタイプです。
普段、コンバースやメレル、パタゴニア、ナイキなどのスニーカーでは、26.5㎝を履いていますが、実際の足長ヌード寸は25.0~25.2㎝。
甲高さは日本人の標準的な6~6.1㎝。かかと幅は6.7~7㎝。
幅は11.3㎝とかなり広めで、さらに外反母趾がかなりひどく、右足は親指付け根が出っ張っています。
本来なら4Eの靴を履くべき足型です。
5560では、日本サイズで25.5㎝で、購入時にタイト目のジャストフィットという感じでした。
特に痛いほど当たる箇所はありませんが、バーウィックの靴は履き始めは革質やつくりが固く感じるので、きついのかと錯覚しがちです。
もちろん、シューホーン(靴ベラ)なしで履くことは無理です。
しかし、買うときはこのくらいのフィッティングの方が間違いなく良いです。
グッドイヤーウェルト製法の靴は、履いているうちにインナーソール、特にかかと付近が沈み込み、フィット感が変わるとともに、革がなじんでくることで、フィット感が緩く感じるようになってきます。
大体30回くらい履くと、大げさに言えば0.4㎝~0.5㎝分くらいサイズアップする感覚でしょうか。
購入から2か月経過して、履き口こそは購入時からあまりかわらず、シューホーン必須ながら、歩行時のフィットは確実に緩く快適になってきています。
気になる外反母趾による出っ張りも、内側で当たってはいるものの、しっかりしたコンストラクションの靴だからか、柔らかすぎる靴よりもかえって痛みや違和感は感じにくいです。
ということで、外反母趾や甲広型の足の人でも安心してジャストサイズで履けるラストデザインの靴だと感じました。
逆に購入時にあまりゆとりあるフィッティングで買っているとちょっと大きく感じ、前滑りが起きて履いていて疲れるかもしれませんね。
その他履き心地のインプレ
この5560、デザインがドレッシーすぎず、かといってカジュアルすぎないこともあり、普段使いのビジネスカジュアル靴として非常に使い勝手がいいです。
そういうことで、出張用に愛用していますが、歩行性はかなり良い。
出張時には空港やターミナル駅など結構な距離を歩き、だいたい片道5000歩程度、4㎞くらいは歩くものですが、重くてやや硬めのグッドイヤー製法の靴は、かえって足が疲れにくいです。
ソールの返りや購入直後のフィット感、足上げの軽さはマッケイ製法の方が断然良いですが、グッドイヤーは靴の自重で振り子のように慣性力で足が前に前に出ますし、かかとや土踏まずへのショックも小さ目、で、ハリと硬さのあるソールが反発力で次のステップを踏み出してくれる感じで、長距離歩行では断然足裏の疲労感が少ないです。
また、激しめの雨や雪の日にも通勤で使いましたが、製法故にまったく水の侵入もなく快適に歩くことができました。
もちろん、革靴なので水を被った後のアフターケアは必須ですが、天候によらず安心して履けるところもいいですね。
バーウィックの靴自体が他社性のグッドイヤーの靴と比べて特別に履き心地がいいとかいうことは感じませんでしたが、グッドイヤー製法で本格的な素材を使った革靴で、しかも円安のこのご時世に、3万円台中盤でこれだけの実用的な革靴が買えること自体に、価値があると思いました。
Berwick バーウィック Uチップ 5560 ダイナイト ソール のインプレッション まとめ
さて今回は、近年ハイコスパで人気の革靴メーカー、バーウィックの5560というUチップのインプレッションをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか?
特にコロナ禍以降、ビジネススタイルは次第にカジュアル化していき、革靴、特に紐靴は大きく需要を下げたなんて話もありましたが、ひさびさに革の紐靴を履いてみるといいもんですね。
今回取り上げた5560は明らかにカジュアル寄りのディティールの靴ですが、それでもコレを履いて歩くと、明らかに背筋も延びて歩行姿勢もよくなった気がします。
マッケイ製法の靴も魅力はいっぱいありますが、やはり「歩く」という基本性能と、長年愛用できる耐久性、天候に左右されない対候性を考えるなら、特に紐靴を買うなら、絶対グッドイヤーの方がいいなと再認識させられました。
36300円という価格設定は、人によっては高いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、スペイン製グッドイヤー製法の革靴としては実質的に破格値ともいえるくらいの価格設定です。
人それぞれ価値観はあると思いますが、中途半端に1万円台から2万円台前半のセメンテッド製法やマッケイ製法の靴を買ったり、ファッションブランドやアウトレットブランドの靴を買うくらいなら、ちょっと上乗せして絶対コッチを買う方が価値のあるお金の使い方だと思います。
ちなみにバーウィックは基本的にセールなどでディスカウントはしないため、ほぼ定価購入になりますが、フィッティングさえ間違わなければ、長く愛用できる一足になってくれるはずです。
気になる方はぜひ履いてみてください。
ということで、今回のお話はおしまい。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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