みなさまこんにちは。
しばらくルアーインプレを書いていませんが、私は結構普段の釣りで、お気に入りの一軍ルアー以外もいろいろなルアーを釣り場に持っていって、実釣で試したりしています。
今年はなかなかイナッコの生育状況が良くないのか、7月も中旬に差し掛かる今頃になってもまだ群れの中心は50mm程度のハクサイズ。
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マイクロベイトシーズンにベストマッチなバイブレーションルアーがディブル55。 |
冬が産卵期で一年間に20㎝程度にも成長すると言われるボラですが、折り返し地点を過ぎてこのサイズはちょっと小さすぎるんじゃないの?という気もしますね。
まあ、例年、7月後半から急激にサイズが上がる印象なので、今年が小さすぎるという訳でもないのかもしれませんが、そういう状況の6月、7月の釣りでいつもの浜で大活躍してくれているのが、今回ご紹介するルアー、ディブル55Sと55TGの2種類です。
ディブル55S/55TGとは
ディブル55Sと55TGは、パズデザイン のルアーブランドである「リード」からリリースされている小型バイブレーションプラグ。
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リアルな造形に拘りの機能的ディティールが詰まっているルアーです。 |
その基本スペックは、下表のとおりです。
length | 55mm |
weight | 55S=7.0g,、55TG=10.5g |
type | シンキング |
hook | #12 |
ring | #1 |
action | ハイピッチショートバイブ |
range | 50cm以深 |
どんなルアーなのか、メーカーサイトの解説文を引用してみましょう。
フィールドを攻略していく、新たなベイト。
昼夜問わず低活性の魚や、マイクロベイトに偏食したターゲットを釣るために開発されたミノーシェイプのバイブレーション。「ハイピッチタイトウォブリング」&「ハイフラッシングアクション」効果で、偏食したシーバスやスレたシーバスに絶大な効果を発揮します。
(パズデザイン Reed ディブル55S/55TG 製品ページより引用)
もともと小型のバイブレーションは、小さいが故に魚を寄せる能力には欠けるものの、デイゲームやクリアな水質などの条件下でも見切られにくかったり、連投してもスレにくかったりと、いろいろメリットも多いタイプのルアーです。
その中でもこのディブル55は、シーバス用バイブレーションとしては最小に近い部類のボリューム感でありながら、リアルな造形に、水平姿勢を保つレベルフィンなど細かなディティールが秀逸で、なかなか個性的なルアーだと思います。
キャストフィール
私がよく使用するのは、ノーマルウエイトのディブル55S、7.0gの方。
小型のルアーですが、シーバスロッドのMLやMクラスにPEライン1.0号程度のタックルバランスであっても、ストレスの少ない十分実用的な飛距離を出すことができます。
連投していればすぐにわかることですが、このルアーは飛行時の姿勢が良く、回転して飛距離が落ちることがあまりありません。
おそらくはルアーデザイン時に飛行姿勢を最適化するようフォルムも計算されたのだろうなと容易に想像つきますね。
ノーマルウエイトの55Sでも十分な飛距離ですが、タングステンウエイトを搭載した55TGの方はもちろんさらによく飛び、圧巻の飛距離をたたき出してくれます。
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上段55Sに対して、下段の55TGは目の色が赤色になっているため、釣り場でも迷わず区別することができます。 |
身の詰まった感のある小型のボディに10.5gのウエイトなので、そりゃ飛びますよね。
総じて、ディブル55Sも55TGも、キャストフィール面でも飛距離面でも、実釣においては不満を感じることはないでしょう。
レンジとアクション
メーカーの公表スペックによると、このルアーのレンジは0.5m以深とのこと。
確かに、55TGの方は通常のリトリーブスピードではそのくらいの深度を泳ぐかも知れませんが、55Sの方は、もっと浅いレンジを通すことができます。
55Sは特に水深の浅いシャローエリアで表層または中層を攻めやすいルアーで、例えば私が普段ウェーディングで釣りをする水深1m以下の場所であっても、普通にロッドを寝かせた状態でリトリーブしてもほぼボトムにコンタクトすることなく引いて来ることができます。
もちろんこれは、使用するPEラインやリーダーの太さ、潮流が当て潮なのか払い潮なのか、リトリーブスピード、ロッドのレングスと水面からの角度などによって変わってきますが、概ねPE0.8号程度、リーダー16LB以上を使用した一般的なタックルセッティングであれば、55Sの方はラインにかかる水抵抗による揚力である程度浮き上がってくれて、比較的ゆっくり目のリトリーブでも水深1m程度のボトムを擦らずに巻いて来れますね。
一方で、55TGの方は同じ使い方をするとかなりレンジは下がる印象。
そのため、近距離、浅いレンジ、ややゆっくり目に攻める時は55Sを、遠距離、深いレンジ、ハイスピードリトリーブで攻めるときは55TGをといった感じで使い分けると良いと思います。
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旧パッケージではがまかつRB-Mを標準搭載していましたが、近年コストダウンのためか、ST-46風の廉価なフックに変わってしまいました。このフックおそらく#12くらいなのでしょうが、ちょっと小さすぎてバラシが多いです。 |
なお、このルアーのアクションはハイピッチのタイトウォブリング。
特に55Sの方は高い周波数のブザーの鳴動のような微振動で、リトリーブ時の抵抗も抜けることは無く常に一定でしっかりしたものです。
そのため、常に一定の引き重りを感じながらリトリーブするとレンジキープも容易で、この使用感もシャロー攻略に適していると思います。
どんなシーンで有効か
上述の通り、小型バイブレーションは魚を寄せる能力は限られるものの、スレにくく見切られにくいという特徴を持つため、打つ手に困った時の打開策、控え選手としていくつか持っておくと助かることも多いかと思います。
しかしそれだけではなく、このルアーが抜群にハマりメインルアーとなってくれるようなシーズン、シチュエーションも多々あります。
その一つが、5月から7月にかけてのマイクロベイトシーズンの釣り。
春から夏にかけて、まだボラ稚魚がイナッコサイズになる前の状況では、まさにこのディブル55のサイズ感がマッチザベイト。
6月、7月と水温・気温が上がって来る季節になると、ハクの群れがショアラインに沿って出現し、マズメ時にはそれに対してシーバスがボイルするなど、シャロー全体がポイントになるようなシーンがまま見られますが、そのような状況ではこのルアーが爆発的に効きます。
ショアライン沿いということで、比較的近距離かつ浅い場所を攻めることも多いですが、ディブル55Sのボリュームやウエイトはまさにこういう釣りにジャストフィット。
軽量な分、より大型の60mmクラスのABSや鉄板のバイブレーションよりも飛距離は劣りますが、この時期さほど遠投は必要ないですもんね。
シルエットも小さ目であるため日が高いデイであっても見切られにくく、連投してもスレにくいためバイトチャンスが続きます。
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ハクパターンのシーズンでは必然的に小型シーバスが多くなりますが、ディブル55ならこういうサイズの数釣りには最強です。 |
0.8号以上のPEラインを使えばかなり浅いレンジをゆっくり目に見せて誘うことができますし、フックは小さく細いため、魚はバレやすいですが、きわどい攻め方をして仮に根掛かりしてしまってもルアー自体をロストすることはないでしょう。
この時期は必ず複数カラーをボックスに忍ばせておきたい、そんなルアーです。
パズデザイン リード ディブル55S/55TG のインプレッション まとめ
さて今回はパズデザイン リードの小型ABSバイブレーション、ディブル55Sと55TGについてのインプレッションをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか?
個人的には夕マズメのハクパターンの釣りでは超エース級のルアーで、その日の釣果がこればかりという日もあるくらい、信頼しているルアーです。
登場から既に長い時間が経過して、最近は取り立ててあまり話題にならないルアーかと思いますが、実際に使用してみるといまだに実釣能力はエース級。
やはり釣れるなと再認識したので、先日も数年ぶりに何色か追加してしまった次第です。
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おススメのカラーは写真の基本色に加えて、銀粉系カラーとマットチャート、チャートキャンディあたりでしょうか。その日の水質に合わせて選べるよう複数色持参がおススメです。 |
各社とも60mmクラスのバイブレーションは多数リリースしていますが、それらより一回り小さいこのディブル55に関しては、意外と似たようなサイズ、ボリューム感のルアーは多くは無く、マリアのスライス55、マドネスのシリテンバイブ53、それと最近、2023年にリリースされたエバーグリーンのマービー50あたりでしょうか。
シリテンバイブはディブル55と似たアクションですがシリコン製でちょっと異なりますし、スライスとマービーはどちらかというとロール寄りのアクションなので、コレもまたアクションの質は異なります。
そういう意味で、純粋に競合するルアーは意外になさそう。
この手の微振動ウォブリングのアクションはハマれば非常によく釣れるので、初夏シーズンには二つ三つボックスに入れておいても決して損することは無いと思います。
そういう次第で、おススメ度は100点満点中90点!コレは、確実に釣れます。
気になる方は是非一度使ってみてください。
ということで、今回のお話はおしまい。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
2022年以降の釣行記は姉妹サイト「スモールフィッシング」に記しています。
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