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歴代最強1シリーズといえばコレ!最後の直6FRコンパクトハッチ、BMW 1シリーズ M140i(F20)後期型 の インプレッション!

2023年2月18日土曜日

1.インプレ・レビュー 1.クルマ 5.BMW

t f B! P L

みなさまこんにちは。

今回は久々に車記事です。

既に1シリーズがFF車になってしまってから何年もたちますが、そのモデルチェンジ前、F20世代のトップモデルであるM140iに乗る機会がありました。

もう何年も前の話になりますが、今回はこのクルマのインプレッション記事をリライトしてお届けしたいと思います。

BMW M140iとはどんな車?

F20世代のM140iは、BMWボトムエンドである1シリーズのコンパクトな車体に、3リットル直列6気筒ツインスクロールターボエンジンを搭載した1シリーズ最上位、最速モデルです。

搭載されるB58B30A型というエンジンは、なんと340馬力、トルクは51.0㎏mというから、このサイズのコンパクトハッチバックにこんなの積んじゃっていいですか?というくらいパワフル&トルクフル。

主要なスペックは下表のとおりです。

エンジン型式 B58B30A
最高出力 340ps(250kW)/5500rpm
最大トルク 51.0kg・m(500N・m)/1520~4500rpm
種類 直列6気筒DOHCターボ
総排気量 2997cc
過給機 ターボ
燃料供給装置 デジタル・モーター・エレクトロニクス(DME/電子燃料噴射装置)
燃料タンク容量 52リットル
使用燃料 無鉛プレミアムガソリン
JC08モード燃費 13.4km/リットル
ステアリング形式 パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式(前) ダブル・ジョイント・スプリング・ストラット式、コイル・スプリング
サスペンション形式(後) 5リンク式、コイル・スプリング
ブレーキ形式(前) ベンチレーテッドディスク
ブレーキ形式(後) ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ(前) 225/40R18
タイヤサイズ(後) 245/35R18
最小回転半径 5.1m
駆動方式 FR
トランスミッション 8AT

なんと同世代の7シリーズ740iに積まれているエンジンよりもさらにパワーやトルクは上です。びっくりですよね。

xDriveとなった現行F40の世代の1シリーズでは2022年現在、M135i xDriveが最強モデルですが、こちらは2L直4ターボエンジン搭載で、306ps/45.9kgmというスペックであるため、事実上、今回ご紹介するF20世代のM140iが歴代最強の1シリーズということになりますかね。

そのM140iのスペックですが、1シリーズベーシックモデルの118iでは、3気筒136馬力、22.4㎏mなので、それと比べてみれば、気筒数2倍、排気量2倍、パワー2.5倍、トルク2.3倍!

数値だけ見ると、フツーの1シリーズ2台分以上の性能ってことですよねw

ちなみに0⇒100㎞/h加速は4.6秒

私が以前乗っていたF30世代3シリーズのトップモデル、ActiveHybrid3(5.3秒)や、F36世代4シリーズの前期型トップモデル、435iグランクーペ(5.2秒)をも余裕でぶっちぎる数値です。

まあ、このボディにこのエンジンならそれも納得ですが、凄いですよね~。

エクステリア

このM140i、見た目に関してははっきり言って普通の1シリーズと大して変わりありません。

車好きな人が見たら、細かいディティールからタダモノではない車だとわかりそうですが、ぱっと見は正直、「ちょっといじった1シリーズ」ってな感じで、あまりクルマに興味がない人がみたら、ただのコンパクトBMWにしか見えませんね。

なお、この世代、F20の1シリーズは、前期型120i、後期型120i、後期型118d、そしてこの後期型M140iと、いろいろ乗りましたが、目の周りのデザインなどにファニーな印象があった前期型に対して、後期型の方が明らかにシャープでスポーティでカッコいいデザインになっていますね。

以下各写真でエクステリアデザインのディティールを見てみましょう。

1シリーズはこの後期型フロントマスクの方が精悍な感じがして、個人的に好みです。前期型のデザインはちょっとファニーな印象でしたが、後期型に関してはこうやって間近に見ると、結構獰猛な顔つきにも見えます。バンパー左右のエアインテークは縁取りがされて、F36世代4シリーズのMスポのものとデザインに共通性が感じられますね。

タイヤやホイール、青く塗られたブレーキキャリパーを見ると、走りに振った性格のクルマだと気づきますね。ノーマルよりも下げられた車高に、18インチが良く似合っています。

M140iのバッジ。コレが無かったら正直ぱっと見、フツーの1シリーズと違いがわかりません。残念ながら今回は、リア全体の写真を撮るのを忘れてしましましたが、リアスポイラーは左右2本出しです。

サイドからのビュー。個人的にはセダン好きなので、ハッチバック形式は正直好みではありませんが、意外とハッチバック故の野暮ったさは感じさせない流麗なフォルムだと思います。ちなみに、M140iはノーマルより1㎝車高はダウンされているそうです。

インテリア

インテリアも、いたって普通のBMW車といった感じです。

操作系の質感、クリック感などは、他のBMW車同様かなり良いですが、BMW車は基本的にあまり豪華さとか高級感を感じさせるインテリアデザインではなく、どちらかというと実用性、スポーティイメージに振った感じの内装といえますかね。

車として基本に忠実、質実剛健といった感じで、個人的にはクラシカルだという印象を受けました。

しかしコレ、悪いことではありません。旧来のBMWオーナーはもとより、初めてBMW車に乗る人でもきっと違和感なく運転できることでしょう。

コブ付きのハンドルは結構太目。レザー表皮は手に吸い付くような滑らかなタイプで、ステアリングの重みは重すぎず軽すぎず、適度なものだと思います。Mモデルなのでステアリングには当然パドルシフトも装着されていますが、そのクリック感も上質です。チルト&テレスコピックの可動幅も十分で、後述の電動シートと合わせて誰でも好みどんぴしゃのドラポジを取ることができるでしょう。

レザーシートも質感は高いです。サイドサポートが張り出していることで運転中のホールド力は高く、つつみ込むようなフィット感があります。シートバックにも厚みが感じられ、かなり座り心地の良いシートだと感じました。電動の操作性や機能性は同世代の他シリーズのBMWと共通のもので、微調整が効くところと、ハッチバックやセダンでも驚くほど低いポジションに設定できるところが個人的には非常に気に入っています。

レザーのステッチも高級感あります。金属製のドアノブは、1回目の操作でロック解除、2回目の操作でドアオープンするというBMW共通の仕様ですが、合理的で良いと思います。
後席は平べったい印象のシート。まあコンパクトFRなので、ゆとり広々という訳にもいきませんが、特段窮屈さを感じさせることもありません。広さ的には必要充分ではないでしょうか。ただ、座り心地はほどほどに硬い感じで、M140iは結構足回りが締まった車なので、走行中の快適性はどうでしょうね。

ドライブフィール

現行1シリーズは過去に何度も乗っているため、個人的にインテリア、エクステリアに目新しさは感じられず実はあまり興味ありませんが、やはり最大の関心ごとはその「走り」。

まず窓を開けてエンジンを掛けた途端に、その咆哮からやはりこの車はタダモノではない!とわかってしまいます

このサウンド、夜中の住宅街とかでのコールドスタート時にはちょっと困るかな(笑)

ところが窓を閉めていると、意外にも車内は静か。きっとものすごく遮音が行き届いているんでしょう。それはそれですごいことです。

8速ATのシフトノブはこの世代のBMWに共通するタイプ。何気にブーツ部分がレザーになっているところはクラシカルですが非常に好みです。

さていよいよこのマシンの実力を測るべく、走りに出よう・・・と思いきや、実はこの車、まだ慣らし走行も済んでいないピカピカの新車状態だったで、あまりエンジンを回す訳にはいきませんでした。

ということで、山道走行とかスポーツモード切替も一切ナシ。

今回は残念ながら、3000回転以上は回さないで一般道、高速道等を走ることにしました。

しかし、さすがは3リットル直6ターボエンジン、アクセルを軽く踏んだだけで、コンパクトな車体を軽々と前に押しやります

とはいえ、コンフォートモードで運転している限り、あまりグワッと出るタイプではなく、あくまで運転者の意図した通り、踏めば踏んだ分だけ出るといった感じで、意外とジェントルに乗ることができます

暫く町中で乗ってみて、まず感じたのは車体の剛性感の高さ。

120iでも十分なくらいしっかりとした剛性感が感じられましたが、コレは明らかに格上です。

さすがに18インチを履いて足回りも固められているためか、乗り心地は若干硬めではありますが、ファミリーカーとしても充分使える程度の硬さだと思います。

後席は乗りませんでしたので、先代1シリーズでは酷評される向きが多かった後席の乗り心地については結局試せませんでした。

ハンドリングはやはりBMWらしくシュアでクイックな印象。

電動パワステの躾は、たとえわずかでもハンドルを切れば切った分だけリニアに入るという感じで、クイックなのですが大げさな印象は一切ないとてもナチュラルな操作感です。

6気筒エンジンということで、120iに比べて鼻先が重く感じられるかと思いきや、実際に走らせるとそんなことは全くなく、くいくいと気持ちよく曲がりこんでいく回頭性の高さも文句なしに素晴らしい。

アクセルレスポンスも秀逸で、さすがに、N/Aに比べると、わずかにターボのタイムラグがあるかな…という気がしないでもないですが、まあ気のせいでしょう。

フツーに乗ってて気になるレベルではありません。

車高が低いためか120iよりもさらに接地感は増しており、ハンドルに路面のインフォメーションを的確に伝えてくれるあたりも、さすがだと思います。

なお、かなりの距離高速も乗りましたが、軽く踏んでも中間加速はすさまじく、高速道路では、2000回転巡航で、ここで書けないようなスピードに達してしまいました。

コンフォートモードで軽く踏んだだけでこれだけ車速がでるので、スポーツモードで本気で踏み込んだらどうなるんだろうと空恐ろしくなってしまいます。

刺激の度合いで言えば、先述のActiveHybrid3や435iも相手にならないですね。

ちなみに8速ATのシフトチェンジも滑らかかつナチュラル、コンフォートモードでは賢くギア段数を合わせに行ってくれます。

とにかく走っていて終始、「いいクルマだなぁ」と感心させられることばかり。

今回はコンフォートモードオンリーで、いろいろ試せなかったのが若干不完全燃焼気味でしたが、それでもドライブフィールに関しては、一切不満に感じたところがありませんでした。

スポーツモードやスポーツプラスモードも試してみたかったなぁ。

BMW 1シリーズ M140i(F20)の インプレッションまとめ

さて今回はBMW 1シリーズ M140i(F20)の インプレッションをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。

 MAX3000回転縛りがあったので、この車の実力を存分に味わうことはできず、今回は中途半端なインプレになってしまいました。

しかし、ちょっとしたワインディングやのぼり坂でも、M140iのパフォーマンスの高さを垣間見ることができるシーンは多々ありました。

この車、本気を出せばかなりハードコアな走りを見せてくれるはずですが、フツーに町中などで乗っているとそれを感じさせないジェントルさも持ち合わせており、普段使いも十分こなせるスーパーマシンといったところでしょうか。

ぱっと見フツーの1シリーズに見えることもあり、まさに羊の皮を被った狼

総じて、私がこれまで乗ったことのある車の中では、V8のE92 M3とならび、間違いなく3本の指に入るくらいの素晴らしい出来のクルマだと思います。

出来れば慣らしの終わった状態で乗ってみたかった・・・

これだけの高性能車が素の状態なら定価でも600万円程度の車両本体価格。

車好き、運転好きには本当にタマランと思います。

しかし、やっぱりあまり売れないんでしょうね~。

何せ車両本体価格約半分の118iでも日常使いで何ら不満が出ない性能なんですから。

120iですら、あまり売れてないと聞きます。

売れ線の3シリーズでも、M340iなんて、一昔前のスズキのキザシ並みに(そりゃ言い過ぎか?)走ってるところ見ないですよね。

BMW伝統の直列6気筒エンジンももはや絶滅危惧種です。

とはいえ、BMWも伝統にこだわってばかりもいられず、やはり欧州の厳しい排ガス規制をメーカートータルでクリアする為には、小排気量ターボ中心にならざるを得ないのでしょう。

今や1シリーズはおろか、3,4,5シリーズまでもラインナップは4気筒中心で、ごく少数のトップモデルだけが6気筒を積んでいるという状態です。

さらには、この世代のBMW、なんだか昔と違ってオッサンぽい味付けのクルマを作るようになってきたと言われることもしばしば。

しかし、このM140i、そんな時代の流れに逆行するかの如く、ドライブトレーンもシャシーも、古き良き?「BMWらしさ」が濃厚ににじみ出たクルマ。

後継のF40世代のような先進機能や快適装備はありませんが、自分で操る楽しさが存分に味わえるコンパクトボディに、至高のエンジンの組み合わせは、ハッチバックスタイルの実用車としては唯一とも言える、走りの本質を極めたマシンだと思います。

このクルマに乗った当時は、「この車がバンバン売れて、中古車市場にタマ数が増えてくれれば、いつか遠い将来中古で買える日が来ないとも限らない」なんて妄想していましたが、2023年現在、比較的程度の良い個体でも、タマ数自体はすくないものの、車両本体価格300万円台後半くらいで出ているみたいですね。 

釣り道具をたくさん積む必要があって、4シリーズを選んじゃいましたが、このクルマも候補として検討しても良かったかな。 

それはさておき、いまや国産ミドルセダンでも新車は軽く300万、400万する時代。

中古ながらそれと同じ価格で買えるこのM140i、見た目フツーの1シリーズハッチバックながら、倍以上の価格のポルシェ911、ちょっと古いノーマルのクルマ相手なら真っ向勝負を挑めますよ(笑)。

今や型落ちモデルになってしまいましたが、今もって特別な存在感を放ち、刺激的なドライビングエクスペリエンスを提供してくれる素晴らしい車ですので、ご興味ある方は是非検討してみてください。

ということで、今回のお話はおしまい。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

なお、数は少ないですがこのブログおよび姉妹ブログでもBMW車のインプレ記事をいくつか書いています。

宜しければ是非ご覧になってみてください。

2022年以降の釣行記は姉妹サイト「スモールフィッシング」に記しています。

よろしければコチラのサイトもご覧になってみてください。

スモールフィッシングの最新記事はコチラ! 続・スモールフィッシングの最新記事はコチラ!

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大阪府在住。小学生の頃から40年以上、磯波止筏船を中心に様々な釣りをやってきましたが、2010年にウェーダー購入して以来、ほぼ毎週大阪湾奥西宮の海でウェーディングでシーバスを狙いつづけています。2020年からは本格的にメバリングとアジングにも参戦中!子持ち40代のオトーサンアングラーです。ちなみにタックルはシマノ党、車はBMW党。

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