みなさまこんにちは。
今年初頭に、ヤマガブランクスのブルーカレント67TZ/NANO Jighead-Specialを購入しました。
ピカピカの新品ロッドはイイもんですね~。 |
なかなか使用機会がありませんでした、ボートやオカッパリでのメバリングに何回か使用してみましたので、今回はこのロッドのファーストインプレッションを書きたいと思います。
どんなロッド?
ブルーカレント67TZ/NANO Jighead-Special は、2019年にヤマガブランクスからリリースされたライトゲーム用ロッドのフラグシップシリーズ、TZ/NANOシリーズの中でも、特にアジング、メバリングのジグ単(ジグヘッド単体)の釣りに適した最もライトなJighead-Specialというラインナップの中の一機種です。
ブルーカレント67TZ/NANOにステラC2500SXGを装着した様子。わずかにボディが小さいC2000SHGの方が似合いますが、コレも十分使えます。 |
トルザイトリングにナノアロイ採用ブランクスを纏い、チューブラータイプのテイップを備えています。
どういうロッドなのか、ブルーカレントTZ/NANOシリーズの解説文を、ヤマガブランクス のカタログから引用してみましょう。
ブルーカレントTZ/NANOはヤマガブランクスの持つライトゲームロッドのノウハウを詰め込んだフラッグシップモデルです。ブランクに使用したナノアロイ技術採用のカーボンプリプレグ、また軽量かつ新次元の糸抜けを持つトルザイトリングガイドを採用。軽快かつ高感度を研ぎ澄ました使用感、シャープでブレの無いキャストフィール、そして曲がることで発動するパワーの融合を実現しました。
アジ・メバルのジグ単メインで極小プラグも使いこなすJighead-Special、小型メタルジグの使用に特化したJig-Special、流れの中でプラグをメインとしたマルチモデルStream-Special、ロングレングスを生かしたフレキシブルで自在なゲーム展開が可能なFlex、そして「なんでも」ロッドでありながら研ぎ澄ました性能を持ったパワーモデルAll-Rangeと、様々なシチュエーションや魚種を攻略できるラインナップを揃えました。
(2021年ヤマガブランクス カタログより引用)
そのブルーカレントTZ/NANO Jighead-Specialのうち、パワー、レングスとも中間に位置するモデルが、今回購入した67TZ/NANO。
このモデルの解説文も引用してみましょう。
ジグヘッド単体の繊細な攻略において、感度・食い込み・曲がりの設定にこだわり、ブランクを練り上げたモデルです。マイルドな使用感と相反する感度の高さを融合した新感覚に加え、ジグ単モデルとしてブレの少ないシャープなキャストフィールも追求しました。ブランクに使用した東レ㈱の「ナノアロイⓇテクノロジー」技術のカーボン素材により、掛けた後のスムーズな追従性と粘りは、小型のアジ・メバルも存分に楽しめつつ、良型クラスもスムーズなベンドカーブで対応可能です。ターゲットを制御する力と高感度性能が連動していることを実感できる一本です。
(2021年ヤマガブランクス カタログより引用)
私個人は、ブルーカレントTZ/NANOシリーズは、71TZ/NANO、83TZ/NANO、85TZ/NANO、93TZ/NANOを保有しておりお気に入りのシリーズですが、以前以下の記事にも書いた71TZ/NANOが非常に使用感の良いロッドだったため、アジングなどもより楽しめるよう、さらにアンダーパワーで取り回しのいいモデルが欲しい、ということで、67TZ/NANOも購入することになった次第です。
ブルーカレント67TZ/NANOのスペック
このロッドの基本スペックを、下表に記します。
全体的に71TZ/NANOに比べると、ややパワー感が抑えられている印象ですね。
スペック | |
---|---|
全長 | 2020mm |
継数 | 2pcs(逆並継) |
仕舞寸法 | 1035mm |
自重 | 61g |
ガイド | TZチタンフレームKガイド仕様(Fuji) |
適合ルアーウエイト | JH 〜5 / Plug 〜3.5g |
適合ライン | PE 〜0.4 / NY・FC 1〜3lb |
リールシート | VSS16(Fuji) |
適合リール目安 | D:LT1000〜2000 / S:1000〜C2000 |
グリップ長 | a:265mm(リールフット部分)b:330mm(フォアグリップ先端) |
適合ルアー | ジグヘッド、各種軽量リグ、小型プラグ |
推奨ターゲット | アジ・メバル |
推奨フィールド | 港湾部 |
カーボン含有率 | 99.8% |
本体価格 | 37000円(税抜価格) |
JANコード | 4560395517232 |
ブルーカレント67TZ/NANOのインプレッション
購入した時期が真冬だったことがあり、このロッドの使用目的であったアジングにはまだ使えていませんので、本格的な実釣インプレはもっと使い込んでから別の機会に書きたいと思いますが、一応軽量ジグ単、小型ジグ、小型プラグを使って、ボートメバル、オカッパリメバルに何度か使ってみたので、軽くファーストインプレッションを記します。
手にした印象
このロッド、ブルーカレント71TZ/NANOや、以下の記事で書いたワールドシャウラテクニカルエディションS66UL-2/Fを購入する前に、それらとの競合候補として以前からさんざん検討していたので、購入前から何度も釣具店で現物を触らせてもらったことがありました。
そういう次第なので、厳密にいうと第一印象ではないのですが、やはり実物を購入して手に取ってみると、印象は非常に良いロッドでした。
まず、61gというこのロッドの自重は非常に軽く、実際にリールを装着した時のバランスも抜群にいい。
ステラやツインパワーのC2000クラスを装着すると、タックル全体の重心位置はリールフード前端と、かなりリールフットに近い場所にバランス位置がきます。
ちょっと位置がズレたため前傾気味になっていますが、C2500SXGを装着してリールシートのナット部分付近が重心位置になります。C2000でもほぼ同様。 |
そのため、もともと軽量でもあるのですが、持ち重り感や先重り感もありません。
この重心位置の良さは、特にアジングのような軽量ジグヘッドを使用する際の微妙な荷重変化、もたれ感を感じるためにも大変有利だと思います。
振った感じは71TZ/NANOと同様、ヤマガブランクスのロッドらしいしなやかさが前面に出た印象で、ライトゲームロッド、特にアジングロッドに多い「パッツン系」のハリ感とは一線を画すものですが、しなやかさだけではなくその中にもシャッキリとしたハリ感も感じられる、絶妙な仕立てと言えると思います。
また、TZ/NANOシリーズのロッドに共通する特徴である振動の収束が見事で、余計なブレを見せず即座にティップの動きが収束します。
特に軽量ジグヘッドを用いる場合、このブレの収束の速さは飛距離にも関わってくる要素なので、重要ですね。
ここまでは71TZ/NANOの特徴とほぼ同じですが、 ブランクスは71TZ/NANOよりもさらに細身で、振ったときのシャープな感覚はさらに上、たった15cmレングスが違うだけのロッドですが、軽快感は段違いに67TZ/NANOの方が上です。
グリップのVSS16の握りやすさや操作性の良さも71TZ/NANO同様、最高に使い勝手が良い素晴らしいものだと思います。
グリップ長は71TZ/NANOと全く同じ、リールフットまで265mmというやや長めのレングスですが、これは71TZ/NANOのインプレでも書いた通り、シングルハンド、ダブルハンドどちらでもキャストしやすく、大型魚が掛かっても肘下に当てたファイトもしやすく、かつ操作の軽快感や取り回しを全く犠牲にしない絶妙なレングスです。
と、こんな感じで、ブルーカレント67TZ/NANOは手に取って触っただけで良さを感じさせるロッドで、第一印象はもちろん文句なしなのですが、以下では71TZ/NANOのインプレと同様、実釣で感じたことを評価軸ごとにまとめます。
キャストフィール
実際にキャストしてみると、83TZ/NANO、71TZ/NANOよりだいぶ柔らかいロッドであるにもかかわらず、キャストフィールは実にシャープ。ジグヘッドは0.5g程度も使ってみましたが、さすがに飛距離は期待できないものの普通にキャストできます。
0.3g、0.5gといった極軽量ジグヘッドのキャストフィールは、カタログ表記上は差がないですが71TZ/NANOよりもちろん上ですね。
逆に重い方は、カタログの推奨ウエイトを倍以上上回るマリアのブルースコード60やジップベイツのザブラクロストリガー、DUOのマニック75など、7g台後半までのシンペンも問題なくキャストできます。
空気抵抗の少ないシンペンに関しては、ウエイトオーバーでもなんら問題なく使用できますね。
カタログスペック以上のウエイトのルアーでも十分扱える懐の深さがあります。 |
小型プラグやジグヘッドならコンパクトなスイングでシュパっと鋭くキャストでき、非常に軽快感がありますが、キャスト後のティップのブレの収束は71TZ/NANO同様非常に素早く、上下1往復で見事におさまります。
私はPEラインしか使いませんが、0.2号から0.4号まで使ってみていずれも問題なく扱えました。
相性としては0.2号、0.3号あたりがベストなような気がしますが、ガイド径が小さいにもかかわらず0.4号を使用した時にも飛距離面の不満は感じなかったですね。
ちなみに最も径が小さい2番ガイドは、なぜか71TZ/NANOや83TZ/NANOの2番ガイドよりも口径が大きく、ジャングルジムのスキッパーなど、一部のクリップタイプのスナップをそのまま通過させることができます。
少し話が横道にそれましたが、ブルーカレント67TZ/NANO、総じて、キャストフィールは抜群に良く、71TZ/NANOよりもさらにキャストを楽しむことができ、飛距離面も悪くありません。
下は0.5g程度の軽量ジグヘッドのウエイトをしっかり乗せて投げられつつ、上はカタログスペックの2倍以上のウエイトを背負うこともでき、キャスタビリティ、キャストフィールともに文句なしだと思います。
パワーとアクション
ヤマガブランクスのカタログでお馴染みの曲がりシミュレーション画像は以下の通りです。
67TZ/NANOは、62TZ/NANOと71TZ/NANOのちょうど中間くらいのパワー感ですね。
軽負荷で曲げた時には、まずティップから5番ガイド付近までがしなやかに入り込みます。
軽負荷時の曲がり。 |
全体的なアクションとしてはレギュラーアクション。
そこから、徐々に負荷を掛けていくと6番ガイド以降バットセクションまで入り込みますが、71TZ/NANO同様、ここまで負荷を掛けた状態ではリフティングパワーは比較的大きいと思います。
数十グラム程度と、少し負荷を掛けた状態での曲がり。 |
600mlのペットボトルをリフトした時の曲がり。これだけ曲げこんでも全く恐怖心は沸いてきません。 |
もちろん、71TZ/NANOよりは一段落ちるパワー感ですが、フィーリングとしては曲げこむほどにパワーが沸き上がるような感じで、25cm程度のメバルのごぼう抜きなら全く余裕、30cmを超えるチヌもごぼう抜きしましたが、まだまだ余力がある感じでしたね。
こういうタイプのロッドであるため、小アジや小メバルでも問題なく相手できますが、シーバスやチヌなど不意の大物が掛かった時にも安心感を持ってやり取りできるロッドだと思います。
感度と操作性
まだこのロッド、肝心のアジングには使用できていないため、アジングでの実釣インプレは別途使い込んでから書きたいと思いますが、メバリングに使ってみた感じ、やはりこれだけ軽量でショート目のロッドであるため、感度も、またアタリに対する即応性という面でも申し分のないものでした。
先に述べた通り軽量であるだけでなく、リールを装着した際の重心位置も含めて非常にバランスが良いこともあり、アタリをダイレクトに感じ、それにレスポンスできるスピードは、71TZ/NANO以上だと思います。
71TZ/NANOのインプレでも書きましたが、タックルの重心バランスが良いと、天秤の原理でアタリや潮圧に対する感度も良くなるのはいうまでもありませんが、さらに手元に近いショートレングスということもあり、5ft台ロッドなどには敵わないものの、感度面でも操作性の面でも抜群に良い印象。
ブランクスが細いため、風切りなどの面でも71TZ/NANOよりさらによく、このあたりもシャープな使用感に寄与しているのかもしれませんね。
ボートメバリングの時は釣り初心者の息子に使ってもらいましたが、繊細なメバルのアタリを捉えて見事連発していました。
良型メバルの突っ込みも独特のしなやかさでうまくいなせるロッドです。必要以上に魚を暴れさせない躾でありながら、魚の寄りがはやい。 |
熟練者にも初心者にも扱いやすい操作性と感度だと思います。
ブルーカレント67TZ/NANOファーストインプレッションまとめ
今回はブルーカレント67TZ/NANOのファーストインプレッションをお送りしましたが、いかがでしたでしょうか。
71も67も両方持ってて意味あるの?と言われそうですが、ロッドの本質的なキャラクターは似ているものの、やはり両者は使ってみると全く別物。
個人的にはブルーカレント67TZ/NANOはアジング、軽量ジグ単メインの釣り、港湾など水面と足場が近い近距離戦を中心に使用して、71TZ/NANOはメバリングやライトシーバス、オープンエリアや潮流場、足場の高いところメインに使用するといった感じで、それぞれのキャラクターや強みを活かして十分使い分けられるものだと思います。
こんなサイズのチヌも堤防上までごぼう抜きしましたが、まったく問題ありません。安心して使えるロッドだと思います。 |
僅か15cm程度のレングスの差ですが、上記の通り使用感は異なる部分が大きいため、2本持ちしても意外と使い分けに迷うことはないのではないでしょうか。
ライトゲームは「微調整」が非常に重要な釣り。
目の前の状況を感じ取り、その状況に合わせて釣り方やリグを変えていくなど、非常に細かい、狭い範囲での微調整が釣果を左右する世界だと考えていますが、このブルーカレント67TZ/NANOは、そんなアングラーの微調整をサポートしてくれる最高のロッドの一つだと思います。
ヤマガブランクスのライトゲームロッドとしてはフラグシップモデルになりますが、税込定価40700円と比較的お求め安い価格設定なのも魅力の一つ。
上級者の方はもちろん、私のようなライトゲーム初心者の方にこそ是非手にして欲しいロッドですね。
2019年登場なのでまだまだモデルチェンジも先、2021年の今購入しても十分長い間活躍してくれると思います。
チューブラーの汎用的なライトゲームロッドをお探しの方は、是非一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。
その他のブルーカレントTZ/NANOシリーズのインプレ記事も書いています。宜しければご覧になってください。
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