みなさまこんにちは。
2022年はご近所兵庫県の西宮浜でアジが大漁の年でした。
今年、2023年も、数回見に行っただけですが、毎度アジがそこそこ釣れてくれています。
お手軽に釣行できるエリアでアジングができるなんて、嬉しいことですね。
そんなアジング、ジグ単の釣りで、ひさびさに感動するくらい素晴らしいロッドに出会いました。
今回の記事は、リップルフィッシャーのリアルクレセントRC-55のインプレです。 |
今回は、そのロッド、リップルフィッシャーのリアルクレセントRC-55についてのインプレッションをお届けしたいと思います。
リップルフィッシャー リアルクレセントRC-55とは
リアルクレセントは熊本県山鹿市のロッドメーカー、リップルフィッシャーのライトゲームロッドシリーズ。
ヤマガ同様シンプルなロッドケースと紙タグ。しかしケースはヤマガよりスリムで、紙タグもリップルのイメージカラーなのか、ブルーのタグになっています。 |
リップルフィッシャーがどのようなメーカーなのかは、以下記事でご紹介しているので参照ください。
全7機種あるリアルクレセントシリーズのうち、スピニングモデルで最も短く繊細なロッドが、今回ご紹介するRC-55。
どんなロッドなのか、リップルフィッシャーの製品ページから解説を引用してみましょう。
軽量ジグヘッド単体をメインにしたゲームに最適なモデル。全体にキレのあるシャープな調子ですが、ナノアロイ素材採用の特性を生かした高反発なブランクによりキャスト時には曲がりながらスパッと振り抜くことが可能です。またバイトの信号だけでなく、潮の圧を聞き分ける奥の深い高感度性能も大きな力となるでしょう。PE、ナイロン、フロロ、エステルと様々なラインにも対応します。
(リップルフィッシャー リアルクレセント 製品ページより引用)
ターゲットとする魚はアジ、メバル。
適合フィールドは港湾部。
ロッドの仕様としては、トルザイトリングチタンフレームKガイド(Fuji)と、ナノアロイ®技術採用ブランクを採用しています。
このロッドの詳細なスペックは、下表のとおりです。
全長 | 5ft 5in |
仕舞寸法 | 853mm |
自重 | 54g |
セクション | 2pcs / 逆並継 |
適合ルアーウエイト | JH0.2~3g |
適合ライン | Pe0.2~0.4/FC・NY~3lb |
アクション | Regular |
価格(税抜き) | 40,000円 |
JAN CODE | 4580397948216 |
グリップ長 | 275mm(グリップ全長)・193mm(グリップエンドからリールフットまで) |
ブランク先径 | 1.3mm(トップガイド直下) |
ブランク元径 | 6.5mm(元径は竿尻から290mmの釣竿本体の外径) |
リールシート | VSS16(Fuji)アップロック |
グリップエンド | 成形EVA |
手にした印象
RC-75のインプレ記事でも書きましたが、リップルフィッシャーのロッドは一般釣具店はもとより、通販サイトなどでもあまり出回らない上、年間の生産量も少数であるため、非常に入手が困難なものが多く、新製品発売時はもとより平常時でも注文後数か月待ちは結構あたりまえ。
このRC-55は、2018年に新登場したロッドですが、登場後数年経過したタイミングでたまたま店頭在庫があるお店があったため、最後の在庫1本を現物確認もせず、買えるタイミングで買ってしまえ!と通販で注文購入した次第です。
ドキドキしながら届いた荷物をさっそく開封。
新しいロッドの開封はいつも楽しいものです。 |
みなさん既にご存じの通り、リップルフィッシャーはヤマガブランクスにロッド製造を委託していることもあり、ロッド本体はもちろん、ロッドケースや紙タグまでもブルーカレントTZ/NANOなどに付属するものとよく似たものです。
さらに、バット部分や飾り巻きのスレッドカラーは、パット見は黒にしか見えないダークネイビーで、ブランクスはクリアで塗られてこそいるものの、カーボン素材のカラーがそのまま見えるグレー。
写真でうまく伝わらないですが、ブランクスが超絶美しい。 |
ブルーカレントが飾り巻きやロゴにゴールドを配し、ブランクスも黒に塗られていたのと比べると、リアルクレセントの方はより精悍でシャープなイメージで、使用されているパーツこそFujiの汎用品ですが、外観の美しさについては申し分ありません。
所有感を存分に満たしてくれるロッドだと感じました。
逆並み継ぎのピースを繋いで素振りをすると、なかなかハリ感があります。
リアルクレセントのジョイントは逆並み継ぎです。 |
ブルーカレントTZ/NANOシリーズで最短のジグ単に適したモデル、62TZ/NANOも愛用していますが、それと比べてもさらにパワーこそアンダーながら、ハリの強さとシャープさを感じさせるブランクスです。
同じヤマガブランクス製のロッドなのに、リップルフィッシャーのロッドはこういう微妙な躾の違いで商品として差別化を図っているのかも知れませんね。
5ft5inchというレングスはかなりショートな部類だと思いますが、ブランクスのみの素振りであっても、リールを装着しての素振りであっても、思いのまま振ることができ、操作性の良さを期待させます。
総じて、手にした時の第一印象は申し分ないロッドでした。
キャストフィール
リアルクレセントRC-55は、購入後2年に亘って実釣使用してみたので、以下では実釣インプレを書くことにします。
まず気になるキャストフィール。
シャープで元径も細いRC-55は、その短さも相まってコンパクトなフォームで鋭くキャスト可能ですが、5ft5inchという長さにもかかわらず、タラシを長めにとれば比較的飛距離は出てくれます。
ガイドはそこそこ小さ目。バットガイドまでの距離も短めのロッドなので、スプール径は小さい方が抜け感あるキャストが可能でしょう。シマノで言えば1000番スプールがベストマッチですかね。もちろんC2000でも問題なく扱えます。 |
ソリッドティップが多いアジングロッドの中にあって、このロッドはチューブラーなので、キャスト時にブランクスに変曲点などはあらわれず、一般的なレギュラーテーパーのルアーロッドと同様にクセのないキャストフィールであるため、気負わずにキープキャストできますね。
RC-55のカタログスペックでは、適合ルアーウエイトが0.2g~3gとされています。
私はアジングでもメバリングでも、0.2g以下や2g以上のジグヘッドはほとんど利用したことがないため、そのようなウエイト範囲については分かりませんが、少なくとも0.3g~1.5gジグヘッドまでは、全く不満のないキャストフィールで、カタログ表記に偽りはないと思います。
ハリを感じるブランクスはヤマガのTZ/NANOに比べても反発力が強めで、ティップの戻りや収束のスピードも抜群だと思います。キャスト後のブレもなく、一発でティップのブレが収まる感じです。
総じて、キャストフィールは非常に満足のいくものでした。
操作性と感度
その短めのレングスの恩恵か、RC-55の操作性は想像以上に良いです。
アジングではよく潮の動きを訊いたり、ジグヘッドの所在を確認したり、誘いの目的でティップを「チョン・チョン」と動かすことが多いですが、この操作が抜群にやりやすい。
ティップはチューブラーなのでアジングロッドとしては太目に感じるかも知れません。しかし見た目に反して水中のあらゆる情報を鋭敏に伝えてくれる感度も兼ね備えています。 |
感度も同様に抜群で、0.3gジグヘッド+0.2号エステルラインの組み合わせでも、ちゃんと水中のジグヘッドの存在感や、ラインが受ける潮の圧を感じ取る能力を備えています。
いわゆる「もたれ感」についても、このロッドがチューブラーティップであるが故にソリッドティップのロッドとは微妙に異なる感覚ですが、ティップからベリーにかけてやや広い範囲でもたれ感を感じ取れるような塩梅で、この面で優秀とされるソフトソリッドティップのロッドに比べて負けている感じはありません。
ロッドは一般的に短いほど操作性も感度も良く、硬くてハリがあるほど感度が上がるとされていますが、リアルクレセントRC-55はどこかしっとりした使用感を伴いつつも、シャープで潮感度、アタリ感度ともに超優秀だと感じました。
低活性時の豆アジの「コソ」っとワームに触れるだけのアタリはもちろん、コンマ数グラムのジグヘッドでの抜けアタリも余裕で感じ取ることが可能で、レングスが短い分応答速度も上がるため、それらを瞬時に掛けに行くことができます。
極小豆アジもズバズバ掛けていけます。まるで自分が上手になったかと錯覚するくらい、本当に扱いやすいロッドです。 |
自由自在に操作して、潮の動きを感じ取り、アタリに対しては積極的に瞬時に掛けに行けるその使用感はまるで指揮者が振るタクトのよう。
私はアジングは見様見真似で始めた初心者を自認していますが、このリアルクレセントRC-55はまるで自分が上級者になったかのような錯覚を覚えさせてくれるロッドだと思います。
曲がりとパワー
リアルクレセントRC-55の調子はクセのないレギュラーアクションで、ティップの極先端部分に機能性を詰め込んだソリッドティップのロッドとは少し趣が異なり、ロッド全体がナチュラルにしなることでキャスト、ファイトなどをこなす、ブランクス全体が仕事をするタイプのロッドです。
そのため、荷重に対してブランクス全体がスムースに曲がりこむナチュラルなベンドカーブで、あまりトレンドに左右されない汎用的な曲がりを見せ、状況特化型とは異なり適合するシーンも幅広いものになります。
パワー感は、ヤマガブランクスのロッドと比べるとブルーカレント62TZ/NANOよりややアンダーパワーといった感じ。
ただ、ハリ感は明らかにブルカレTZ/NANOより上のため、一見するとパワーも同等クラスに感じてしまいますね。
ヤマガブランクスのロッド同様、比較的しなやかに曲がるため一見パワーがないかのように見えますが、曲がりこんだ時の粘り強さはなかなかのもので、大型のメバルやサバが掛かっても余裕をもってファイトできるでしょう。
どんな釣りに適しているか
リアルクレセントRC-55は、アジングのジグ単であれば比較的シーンを選ばず使える汎用的な仕立てのロッドだと思います。
普段はステラ、ヴァンキッシュと組み合わせて使うことが多いですが、写真のソアレXR 500SPGのような極少リールとの相性も良いです。 |
レングスが短いため、飛距離が出ないイメージを持たれる方も多いかも知れませんが、もともと短いロッドはヘッドスピード自体を上げやすく、かつタラシ長めで回転半径を稼ぐことで十分遠心力を出すことが可能であるため、軽量ジグヘッドをはじめとして絶対的な飛距離は6ft台前半のロッドと比べてそう劣った印象はありません。
また、そのレングス故に、水面下に斜めに入った石畳や、テトラなどのフィールドには向いていないようイメージされる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に使ってみると短尺であることのデメリットはあまり感じられず、寧ろ短尺故に縦にロッドを構えてレンジキープする釣りでは、足場を選ばず非常に安定感があって操作性も高いです。
デイゲームやベイトパターンで多用するような積極的なアクションも加えやすい一方で、極軽量ジグヘッドを使って沈降スピードに合わせてティップをじんわりと持ち上げてくるような、ひたすらレンジをキープするプランクトンパターンにも扱いやすく、静の釣り、動の釣りいずれにも適合性は高いと言えるでしょう。
2年使ってみて、ジグ単アジングをするならこれ以上はないというくらい、理想的なレングスと調子のロッドだと感じました。
ジグ単以外の釣りにははっきり言って向いてなさそうですが、プラグのサイズやウエイトは限定されるものの、アジング・メバリングのプラッギングにも意外とマッチします。
ちょっと以下のようなアジング専用プラグなんかも使ってみましたが、ハリ感があり操作性が高いロッドなので、ダートアクションもつけやすかったです。
もちろん、堤防小場所でのメバリングにもマッチします。
メバルをやるなら、特に厳寒期の堤防際狙いの繊細な釣りになどに向いていますね。
リップルフィッシャー リアルクレセントRC-55 の インプレッションまとめ
さて今回は、リップルフィッシャーのライトゲームロッド、リアルクレセントのRC-55のインプレッションをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか?
ジグ単アジングであればどんなシーンにも適合する汎用性の高いロッドですが、とにかく軽快で感度・操作性が良く、絶妙なハリ感で、まさに腕の延長か?というくらい使っていてしっくりくるロッドで、個人的にはこれまで素晴らしいと感じていたジグ単用ロッド、ヤマガブランクスのブルーカレント62TZ/NANOを大きく突き放してダントツのお気に入り度です。
大げさではなく、欠点や不満が一切見当たらないロッドで、これはもう「神ロッド」と言えるのではないかと思えるくらいです。
ゲストフィッシュのセイゴ。もっと大きいフッコクラスが来ても、丁寧にファイトすれば十分あしらえる芯の強さも兼ね備えたロッドです。 |
登場は2018年と少々古いですが、全く古さを感じさせることは無く、もうこれ以上は望むべくもないという感じ。
次のモデルチェンジがいつなのか分かりませんが、もう進化させる必要もないんじゃない?というくらいで、こんなロッドに出会ったのは久しぶりです。
リップルフィッシャー製品はなかなかに入手困難なところが困りものですが、気になる方は是非探してみてください。
このロッドを買って後悔することはまずないでしょう。
おススメ度は10点満点中10点です。
ということで、今回のお話はおしまい。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
2022年以降の釣行記は姉妹サイト「スモールフィッシング」に記しています。
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