みなさまこんにちは。
2024年時点で、登場から既に3年目となってしまった'22ステラ。
2022年の発売当初はなかなかの争奪戦でしたが、さすがに最近はどこも在庫を豊富に抱えていますよね。
相変わらず店頭価格はお高いですが、市場在庫が十分あることと、おそらくは2024年には新型セルテートが登場することもあってか、ちょっと以前よりは価格が下がってきたような気がします。
私自身は以下記事の通り、これまでライトゲーム用にはC2000SHG、シーバス用にはC3000XGと、2台のステラを愛用していた次第ですが、やはり使っていて非常に安心感、安定感を感じるリールだということで、2023年末から2024年初にかけて、1000SSPG、C2500SXG、4000XGの3台を追加購入してしまいました。
それぞれインプレ記事は別途書きたいと思いますが、今回の話題はこのうち、1000SSPGについて。
新規格となった'22ステラ、'23ヴァンキッシュの1000SSPGに、旧規格S-27の1000番スプールは装着できるのかを、実機で試してみたいと思います。
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新規格で名前は同じでも別物リールとなった1000SSPG
'22ステラになって、1000SSPGはそれまでの'18ステラの同番手とは異なり、ローターとスプールが専用設計になって、新たな規格の番手と生まれ変わりました。
そのため、シマノのスプール互換表(https://fish.shimano.com/ja-JP/support/c/product-related/reel/compatibility_table_spool.html) によると、22ステラ、23ヴァンキッシュの1000番は、S-30という規格のスプールとなり、従来18ステラ、19ヴァンキッシュ時代のS-27互換のスプールとは互換性のないものとされています。
実際のところ、これらのスプールを並べてサイズ比較してみると、S-27のステラタイプのスプールではスプールエッジ部分の外径が40.0mm、スカート部分の外径が40.8mm。
S-27のヴァンキッシュタイプデザインのスプールでもこれは同様で、スプールエッジ部分は40.0mm、スカートの幅広部分の外径が40.8mmとなっています。
これに対して、新規格S-30のスプールでは、スプールエッジ部分の外径は全く同一の40.0mmですが、スプールのスカート部分は39.0mmと、S-27に比べて約1.8mmも絞り込まれたスリムなデザインとなっており、確かにサイズ感は別物といった感じです。
左は'18ステラ1000SSPGのスプール、右は夢屋LWカスタムスプール1000SS。スプールエッジの外径は一緒でも、見た感じサイズ感は右の方がコンパクトです。 |
22ステラ1000SSPGでは、このようにスプール幅が狭くなったのに合わせて、ローターサイズも旧来の1000SSPGより絞りこまれています。
18ステラの1000SSPGは、ローターのサイズは18ステラのC2000Sなどと同じものでしたが、22ステラの1000SSPGでは、22ステラのC2000Sと比べると明らかに一回りコンパクトなローターになっていることが見てわかります。
ローターは巻き心地に大きく影響を与える部分。
このローターのコンパクト化と低めのギア比、35mmと短めのハンドルといったコンポーネント構成によって、22ステラや23ヴァンキッシュの1000SSPGは、C2000S、C2000SHGとは全く別物の巻き感を手に入れていると言えますね。
新規格S-30型1000番スプールの互換性
旧来型の、S-27の1000番スプールは、18ステラや19ヴァンキッシュでは1000SSPGから、C2000S、C2000SHG、C2500S、C2500SXG各サイズのボディと互換性がありました。
このあたり、新規格S-30型の1000番スプールは実際のところどうなのか試してみたところ、22ステラや23ヴァンキッシュのC2000番、C2500番には装着することはできませんでした。
前述の通りスプールのスカート部分の幅が1.8mmも絞り込まれたスリムな形状であるため、22ステラC2000SHG等のローター外壁と明らかにスプールが干渉し、装着すらできない状況です。
ということで、S-30型の1000番スプールは、完全に22ステラ以降の「1000SSPG専用」のスプールだと言えるでしょう。
旧規格S-27型1000番スプールは22ステラ、23ヴァンキッシュの1000SSPGに装着可能か?
では逆に、旧規格の1000番スプールは、新規格の1000番ボディのリールに装着可能なのでしょうか?
結論からいうと、ヴァンキッシュのデザインのものについては「Yes」です。
シマノのスプール互換表では、互換性なしとされていますが、 実際にS-27互換の夢屋18ステラ用カスタムスプール1000番およびS-27互換の夢屋ソアレカラー1000N40のスプールを装着して、アジングやメバリングをやってみましたが、問題なく使用することができました。
新規格の1000SSPGのローターはコンパクト化されたものであるため、ローター内壁とスプール外壁とのクリアランスは非常に狭く、見た目上は接触しそうな危なげな印章を受けますが、実釣で使用しても全く問題なく使用することができ、実質的に互換性はあると言って差し支えないと思います。
実際に22ステラ1000SSPGに、S-27互換の夢屋ステラ1000スプールを装着してメバリングをした様子。ローターとスプールとのクリアランスは極少ですが、実釣では問題ありませんでした。ただし、その後室内で試したところ、ドラグの締め具合などによっては、稀にローターとスプールが干渉することが分かりました。 |
あまりにもクリアランスがギリギリなので、太いラインを使用して大きな負荷を掛けた場合、樹脂製ローターを搭載するヴァンキッシュの方ではローターとスプール面が接触する危険性も懸念されますが、エステルラインや極細PEを使用するライトゲームの世界では、ローターが大きく撓むようなシーンはおそらくないため、実害はないと思われます。
しかし、'18ステラ1000SSPGのスプールや、'19夢屋ステラカスタムスプール1000(ステラデザインのモノ)の場合は、リーリング時にごくまれに、ローター内壁とスプールが干渉して微かな摩擦音を立てることがあります。
一方で、スプールのスカート部分下半分が絞り込まれたデザインとなっている'19ヴァンキッシュ1000SSPGのスプールや、ヴァンキッシュのスプールデザインを採用したソアレカラー、カーディフカラーの夢屋カスタムスプール1000については、全くローターと干渉することがありませんでした。
これは、ヴァンキッシュタイプのデザインのスプールの、スプールスカート下端(狭い方)の幅が、S-30の1000番スプールと同じサイズまで絞り込まれているからだと考えられます。
そのため、旧規格S-27の1000番スプールを、'22ステラに使用したいと思ったら、ヴァンキッシュタイプのスプールデザインのものであれば問題なく利用できると考えればよいでしょう。
22ステラや23ヴァンキッシュの予備スプールを選ぶ際、1000新規格S-30型の互換スプールは非常に高価なので、少しお手頃なS-27型も選択肢に入れられると非常に助かりますね。
夢屋LW1000SSスプール。魅力的なスペックとデザインですが、値段の高さが難点ですね。 |
1000番スプールのメリット・デメリット
私はこれまで1000番サイズのリールを購入したことはありませんでしたが、以下記事のスプールをはじめ、合計6個のS-27互換の1000サイズスプールを愛用していました。
アジングやメバリングのジグ単の釣りでは、6ft以下のショートロッドを使用することが多いですが、そのようなロッドは往々にしてバットガイドとリールとの距離が短く、かつバットガイドも小径のものが多いため、一般的にライトゲームで多用されるC2000サイズのスプールではどうしてもラインがバットガイドを叩く感覚が大きく、リグの抜け感が劣るんですよね。
それに対して、エッジ外径が小さい1000番スプールは、明らかにライン放出がスムース。
スプール径が小さいことで、フェザリングはじめ各種操作もやりやすいというメリットもあります。
一方で、径が小さいため、ラインの巻き癖が付きやすい、比較すると大径スプールよりもラインヨレが溜まりやすいというデメリットはあります。
しかし、6ft以下のロッドと合わせる限り、明らかにメリットがデメリットを上回るため、ジグ単の釣りには最適なスプールサイズだと思います。
まとめ
今回は、22ステラ1000SSPGの実機を使用して、旧規格S-27の1000番スプールが装着できるかを検証してみましたが、いかがでしたでしょうか?
シマノ本家の公式発表では互換性ないとされているものの、ヴァンキッシュタイプのデザインのS-27 1000番スプールであれば、22ステラ1000SSPGに何ら問題なく装着できて、使用することができました。
旧規格のS-27型1000番スプールを愛用されている方にとっては、既存スプール資産を有効活用できるのでかなり朗報ではないかと思います。
上述の通り、特にアジングやメバリングのジグ単の釣りでは何かとメリットの多い1000番スプール、 もちろん専用サイズのS-30型もいいですが、いざという時にC2000、C2500サイズのリールに装着して使用することもできるS-27型1000番の汎用性の高さは、なかなか魅力的だと思います。
気になる方は、是非一度試してみてください。
ということで、今回のお話はおしまい。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
2022年以降の釣行記は姉妹サイト「スモールフィッシング」に記しています。
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