みなさまこんにちは!
先日、数年ぶりにウェーディング装備を一新しました。
ベストは、シマノの新作、サーフトリッパーベストVF-275Wで、ウェーダーは、これまたシマノの新作、ドライシールド+4 ストレッチウェーダーFF-000V。
これがシマノ最高峰のウェーディング装備です。 |
以下記事に書いていた通り、ベストの方は2023年AWシーズンのシマノ新作アパレルで唯一欲しいと考えていたものです。
非常に痛い出費となりましたが、これで名実ともにシマノのフラグシップのウェーディング装備が揃いました。
今回はこのうち、 2023年9月に発売開始されたばかりのサーフトリッパーベストVF-275Wについて、インプレッションをお届けしたいと思います。
シマノ サーフトリッパーベストVF-275Wとは?
シマノのサーフトリッパーベストVF-275Wは、2023年9月に発売されたシマノフローティングベストの最上位モデル。
考えられるすべての装備がオールインワンになったベストです。 |
かつでXEFOブランドからも同名のベストがリリースされていたことがあり、今回のリリースはその改良新型の位置づけですが、旧製品同様、シマノのフローティングベストの中で最も収納力のあるタイプであり、その名の通り広大なサーフなどのエリアを釣り歩くのに必要な収納力と機動性を持ったベストです。
背面収納が充実しているところもサーフトリッパーベストの魅力の一つ。 |
サーフトリッパーベストがどんなベストであるか、シマノ2023AWシーズンのカタログより解説文を引用してみましょう。
サーフスタイルを追求したBOAフィットシステム搭載フラグシップベスト
通気性を考慮した設計でクールダウンしやすい
タックルの荷重を分散するウエストパッドや、バックパックへのスイングアクセスを採用しています
(シマノ
サーフトリッパーベストVF275W 製品ページより引用)
カラーラインナップはなく、ブラック一色展開ですが、一般的にフリーのワンサイズ展開が多いフローティングベストながら、このベストではM、L、XLの3サイズ展開となっており、各人の体形に合わせた最適なサイズチョイスが可能となっています。
各サイズのスペック表は以下の通りです。
サイズ | 裾囲最大(cm) | 商品コード | 定価(税別) |
M | 128 | 877147 | 45000 |
L | 136 | 877154 | 45000 |
XL | 144 | 877161 | 45000 |
浮力は大人用浮力7.5㎏以上のL2レベルで、波止や磯への渡船利用時の着用義務にも対応したアイテムです。
内側には浮力性能表示が。 |
サーフトリッパーベストVF-275Wの特長
このサーフトリッパーベストの特長は、以下の通りです。
抜群の収納力
このベストは、広大なエリアを釣り歩くのに必要十分な収納力を有しています。
具体的には一般サイズのルアーケースが左右で計4枚に、取り外し可能なショルダーポーチをデフォルト装備し、プラスして余裕で10L以上の気室容量を誇る取り外し可能なバックパックを有し、シマノフローティングベストでは最大級の圧倒的な収納力です。
メインポケットは一般的な厚みのルアーケースを片側に2枚収納可能。 |
そのバックパックは両サイドにドリンクホルダーを2個配置しており、駐車場から遠く離れたポイントへ往復する際にも、飲料不足に悩まされることもありません。
バックパックサイドの両側に配されたメッシュ式のドリンクホルダー。 |
独自の背面アクセス機構「スイングアクセス」
大容量の背面バックパックは、ショルダー背面のアタッチメントで吊るされる形となっており、このアタッチメントのナスカンを脱着することで、体の前面にバックパックそのものを持ってくることができる「スイングアクセス」という機構を有しています。
これにより、従来のフローティングベストで大きな課題であった背面収納へのアクセスを劇的に改善。
バックパックは軽量ながら大容量であるため、レインウェア、予備の飲料や食料、予備ルアーケースなども余裕で収納可能で、釣りが非常に快適になることは間違いないでしょう。
偏光レンズや簡易ドリンククーラー、レインウェアなども余裕で収納可能。 |
フラットサーフェースデザイン
フロントポケット前面はPEラインなどが引っかかる要素が全くないフラットなデザイン。
ポケット前面はウェビングベルトなどが無くフラットなデザイン。 |
プライヤーや脱落防止のランヤードは、メインポケット前面のサブポケット内にプライヤーホルダーを内蔵しているため、ここに収納します。
収納式のプライヤーホルダー。小型のノットツールなども入ります。 |
左サイドのみ、モールシステムに対応したウェビングベルトが配されていますが、基本的に前面の表面は可能な限りフラットでシンプルなデザインとなっています。
左サイドには装備拡張用のウェビングベルトとD管が付属。 |
BOAシステムによる抜群のフィッティング
このベストは、フィット調節にBOAシステムを採用しているため、ダイヤルを回すことで簡単に最適なフィッティングを得られるようになっています。
BOAシステムはフラップ内に隠れた形で配置されています。 |
一般的に大容量タイプのベストを着て長時間ウェーディングの釣りをすると、肩への過重負荷が大きいため肩こりや疲労感が大きいものですが、このBOAシステムにより腹から脇にかけて締め上げ適切なフィッティングを得ることで、肩への荷重を分散させ、疲労感を軽減してくれる効果があります。
フィット感を高め疲労感や腰痛を軽減するウエストサポートベルト付属
両サイドのBOAシステムに加えて、このベストは腰部分のサポートベルトも備えています。
幅広でサポート効果の高いウエストサポートベルトが標準装備。 |
これもまた荷重の分散に貢献するとともに、腰を締め上げることで体幹をまっすぐに保ち、疲労や腰痛を和らげる効果があります。
なお、このウエストサポートベルトはベスト内側のベルクロにより容易に取り外しが可能です。
ウエストサポートベルトはベルクロテープで取り外すことも可能です。 |
サーフトリッパーベストVF-275Wディティールと各種機能
シマノのカタログやWebサイトでは、残念ながらこのサーフトリッパーベストのディティールや各種機能について詳細に解説されていません。
そこで、以下では実物の写真を交えて詳しく説明していきましょう。
メインポケット周りのディティール
まず、メインポケットは、片側に一般的なルアーケースサイズと言える40mm厚のVS-3010NDMクラスが2枚ずつ、つまり両側で合計4枚収納することができます。
ケース収納はややタイト目。 |
このポケットの作り、そこそこタイト目で、購入直後は本当に2枚入るのか心配でしたが、何度かルアーケースを出し入れするうちに、だんだん滑らかな使用感になってきました。
どうやら、ポケットのファスナーを開けっ放しでもルアーケースが落下してしまわないよう、フロントポケットはわざと収納時に軽く抵抗が掛かるようなタイト目なつくりになっているようです。
ポケット内でルアーケース同士がぶつかってガタつく音が出ることもなく、慣れれば使いやすいと思います。
メインポケットの前にはフロントポケットがあり、プライヤーやランヤードはこのフロントポケット内に収納する形になります。
フロントポケット内のプライヤーホルダーとD管。 |
フロントポケット前面は完全フラットなサーフェースとなっており、ごちゃごちゃと後付けの装備品を付けたい方からすると不満かも知れませんが、PEライン使用が多い昨今の釣りでは、糸絡みリスクが無く実用的なディティールだと思います。
サイドのディティール
なお、サイドにはBOAシステムの調整ダイアルがありますが、このダイアル自体がカバーの内側に配されており、糸絡みや砂噛みなどのリスクを低減しています。
左サイドにはモール装備を装着できるウェビングベルトが配されており、後付けのポーチやドリンクホルダー、ロッドホルダーなどを追加装着できます。
シマノのドリンクホルダーをウエビングベルトに装着した様子。 |
なお、左サイドには大きな穴が開いていて、最初はこの穴が何なのか分かりませんでしたが、実際に釣り場で使ってみると、この穴にロッドのエンドグリップを挿しこむことで、ロッドホルダーになることに気づきました。
左サイドのホールはロッドホルダー。斜め前方にティップ側を向けてホールドできるため、ルアーチェンジ時や休憩時に非常に便利です。 |
カタログなどでは一切説明されていませんが、これは非常に便利な機能で、重量のあるロッドホルダーなどを後付け装着する必要がなくなるため、装備がスッキリして良いですね。
右側サイドにはウェビングベルトがありませんが、よく見るとボタンで中央を留めることができる深いポケットになっており、フックリリーサーや根掛かり外しなどやや長めのアイテムを収納できるようになっています。
右サイドは深めのポケットになっており、根掛かり外しやフックリムーバーなど長めのメタルツール類を収納するのに便利です。 |
私は以下のフックリリーサーと、根掛かり外しをここに入れて使っていますが、後付けのホルダーなどを用いず、ベスト本体に直接装着できるのは意外と便利です。
ショルダー周りのディティール
ショルダー右側には小物入れに適したサイズのポケットがあります。
後付けポーチなどと違い本体との一体感がある立体ポケットは、見た目の割には収納力があり使い勝手が良いです。 |
見た目は小さいですが、タバコ+ライター+リーダー+小型ハサミ程度のものを同時に収納できるサイズ感で、なかなか便利です。
表面はメスのベルクロが配置されており、ワッペンなどを装着することができます。
このベストは2023年9月初回出荷分限定で、この部分に装着できるNessaのオリジナルワッペンが付属する特典がついていますね。
2023年初回ロット限定で付属するNESSAのワッペン。 |
ショルダー左側にはスマホなどを入れるのに適したやや大き目のポーチが付属します。
大画面スマホにも対応するポーチ。SHIMANOのロゴが前面にあしらわれていますが、つくりは非常にシンプルです。 |
内部はシンプルな一気室の作りですが、前面にメッシュポケットを配されています。
私はこのポーチのメイン気室にスマホを入れて、前面メッシュポケットには予備のEDCライトを装着して使っています。
長さ調整可能なショルダーベルトには大型のDリングが配されているため、スマホやライトの脱落防止用ランヤードはここに装着すると使いやすいでしょう。
スマホ脱落防止用にランヤードを装着する場合、この位置にある大型D管に掛けると良いでしょう。 |
なお、昔のXEFOブランドの大容量ベストでは、ショルダーベルト内にも浮力体が入っていましたが、このベストではそれはなく、軽くクッション性がある薄型の作りになっています。
この浮力体を入れないショルダーベルトの作りの方が肩の動きの妨げにならないため、良いと思います。
背面のディティール
背面は、本体自体にもそこそこ収納力のあるポケットが配されていますが、やはりこのベストの目玉と言えば大型バックパック。
収納力も機能性も抜群のバックパック。 |
スイングアクセス機能により釣りの最中でもバックパックへのアクセスが非常に楽で、軽量なつくりながらかなり大容量であるため、ありとあらゆる携行品を収納することができます。
このバックパックは裏面は完全メッシュ素材で中身を確認しやすくなっています。
バックパック背面はハリのある厚めのオールメッシュ仕様で中身が確認しやすいです。 |
中央部分外側はウエアやタオルなどをホールドしておける調整可能なゴム紐がついており、レインウェアなどを脱いでちょっと掛けておくようなシーンで活躍しそうです。
両サイドには伸縮性メッシュのボトルホルダーが設けられています。
普段私は、釣りをする時はコーヒーとお茶と、2種類のドリンクを持っていくため、従来のベストではドリンクホルダーを複数装着していましたが、最初から本体作り付けで2本分のホルダーがあるのは非常に嬉しいディティール。
長時間の釣りもサポートするよう、標準装備でボトルホルダーが2つあるのは非常に嬉しい。 |
これも、後付け装備品に頼らずに十分な収納を持つこのベストの大きな魅力の一つですね。
ウエストサポートベルトのディティール
ウエストサポートベルトは大型バックルでしっかり留められる作りで、フィット感の調整も容易。
幅広のサポートベルトはシンプルなバックル固定式。余ったベルトを収納できるので、邪魔になることもなくスマートです。 |
裏面は一般的な立体メッシュ素材となっており、通気性は良さそうですが、特にこれといった大きな特徴はありません。
ベルクロによって本体から取り外すこともできるため、荷物か少なくて不要な時などは外して使うこともできます。
サーフトリッパーベストは大容量であるため大きなイメージがありますが、全体的に作りは非常にコンパクトで、ウエストサポートベルトや外付けポーチなどを外すとかなりシンプルでミニマムなスタイルになり、オカッパリやライトゲームなどにも流用できそうですね。
その他のディティール
このベストの浮力体ユニットは開口部のスナップボタンを外すことで取り外し可能なので、浮力体を外して丸洗いなどをすることができます。
見ての通り取り外し可能な浮力体はかなり厚めの作りです。 |
本体下部には排水用のホールが設けられており、ディープウェーディング使用後の排水性なども良さげです。
製品下部にはドレンホールが配されており、雨やディープウェディング時の排水をサポートします。 |
このベストの表面の撥水生地などは、近年のシマノベストに共通する素材のようですが、上記のスナップボタンや排水ホール、裏面の生地など細かな素材やパーツは、2010年頃の初代XEFOのフローティングベストで採用されてたものと同じもののようですね。
左ポケット内側には小さなポケットがあり、脱落防止用コードに結ばれた緊急用のホイッスルが付属しており、十分大きな浮力と合わせて、安全性への配慮も申し分なしです。
緊急時用のホイッスル。小型軽量ですがしっかりと音が出ます。 |
サーフトリッパーベストVF-275Wの実釣インプレッション
早速このベストをウェーディングとオカッパリの釣りで使用してみたので、そのインプレッションを記したいと思います。
着脱性の良さとBOAによるフィッティングの良さが際立つ
まずは、着用時の着脱性ですが、塩噛みなどの心配が少ない各部のバックルやナイロン製ジッパーは軽い引き心地で、ストレスなくさっと着用出来ます。
フル装備ベストながらジャストサイズを着用すると意外とコンパクトです。 |
BOAシステムのダイアル操作も簡単で、直感的に素早く最適なフィットに調整することができますね。
上述の通りショルダーベルトは浮力体は入っておらず薄い作りですが、ベスト全体を体にフィットさせられるため、ショルダーベルトに感じる重みは小さく、長時間使用後も肩こりはありませんでした。
このベストは収納量の大きさに合わせて結構肉厚な浮力体が使われていて、ごわつく着心地ですが、肩や腕など可動域は全く問題が無く、キャストなどの動作もスムースに行えて快適です。
スイングアクセスは文句なしに良い
実際にスイングアクセスも使用して、背面の荷物を取り出してみましたが、従来のフローティングベストでは非常にストレスが溜まったこの動きもこのベストでは非常に楽で、ストレスレスな使用感です。
長年の課題であったベスト背面収納を劇的に改善したスイングアクセス、もうコレ無しのベストは考えられないというくらい気に入っています。 |
これまではウェーディング中に背面収納の荷物を取り出す際、わざわざ陸地にあがったりして取り出し作業をしていましたが、スムースに背面収納にアクセスできるので、ウェーディングしたままでも荷物の取り出し作業ができますね。
荷物取り出し時にベストを脱ぐ必要もないので安全性の面でも良いと思います。
まさに文句なしのすばらしさ、私はもうこの機構なしのベストには興味が持てないというくらい、なくてはならないものだと感じています。
シマノ製以外のベストでもこのスイングアクセス背面収納を可能にする方法を、以下記事に書いていますので、よろしければ是非ご参考にされてください。
必要な装備は作り付けでシンプルながら高機能
また、このベストは、ドリンクホルダーやロッドホルダー、プライヤーホルダーなど必要な機能がデフォルトで本体に作り付けになっているため、後からこれら装備を外付けで増設しなくて良いところもなかなか良いなと感じました。
後付け装備で自分好みにカスタマイズするのは楽しい反面、装備がゴテゴテしたものになり各種ホルダーやランヤードにPEラインが引っかかるトラブルも非常に増えます。
また、それら装備増によるベスト自体の体積増、重量増もバカにできず、着用はもとより釣行後の収納やお手入れなども面倒になってきます。
このサーフトリッパーベストはそのような独自の拡張性を捨てて、すべて作り付けのもので賄える装備となっており、外観上は出っ張りが無く非常にシンプルでスマート。
例えば、ホルダー無しではサイドのD管からぶら下げることが多く、ぶらぶらして結構うっとおしかったりするフィッシュグリップ用には、背面下部に左右どちら側からでもセットできるホルダーが作りつけられていますが、これもなかなか使用感は秀逸。
左右どちらからでもフィッシュグリップを装着できるクリップホルダー。シンプルながらよく考えられた配置とデザインだと思います。 |
こういった各部の機能が、シンプルながら本当によく考えられて作られているなと感じます。
このベストなら、ゴテゴテした装備にならないないため、運搬や着用が億劫になることもなさそうです。
ベンチレーション性能は高めで暑い季節でも着られそう
具体的にどういう仕組みなのかは分かりませんでしたが、このベスト、通気性を考慮した設計となっているらしく、クールダウンしやすいとシマノの説明にもあります。
実際気温32℃、とても暑くて着用が苦しい日差しのデイゲームでも着用してみましたが、確かに他のベストと比べて若干暑苦しさが少ないように感じました。
これは、浮力体どうしのスキマなどを通気性を考慮して設計したということかもしれません。
浮力体は厚めながら着心地面での暑苦しさはほどほどです。 |
仕組みは分らないものの、比較的ベンチレーション性能に優れ、浮力体厚めのタイプのベストの割には暑い時期でも多少着やすい部類かなと思います。
不満に感じた点
さてここまで、もはや欠点なしかと思えるくらいいい印象を抱いてきたサーフトリッパーベストVF-275Wですが、不満に感じた点はないのでしょうか?
正直なところ、ほぼありません。
敢えていうなら、税込で49500円とほぼ5万円に迫る高い定価に不満を感じたくらいでしょうか。
しかし、せっかく実釣でも使った上でインプレッションを書いているので、少しは欠点のようなものも記すべきかと思いますので、重箱の隅をつつくような話ですが、少なからず気になった点を挙げたいと思います。
メインポケットがタイト
やはりメインポケットがややタイト目で、ルアーチェンジ時のボックスの出し入れはお世辞にもスムースとは言えません。
その分、ケースの落下防止にもなっていますし、ケース同士がぶつかってカタカタとノイズを立てないので良い、足元の視界を極力妨げないというメリットもあるのですが、隙間が無いがゆえに、例えば私がこれまでのベストで行ってきたように、ルアーから外したフックカバーをメインポケットにポイと放り込んでおくような使い方はできません。
もう少しポケットにゆとりがあっても良かったのかなと思います。
付属のショルダーポーチが顔に触れる
おそらくはショルダー周りの作りからこうなっているのだと思いますが、ショルダーの付属のポーチがキャストなどの動作中にたまに頬にあたります。
もうちょっと低めのポジションに装着できるか、または外側にオフセットされていれば良かったのでしょうが、まあ気になるといえば気になるところです。
拡張用のウエビングベルトは左右両方に欲しかった
「サイドのディティール」の項で述べた通り、このベストはトラブルレス性を追求してか、余計なものはつけない発想のベストのようです。
そのためか、モールシステム装備などを装着できるウエビングベルトは左サイドに2穴分のみ。
サイドにはBOAシステムも内蔵しており、右サイドはポケットにするため、デザイン上の制約もあったのかも知れませんが、できればサイドには片側に2個くらいモール装備を増設できるよう、4穴分くらいの幅のウエビングベルトを装着してほしかったなと思います。
まあ、ドリンクホルダーもロッドホルダーもデフォルトで装備されているので、後付けでモノを付けるとしたらせいぜいポーチ程度かとは思いますので、そう考えると今の仕様のままで何ら不足はないような気もしますね。
他のフローティングベストと比べてどうなのか?
私がこれまで愛用していたベストは、以下記事にあるリトルプレゼンツのPF-07オーシャンFGベスト。
左右合計4枚収納可能で取り外し可能なウエストサポートベルトが付属した大容量タイプというところは同じで、さらにこのベストに関しては、複数のクイックアジャスターで両サイドを締め上げることができるため、非常に荷重分散効果に優れて疲労が少ないという意味でも、サーフトリッパーベストとよく似た特徴です。
製品特徴としては似ているこのベスト、今後サブとして愛用するつもりですが、やはり両者を比べるとサーフトリッパーベストの方が優れていると思える点もいくつか。
最大の違いは、やはり背面アクセスのしやすさ。
やはりスイングアクセスの快適性は段違いで、脱がないと背面にアクセスできなかったオーシャンベストよりはるかに優れていると言えるでしょう。
もう一つ、サーフトリッパーベストの方は各種ホルダーがデフォルトで装備されているところも大きな優位点です。
この手の大容量ベストは、もともと重量が重ためのものが多いため、いろいろと後付けのギアで拡張すると、更に重量と嵩が増してしまい、重量が増し動きにくさも増えてしまうため、せっかくの疲労軽減効果が台無しになってしまいます。
その点、サーフトリッパーベストは拡張性こそ少ないものの、標準装備のホルダーやポケットがあるため、後付け拡張が不要なところは大きな強みだと思います。
オーシャンベストはこれまで、背面収納の致命的な欠点を除くと機能性では最高のベストだと感じていましたが、そのような他のフローティングベストと比べてもサーフトリッパーベストはより優れていると言えそうですね。
シマノ サーフトリッパーベスト VF-275W のインプレッションまとめ
さて今回はシマノから2023年秋に新発売となったフラグシップ・フローティングベストであるサーフトリッパーベスト VF-275Wについてのインプレッションをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。
読み返すと結構長文インプレになってしまいましたが、それはこのベストに語るべき素晴らしい特徴や機能性があふれているからに他なりません。
これまで長年続けてきたシーバスフィッシングで、さまざまなメーカーのベストを使用してきましたが、このサーフトリッパーベストくらい高額なベストを購入したのは初めてです。
しかし、下手すると一般的なフローティングベストの倍近く高いその価格にもかかわらず、購入後の満足度や使用感の良さが一番高かったのも、やはりこのベスト。
気になる点が皆無だったとは言いませんが、大きく不満に感じるところはなく、価格の高さを完全に忘れさせてくれるくらいの素晴らしい機能性を有したベストです。
まあ、定価が高いとはいえ、私は以下記事の通り、発売前当時の最安値で買えたので、それも良かったですね。
このベストは当記事中に記載した通り、広いエリアでの移動を伴う長時間の釣りで必要な荷物をオールインワンですべて収納できる収容力の高さに加えて、それら持ち物すべてに容易にアクセスできる利便性の高さも有し、さらに適切なフィッティングにより疲労感も軽減できる作りと、およそこの手のフローティングベストにユーザーが求める機能性を、いずれも高いレベルで有したベストは、他にはなかなかないと思います。
またこのベストを手にしてから日は浅いですが、万が一コレをなくしたりしたら、私は間違いなく同じものをもう一度購入すると断言できます。
本当にそれくらい、素晴らしいベストで、これぞまさにシマノが考えるフローティングベストの究極系だと言えるでしょう。
もし、フローティングベストの新調をお考えの方がいらしたら、断然おススメしたいベストです。
気になる方は、是非手に取ってみてください。
なお、BOAシステムによる適切なフィッティングによる疲労軽減効果を得るためには、絶対にジャストサイズを選ぶことをおススメします。
大きすぎるサイズを選んでしまうと、十分なフィット感が得られず、せっかくのBOAのメリットである荷重の分散効果を享受できなくなるからです。
ということで、今回のお話はおしまい。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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