みなさまこんにちは。
ここ数年、個人的にアジングやメバリングのようなライトゲームもやり始めたので、長年続けてきた毎週末のシーバス釣行も、最近は釣行頻度が激下がり。
昔は休日のたびにフル装備でウェーディングばかりしていましたが、最近は短時間でほどほどに楽しめればいいかなという考えで、あまりがっつり釣りをする機会もなくなってきました。
私がシーバスで通ういつもの浜は、多少の地形変化はあれど何十年も前から遠浅のサーフで、岸近くの水深変化が非常に少なく、かつ湾最奥部にあるため波や流れもほとんどない穏やかなエリア。そういう場所故に、沖に出れば断然有利とかいうわけでもないので、普段の釣りのほとんどは波打ち際に軽く立ちこんだり、前に出ても膝下程度の軽い浸かりになります。
近年は完全オカッパリでやる機会も増えてきました。
そういうお手軽な釣りシーンでは、重量級のフローティングベスト+チェストハイウェーダーの組み合わせよりも、バッグスタイル+ヒップorウエストハイウェーダーの方がはるかに楽ちん。
釣行前後の準備・片付けも楽だし、釣りの後の疲労感もぜんぜん違います。
そういう次第で、近年はいろんな種類の釣り用バッグを試していましたが、2022年、リバレイから、上記のようなシーンにもマッチしそうな新しいコンセプトのタックルキャリー製品、RBBサーフサポーター 7607がリリースされたので、早速購入してしばらく使ってみました。
今回はそのインプレッションをお届けしたいと思います。
RBB サーフサポーター 7607とは
RBBサーフサポーター 7607は、「リバレイ」の呼称で有名な、釣り用のウエアやギア、救命胴衣などの企画・製造・販売を行う株式会社双進のソルトウォーターブランドRBBから2022年にリリースされた、収納力と機動力を兼ね備えたサーフ用ベルト。
どんな製品なのか、リバレイの製品サイトから引用してみましょう。
収納力と機動力を兼ね揃えたサーフ用ベルト
ベルト本体にはルアーケース、プライヤーが収納可能なポケットが2個付属。
ゲームベストとの組合せを想定しファスナーは前面側に設置。付属のテープを取り外し、RBBエアーライフポーチの取り付けが可能。
夏場の暑い時期にはサーフサポートベルト+自動膨張式ライフジャケットの組合せで軽装で快適な釣行が可能。
品番7607
(リバレイフィッシングギア 製品サイトより引用)
カラーラインナップは、ブラック、グレー、ネイビーの3色、素材はポリエステル100%、サイズ展開は、ウエスト最大120cmまで対応可能なフリーサイズのワンサイズ展開となっており、税込定価は6600円です。
RBBサーフサポーターの製品紹介動画は次の通りです。
手にした印象とディティール
このRBBサーフサポーター、手にした第一印象は、「軽いなぁ」というもの。
耐久性がありそうですが比較的薄手のポリエステル素材で、見た目よりもずっと軽量なアイテムです。 |
結構太目のサポーターベルトに、VS-3020NDMサイズのケースが2枚収納可能と、一般的な大容量ライフジャケットのポケット同等のポーチが左右についており、さらにそのポーチにはプライヤーホルダーや小物ポケットもついているので、これ単品でも収納力はなかなかのものなのですが、作りはとても軽量だと思います。
以下では、このRBBサーフサポーターのディティールを、写真つきで説明したいと思います。
右側のポーチにはプライヤーホルダーとサイドポケットがついています。メッシュ状の外側の袋に、プライヤーに装着したランヤードを収納することで、糸がらみなどのトラブルを防ぐ効果がありますね。リバレイのフローティングベストのメインポケットと同じつくりになっていて、使い勝手も良いと思います。ファスナーの引手はグローブなどをしていても操作しやすいループタイプになっています。 |
左側ポーチは、外側にベルクロで開閉する大容量のフラップポケットがついています。大型スマホなど、厚みは無いけどサイズがあるものを収納するのにとても便利で使い勝手が良いです。下部はメッシュ状になっており、雨天時などの排水性も良い作りになっています。写真にある通り、ポーチの脇にはやや大型のD管が装着されており、フィッシュグリップや各種装備をぶら下げることが可能になっています。 |
右側ポーチのサイドポケットはリーダーやスナップ類、ラインカッターなどの小物を収納するのにちょうど良いサイズ感。なお、ルアーケースを収納するメイン気室のファスナーは引き心地も軽い樹脂製で、塩噛みなどにも耐性がありそうです。体の前方に向けては大きく開く構造になっていて、ライフジャケットと組み合わせて使う場合でもポーチ前方からルアーケースを取り出しやすいよう配慮されていますね。 |
ポーチをずらした様子。この写真から解る通り、サーフサポーターはサポーターベルトに対して、ウエストベルトを単に通しただけのシンプルな構造になっているため、このウエストベルト部分をポーチタイプのライフジャケットに差し替えるだけで、ライフジャケット一体型とすることが可能です。もちろん、各種ポーチやドリンクホルダーなども比較的自由なレイアウトで装着することが可能です。 |
ベルトを通しているループ。本体内側のループはバックル留めになっています。このバックル部分は、ポーチの裏に隠れるようになっています。またそのバックルの左上に見えるベルクロ(メス)は、ポーチ裏面に取り付けられたベルクロ(オス)と接合することで、ポーチが不用意にズレない仕組みとなっています。外側ループに配置されたD管は小物をぶら下げたりランヤードのエンドをカラビナで留めたりするのに便利です。 |
本体右側のやや大き目のD管。右利きの人はフィッシュグリップはここにぶら下げると操作性が良いと思います。個人的要望ですが、D管は使用頻度、使用目的とも多いため、背面部分にあと1,2個多く設置して欲しかったです。 |
左右ポーチにはマチ幅を調整できる機構もついています。まあ、薄手であまりゴワつく素材でも無いため、無くても特に困らないとは思いますが。 |
本体裏面は総メッシュ張りで、幅広のサポーターでも湿気がこもりにくいです。ただ、ポチ背面のループは結構幅広でメッシュ部分を覆ってしまっているので、この部分は摩擦力も低く、通気性もイマイチかもしれませんね。 |
実釣での使用インプレ
実釣で数か月間、サーフエリアのオカッパリと、干潟のライトなウェーディングの釣りで、このサーフサポーターを使用してみましたので、そのインプレを以下に記したいと思います。
なお、このサーフサポーター、メーカーが考えるコンセプトとしては、一般的なフローティングベストと組み合わせて収納力をアップさせる使い方と、単体で使用する使い方の2種類を想定しているアイテムですが、例えば駐車場から釣り場までが非常に遠く、一度釣り場に出ると延々海岸線を釣り歩くような外洋サーフの釣りでは前者の使い方もするのでしょうが、私の通う場所ではそのような使い方をする必要性は薄いため、実釣で使ったのはほぼ後者の使い方の方です。
収納力と拡張性は抜群
まず、収納力に関しては、左右でVS-3020NDM相当のケースを合計4枚携行できるので、これ単体でも、各社の大型ウエストバッグやショルダーバッグ、ヒップバックと同じくらいの収納力があるといえますね。
例えばシマノのバッグ類だと、「Mサイズ」と表記のある釣り用バッグ類が、概ね上記のケースを4枚収納可能なタイプになるので、それらと同等クラスの収納力だと思っていただければよいかと思います。
当然当該製品はサポートベルトタイプのアイテムであるため、当然一般的なフローティングベストにあるような背面気室やショルダー部分のポーチなどはありませんが、ベストとの収納力の差はその程度で、メインの気室容量という意味では、通常のシーバスフィッシングなどで使うには十分だと思います。
当然、実際の釣りでは、小物を入れるためのポーチや、飲料を携行するためのドリンクホルダーなども必要になってきますが、このサーフサポーターベルトは中央に通るナイロンベルトにそれらポーチ類を好きなレイアウトで装着できるので、拡張性も十分にあると言えるでしょう。
そういう装備を拡張していった際、装備の重量増に伴って腰に掛かる負担も大きくなりますが、幅広のサポートベルトのおかげで、体感上の負担はかなり軽減されると思います。
上半身がフリーだと釣りが楽になる!
もう一つ、このサーフサポーターを単体で使っていて感じるのは、フローティングベストと異なり上半身が完全にフリーになることから得られる快適さ。
前面に動きを妨げる要素が全くないため、キャスト、リトリーブ、アクション、魚とのファイトなど、釣りで行う様々な動作がいずれもノーストレスで行えることはもちろん、重量が肩に掛かって来ないため、肩こりや疲労感とも無縁の快適な釣りが可能になります。
もちろん陸上、水上とわず、移動なども楽ちんなので、釣り歩くオカッパリの釣りとも相性がいいと思います。
前面に大きく収納部が張り出したフローティングベストタイプと違って、足元の視界もしっかり確保されるので、歩行の際の安全面ではこちらの方が優位性がありそうですね。
ちなみに、ベストとは異なりルアーケースなどはサイドに配されたポーチに収納する形になりますが、慣れればルアーチェンジなども素早く快適に行うことが可能になります。
釣行シーンに合わせてライジャケと組み合わせることも可能!
もし、防波堤での釣りに使う場合など、ライフジャケットを装着せねばならない場合は、サーフサポーターの中央に通るメインのベルトをポーチ型のライフジャケットに差し替えるだけで、ライフジャケット一体型のベルトとすることも出来ます。
例えばBLUESTORMのレールシステムを採用したようなライフジャケットでは、浮力体の拡張時の妨げになりかねないため、組み合わせることはできないと思いますが、そういう例外を除けば、リバレイ以外のメーカーのものでも、ベルト幅さえ合っていればメーカーを選ばず装着することが可能です。
ポーチタイプ限定になってはしまいますが、釣りのシーンに合わせてライジャケ有無を簡単に切り替えられる、そして好みのライジャケを装着できるというのは素晴らしいですね。
使い勝手面では気になるところも
フィッシングベルトにいろいろ装備品を装着するというコンセプト自体は目新しいものではありませんが、これだけ大容量の収納部を持ち、幅広でサポート力のあるベルトと組み合わせたこのサーフサポーターは、やはり今までの製品には無かった特徴を持った新しいジャンルのアイテムだと思います。
しかし、実際にしばらく使っていると、こまごまと気になる点や、不満に思える点が出てくるのも事実です。
以下では、それらサーフサポーターの欠点や要改良点だと思える点について記したいと思います。
フィット感は悪くないが、結構使用中にズレてくる
サーフサポーター本体はとても幅広で腰回りにしっかりフィットしてくれて、摩擦力も期待できる総裏メッシュ仕上げなのですが、実際にウェーダーの上からこれを装着すると、使用中に装備品の重さから結構ズレてきます。
上に掲載した写真でもわかる通り、ポーチ背面のループがかなり幅広であり、摩擦力のあるメッシュ部分をかなりの面積覆ってしまっていることもズレやすい理由の一つかもしれませんが、もともとウェーダー本体で採用されているナイロン素材との間では当然摩擦力はあまり発揮されないからでしょう。
さらに、このサーフサポーターは、ベルト長を手軽に変えられるタイプではないため、あらかじめウエストにフィットするサイズに調整した上で装着せねばならないところも若干イマイチ。
せめて片側だけでも、リバレイやリトルプレゼンツ、シマノの一部のフローティングベストで採用されているような、装着後もクイック調整が可能なタイプであれば、もっと使い勝手は良かったのになと、少し残念に感じました。
このズレやすさは、当然装着する装備品の重さが重ければ重いほど起こりやすくなるので、リバレイの解説動画で言われているように、フローティングベストの重量をコレに分散させることで肩への負担を減らすような効果を期待しようと思ったら、かなりタイト目のフィットになるよう、ベルト長をあらかじめ調整しておかねばならないでしょう。
当製品を単品で、かつサイドのポーチに満タンのルアーケースを4個入れて快適に使いたいというなら、絶対にサスペンダーなどを使うべきだと思いますが、サスペンダーを装着できるループなどもないので、ちょっと残念ですね。
拡張性は高いが、あまり拡張することを考慮していない
もう一つ残念に思えるのが、拡張性が微妙なところ。
両サイドのポーチ部分以外の場所には、容易に各種ホルダーやポーチ類を増設することが可能で、その点は評価できるのですが、不満なのはベルトをサポーターに沿わせるためのバックル式のベルトループ間の距離が長すぎること。
これは、より幅広いタイプ・サイズのライフジャケット(ポーチ型救命具)を装着できるよう考慮されてこの仕様になっているのかもしれませんが、このベルトループ間の距離が長いため、各種装備をこの間の区間にぶら下げた場合、どうしても背面中央はウエストベルトが重みで下に垂れるような形になってしまいます。
ここは、左右のベルトループの間隔をもう少し狭くして欲しかったところです。
また、ベルトループに採用されているバックルも、そこまで強度を要するパーツではないため、もう少し小型で嵩張らないタイプを採用して欲しかったと思います。
左右のポーチが、ほぼ位置固定というのも、若干イマイチに思えました。
たとえばプライヤーホルダーは右側ポーチにデフォルトで配置されているため、この製品に後付けのプライヤーホルダーをつけたいという人は少ないでしょう。
しかし、昨今ではソルトルアーの世界では、フックリリーサーも以前よりかなりメジャーなアイテムになっているため、フックリリーサーホルダーを装着したいという人は結構いるのではないかと思います。
当然使用頻度が高く、利き手でぱっと取り出して使いたいアイテムなので、私だと右側ポーチよりも前にフックリリーサーは配置したいのですが、ポーチを固定するためのベルクロの位置がサポーターの前よりで固定されていて、さらにその遊び幅もほぼ無いため、ポーチより前位置にフックリリーサーホルダーを増設すると非常に収まりが悪くなってしまいます。
この部分の不満は結構大きいですね。
あと、フィッシュグリップホルダーを兼ねたD管も含めて、D管の数が左右で4個しかないところも若干残念に思えました。
以下のようなアイテムでD管はいくらでもウエストベルトに増設可能なのですが、先述の通りベルトの背面部分にいろいろ増設すると、重みでベルトがダレてくる感があるので、本体に縫い付けられたD管が最低あと2個ほどあれば良かったのになと思いました。
オカッパリのかがんだ姿勢ではそこまで使い勝手は良くない
私の通う浜では、オカッパリのサーフでのナイトゲームではさまざまな理由からしゃがんで姿勢を低くした状態でリトリーブすることが多いのですが、そのような姿勢における使用感は若干よくありません。
もともと立った姿勢での釣りを前提としているのかもしれませんが、このサーフサポーターは上下方法が結構幅広で、かつ先述の通り、結構ウエストベルトをタイト目にフィットさせないとズレやすいこともあり、結果的に着用したまましゃがんだ姿勢で釣りをすると、お腹周りが必要以上に締め付けられて非常にストレスを感じます。
まあ、一般的にウェーダー製品でもしゃがんだ姿勢で使いやすいものは少ないため、欠点だとか製品としてダメだとかいう訳ではありませんが、そういう姿勢で釣りをするシーンにも適用できるよう、やはりウエストベルトは調整がしやすいタイプであった方が良かったかなと思います。
RBBサーフサポーター 7607 のインプレッションまとめ
さて今回は、2022年に登場したリバレイの新アイテム、RBBサーフサポーター7607についてのインプレッションをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。
後半は不満に感じた点ばかりを書いてしまいましたが、決して使い勝手が悪い製品だというわけではなく、私のように単品使用目的でオカッパリやライトなウェーディングで使用する上では、もう少しこういう点を改良して欲しいなと感じた点を列挙した次第です。
この製品が今後も定番化して販売され続けるかどうかは市場の評価次第で、3、4年してから結果が分ることだと思いますが、無事市場に受け入れられ、モデルチェンジする機会があれば、是非上で書いたような点はその際に改良して欲しいところだと思います。
今回はちょっと辛口インプレになってしまいましたが、フローティングベストと組み合わせての使用を想定している方や、単品使用でも必要以上に装備を拡張したいと考えない人にとっては、おそらく全く不満のない、素晴らしい製品だと思います。
発売直後から数か月間は、品切れ状態が続いていましたが、現在は各カラーとも市場に普通に流通しているようですので、気になる方は、是非手に取ってみてください。
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