みなさまこんにちは。
今年2025年始に、ひさびさにローファーを新調しました。
購入したのは、スペインのBerwick1707というメーカーの、4545BCDAというモデル。
今回は、このローファーの8か月履いてみてのインプレッションをお届けしたいと思います。
Berwick1707(バーウィック)とは?
バーウィック1707はスペインのアルマンサのシューメーカー。
1707と書いてあるので、1707年創業か?とも思えるブランドネーミングですが、これは英国王位継承戦争に由来したもので、創業は2000年と結構最近です。
グッドイヤーウェルテッド製法の靴を中心に商品展開していますが、高品質な皮革を使い、堅牢なつくりながら工程の自動化など非常にコストダウン努力をしており、製品価格が比較的抑えめであることが大きな特徴のメーカーで、近年人気が急上昇してましたね。
日本国内では、赤坂、丸の内、大阪淀屋橋、福岡に直営店があり、通販ではZOZOTOWNと楽天Fashionに直営ショップを展開しています。
その他百貨店などでは、大丸札幌店、藤崎本店(宮城)、エディフィス丸の内(東京)、名古屋栄三越、イセタンメンズルクアイーレ(大阪)、大丸神戸、西宮阪急(兵庫)、博多阪急、小倉井筒屋本店(福岡)などで取り扱っています。
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Berwick 4545BCDABKとは
そんなバーウィックの4545というモデルは、ごくオーソドックスなヨーロピアンスタイルのペニーローファーの型番。
製法はグッドイヤーウェルテッドですが、この製法独特のコバの張り出しは抑えめで、甲ベルトのデザインもステッチも非常にシンプル。
トゥは一昔前のとがった感じはないエッグトゥ寄りのフォルムですが、GH.BASSのようなアメリカ的なボリューム感はなく、どちらかというとそのシャープなフォルムはイタリアやイギリスのスリムなローファーの雰囲気を醸し出しています。
見た目的には、マッケイ製法のシューズだといわれてもわからないくらいですね。
なお、ソールは英国ハルボロラバー社製の高強度ダイナイトソール。
ボタン状のグリップがしっかりと地面を捉え、雨の日などでも耐滑性に優れており、グッドイヤーというもともと雨に強い製法も相まって、非常に対候性に優れたソールだといえるでしょう。
このローファー、ディティール面を見ていくと特徴として、トゥにセンターシームがなく、モカ縫いはトゥに比較的距離が近く、甲幅は細目かつ高めで、決してロングノーズではありませんが、全体的に均整の取れたスマートな印象ですっきりしたデザインといえるでしょう。
バーウィックではいくつかのモデルでは日本人の足型を考慮した日本市場向けの「ジャパンラスト」も展開していますが、この4545はそのようなモデルではなく、欧米人向けのHO184というラスト(木型)を採用しています。
Berwick 4545 長期使用インプレッション
購入時に以下の記事でも書いていた通り、このラストが若干自分の足型に合っていないかな~?というのが、購入当初の感想でした。
しかし、グッドイヤーウェルト製法の靴は、少なくとも20~30回くらい履きこんでからでないと本来のフィッティングは分かりにくいモノ。
というのも、本格的にこの製法を採用した靴は、インナーソールとアウターソールの間に伝統的に練りコルクの層が設けられており、履きこんでいくうちにその層が足型に合わせて沈み込んでいくのです。
もちろん、通常の革靴、セメントやマッケイ製法のものでも、革自体が足に馴染んで伸びる、しなやかになるというのもありますが、それ以上にこのソールの沈み込みがフィッティングに大きく影響してきます。
それ故に、グッドイヤーウェルテッド製法の靴は、適切なフィットがなかなか難しい。
購入時にきついなぁと感じていても、1か月程度履きこむと徐々に本来のフィットが得られるのです。
ということで、しばらくの間は足が痛くてたまらない修業期間でしたが、2か月ほど掛かってようやくこの靴本来の姿が見えてきました。
私の足型は以下の通り、多くの日本人の足型に、更にべた足、偏平足+幅広+外反母趾と、革靴を履くには若干苦しいタイプ。
で、2か月以上履きならした4545、結果的に以下のことが分かりました。
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バーウィックの靴は、英国表記サイズが小さ目(靴がやや大き目)
今回購入した4545は、店頭で7、6.5、6のサイズを試し履きしましたが、グッドイヤーの特徴である「履きならしてから適正フィットが得られる」を考慮して、キツキツですが6サイズを購入しました。
しかし結果的に、履きならした後は購入時よりハーフサイズアップしたくらいの感覚で、もし6.5サイズを選んでいたら、かかとがパカパカと歩くたびに脱げていたことでしょう。
通常英国6サイズ表記は、日本サイズでは24.5㎝に相当しますが、私の足実寸は25.3㎝。
モデルによるのかもしれませんが、バーウィックのサイズ表記は実サイズよりも数字が小さめに表現されている、つまりやや大きめだといえると思います。
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4545の木型はやはり欧米人向けで多くの日本人には合わない
履きならしてからの4545、やはり気になるのは、長さはちょうどよく甲の高さはフィットしているものの、幅が狭くて甲の前部が苦しいことと、かかと部分のフィット感が悪いこと。
明らかに感じることは、かかと部分のつくりが完全に欧米人の足型向けで日本人型の足には合わないということですかね。
デザイン性優先で選んでしまいましたが、特にローファーに関してはかかとのフィット感が悪いと脱げがちになるため、できればジャパンラストのアイテムを選んだ方が良いかと思いました。
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ダイナイトソール+硬めコンストラクションは超絶歩きやすい
上記の通りフィット感が悪いと言いながら、4545は歩行性は超絶良いです。
ダイナイトソールは履き始めの1か月、2か月程度は革底に比べてソールの返りが悪く足裏の動きへの追従性はいまいちですが、履きならした後の歩きやすさは絶品です。
雨などで劣化が進行する革底に比べて対候性も高くて天気を気にせず履けるところ、また重量感はあるものの慣性力で足が前に前にと出てくれる独特な歩行感覚は、一度慣れてしまうともうマッケイやセメントには戻れません。
私は出張が多いため、伊丹ー羽田間を中心に移動日は結構な距離を歩きますが、硬めコンストラクションでしっかり足の形を保持してくれるこの靴なら、長距離歩行時も足の疲労感が断然少ないですね。
もちろん、歩行性の高さや疲労感の少なさはローファーではなく紐靴の方が圧倒的に有利ですが、それでも足で稼ぐといわれた昔の営業マンの多くがグッドイヤー製法の靴を勧める理由がよく分かったように感じます。
Berwick4545 インプレッションまとめ
さて今回はBerwick1707 のカーフ素材のローファー、4545BCDAについてのインプレッションをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか?
結論として、このローファー、グッドイヤーの耐久性を持ちながら、まるでマッケイ製法のような流麗なデザインを併せ持ち、かつ歩きやすさと疲労感の少なさもあるという、なかなか秀逸なローファーです。
しかし、「フィット感」に関しては、私同様、おそらく多くの日本人の足型には合わないのではないか?と思われます。
やはりヒールカップのフィット感が苦しいのと、甲が高め、かつ幅細目ということで、フィット感はデザイン性とのトレードオフの関係にあるのかもしれません。
もし私が同じ予算でバーウィックのローファーを買いなおすとしたら、おそらく次は日本人向けのラストで4545とデザイン性も近い、5260BCDAを選ぶことでしょう。
こちらは4545と同じ素材、カラー展開、製法、ソール、価格でありながら、ラストはHO262という日本人向けのローファー専用のジャパンラストを採用しており、ヒールカップがよりシャープで脱げにくいデザインとなっていますので、多くの方にはこちらの方がよりフィットすると思います。
最後は4545のインプレッションというより5260の商品紹介みたいになってしまいましたが、 グッドイヤー製法+ダイナイトソールの堅牢性と歩行性、そしてデザイン性を兼ね備えたローファーをお探しの方、5260をぜひ検討されてみてはどうでしょうか。
ちなみに、よりフィット感や歩行性にこだわるなら、やはりローファーではなく紐靴がおススメです。
Berwickのシューズでは以下のUチップのタイプもインプレを書いているので、よろしければご覧になってみてください。
ということで、今回のお話はおしまい。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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